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令和 2年 9月  決算特別委員会−10月02日-01号

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  1. 大田区議会 2020-10-02
    令和 2年 9月  決算特別委員会−10月02日-01号


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    令和 2年 9月  決算特別委員会−10月02日-01号令和 2年 9月  決算特別委員会 令和2年10月2日                午後1時00分開会 ○海老澤 委員長 ただいまから、決算特別委員会を開会いたします。  まず、本職から申し上げます。感染症拡大防止の観点から、傍聴人が激しくせき込むなどの症状が見られた場合、委員長の判断により傍聴人には退場をお願いする場合がございます。あらかじめご了承を願います。  昨日に引き続き、第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算の審査を行います。  質疑に入る前に理事者の皆様に申し上げます。質疑時間には答弁も含まれますので、簡潔な答弁をお願いいたします。また、答弁の際には、その都度、自己の職名をはっきり滑舌よくお伝えいただきますよう、よろしくお願いいたします。  第9款教育費の審査に入ります。この款には、自民、公明、共産、令和、エール、フォーラム、フェア民から通知がありますので、順次これを許します。  それでは、自民、質疑願います。 ◆松原〔秀〕 委員 自由民主党大田区民連合の松原でございます。  特別活動について質問いたします。今般のコロナ禍は、学校教育に甚大な影響を与えました。子どもたちの生命の安全を第一に考え、長期にわたった臨時休業は、子どもたちが友達と関わり合い、一緒に活動する機会の減少を招きました。友達と話したり、遊んだりすることができず、心にストレスを抱えた子どもも少なからずいると伺っております。  また、臨時休業は学習の遅れを招きました。各校の教職員は、子どもたちの学びを保障するために、学校行事の精選や縮小を行ったり、土曜授業を増やしたりするなど、工夫して教育課程を再編成し、授業時間の確保に努めていると聞いております。  一方で、学校行事は運動会や学芸会の縮小や中止、そして移動教室や修学旅行の全校一斉の中止など、多大な影響を与えました。  コロナ感染者は、大田区でも毎日のように陽性者が出ており、学校は出席停止となっている児童・生徒に対し、学習プリントの配布やタブレットの貸与、学習ポータルの活用など、学習の保障を行っているそうです。  また、教育委員会では、1人1台のタブレットの貸与等、ICT環境の整備等を進めるとともに、オンライン学習等の対応に向けてモデル校を指定して研究を行うなど、学習が途切れないよう努めていると聞いております。  しかし、学校教育は単に授業を進めて知識だけを教える場ではありません。児童・生徒は、同じ時間と空間を共有して、群れて遊んだり、話し合ったり、協同で一つのものをつくり上げたりするなど、お互いに交流し合うことも子どもたち一人ひとりが心身ともに大きく成長するためにとても大切なことだと思います。  そのような体験をすることで、知育・徳育・体育のバランスの取れた育成ができるのだと思います。そのためには友達との人間関係を築き、他学年の子どもたちや地域社会と関わり交流する、様々な活動に取り組む特別活動も大変重要なものであると思います。  今般のコロナ禍臨時休業で学んだことの一つに、児童・生徒と教師が学校に集まって一緒に活動することがいかに大切なことなのか、身をもって体験し、感じたことであると私は思います。学校は単なる箱物ではありません。泣いたり笑ったりしながら、共通の思い出と心の交流を形成する貴重な人生修練の場であり、社会性と自立性をかん養する重要な集団教育の場でもあります。このことは、各校の学校だよりの中でも、異口同音に指摘されていました。  コロナ禍において、子どもたちの生命の安心・安全を確保することは一番重要なことであり、感染症対策を徹底するために、特別活動通常どおりに行えないこと。そして修学旅行や移動教室が中止になったことは、やむを得ないと思います。しかし、各校がそれに代わる思い出づくりに知恵を絞り、工夫、考案していることも伺っております。それを補う活動の一つに、三密を避けながら特別活動における活動があるのではないかと考えます。
     秋成委員や三沢委員からも同じ趣旨の質問がありましたが、視点を変えて質問いたしますので、ご答弁のほどよろしくお願いいたします。  まず第一に、学級や学校は、そこで生活している子どもたちにとっては最も身近な現実社会であり、日々多様な人々との生活をともにつくりながら過ごしている集団生活の空間となっています。  学級や学校での生活を改善し、子どもたちにとってはよりよい生活をつくっていくために、特別活動における話し合い活動や実践活動を通じて、その具現化を図っていると聞いております。  そこで、お伺いします。このような活動を行っている特別活動の目標と意義について、ご説明をお願いいたします。 ◎岩ア 指導課長 特別活動は、学級や学校における集団活動を通して、多様な人間関係の築き方や集団の発展に寄与すること、よりよい自分を追求することなどを実践的に学びます。それが、学校生活を送る上での基盤となる力や、社会で生きて働く力を育むことにつながります。  新たな学習指導要領には、「集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ、様々な集団活動に自主的、実践的に取り組み、互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して、必要な資質・能力を育成することを目指す」と目標が示されています。  ここに示されている資質・能力とは、第一に、「多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し、行動の仕方を身につけるようにする」。第二に、「集団や自己の生活、人間関係の課題を見いだし、解決するために話し合い、合意形成を図ったり、意思決定したりすることができるようにする」。第三に、「自主的、実践的な集団活動を通して身につけたことを生かして、集団や社会における生活及び人間関係をよりよく形成するとともに、自己の生き方についての考えを深め、自己実現を図ろうとする態度を養う」です。  この3点を育成し、よりよい人間関係の形成、よりよい集団生活の構築や社会への参画、自己実現を目指します。 ◆松原〔秀〕 委員 ただいまの特別活動の目標や意義のご説明の中で、人間関係形成、そして社会参画、自己実現の視点を踏まえていること、よく分かりました。  そこで、学級や学校における集団活動を通して、多様な人間関係の築き方や集団の発展に寄与すること、よりよい自分を追求することなど実践的に学ぶ特別活動は、どのような活動で構成され、学校では具体的にどのような活動を行っているのか、お伺いいたします。 ◎岩ア 指導課長 特別活動は、小学校は学級活動児童会活動クラブ活動学校行事。中学校は学級活動生徒会活動学校行事で構成されています。  学級活動は、例えば、学級でミニ運動会を行うために必要なルールを決めるときに、学級会で話し合いを行います。自分にとっても、みんなにとってもよいものを考え、合意形成し、協力して実践します。  児童会・生徒会活動では、代表委員会生徒会活動委員会活動などを通して、学級・学年の異なる子どもたち同士で協力し、活動の計画や運営に主体的に取り組みます。「この学校をよくするために何ができるか」などを子どもたちが主体的に意見を出し合い、役割を分担し実践します。  小学校のクラブ活動では、主に4年生以上の同好の児童で組織します。どの学年の子どもも楽しめるように、子どもたち自らがクラブ活動を工夫し、運営することで、豊かな人間性や社会性を育成します。  学校行事は、全校または学年の子どもたちが協力し、よりよい学校生活を築くための体験的な活動を行うことを通して、集団への所属感や連帯感を深めるなどの活動です。  例えば、中学校の合唱コンクールでは、どのように練習するかを学級で話し合いながら合意形成し、ともに練習しながら合唱をつくり上げ、学級の連帯感を高めています。 ◆松原〔秀〕 委員 詳しいご説明、どうもありがとうございました。  各学校では、新型コロナウイルス感染症によって、教育課程の再編成が求められています。学校行事の中止など、教育活動に大きな影響が出ていると思いますが、特別活動においてはどんな影響があるのか、お尋ねいたします。 ◎岩ア 指導課長 臨時休業の影響や感染症対策の徹底を図る必要があることから、他の教育活動と同様に、特別活動にも多大な影響が出ており、学校行事も含め、全ての活動を通常どおりに実施することは困難な状況です。  しかし、各学校は、特別活動の意義やその重要性について認識しており、各校の教職員が感染症対策学校行事などの活動の両立を図るために、工夫して実践しております。  例えば、区内の中学校では、生徒同士が密集したり、接触したりする活動は行わず、徒競走や学級対抗の全員リレーのような競争種目のみとしました。  一方で、学級ごとに旗をつくって応援時に使うなど、より子どもたちが主体的に考え、活動する場面を多くすることで、学級への所属感や連帯感が深まるような工夫をしていました。運動会終了後は、どの生徒も、行事をやり切った充実感のある表情をしていました。  ほかにも、学芸会や合唱コンクールを学年ごとの入替え制にし、保護者の参加人数を制限して、密集しないように実施するよう計画を立てている学校もあります。  このように、各校がコロナ禍においても、学校行事をはじめ特別活動における活動を工夫して実施し、特別活動において、よりよい人間関係の形成、よりよい集団生活の構築や自己実現を図っています。 ◆松原〔秀〕 委員 このようなコロナ禍においても、各校の教職員が知恵を絞って、学校行事をはじめ特別活動を工夫して行っていることは、子どもたちが、今、この同じ時間を共有している仲間とともに様々な経験を重ねながら連帯感を深め、成長していき、集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築くことにつながってまいります。そして、子ども自身も、その自分自身の在り方や生き方にも深く関わってまいります。  特別教育活動の様々な活動を通して、将来、社会の中でどのように生きていけばよいのか、また、国家及び社会の形成者としてどうあればよいのかを考える力も身につけてほしいと思います。  そのためには、コロナ禍においても、特別活動のさらなる充実が大切だと考えています。三密を避けながら特別活動を実施し、実践的な活動を行ってほしいと考えますが、教育委員会のご見解をお聞きいたします。 ◎岩ア 指導課長 委員お話しのとおり、学校行事をはじめ特別活動は、仲間との連帯感を深め、集団や社会の一員として、よりよい生活や人間関係を築くことにつながります。  教育委員会としましても、特別活動は、よりよい人間関係を形成する上でも効果的であると認識しております。  一方で、子どもたちの生命の安全・安心のために、新型コロナウイルス感染症対策を徹底することも重要であると考えております。そのため、教育委員会では、各校に具体的な活動場面ごと感染症予防対策や、学校行事の実施条件などを示したガイドラインを通知しました。児童・生徒の接触、密集、近距離での活動、向かい合っての発声について、可能なものは避け、必要な配慮をして実施することや、学校行事における当日までの練習、保護者の参観についてなどの条件を示し、学校行事が開催できるようにしております。  今後も、このガイドラインに基づき感染症対策を行いながら、特別活動における意義や目標を踏まえ、学校行事をはじめとした各活動において、各校で子どもたちが主体的に考え、活動する場面を多くするなど創意工夫しながら実施するよう、教育委員会としましても支援してまいります。  そして、特別活動子どもたち一人ひとり学校生活の思い出となるよう、コロナ禍においても特別活動の充実を図ってまいります。 ◆松原〔秀〕 委員 ガイドラインに従いまして、その中で充実した特別活動をよろしくお願いいたします。  先日発行されました「おおたの教育」第145号には、感染症に負けないおおたの教育活動として、萩中小学校萩中対話タイムや、新宿小学校の体育の授業や、馬込中学校の動画を活用した委員会活動紹介などが掲載されていました。このように創意工夫を凝らした特別活動を展開して、児童・生徒の思い出づくりをさらに図ってもらうよう要望いたします。  最後に、コロナ禍の困難な状況の中で、教育委員会や現場の先生方が、子どもたちの生命と生徒たちの未来を守るために献身的に奮闘されていることに、心から感謝を申し上げ、質問を終わります。 ◆鈴木 委員 鈴木でございます。よろしくお願いします。  いよいよ款別質疑も大詰めを迎えてまいりましたが、私のほうからは、教育費で学校の施設に関して幾つかお伺いをいたします。  総務費の款で、私、これからの政策というのは、しばらくの間はコロナ対策とは切っても切り離せない、どうしてもコロナを意識しなくてはいけないと申し上げましたが、今回この教育に関してもそうなのですが、やはり世界的に定めている目標、SDGs、こちらもいろいろな政策、これからの政策に関わってくることで、全般において、SDGsもしっかりと各方面で意識をしていかなくてはならないと考えておりまして、SDGsと教育環境エネルギー負荷に関して、今回はお伺いをいたします。  学校の特に体育館とかが、ただの体育施設ではなくて、東日本大震災や毎年来る風水害等々がある中で、学校が教育現場だけではなく、災害拠点としての役割も非常にここ数年濃くなってきた。そうした中で、学校における空調の設備が、体育館の空調という中ではなく、災害拠点としての空調設備ということで大きく方針を転換して、今、順次その拡充が進められていっております。それでも消費電力等は、さらにすごい膨大な消費量になっているかと思います。  そして一方、教育現場に目を向けますと、今、タブレットが1人1台の時代で、GIGAスクール構想について、私、この春の予算特別委員会でも質問しましたけれども、GIGAスクール構想が拡充していく中で、このタブレットが1人1台の時代、そして高速大容量の通信をさらに充実をさせていっている。タブレット1台を見れば、そんなに消費電力はないように思いますけれども、それが1人1台となると膨大な消費電力量となりまして、今、教育現場、学校現場でも、エネルギーというのが非常に問題になっているという報道を耳にしました。  そうした中で、今後施設を、学校単体として改築していくのか、複合化して改築をしていくのかにかかわらず、このエネルギー政策というものはしっかりと意識をしていかなくてはいけないと考えております。  今回の決算特別委員会の中で、本庁舎の長期修繕計画に関しても触れておられましたけれども、それと同時に、区が掲げているファシリティマネジメントで、その辺もしっかりと整合性を取りながら、今後の教育環境の整備を進めていかなくてはならないと考えておりますが、SDGsによる持続可能な開発目標を掲げる中で、教育におけるエネルギー対策や質の高い教育など、今、教育委員会としてはどのように捉えているのか、この辺からまず見解をお聞きします。 ◎荒井 教育総務部副参事〔施設調整担当〕 学校では、体育館等の空調設置やICTの推進などで施設のエネルギーの需要は高まり、CO2排出量の増加など環境負荷が増えていると認識しております。また、災害時など地域拠点として不特定多数の人が利用する施設へと変化してきております。  ファシリティマネジメントにおいてSDGsに対応するには、大きくくくると環境負荷を少なくすること、教育環境を充実すること、誰もが安心・安全に利用しやすい施設づくりを進めることに注視して、取り組みを強化していくことが重要と考えております。  この考え方は、長期修繕計画を推進していく中でも生かしてまいります。 ◆鈴木 委員 私が子どもの頃や学生時代は、エネルギーに対しての意識というと、省エネぐらいの単語しか頭になくて、つけたら小まめに消しましょうと、そのぐらいの意識だったのですけれども、様々に教育を取り巻く環境が変化している中で、そうした環境全般に子どもたちも目を向けていかなくてはならないと考えています。  今ご答弁いただいたように、不特定多数の方が出入りする施設については、誰もが安心・安全で過ごしやすい環境を整える一方で、それと相反するようにエネルギー負荷がかかっていく、そのことをしっかりと意識していかなくてはならないと思っております。  施設づくり環境負荷が増していくことが同時に進行していくと考えられますが、今後の教育委員会の対策とご見解をお聞きいたします。 ◎荒井 教育総務部副参事〔施設調整担当〕 ファシリティマネジメントを進めていく上で、できる限りの省エネルギー機器を採用することや、太陽光などの再生エネルギーの機器設置などの対策を講じてまいります。  また、特別区の清掃工場が発電する電気を使用するなど、循環型社会づくりを通して、CO2削減に努めてまいります。  可能な限り環境負荷の少ないエネルギーを使用すること、いわゆる入り口対策と、環境負荷を抑えた機器へと更新していくこと、出口対策を併せて講じてまいります。  また、改築設計においては、直射日光の軽減や自然換気や自然採光を可能な限り採用するなどの工夫を行ってまいります。また、なるべく土のグラウンドを採用することや、緑化の推進によりヒートアイランド現象の抑制など、建築物の計画上の配慮も行ってまいります。  今後とも、様々な角度からの対応を重ねて環境負荷を少なくすることと、教育環境の充実及び誰もが安心・安全に使いやすい施設づくりとの両立を図ってまいります。 ◆鈴木 委員 やはり先ほども申し上げましたけれども、児童・生徒たちが、どのような環境の中で自分たちが学んでいくのか、そうした環境はどのように支えられているのかというのは、しっかりと子どもたち、児童・生徒にも意識をしてもらいたいと思っております。  児童・生徒たちに学校のエネルギー対策エネルギー消費をしっかりと認識していっていただくのと同時に、さきに触れたSDGsと併せて、教育委員会の見解をお聞きいたします。 ◎早川 教育総務部副参事 中学校学習指導要領、理科には、エネルギー資源の有効な利用が大切であることを認識することと示されております。これらの内容に基づき、ユネスコスクールに加盟し、SDGsの達成に向けて重点的に取り組んでいる大森第六中学校の2年生では、理科において、自校が月ごとに消費している電力量を把握し、自分たちの家庭の消費電力と比較して、理解を深める学習を行っております。  今後とも、これらの実践を広く周知し、自分たちに身近な学校で消費されているエネルギーについて学ぶ学習を広めてまいります。 ◆鈴木 委員 先ほども申し上げましたけれども、児童・生徒たちがどういう環境の中で自分たちが学ばせてもらっているのか。それをやはりこれからの地球を守っていくためには、温暖化も含めて、そうしたものの意識を子どもたちにも高めていっていただきたいと思います。  最後に、これは要望なのですけれども、さきのご答弁で、学校が災害時などの地域拠点として活躍する場面が今後増える。そうすると不特定多数の方が出入りをするというご答弁も一部ございましたけれども、確かにそのとおりで、例えば地域拠点として大勢の方が避難をしてこられます。緊急時のときに、児童・生徒や教職員たちは日頃からその施設にいますので、学校なら皆さん熟知してらっしゃると思いますけれども、災害時とか不特定多数の方が初めてその学校に訪れる。ただでさえ災害時で混乱を期しているときに、速やかに避難誘導ができるために、やはりサイン表示の拡充というのもしていただきたいと思います。まちなかもそうですし、本庁舎、地域庁舎もそうですし、サイン表示をここ数年しっかりと整備をしていただいておりますし、議員の中でも、そうした学校教育現場サイン表示の拡充というものに関して触れている議員もおられると思います。  今後、地域拠点として様々な場面でいろいろな方が利用するこの教育施設。そうした面も十分に考慮していただきながら、今後の整備を進めていっていただきたいと要望をさせていただきます。 ◆伊佐治 委員 自由民主党大田区民連合の伊佐治剛でございます。  この決算特別委員会も、私の出番はこれで最後になりますので、グランドフィナーレを迎えさせていただきたいと思っております。  本日、この教育費におきましては、決算概要説明書310ページ、教科用システム等運用について、お聞きをさせていただきたいと思います。  大田区では、平成26年、全ての区立小中学校に43台ずつのタブレット端末を配付したことをスタートとして、学校教育におけるICT教育が大きく前進をしてきています。そこで、新型コロナウイルス感染症拡大があり、結果として、来年度には児童・生徒1人当たり1台のタブレット端末が整備をされる、そうした方向が示されたところであります。  こうしたICT教育が進んでいる背景といたしましては、やはりICT教育における活用推進モデル校の実績があったわけであります。例えば、平成27年度にICT活用推進モデル校として選ばれました蒲田中学校。ここはモデル校としての研究の成果を生かしまして、コロナ禍緊急事態宣言中に190を超える授業動画を配信して、オンライン授業を実現してきた学校であります。  子どもたちの学びを守るために、学校が一丸となってこのような取り組みを進めてきてくださったことに心から敬意を表したいと思います。  しかし、こうした緊急事態宣言中の動きを見ていきますと、学校によってかなり差がある状況がありました。私も緊急事態宣言中、時間もあったものですから、各区立の小中学校全てのホームページを拝見させていただいたのですけど、実際、動画を活用した授業を実施している学校は、わずか数校だったと記憶をしているところであります。  今、ICT教育研究推進校としては、羽田中学校、そして南六郷中学校が指定をされて、各家庭におけるPCを活用した家庭学習環境や、オンラインでの課題提供など、どんな状況においても学びを止めない、そのような取り組みのための研究を進めていただいているところであります。  今日のこの質問で何を言いたいのかと言いますと、やはり学校によって熱にすごい差があると、このICT教育については。授業の中で使うかどうかという話はまた別にしても、かなり差がある環境の中で、一気にでかいことをやろうと思ったって、なかなかできませんよねという話で。まず小さいところから、こつこつできるところからやっていきましょうというのが、本日の質問の趣旨でございます。  そこで、まずは、学校欠席時の連絡のオンライン化を求めていきます。これまで長年、小中学校の欠席の際の連絡は、基本的に連絡帳を友達であったり、また兄弟に渡して、そして学校に行ったら担任の先生にそれを渡すという流れが一般的でありました。ただ、やはり例えば越境で通っている、うちもそうなのですけど、昨年家を引っ越しました。今、越境で学校に通っているのですけど、やはり近隣に娘の仲のいい友達がいないということで、休んだときに、誰に渡していいのだろうということがあったわけでありまして。これは私だけではなくて、そういう家庭環境にある方々は同じように思っているところではないかと思っております。  その状況を考えて、どうしたらいいのかと言いますと、私はメールとか、あと、この研究推進校ではタブレット端末も配付されているわけですから、そうしたものを活用して欠席の連絡を行うことができないかということをお願いさせていただきたいと思います。  まず、この保護者の負担軽減、そして学校の先生方の負担軽減を図るために、まずは、学校の欠席連絡のオンライン化を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎岩ア 指導課長 児童・生徒が当日欠席する場合、欠席を知らせる連絡帳を兄弟や友人に預け、学級担任に届け出ています。また、新型コロナウイルス感染防止対策により、人との接触を避けることから、連絡帳の提出ではなく、電話による欠席の確認を行っている学校もあります。  委員のお話しのとおり、欠席連絡のオンライン化も、保護者、教員双方の負担を軽減するための有効な手段であると考えます。 ◆伊佐治 委員 有効な手段ということで、ご答弁をいただきました。私、ここ最近、他の自治体で、これについてどんな動きがあるのかなということを見せていただいたところで、ちょうどナイスタイミングで目黒区議会の決算特別委員会で、やはりこうしたオンライン化を求める質問がありまして、そのとき目黒区の教育委員会の答弁といたしましては、学校ホームページに公開したメールアドレスからの出欠席確認を広く周知していく。また、タブレット配付時には、出欠席に関する仕組みやツールを検討していきたいという答弁をされており、すぐに実施をしますよという方向性が既に示されているところであります。  それでは、大田区教育委員会はいつまでにできるようにするのかお答えください。 ◎岩ア 指導課長 現在、学校では、1人1台のタブレット端末を配備し、様々な教育活動の中で、ICT化を推進していけるよう検討しております。ICT化の整備を進める中で、実施時期も含め、欠席連絡のオンライン化について、校長会の意見も集約しつつ検討してまいります。 ◆伊佐治 委員 正直、これができなかったら、ICT教育なんて無理だと思うのです。本当に簡単なことだと思うので、ぜひとも早急に取り組んでいただきたいと思います。  ただ、一つだけ間違えていただきたくないのは、これはあくまでも一つの選択肢をつくるということで、基本的に連絡が連絡帳でいいという方々は、それも選択できるような環境は残していくべきだと思います。ぜひとも基本として、このメール等を活用したオンラインでの出欠席の連絡ができるような仕組みづくりに早急に取り組んでいただきたいと思います。  そして、もう1点、学校教育に係るICT化が進む中で、幾つかの問題が発生をしていると、現場からもお声としていただいております。学校には、校務用と授業用の二つの回線がネット回線としてありまして、校務用は成績処理や資料の回覧に使われ、そして授業用は教師や子どもが使用するタブレット・PCなどで使用されています。そして授業用については、区内全校の回線を束ねるデータセンターが存在しますが、平成29年度に全ての区立学校でタブレット端末を使った授業が開始された結果、トラフィック量が増大をし、回線速度の低下が起きてきている。それはデータセンターがボトルネックになっているのではないかという、そうしたご指摘をいただいております。  実際に現場の方にヒアリングをしたところ、タブレットを使用する際にログイン認証が必要でありますが、サーバーの処理が追いつかず授業に支障がある。デジタル教科書はパソコンではなく、サーバーに保存をされていて、授業で使用する際にスムーズに使用できない。ページの遷移や付属の動画再生がしにくいといったお声をいただいております。  大田区は、これからタブレット端末を全校児童1人当たり1台整備するという流れでありますが、学びを止めない環境をつくっていくことは大切でありますが、やはりこうした物理的な影響は今後免れないものであると私は考えております。  既に、お隣の世田谷区では、この回線の引き直しに向けた工事に着手をしていると聞いています。ICT活用モデル校である羽田中学校南六郷中学校では、もちろんその対策は早期に進めていかれることと思いますが、ぜひともそれ以外の全ての学校においても、早急の対応をお願いしたいと思います。  改善を求めますが、いつまでにこうした状況が改善をされるのか、お答えください。 ◎柳沢 学務課長 教科系ネットワークについては、通信事業者に区内のデータ送受信量を確認したところ、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言発出後からデータ送受信量が増大しており、データ通信に遅延が生じていることが判明しました。このため、通信回線の増強に既に着手しております。  今後は、タブレット端末のさらなる利活用を図るために、全ての学校の通信回線を増強するとともに、学習用ソフトの動作に支障がないよう、データセンター機器についても今年度内に増強を完了する予定です。 ◆伊佐治 委員 以上で質問を終わります。 ○海老澤 委員長 次に、公明、質疑願います。 ◆岡元 委員 公明党の岡元由美でございます。  図書館事業費について、お伺いいたします。令和元年度は、大田図書館以外の15館について、9億6,150万円で指定管理者が管理運営を行いました。まず、調べ学習の重要性、効果について、本区の見解をお示しください。 ◎岩ア 指導課長 調べ学習は、各教科等において課題解決に向け、図書館やホームページを活用し、情報を集める学習で、問題解決学習の一つであり、子どもたちの課題解決能力や情報活用能力を養う上で大変有効なものであります。  例えば、各教科の指導では、国語科における説明文の学習を行った後、その学習に関係する動物、植物、乗り物などについて学校図書館を利用し、複数の本や新聞などを活用して、調べた情報を知らせる学習活動を行っています。  また、学校図書館のみならず、博物館、区立図書館などと連携しながら行う探求的な学習も、調べ学習として有効なものであります。  引き続き、調べ学習をはじめとする学習活動を適切に行い、児童・生徒の課題設定や課題解決能力等を育んでまいります。 ◆岡元 委員 公益財団法人図書館振興財団が実施している、図書館を使った調べる学習コンクールは1997年から開催され、今年で24回目となります。9月14日から10月5日まで、現在募集期間中となっています。  昨年は、全国37都道府県、137自治体が参加しました。昨年の審査結果を見ますと、全国から11万6,603点の作品が応募されました。昨年の大田区の参加状況を伺います。小中学校それぞれ何校、何点が応募されていますでしょうか。 ◎長岡 大田図書館長 図書館を使った調べる学習地域コンクールとは、図書館の本や新聞、関連施設への訪問などを使ってまとめた調べ学習作品を募集して審査し、表彰する取り組みであり、上位入賞作品については、公益財団法人図書館振興財団が主催する全国コンクールに出品しております。大田区立図書館のうち、馬込、洗足池、多摩川、蒲田駅前の4館が合同自主事業として実施しています。  地域コンクールとして第8回となる令和元年度は、区内23の小学校から768点、区内4の中学校から190点の出品がありました。 ◆岡元 委員 昨年、最高賞である文部科学大臣賞を、小学校、中学校ともに受賞した袖ケ浦と大田区の小学生で比較をしてみたいと思います。袖ケ浦の応募総数は4,521点、大田区は958点でした。令和元年度の公立小学校の児童数は、袖ケ浦が3,401人、大田区は2万9,339人で、図書館数は袖ケ浦が5館、大田区は17館です。児童数、図書館数を比較すると、圧倒的に大田区が上回っているのに、大田区の応募総数は袖ケ浦の2割しかありませんでした。  また、袖ケ浦は、小中学生の総数を超える応募数ですが、大田区の小学生は3%でした。入賞作品数も応募総数に比例して、袖ケ浦が93点、大田区が19点です。内訳を見ますと、袖ケ浦は文部科学大臣賞2点、優秀賞18点、優良賞9点、奨励賞25点で、大田区は残念ながら文部科学大臣賞、優秀賞はなく、優良賞、奨励賞がそれぞれ2点でした。ちなみに袖ケ浦は、優秀賞以上の上位入賞者が20年連続で全国1位の読書のまちです。小学生のときに身についた調べ学習の習慣が、中学生になっても続いていることが分かります。
     大田区は、これまで区立図書館4館の指定管理者である、株式会社図書館流通センターが自主事業として地域コンクールを実施し、全国コンクールに参加してきました。今回、大田区は地域コンクールを実施していませんが、今後、教育委員会として参加していく、あるいは一部の指定管理者の自主事業ではなく、区内図書館全館で実施していくことについての見解を伺います。 ◎長岡 大田図書館長 例年、自主事業として取り組んでいる図書館においては、出品募集に向けて、図書館スタッフによる説明会や相談会に加えて、わくわく講座というワークショップなどを開催しておりました。  今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、児童・生徒の安全を考慮し、これらの説明会やワークショップ、審査会、表彰式などを見送らざるを得ず、地域コンクールを休止としました。  ただし、地域コンクールを通さなくても、全国コンクールへの出品はできるため、現在、各館では問合せ等に対応しております。  また、地域コンクール休止の代替として、図書館を使った調べ学習の方法を分かりやすくまとめた教材リーフレットの作成に取り組んでおり、区内の小中学校に配布する予定です。  この地域コンクールは、各館が行っている自主事業の中でも、図書館利用の促進と調べ学習の普及にとって意義のある取り組みです。区は、コロナ感染症収束の情勢を見て、今後の再開と展開を支援してまいります。 ◆岡元 委員 コロナ禍ではありますが、これまで参加されているほとんどの自治体では継続して実施をされているという状況です。昨年の状況では、23区内でも荒川区が8,865点、墨田区4,981点、足立区も6,602点の応募です。児童・生徒数から比較しても、大田区の応募数は少ないと感じます。  コロナ禍でも学びの保障は確保しなければなりませんし、自ら考え、情報を収集してまとめ上げる調べ学習は非常に重要です。読む力は学びの基本です。本区では、学校図書館を中心に調べ学習をされていますが、全国コンクールを目指すことで目標ができ、調べ学習への意欲も増していくと考えます。本が好きな子ども、好奇心に従って調べる意欲のある子どもたちを育てるためにも、区立図書館を十分に活用した調べ学習を実施するよう要望して、質問を終わります。 ◆小峰 委員 大田区議会公明党、小峰由枝でございます。よろしくお願いいたします。  このたびの新型コロナ感染症においては、教育の現場におかれましても大きな影響があったかと思います。一斉休校のため、授業時間が削られた中でのスケジュール調整、様々な急を要する現場対応にも細心のご配慮をいただいております教職員をはじめ教育関係者の皆様に対し、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。  子どもたちにとっても突然の休校、分散登校、酷暑の中でのマスク着用の徹底、さらに修学旅行などイベントの中止や延期など、コミュニケーションが取りづらい今回のコロナ禍においては、我慢しながら長い間不安にさらされていることになります。そのため、本人が気づかないうちに心身の健康を損なう恐れがあると言われています。  本日は、コロナ禍における子どもたちのストレスを中心に質問をいたします。国立成育医療研究センターが、本年5月から7月の自粛期間に、延べ3,500人に実態調査を行った結果、全国の7歳から18歳までの70%以上の子どもにストレス反応が出ていたことが分かりました。  ストレス反応とは、病名ではないものの、自分ではコントロールしがたい日常での出来事が原因で起こるもので、自律神経などの働きにより、不眠、めまいや頭痛、動悸、息苦しさ、血圧上昇など、心や体に変化が現れるそうです。長引くと、うつ病や適応障害、PTSDに移行することがあると専門家は警鐘を鳴らしています。  今回の調査で多かったストレスの症状は、「コロナの考えると嫌な気持ちになる」4割、「最近、集中できない」3割強、「すぐにいらいらする」3割弱という状況で、全国から集まったアンケートには、次のような声が寄せられました。  男子小学生、「コロナのことを考えると寝ながら少し泣いてしまう」。女子中学生、「テレビで子どもが家にいるのがストレスと言っている親の人がいたけど、それは子どもも同じ。自分の存在を否定されることを言われるとつらい」など、胸が痛くなる内容でした。  心療内科医、明橋大二医師は、「この調査結果を受けて、東日本大震災のときにも同様の調査をしたが、その際、ストレス症状が出た子どもの割合は全体の43%だった。現在は震災のときよりも多くの、70%以上の子どもに影響が出ている」と危惧していました。  また、特筆すべきことは、子どものストレス反応に気がついたと回答した保護者は全体の24%にしか過ぎず、子どもと保護者の間に大きな認識の差が開きました。  子どもたちの現状を把握することがこれからの課題解決につながると思います。本区は、教育現場で心の問題をいち早く捉え、平成21年から学校生活調査を行い、活用をされてきたと伺っています。このコロナ禍による児童・生徒の状況の変化、ご対応を伺います。 ◎早川 教育総務部副参事 学校生活調査、いわゆるメンタルヘルスチェックは、学校生活全般に加え、家庭生活におけるストレス状態についても把握することができる調査です。  新学期が始まった6月当初、臨時休業期間中も含めた子どもたちのストレス状態をいち早く把握し、指導に生かしました。  全体的な傾向といたしましては、ストレス症状が見て取れる児童・生徒の中で、抑うつ、不安傾向を示す者も見られたため、必要に応じて、各校が担任やスクールカウンセラー等による個別面談を実施し、子どもたちのストレス解消に努めました。 ◆小峰 委員 すぐにご対応いただき、ありがとうございました。臨床心理士、公認心理師である兵庫県立大学大学院の冨永良喜教授は、人にはストレスに対処する力が備わっているとし、試験には勉強、災害には防災教育といったストレッサーへの対処とプラスメッセージやリラクゼーションなどのストレス反応への対処の二つがあると述べられています。加えて、何かの出来事を受けて、心の中で自分はだめだ、無視したな、などのネガティブなつぶやきが持続されると、悲しみや怒りを起こし、いじめや暴力を引き起こすとともに、うつや自殺リスクを高めると発信しています。  さらに、長期にわたるコロナ禍の中で、不安や恐怖を和らげる教育が必要。それらを予防するために、様々な心の健康授業案が開発されている。平時にストレスのメカニズムを学ぶことができれば、災害やコロナの感染拡大といった強いストレスにさらされたときにも、自らの望ましい対処法を考え、実行ができるなど述べられています。  また、学校の先生も、このストレスを学ぶ授業を実施することで、自分のストレスに向き合うことができるとのことですので、大変に期待できます。  現在、小中学校の保健体育でストレスを学ぶ授業は、小学校6年間で1時間、中学校3年間で1時間、9年間で合計2時間のカリキュラムと聞いています。これを拡充することはできないのでしょうか。先ほどのご答弁で、本区の児童・生徒にも、不安、抑うつ傾向の子どもがいたとのことでしたけれども、この新型コロナ対応は長期戦と言われています。  今、新たな取り組みが求められています。学校生活調査を踏まえ、スクールカウンセラーなどと連携し、児童・生徒がストレスを学び、乗り越える力をつけていくことが重要と考えます。ご見解をお聞かせください。 ◎早川 教育総務部副参事 ストレスについて学ぶことは、児童・生徒の心身の成長に大きな効果を与えることであると考えます。  ある程度のストレスは、健康的な生活に必要ですが、過度のストレスは心身のバランスを崩し、体調にも影響するものであります。こうした内容について、教師が理解を深め、子どもたちに指導をすることは、教師にとっても、子どもたちにとっても非常に有意義なことであります。  スクールカウンセラー等の心理の専門家は、ストレスに関する造詣も深く、こうした立場の方々と連携して指導にあたることは、有効なことであると考えます。  これまでも各校において、必要に応じてスクールカウンセラー等を講師にした校内研修を実施してまいりましたが、今後は、校内研修を通じた教職員に対する研修に加え、児童・生徒への指導の充実についても、各校に働きかけてまいります。 ◆小峰 委員 近年になって、学校での集団生活におけるストレスといじめ関連の研究も増えてきているようです。その中で着目すべき点は、いじめられている児童・生徒だけでなく、いじめている児童・生徒においても多くのストレスを抱えているという点です。いじめる側の心理については、嫌なことやストレスなどを他人に発散することがいじめにつながっているので、いじめる側の複雑な心の屈折やストレスに目を向け、ストレスを発散させる方向で指導することも必要とあります。  そして、いじめる子ども、いじめられている子ども、その両者の関係を周りで見ている傍観者やいじめる側に加担する子どもなどが抱えるストレスについても、決して無視することはできないとされています。  本区は、学校生活調査に加えて、hyper−QUを導入し、学級集団調査も重ねています。学校生活調査とhyper−QUを重ねて取り組む目的と効果を伺います。 ◎早川 教育総務部副参事 学校生活調査が、学校と家庭の生活におけるストレス状態について把握することができる調査であるのに対し、学級集団調査、いわゆるhyper−QUは、学級の中における児童・生徒の状況を把握することを意図した調査です。  これら性質の異なる調査を重ねて実施することで、全般的なストレス状態に加え、学級内の細かな要因からのストレス状態を把握することができ、いじめの早期発見など学級内の問題解決にも役立つものであります。  これらにより把握した課題に応じて、担任やスクールカウンセラーによる面談を実施し、児童・生徒が安心して登校できるように活用しております。 ◆小峰 委員 本区は、あらゆる教育現場で、自己肯定感を高める取り組みをしてきたと伺っています。これらの取り組みは、児童・生徒の自己肯定感を高めることと結びついているのでしょうか。 ◎早川 教育総務部副参事 児童・生徒の自己肯定感を高めることは、大変重要であります。学校生活調査は、学校内外の児童・生徒のストレス状態を解消する過程を通じて、児童・生徒が自信を持って生活することにつなげていくものと考えております。  また、学級内における児童・生徒の状況を把握するための学級集団調査の実施後は、その結果を分析し、個々の児童・生徒がその学級の中でどのような状況であるかを把握します。その結果に応じて、学級全体や個人への指導に生かしています。  例えば、学級内で認められていないと子ども自身が認識しているという、非承認状況にある子どもに対し、挨拶が上手にできたことを取り上げ、学級全体の前でそれを褒め、それをお手本として学級全体のルールとして位置づけていくなど、よさを見つけ、それを集団の中で認め、励ましていくような、こういった指導を意図的に行っています。  このようにして、各校においては、二つの調査の結果を基に、自己肯定感を高める指導を行っております。 ◆小峰 委員 日本人は、往々にして自己肯定感が低い傾向と言われていますが、自己肯定感を高くすることで、個人の学力や能力が開花しやすくなると言われています。コロナ禍が長引く中で、潜在化されている児童・生徒の精神状態をいち早くキャッチし、次につないでいくこと、そして自己肯定感を高めていくことは、未来を担う子どもたちにとって大変に有意義な取り組みだと思います。  そこで質問をします。重ねて、hyper−QUの結果をどのように活用されていますでしょうか。お伺いいたします。 ◎早川 教育総務部副参事 学級集団調査、hyper−QUを実施することで、子ども一人ひとりの個別の状況と学級集団の状況が分かります。  子どもたちの中には、本人はつらいと気づいていなくても、何らかの疎外感や居心地の悪さを感じている子どもがいます。調査の結果から支援が必要とされた子どもには、担任が意図的に話を聞きます。友人関係に問題がある場合には、担任だけでなく学年の複数の教員で組織的に対応し、人間関係の改善に取り組みます。  例えば、孤立感を感じている子どもに対し、帰りの会で友達のいいところ探しを学年全体で取り組んだことにより、友達との関係がよくなった事例もございます。家庭環境の変化等で困っていることがある場合には、保護者面談や家庭訪問を行い、家庭と連携して、子どもたちの悩みに寄り添います。加えて、スクールカウンセラーとのカウンセリングやスクールソーシャルワーカー、子ども家庭支援センターと連携して対応しています。  一方、学級集団の状況からは、親和的なまとまりのある学級集団、硬さの見られる学級集団、緩みの見られる学級集団、荒れ始めの学級集団、ばらばらな学級集団など、子ども全員の分布状況から、学級のルールや子ども同士の関係性の確立状況を知ることができます。  調査結果から、硬さが見られる学級集団であった場合には、人間関係が希薄な学級の状況であることから、社会の中で人と関わる力を身につける訓練であるソーシャルスキルトレーニングを行ったり、学級活動を充実させたりして、一人ひとりに配慮したよりよい人間関係を構築し、居心地のよい学級集団づくりに努めます。  また、ばらばらな学級集団であった場合には、学級に対する帰属意識が低く、人間関係も希薄な状態のため、教師と子どもとのよりよい人間関係を築くとともに、子どもたち同士が触れ合う機会を多く設定し、子ども同士の関係性の確立を図ります。  6月の第1回の結果に応じた対応に取り組み、11月の第2回の結果で取り組みの成果を確認して、さらなる改善を図っております。 ◆小峰 委員 先生方の日々のご努力に感謝いたします。100年に1度と言われる有事のときだからこそ、早期発見・早期対策の重要性を感じます。  hyper−QUは、学級集団調査により、学級の傾向が可視化されると、今のご答弁で理解いたしました。今年度より小学校3、4年生でも実施していますが、これまでの実施を通した全体的な本区の傾向と分析を伺います。 ◎早川 教育総務部副参事 学級集団調査結果の全体的な傾向といたしましては、学級生活に対して、全般的に満足しているという学級生活満足群が、全国平均よりも高い値を示しております。この結果は、日々子どもたちの状況を把握し、よりよい学級をつくろうと努力する担任の先生方及びそれをフォローする学校全体の力であると認識しております。  一方、同調査の結果では、学級内で不適応感や冷やかしなどを受けていると感じている子どもたちや、学級内で認められていることが少ないと感じている子どもたちの存在も確認されており、こうした状況にある子どもたちを減らすための取り組みを日々行っております。 ◆小峰 委員 では、5、6年生の児童の心の様子はいかがでしょうか。そこにhyper−QUを活用すると、より手厚い支援ができると考えますが、ご見解を伺います。 ◎早川 教育総務部副参事 小学3年生から中学3年生までの7年間は、子どもたちが思春期を迎え、体も心も大きく変化する時期です。人との付き合いが広がり、人間関係も複雑になってきます。  また、やりたいこと、興味があることが増える一方で、できないこと、我慢しなければならないことも増えるなど、一人ひとりの子どもが多様な悩みを抱える時期です。  特に、小学5、6年生は、友達との関係が強くなるとともに、自我の確立に向けて、不安や葛藤を持ち、友達の言葉や態度がきつく感じたり、自分の気持ちを抑えてしまったりして、それが不安や悩みにつながる時期です。  また、学習テストでなかなか点数がとれず、学習面や進学について不安を持つことになり、気持ちが落ち込んだり、いらいらしたりする時期でもあります。  委員お話しのとおり、hyper−QUを活用することで、一人ひとりの普段の学校生活における行動や様子から見えにくい、子どもが内面に抱えている思春期特有の思いに気がつくことができます。  また、その子が、どのような学級集団でどのように成長してきたかを中学校へ引き継ぐことは、中学校において、その子なりの個性を発揮し、学校生活を生き生きと送ることに有効です。  そして、好ましい集団の中で子どもたちが成長していくためにも、切れ目のない支援は、一人ひとりの発達を支える意味で重要であり、hyper−QUを5、6年生でも実施できるよう検討してまいります。 ◆小峰 委員 調査によって、一人ひとりの子どもを抱きかかえてくださっているこの教育の現場の実情を伺いました。成績も最下位で何の自信も持てなかった生徒が、1人の教師の温かい言葉掛けによって、その信頼に応えたいと自分の力を信じ、鼓舞し、努力を重ねた結果、社会人になって成功を手にした事例もございます。  コロナ禍における子どもたちのストレスに深く寄り添い、ご対応をされている教育機関の皆様に再び心から感謝を申し上げ、質問を終わります。 ○海老澤 委員長 次に、共産、質疑願います。 ◆菅谷 委員 日本共産党大田区議団、菅谷郁恵です。決算概要説明書の324ページ、334ページ、就学援助についてお聞きいたします。  大田区は、新型コロナウイルス感染症の影響によって家計が急変した世帯については、今年の収入状況を踏まえて、審査を行うこととしたことは、本当に評価できます。  まず、現時点でのこの支援策を活用した申請数について、小学校、中学校、それぞれお答えください。 ◎柳沢 学務課長 新型コロナウイルスの影響により、家計が急変した世帯の就学援助申請状況は、8月末時点で小学校370人、中学校186人となっています。うち、認定数は、小学校308人、中学校151人となっています。 ◆菅谷 委員 今、本当に家計が大変な中で、この支援策は保護者にとっても、子どもたちにとっても、大事な支援だと思っています。  ところで、休校にこの4月から入りましたけれども、この広報については、どのようにされたのか、お答えください。 ◎柳沢 学務課長 新型コロナウイルス特例対応の広報につきましては、5月21日号の区報、また、区ホームページのほか、この時点では学校が臨時休業中であったことから、学校を通じて一斉メール配信を行いました。  また、学校再開後にも、学校を通じて、全児童・生徒に案内文の配付を行いました。 ◆菅谷 委員 一斉にメールを送られたということで、知らないという方がいないという対応をぜひ今後も続けていってほしいと思います。  次に、コロナの対応で行ったこの就学援助の支援策は、単年度審査であるので、3月までで終わるのか。それとも、保護者の雇用環境はこれからさらに悪化すると思うのですけれども、このことについては継続を求めますが、いかがでしょうか。 ◎柳沢 学務課長 就学援助費については、年度ごとに支給認定を行っていることから、新型コロナウイルスの影響により、家計が急変した世帯への就学援助費の支給につきましては、令和2年度末までとなります。  なお、年度内に申請から認定、支給まで行うために、申請期限は、令和3年2月26日としています。  来年度以降も新型コロナウイルス特例対応を継続するかについては、今後の感染状況を注視してまいります。 ◆菅谷 委員 今、消費税10%の引き上げとか、そして、さらに一層新型コロナで親御さんも、それから一人親家庭も大変だと思いますので、継続を図っていただきたいと、これは切にお願いいたします。  それで、私たちはかねがねこういった前年度の所得ではなくて、家計が激変したというときとか、所得が激変したときとかは、本当にその都度こういった救済をすべきということも要求してきたのですけれども、今回、新型コロナ対策でこういった救済ができたのですから、コロナ感染症のときだけでなく、平常時でも前年度の所得でなく、対応ができるのではないかと求めますが、いかがでしょうか。 ◎柳沢 学務課長 今回の特例対応については、3月に文部科学省から発出された、新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドラインに基づくものです。  その中では、就学援助について、新型コロナウイルス感染症の影響等により家計が急変し、年度の途中において認定を必要とする者については、速やかに認定し、必要な援助を行うこととされ、区としましては、本ガイドラインに基づき対応しました。あくまでも新型コロナウイルスの影響により、家計が急変した場合の特例対応として措置したものです。 ◆菅谷 委員 あくまでも、新型コロナ対策として対応したことだということで、今お答えがあったのですけれども、やはり本当に今、子どもの貧困とか、それから、仕事を親御さんがなくすということで、大変苦慮されているところで、やはりこういった対応ができるわけですから、各自治体の判断として、大田区として、子どもたち教育環境を守るために、ぜひ引き続き、この検討をしていただきたいと思っています。  最後に、今回のコロナ感染症、そして先ほど言ったように、消費税10%がさらに生活に影響を及ぼしておりますし、今後、さらなる大変さが家計に及んでくるのではないかと思っています。  そういう中で、10月から生活保護費の基準額が削減されることになります。これは、この就学援助に大きく関わるのですけれども、これまで大田区では、平成24年度からそういった家庭に影響が出ないように、この付則などで対応してきました。10月から生活保護の基準額が削減された後も、やはり就学援助の対象外となる世帯が生じないように、大田区として支援することを求めますが、いかがでしょうか。 ◎柳沢 学務課長 区の就学援助費の受給資格は、世帯の合計所得が生活保護基準の1.2倍の額に満たない保護者としております。国が平成25年度から生活保護基準を段階的に引き下げる中、区では引き下げ前の生活保護基準を継続して適用し、子どもたち学校生活に影響が及ばないよう配慮しているところでございます。  就学援助費の認定基準につきましては、景気動向や社会経済状況のほか、他区の状況などを踏まえ、総合的に判断してまいります。 ◆菅谷 委員 総合的に判断していくということだったのですけれども、本当に先ほどから何回も繰り返して言いますけれども、子どもたち教育環境、それはやはり教材費とか給食費とかそれぞれに影響をしてきます。そういう中で、生活保護基準の1.2倍ということも、本当にこれを上げることが必要なのですけれども、やはりこれまでどおりの基準額をしっかりと大田区が守りながら、子どもたちを支援していくこと求めて、質問を終わります。 ○海老澤 委員長 次に、令和、質疑願います。 ◆三沢 委員 令和大田区議団の三沢清太郎です。調達について、お聞きいたします。  先日、大田区立小中学校に416台の非接触型検温器、サーモグラフィーが導入されました。私たちの会派も、子どもたちの健康管理のため、導入に賛成をいたしました。  しかし、その後、世界情勢は一変しました。アメリカ政府は、国防権限法に基づき、今年8月から中国企業5社の製品を利用している企業は、アメリカ政府と取引できなくしました。排除の対象になるのは、通信機器大手ファーウェイやZTE、監視カメラメーカー、ハイクビジョンやダーファテクノロジー、そして、無線通信のハイテラです。  アメリカ政府は、当該企業の製品を通じて、中国政府に情報が漏れることを警戒しているようです。  翻って、本区が導入したサーモグラフィーは、まさに監視カメラメーカー、ハイクビジョン製のものとなります。  私は、中国製タブレット端末導入のときも、このサーモグラフィー導入のときも、なぜ中国製を選んだのか理事者に問いましたが、改めてお聞きします。なぜ中国ハイクビジョン製のサーモグラフィーを選んだのでしょうか。 ◎柳沢 学務課長 サーモグラフィーは、人体表面温度の測定用として設計されたハンディタイプのサーモルカメラです。本製品は、温度測定の誤差もプラスマイナス0.5度以内と高精度であること、他社の類似品と比較して重量が350グラムと計量で、価格が安価であることなどから選定したものです。 ◆三沢 委員 調達したサーモグラフィーは、あくまでも体表面温度を測定するだけのものでしょうか。情報漏えい等の危険は全くないと考えてよろしいでしょうか。 ◎柳沢 学務課長 サーモグラフィーは、あくまでも発熱の可能性の有無を簡易に確認し、学校における感染リスクをできる限り回避するために使用するものです。  データを記録保存する機能はありますが、機能を使用しないよう各学校にも周知しており、情報漏えいの危険性はないものと認識しております。 ◆三沢 委員 9月9日、自衛隊は中国製サーモグラフィーの入札公告を急きょ取り消しました。大田区とは異なる対応を取っているようです。
     そこでお聞きいたします。大田区の今後の方針などございましたら、お示しください。 ◎政木 教育総務課長 現在、中国製品の調達に関する国や東京都の方針は示されておらず、現時点で中国製品に関する調達の方針はございません。  今後も引き続き、国や東京都の動向等を注視しながら、適切な製品の調達に努めてまいります。 ◆三沢 委員 私は区内産業や大田区と取引がある企業に悪影響を及ぼす可能性がある中国企業5社からの調達は当面差し控えるべきだと考えております。本区におかれましては、情勢を踏まえて、適切な判断を選択いただくことを要望し、私からの質問を終わります。 ○海老澤 委員長 次に、エールの質疑に入ります。  庄嶋委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆庄嶋 委員 エールおおた区議団、庄嶋孝広です。決算概要説明書310ページの教科用システム等運用に関連して伺います。  新型コロナウイルス感染拡大に伴い、昨年度末の3月から今年度5月まで、3か月に及んだ区立学校の臨時休業が終わってから4か月が過ぎました。学年末での突然の臨時休業ということで、現場の教職員の皆さんはもちろん、教育委員会の皆さんも大変だったと思います。まずは改めて、そのご苦労をねぎらいたいと思います。  改めて、当時を振り返りますと、卒業式は規模を縮小する形で行うことができましたが、各学年・学級とも締めくくりができず、児童・生徒も中途半端な形で学年を終えることになりました。  私ごとですが、我が家の小学生は、担任の先生が他校に異動となりました。先月、5か月遅れで離任式がありまして、異動した先生と久しぶりに話をし、今年の運動会に向けて練習しているダンスを披露できたことをとても喜んでいました。  さて、新年度に入りまして、時差登校による学校再開の予定が、再び臨時休業となりました。新しいクラスは発表されたものの、担任と児童・生徒との間に信頼関係を築く間もないため、どのように学びを提供していくのか試行錯誤の日々であったと思います。  ただ、家庭学習の課題出しや児童・生徒の状況確認など、臨時休業中の対応が十分であったとは言えず、学校による差もあったと多くの保護者から声をいただいたのも事実であります。  このようなことを踏まえ、今年の第2回定例会における代表質問で、再び臨時休業となる事態に備えて、いつでも在宅学習に切り替えられるよう準備しておく必要があることを要望いたしました。  教育長からは、「さらなる在宅での学習環境の充実が必要であると改めて認識いたしました」との臨時休業中の振り返りが聞かれました。  そこで伺います。臨時休業の終了から4か月が過ぎた現在、臨時休業中の家庭学習の課題出しや児童・生徒の状況確認などの対応を改めてどう振り返るか、お伺いいたします。 ◎岩ア 指導課長 各学校では、全児童・生徒に対して家庭学習の課題を出すことや、週1回以上の健康観察及び家庭学習の状況確認を行い、実態に応じて対応方法を工夫しました。  しかし、各学校の規模や体制が異なることにより、取り組みに違いがあったことは認識しており、保護者や地域の皆様からも、様々な意見をいただきました。  オンラインを活用して授業を進めることにより学習を保障したり、日々の健康観察をオンラインで行ったりすることができる教育環境の整備が課題と考えます。 ◆庄嶋 委員 さきの教育長の答弁ですが、「今後、家庭での学習環境の準備が急務である。そして、オンライン授業の実践等、ICTを活用した学校・家庭を通じた学習環境の整備に全力で取り組む」というふうに続きました。  実際に、区立小中学校の児童・生徒1人1台のタブレット端末を配備することになったわけですが、本格活用は来年度からの予定であります。そのため、準備が整うまでの間の今年度中の対応が重要になってきます。さきの教育長の答弁の後、在宅学習になった場合の備えがどの程度進んだのかを知りたいなと思います。  幸いにいたしまして、大きな臨時休業は発生していませんが、タブレット配信資料にあるとおり、児童・生徒あるいは教職員が新型コロナウイルスに感染し、その濃厚接触者となったことによる出席停止は、区立小中学校で多く発生しています。いわば小さな臨時休業と言えるかと思います。  そこで伺います。先ほどの3月から5月までの臨時休業中の対応の振り返りを生かし、濃厚接触者となったために出席停止となった児童・生徒に対し、どのような学びの保障の取り組みを行っていますでしょうか。 ◎岩ア 指導課長 濃厚接触による出席停止が必要な児童・生徒に対して、児童・生徒の学びを保障するために、区で定めた感染症対策ガイドラインに基づき、学習課題などを配布するとともに、家庭のICT環境を確認し、必要に応じてタブレット端末やWi−Fiルーターの貸与を行っております。  その上で、オンライン学習用ポータルを活用し、先生と児童・生徒とのメッセージのやりとりや、学習課題及び学校が作成した動画の配信など、各学校の実態に応じて実施しております。  今後は、児童・生徒に1人1台のタブレット端末を貸与するとともに、オンラインによる同時双方向型の学習環境を整えることにより、児童・生徒の個別最適化された学びを保障してまいります。 ◆庄嶋 委員 ガイドラインを持って対応しているということで、ぜひしっかりと学びの保障をお願いしたいと思います。  ただし、実際の対応を行うのが人である以上、学校による差が起こり得ます。公教育の持つ公平性の確保のためにも学校によらず、同水準の対応ができることが必要であると考えます。  特に、ICTの活用による対応については、習熟度による差が生じやすいと思います。各学校で専任しているICT活用推進リーダーのスキルアップを図ることや、月3日派遣されるICT支援員のより一層の活用など、取り組んでいただくことを要望します。  最後に、本年度は学校行事も例年と異なる形となっています。この秋に行う運動会も、感染防止に十分な距離を確保する関係などで、保護者の観覧なしで実施するケースも出ています。  映像配信などで代替するアイデアもありますが、音楽の著作権などの関係で、難しさもあると聞きます。私自身、児童・生徒の保護者でもある議員として、子どもたちの成長を保護者が見守れるよう、ウィズコロナ時代の学校行事の方法についての研究も進めていただくことを要望し、質問を終わります。 ○海老澤 委員長 次に、フォーラムの質疑に入ります。  荻野委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆荻野 委員 東京政策フォーラムの荻野稔です。教育問題について質問をいたします。  今回の質問にも出ていましたけれども、コロナ禍での一斉休校などで、家庭学習環境の大切さも明らかになったと思います。  プレジデント社の、これは去年の記事ですけれども、2019年の10月17日付けの記事等で、東京・小学校区「教育環境力」ランキングという記事がありまして、そこでは、東京都の「東京都児童・生徒の学力向上を図るための調査」のデータを、編集部が都への情報開示請求によって自治体別の平均正答率を入手した結果と併せて、独自で作成した学力偏差値では、文京区、武蔵野、千代田区、中央区、目黒区の順で高くなっており、また、推定世帯年収のベスト5でも、千代田区、港区、中央区、渋谷区、目黒区の順となっており、収入と比例している面があるということを明らかにしました。  これは、あくまで実際のテストの点数ではなく、立地や人気、特別な教育の有無、年収、その他地域の大学進学率なども基にしているので一概に言えませんが、一部の町村地区を除く都内49区の偏差値ランキングで、大田区は25位とのことでした。大田区は大体真ん中ぐらいと書かれていました。  経済格差は学力格差と叫ばれて久しい昨今、また、親子の関係、ライフスタイルの多様化、様々な技術の進歩が進み、子どもを取り巻く環境は激変する中、大田区の学力の状況についてどのように考えますか。見解を伺います。 ◎早川 教育総務部副参事 令和元年度の全国学力・学習状況調査では、区立小中学校の平均正答率は、調査を行った国語、算数、数学、英語の全ての教科で、全国の平均正答率を上回っております。  また、区では、独自に大田区学習効果測定を小学4年生から中学3年生で毎年実施しており、今年度の結果は、コロナ禍であっても、小中学校の全ての教科で期待する正答率とほぼ同等か、上回る結果となっております。  教科ごとに見ますと、国語、算数、数学、中学校の英語につきましては、区の平均値が期待する正答率を上回る結果となっております。  一方、中学1年生の社会、小学校4、5年生、中学1、2年生の理科については、区の平均値が期待する正答率を若干下回る結果となっております。  全国学力・学習状況調査や、学習効果測定などの分析結果を基に、授業改善を継続してきた結果、少しずつですが、学力の向上が図られております。 ◆荻野 委員 平均値としては、全国平均よりは高いということでもありました。  続きまして、今は東京都のお話だったのですが、大田区内の学力と教育の遍在ということでお伺いします。  国勢調査や住宅土地統計調査などから、タブレット端末に配信した資料を作成いたしました。ご覧ください。  資料1から4が、それぞれ世帯年収や短大・大学進学率、管理職比率、ひとり親世帯比率の平均値、そこの丁目ごとに住んでいる人たちの平均値ということで出しております。一部色が反転していますけれども、地域で同じような分かれ方をしているということが分かるかと思います。適切な教育投資や支援をするためにも、実態把握は必要です。  公立小学校における子どもを取り巻く環境、親が子どもに寄り添ってあげる環境には、区内でも大きく違いがあるのではないかと思います。生まれ持った本人の能力というよりも、子どもを取り巻く外的な環境、家庭での子どもの学習環境に遍在があるのではないでしょうか。支援が行き届いているのか、適切なのか、どういう傾向なのか。学校だけでなく、子どもに関わることはみんなで把握し、考えることも大切です。家庭でしっかりと机に向かって勉強する。使い古された言葉ではありますが、こうした姿勢を身に付けることも、子どもにとって必要なことです。  一方で、家庭環境によってはそれがとても難しいケースもあると思います。家庭での学習環境の支援について、大田区の見解を伺います。 ◎早川 教育総務部副参事 小中学校では、家庭の経済状況にかかわらず、全ての児童・生徒が、自らの可能性を最大限に伸ばすことができるように努めております。  また、未来を担うおおたの子どもの教育は、家庭、学校、地域社会が共に力を合わせて行うものであり、教育委員会では、家庭教育の充実・発展を図っております。  家庭教育の充実のため、小中学校に家庭学習研究推進校をそれぞれ1校設定して、家庭学習がより充実するよう、各学校や保護者、区民などに幅広く普及・啓発しています。  また、家庭学習研究校が、研究成果などをまとめたリーフレット「家庭学習のすすめ」を作成して、保護者に配布し、家庭での学習支援をしております。  さらに今後は、1人1台のタブレットを整備し、ICTを活用した家庭学習のさらなる充実を図ってまいります。 ◆荻野 委員 こうした場合、公立高校の授業や課題、特別指導などの分量、本人の習熟度に応じた妥当性も重要になると思います。  大田区が、地域特性によって特色のある教育を行っているということも承知しておりますが、一方で、生まれ育った環境や境遇や運ではなく、子どもたち自身が自らの努力で可能性を開いていける状況を用意することも必要です。  例を挙げるならば、外国籍の子、日本語を日常言語としない子どもに対応した教育や習熟度別の授業など、子どもの状況に合わせた教育が必要不可欠です。  例えば、入門期の読みの指導においては、つまずきに応じて段階的に行う多層指導モデルMIMという方法もございます。日本語指導においても、このような形が必要ではないでしょうか。見解を伺います。 ◎早川 教育総務部副参事 日本語指導や習熟度別少人数指導の充実は、全ての児童・生徒に確かな学力をつけるために大変重要な施策であると認識しております。  日本語指導については、区が独自に行っている初期指導の上限時間数を平成30年度から20時間増やして80時間とし、ニーズの高まりに対応できるようにしております。  また、習熟度別少人数指導は、小学校では第3学年以上の算数、中学校では数学と英語で実施するとともに、区の講師を配置し、つまずきに対応した、きめ細かい指導を行っております。  今後は、1人1台に貸与とするタブレット端末の各種コンテンツを活用することなどにより、個別最適化された、個々の学習状況に応じた指導の充実をさらに推進してまいります。 ◆荻野 委員 コロナ禍でのオンライン授業の取り組みについても質問いたします。  今回、一斉休校の中などで必要性が議論され、先日のほかの委員に対する答弁の中で、その際の調査の結果、区内で特に支援が必要で、インターネットのできない環境にある家庭が7%あると明らかになりました。  先日、大田区内の3歳の女児が餓死するという痛ましい事件もありましたが、公の支援がなければ子育てを行えない。または、子どもの学習環境を整えることのできない家庭もあるのではないかと思います。貧困がイコールで、インターネット環境がない、不足しているというわけではありませんけれども、インターネットもライフラインになりつつある中、様々な事情によってインターネット環境のない家庭については区の支援も必要です。インターネットの環境のない家庭について、区はどのように取り組んでいますか。見解を伺います。 ◎柳沢 学務課長 各学校を通じて行った児童・生徒の家庭におけるインターネット環境についての調査結果から、オンライン授業への対応が困難な児童・生徒数は、7%程度との結果が出ております。  オンライン授業等の学習機会の確保や、感染の拡大に伴う再度の臨時休業に対応できる準備を備えておくことが重要であると考えております。  区では、7月からインターネット環境のない中学校第3学年の生徒へ、モバイルルーターの貸与を開始しました。  さらに、小学校・中学校で1人1台のタブレット端末の持ち帰り学習等での活用を円滑に行うため、インターネット環境が整っていない世帯へのモバイルルーターの貸与につきましても検討しているところでございます。 ◆荻野 委員 様々な支援に取り組んでいっていただきたいと思います。  やはり、生まれた家庭の経済状況がその子の人生を決めてしまうですとか、そうした経済状況によって、夢を諦める、道を諦めるということがないように、やはり子どもたちに対しては、そういった道を整えるというのも、やはり公的な教育の役目だと思います。  子どもの貧困の観点でも、最近は物理的なそのものの貧困よりも、社会的な体験ですとか、文化の資本関係の貧困ということも言われておりますけれども、やはり公教育というところで、そうした個人個人の関係でも、子どもがそういう環境によらないように、大田区の子どもたちがしっかりと将来を目指せるようにということで、今後も引き続き教育に取り組んでいただければと思っています。  私からの質問は以上です。 ○海老澤 委員長 次に、奥本委員の質疑に対して、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆奥本 委員 東京政策フォーラム、奥本有里です。大田区の区立図書館の取り組みについて伺います。  大田区は、図書館の数が16館と、類似施設として文化の森情報館があり、世田谷区と並び、23区の中で最も図書館が多い区となっています。直近の令和元年度のデータでは、文化の森情報館と併せて、蔵書数は189万冊、年間貸出図書数は550万冊となっており、他の自治体と比較をしても非常に多く利用されています。  このことからも、大田区の図書館は多くの蔵書があり、知的財産が豊かであることを示していると思います。  2021年3月に、池上図書館が駅直結型商業施設「エトモ池上」に移転し、生まれ変わります。池上図書館は、昭和31年、大田区で最初に開館し、今年で64年目になります。これまで多くの区民に愛されてきましたが、建物は築80年を過ぎており、老朽化が進んでいます。本年7月には池上駅の駅舎の改良工事が終わり、和モダンを意識した斬新なデザインが利用者の方々に好評です。  2021年3月にオープン予定のエトモ池上には、15店舗の商業施設と保育園などが入る予定です。駅直結型の図書館になることで、より利用しやすくなり、多くの区民に愛される図書館になることを期待しています。  資料を配信していますので、1ページ目をご覧ください。平成30年4月に、大田区教育委員会が策定した「大田区立図書館の今後のあり方について」には、毎日新聞の昭和38年の記事が転載されています。  池上図書館が、今から64年前の昭和31年に利用者が本棚から自由に本を閲覧できる開架式を採用し、当時めずらしかった図書の貸出しが行われ、先進的な運営方法として注目を集めたことが書かれています。  昭和35年に開館した洗足池図書館を、ハーバード大学の図書館副委員長のブライアント氏がたまたま訪れて視察した際に、その先進性に驚き、図書館国際セミナーで全世界に紹介したという記事が掲載されています。  つまり、池上図書館や洗足池図書館が世界中の図書館の施設の在り方や運営方法に大きな影響を与え、現在まで受け継がれてきたといっても過言ではありません。  池上図書館の開館から64年の歴史を経て、社会は大きく変わり、デジタル化社会になりました。本や情報の入手手段が変わり、まちから本屋が減り、デジタル書籍やアマゾンなどに変わりました。  大田区でも、図書館にインターネット環境を整備したり、近隣の他区の図書館と相互貸出しを行ったり、図書消毒器の設置やボランティアの育成、老朽施設の改修など、様々な取り組みが行われています。本年からはICタグを活用し、自動貸出システムが導入される予定と伺っております。  資料2ページ目をご覧ください。近年、全国の各自治体で様々な図書館の取り組みがされています。区議会でも視察に行かれていますが、佐賀県の武雄市図書館は、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブが指定管理者になっていることで知られています。スターバックスが併設され、飲み物を飲みながら本を読めること。図書館カードではなくTポイントカードで本を借りられること。日本に住んでいれば誰でも借りられること。本を借りるとTポイントがついたり、アイパッドの貸出しも行っており、おしゃれな外観と内装が好評で、国内外の観光客を動員し、人気を集めています。  このような先進的な取り組みには賛否両論ありますが、人口たった5万人の武雄市に、年間100万人の来館者が訪れるということは高く評価できることです。  ほかにも、金沢海みらい図書館はCMの撮影地にも使われ、話題になりました。みんなの森岐阜メディアコスモスにある岐阜中央図書館と仙台メディアテークにある仙台市民図書館は他の商業施設と一体となった複合施設です。武蔵野プレイスも図書館のほかに、会議室やカフェ、スタジオを併設しています。いずれも年間100万人以上の来館者が訪れる魅力的な図書館です。今後の図書館運営には、その地域の特性を生かした独自の取り組みが必要だと思います。  では、資料3ページ目、大田区池上図書館実施設計についての館内レイアウト図をご覧ください。  質問いたします。エトモ池上に池上図書館を設置するにあたり、設計や内装で工夫している点、子連れや高齢者、学生やビジネスマンに対し、どのような配慮が行われていますか。また、池上図書館の先進的な取り組みや特徴について教えてください。 ◎長岡 大田図書館長 設計や内装につきましては、池上らしい和モダンをコンセプトとして、畳ベンチを配置するなどしております。  ベビーカーや車椅子でも利用しやすいように、書棚と書棚の間隔を広げていることに加え、従来の図書館よりも書棚の高さを低くすることで、開放的な雰囲気、視認性の向上による防犯性、子どもや高齢者にも資料を取り出しやすくなる工夫をしております。  また、駅ビルの中にある図書館ですので、通勤・通学帰りの学生、ビジネスマンの利用も想定し、開館時間を区内の図書館で最も長い9時から21時までとする予定です。  池上図書館は、従来から郷土資料や哲学資料の充実に努めてまいりましたが、さらに、ビジネス実務書などの充実にも力を入れていく予定です。  先進的な取り組みとして、ICタグシステムの導入に加え、図書館が開いていない時間帯においても、利用者がご自身で機械を操作することで予約済の本を受け取ることができる、予約本自動受取機の導入や、隣接テナントとの一体感あるスペースの提供などにより、サービスの向上に努めてまいります。 ◆奥本 委員 ぜひ期待しております。  私も高校生の頃、図書館をよく利用していました。学校が終わってから女子高校生がまちなかで1人でも安心して過ごせる場所は多くありません。図書館の居場所は、学生たちにとってとても貴重な場所です。今後も、利用者が安心して過ごせる取り組みをお願いいたします。  さて、就学前から本が好きな子どもは自然と知識が豊富になり、就学してからの勉強がとても楽になります。  本が苦手でも、好きな図書館があれば、子どもは自然と本が好きなり、学力も上がると思います。スマホやパソコンであらゆる情報が手に入りますが、ネット上にはデマやネガティブな情報もあふれています。正しい情報や良質な情報に触れ、自分で情報を精査する力を身につけることが大切です。図書館の本は、書店の本とも違い、週刊誌やゴシップ記事がなく、ネット情報よりも良質な情報にあふれています。  そこで伺います。子どもたちにより図書館の本に親しんでもらう取り組みが必要だと感じますが、池上図書館ではどのような取り組みをされていく予定でしょうか。 ◎長岡 大田図書館長 池上図書館では、従来から本の内容に即した切り絵やしおりをつくるなどの工作会を開いているほか、英語絵本のおはなし会を実施するなどして、好評をいただいております。
     新設の池上図書館では、買い物帰りの子ども連れでのご利用や、休日の憩いの場としてのご利用を想定し、館内の児童コーナーにベビーカー置き場や子どもトイレ、授乳室を併設しております。  また、児童コーナーの一角には、電車の形を模した特設スペースを設置し、読み聞かせを楽しんでいただけるように工夫をしております。  区は、子どもたちにより多くの本に親しんでもらうため、池上図書館と同一のフロアにあるテナントや地域団体などとも連携を深め、児童サービスの取り組みを推進してまいります。 ◆奥本 委員 エトモ池上には、商業施設と保育園などが入る予定です。同一フロアにあるテナントなどとも連携を深め、児童サービスの取り組みを推進してくださるとのことで、池上図書館の新たな取り組みに期待しております。  大田区には、16か所の図書館と類似施設として文化の森情報館があり、老朽化している図書館もありますが、池上図書館の移転を皮切りに新たな時代の図書館運営について、今後どのように取り組まれるのか教えてください。 ◎長岡 大田図書館長 令和2年度は、池上図書館の移転に加えて、洗足池図書館の大規模改修にも取り組んでおります。ほかの館についても、老朽化対策として必要な改修を進めております。  また、各種の改修工事時期に合わせて、全館で今年度中にICタグシステムを設置いたします。このシステムの導入により、貸出し・返却の際には、一度に複数の資料について手続きをすることができます。誤って貸出し手続き前の資料を館外に持ち出してしまいそうな場合にも、このシステムのセキュリティーゲートがお知らせいたします。手続き時間やトラブル防止にかかる時間を短縮できる分、利用者へのレファレンスの充実に努めてまいります。  区は、今後、これまでの積み重ねの中で培ってきた図書館運営の基本を大切にしつつ、区民にとっての親しみやすさや快適さを追求し、今年度からの新たな取り組みの効果をしっかりと検証して、区民から求められるサービスに取り組んでまいります。 ◆奥本 委員 ICタグによる自動貸出機の導入などに期待しております。  コロナ禍で予定より遅れている事業があったとも伺っておりましたが、図書館の運営はその時代のニーズに柔軟に対応しつつも、急激な変化や成長ではなく、着実に進め、そして、大田区の図書館が多くの人に愛され続ける場所であるよう期待し、私の質問を終わります。 ○海老澤 委員長 会議が長時間にわたりましたので、しばらく休憩いたします。                午後2時44分休憩                午後3時15分再開 ○海老澤 委員長 ただいまから、決算特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、第9款教育費の質疑を続けます。  フェア民の質疑に入ります。  奈須委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。 ◆奈須 委員 フェアな民主主義、奈須利江です。今日は、タブレットに配信した資料をご覧いただきながら、質問をさせていただきたいと思います。  私の資料を開けていただくと、リンクがありますので、ここを長押しすると文書に飛ぶそうです。いかがでしょうか。飛びましたね。この資料を見ながら、質問させていただきます。  まず最初に、10ページくらいを見ていただきたいなと思うのです。10ページです。正確にいきましょう。この資料を見つけて非常に驚きました。何でかというと、皆さんも見ていただくと分かると思うのですけれども、大田区の学校法人の土地と建物が売却されているという。分かりますかね。  これは、投資法人がこんなふうにしましたよというのを、下の所を見ると、新聞社が報道している記事なのです。これは、別に私が特別に知っているわけではなくて、インターネットでこの文書のタイトルを検索していただくと、皆さんもご覧いただくことができます。  あれと思って、学校法人の土地と建物を売ってしまってよかったかと思って、東京都に電話して伺ったところ、ホームページの生活文化局の所に私立専修学校の認可基準というのがあるから、そこを見てくださいと教えていただいて。ここに、学校法人、専修学校もそうなのですけれども、校舎とか校地は、原則、自己所有ですよと。負担付きまたは借用でないこととなっていますというのを教えていただきました。  今度、また、資料3ページをご覧ください。3ページのところに、どんなことが書いてあるかというと、利回り、鑑定NOIというのかな。利回り5.7というのが見えるでしょうか。  あと、12ページ。飛んでしまって申し訳ないのですけれども、12ページの下から8行目。タブレットも便利なのですけれども、資料があちこち飛ぶのがとても時間がかかってしまうのですけれども、12ページのところの下から8行目には、セール&リースバック契約と。意味は何か難しいのですけれども、リースバックしているのだと。そういうことが書いてあったわけです。  だから、校地と校舎は、一旦売却したのですけれども、どうも現在は借りているのかなと。これは、去年の12月の予定で、1月にこのように買って、このようにリースバックしますよというのが書いてある資料なのですね。  ですから、もう売ってしまった時点で、校舎も校地も自分のものではないし、しかも負担付き。だから、何か借りていたりすると支払わなくてはいけないとか。あと借用、これも借りるということですけど、こういうものではないことという、原則と少し違うなということが分かると思うのですね。  大田区に聞いたところ、これについては知っているけど、そのままにしているという状態だったようなのですけど。今、見ていただいていると思うのですけど、12ページの下から8行目のところには、この物件は同法人と契約期間20年の普通建物賃貸借契約。括弧して、当初10年間は中途解約不可と書いてあったのです。だから、10年はいいのかなと思ったのですけど、10年たったら解約可能と読めるので、これは学校の経営はどうなるのかなと思ったのですね。  学校法人というのは、教育という公益を担っている法人であると同時に、剰余金の分配、株式会社でいうと配当ですね。それから持ち分の譲渡とか、残余財産の分配について禁じられていて、株式会社だったら会社を辞めて、残った財産を株主で分配したりできるのですけど、解散した学校法人の残余財産は、合併とか破産の場合を除いて、教育の事業を行う他の学校法人に帰属するとか、国庫に帰属するというすごく厳しいルールがあります。担っている事業の公益性だけではなくて、こうした厳しい制限もあって、学校法人、社会福祉法人などの非営利法人は税の減免なども行われているのだなと思うのですね。  ところが、売却先は投資法人で、教育施設に信託受益権が設定されていると。どうなっているか詳細は分からないのですけれども、減免が行われているというのは、こういう剰余金の分配とか配当がないから、禁じられているから、負担付きまたは借用でないからだと思うのですけど、許されてしまうと、投資利益を上げられる可能性が生まれてしまうのではないかと思います。  今の法律だと、その事業を行うにあたって、理事、監事、評議員、職員などの関係者に対し特別の利益を与えてはならないと、こういうことも書いてあるわけですね。ですから、こういうことが行われるということが、区内のほかの学校法人とか、社会福祉法人、医療法人などへの影響も大きいのではないかなと思って、危機感を持って学校を所管する大田区に今日は伺いたいと思います。  三つ併せて伺います。大森にある学校法人の土地と建物売却及び投資会社、信託会社を経由してリースバックしていることについて、所管している行政大田区として認めたのでしょうか。  2番目、大田区は他の非営利学校法人、社会福祉法人などの土地の購入、土地交換などを行ってきました。資金貸付も行ってきたわけですけれども、この学校法人の運営についてこうした支援をせず売却に至っていますけれども、売却とリースバックで学校運営を継続し、あるいは在学している学生、働いている職員のこういう権利を守れると判断していますか。  そして、三つ目は、私立学校法、その他の法令で受けている設置認可基準、税の減免、補助金支給などの要件は満たしていることを確認しているのでしょうか。この三つについてお答えください。 ◎政木 教育総務課長 専修学校についてのご質問でございますが、区は学校教育法及び私立学校法の規定に基づきまして、専修学校の認可に関する事務を行っているところでございます。  具体的には、それら認可基準に沿って判断をし、校舎でありますとか、校地でありますとか、その辺りについてもこの基準に沿って対応しているというところでございます。  また、二つ目の質問につきましては、認可基準には、校舎、校地のほか、教員数や教育内容等様々な分野の基準が定められて、総合的に判断するということになります。  区といたしましては、良好な教育環境を保持するという観点から適切に対応をしてまいりたいと考えてございます。  また、設置認可基準等の要件に関しましては、法に定める専修学校として適切に運営されるよう、今後も関係機関と連携し、適切に指導してまいりたいと、そのように考えてございます。 ◆奈須 委員 満たしているか、満たしていないかというのは、またこれはすごく複雑な仕組みなのですけれども、学費から賃料を払うということになれば、またいろいろと問題も起きてくるのではないかなと思いますし、あるいは、そうした確認を大田区がしていかないと、やはり、しっかりと法令を守り、補助金であったりとか、税の減免を受けているというところと、それから、やはり教員ですとか、生徒を守ってほしいと。10年間だけは約束を守ったけれども、その後は変わってしまったり、あるいは10年の間にもその負担が大きくなったために、教育の質が悪くなったり、あるいは働いていらっしゃる職員の皆さんの処遇が悪化するということがあってはならないと思いますので、これは多分特異な事例だと思いますので。ぜひ注目していただきたいと思います。 ○海老澤 委員長 次に、自民、質疑願います。 ◆渡司 委員 自由民主党大田区民連合、渡司幸でございます。学校現場での人材確保について伺います。  今年度、地方公務員法の改正により、大田区におきましても、学習指導講師が学習補助員と改められるなど、教員免許がある方で、時給2,500円から1,700円に減額となってしまうというケースもありました。  学習補助員の場合、免許の有無や実務経験年数などは考慮されず、また会計年度任用職員であります学校講師に移行したくても、今までの勤務体系のままでは登録ができないなど、やむなく他の職場や塾に職を求めた方もいると伺っております。  信頼される講師は、子どもたちにとって心強い味方であり、優秀な人材の確保は喫緊の課題でもあります。東京都教育委員会では、経験区分のある会計年度任用職員、時間講師の待遇が用意されておりますが、区では経験区分による時給加算はございません。  優秀な講師や教員免許保持者は、今後ますます引く手あまたとなり、他区との人材確保競争が激化していくと思われます。経験豊富で優秀な人材を大田区において、継続して確保していくためにも、柔軟な勤務体制や経験に考慮した教員免許保持者の任用を進めていただきたいと思いますが、区の考えをお聞かせください。 ◎池 学校職員担当課長 今年度から会計年度任用職員制度へ移行したことに伴い、これまでの非常勤職員であった区費講師を二つに区分いたしました。主な条件として、教員免許を有するものを会計年度任用職員の学校講師、教員免許を必要とせず、補習指導を行う者を報償費対応の学習補助員といたしました。  会計年度任用職員の学校講師は、勤務時間が週24時間以内という条件はありますが、何時間以上という下限の時間は設けておらず、勤務時間を選択できる制度となってございます。  また、単価においては、経験区分は設けてはおりませんが、東京都の時間講師の8年以上9年未満の経験区分に相当する単価となっております。  これにより、教員免許を有し、学校が必要とする教科に合えば、従前の非常勤講師のときと同様の単価及び勤務時間で会計年度任用職員として勤務することができます。  委員お話しのとおり、有用な人材の確保は、本制度を実施する上で必要不可欠であります。今後、これらの内容をさらに周知徹底し、より優秀な人材の確保に努めてまいります。 ◆渡司 委員 制度変更時などは、特に学校現場へのより丁寧な情報提供や周知をお願いしたいと思います。  今までも産休、育休、代替教員や非常勤の講師に関しては、慢性的に人員確保が難しく、東京都教育委員会の登録名簿はあるものの、実際は使い勝手が悪く、管理職や教員の人脈や情報によるところが大きいという実態がございます。  有用な人材は大田区につなぎとめておく努力も必要です。ぜひ、継続的な人材確保の観点からも、大田区ならではの活用しやすい名簿の整備と柔軟な任用制度としていただくことをお願いして、次の質問に移ります。  読書学習司書について伺います。段階的な配置を終え、現在は全校に配置されたと伺っておりますが、遠足や社会科見学、修学旅行、職場体験など、様々な体験の場が今までどおりとはいかなくなってきている今だからこそ、学校図書館や読書学習司書の活用について推進していただきたいと思います。  調べ学習では、実体験には及ばないまでも、いろいろな職業について学ぶこともできますし、自分の住む地域の歴史や民話などを本や資料から学び、団体で遠くにでかけることはできなくても、地域学としてまちを知る機会にもなると思いますが、読書学習司書のさらなる活用について、区の考えをお聞かせください。 ◎池 学校職員担当課長 これまでも、司書教諭と読書学習司書の連携により、図書館だよりや授業における本の紹介などを通じて、読書の楽しさを味わわせるとともに、児童・生徒が様々な事柄に関心を持ち、主体的に学ぶきっかけになるよう、調べ学習の支援に取り組んでまいりました。  新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休業で授業が実施できない中でも、ある学校では、司書教諭と読書学習司書の連携により、学校のホームページ上で児童・生徒が関心を持つような図書を紹介し、調べ学習を促す事例も見られました。  コロナ禍においても、利用時間帯を分散し、密集を生じさせない配慮をしながら、図書館機能を低下させない運営に努めております。  また、児童・生徒自らが学ぶ力を育てるため、こうした事例も含め、地域の歴史、民話などから地域を知る事例など、読書学習司書が相互間で情報を共有し、調べ学習等の学習支援をはじめ、読書活動の充実を図ってまいります。 ◆渡司 委員 教育人材全てにおいても言えることだと思うのですが、学校図書館の司書の配置についても、国や都から言われたから、全校配置が完了したからそれでよしとすることなく、子どもたちの豊かな学びのためにさらなる読書学習司書のスキルアップと学校の図書館の活用を進めていただきたいと思います。  コロナ禍にあって、学校教育の現場では、読書学習司書以外にも様々な人材に期待をする声が挙がってきております。学芸会、学習発表会、合唱コンクールなどが今までどおり実施できない状況の中、別会場で発表を見るなど、学校行事のリモート化についてや情報発信、授業動画のアップなどについて、ICT支援員にぜひ相談したいという声を多く聞いております。ICT支援員のさらなる活用について、現状をお聞かせください。 ◎柳沢 学務課長 ICT支援員は、学習用ソフト等の教科系システム全般についての支援を行うため、各学校へ月3回訪問し、教員へ効果的な学習用ソフトの利用方法やタブレット端末、電子黒板等のICT機器の操作方法の講習会を行っております。  また、委員お話し学校行事及び情報発信のコーディネートについても、行事を教室内で視聴可能とする校内放送システムの活用や、学校ホームページを用いた情報発信についても、各学校からの新たな要望を実現できるよう、現場でのサポートを行っております。  今後も引き続き、ICT支援員によるサポートを充実させ、様々な教育場面でICT環境を活用し、新たな学びを実現してまいります。 ◆渡司 委員 いつも年度当初のカリキュラム、時間割の作成などに学務主任の方たちが大変な悩みを抱えながら、たくさんの時間を使ってつくっていらっしゃる姿も見受けられたりします。ぜひそういうところもAIの活用ですとか、そういうことを進めていただければなと思います。  ICT支援員に関しては、学校関係者からも大変助かっているという声を多く聞いております。学校のICT化が一気に進む流れがある中で、ぜひICT支援員の時間を増やしていただくなど、学校のICT化を人材面からも強力に支援していただくことを強く要望して、次の質問に移ります。  今回の臨時休業、分散登校、感染症対策などで、何よりもまず子どもたち自身の声を聞いていただきたいと思うのですが、以前より実施されているメンタルヘルスチェックと学級集団調査に関して、公明党の小峰委員からも質問がありましたが、コロナ禍の実施において工夫した点がございましたら教えてください。 ◎早川 教育総務部副参事 区立学校では、4月の新学期開始からさらに2か月の臨時休業が続き、実際に新しい学級がスタートしたのは6月という状況の中で、教育委員会では効果的な調査の在り方について検討いたしました。  例年、6月の子どもの心サポート月間に合わせ、月末までの両方の調査の実施を学校に依頼しておりましたが、特にコロナ禍子どもたちの状況を早期に把握するため、メンタルヘルスチェックは学校再開後、速やかに実施しました。  一方、学級集団調査については、児童・生徒の学級内における状況を把握するという調査の性質から、分散登校など段階的な再開だった6月中の実施は避け、児童・生徒が通常に近い学校生活を送ることができるようになり、学級集団がある程度形成されるのを待って実施しました。  それぞれの調査の特質を踏まえて実施するとともに、実施後の担任やスクールカウンセラーなどによる面談といったアフターフォローも適切に行い、コロナ禍の中で揺れる子どもたちの心のケアに努めました。 ◆渡司 委員 実施のタイミングなどについても工夫をしていただいたということで、ありがとうございます。  現場の先生方に伺いますと、コロナだから、コロナの前だから、後だからということではなく、いつもどおり丁寧に行動観察なども行っていただいたと伺っております。  今回、全国的にも分散登校で、学級の少人数の良さを痛感したとの先生の声や児童の声を例に挙げ、学級の少人数化に大きく舵を切る流れが強くなってきております。確かに目配りしやすいと感じた先生も少なくないと思います。  また、コロナ禍においては、いつにも増して家族の状況が変化したり、学習状況が変化するなど、子どもたちのメンタル面のケアが心配だったと思いますが、子どもたちの不安や悩みについてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの専門性が生かされ、必要な支援を受けることができたのかお聞かせください。 ◎早川 教育総務部副参事 現在の学級編成、クラスの人数であっても、日々学校生活を送る中で、担任は常に子どもたちの様子を観察し、不安や悩みを抱える子どもたちの状況を把握して指導に生かすようにしております。  不安や悩みを抱える子どもたちに対しては、担任やスクールカウンセラー等の面談を実施するなど、絶えず子どもたちの声に耳を傾け、不安を感じている子どもたちをケアし、必要な支援を行っております。  また、家庭に起因するケースについては、必要に応じてスクールソーシャルワーカーと連携して支援しております。  今後も、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用と併せて、先ほどの二つの調査を活用しながら、子どもたちの小さな変化や成長を見落とさず、適切なケアや支援を行ってまいります。 ◆渡司 委員 このような事態の中におきまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置が済んでいてよかったなと本当に心から感じております。  コロナ禍にかかわらず、学校関係者の方々は子どもたちの不安や気持ちの変化にいつも注意していただいているということにも心から感謝申し上げます。  また、学校の小規模化についてですが、学級人数を固定すること自体について否定的な研究もございます。学級人数を何名と固定することなく、柔軟なグループ編成を推奨している国や地域もございます。  先生一人当たりの担当する子どもの比率を表すPT比というものがございますけれども、日本の小学校のPT比はOECD諸国の平均よりも少なく、先生が見る子どもたちの数は少ないという統計結果も出ております。  また、学級規模の大小に関しては、年齢が低いほど影響を受けやすく、年齢が高くなればそれほどの相関が見られないということですとか、学級規模が関わるのは学力なのか、それともメンタルヘルスなのか、コミュニケーション能力なのかなど、様々な研究もございますし、学級規模に関して、教育制度とも併せてよく考えていくということが必要だと思います。  肝心なのは、その子が聞いてもらいたいと思うときに話を聞いてもらえる環境があること、必要なときに必要な支援の手が差し伸べられることなどで、それは少人数制にすれば必ず実現する、担保できるという性質のものではないと感じています。  学級人数を少なくすればよいという単純な考えではなく、専門家や豊富な人材が子どもたちの育ちを支えていくことこそが重要だと考え、学校現場の人材確保に関する質問を今回させていただきました。  私も区政施策調査で、アメリカ、イギリス、スイス、ドイツの教育現場を見せていただきましたが、同じ教育空間の中においても、学習内容や進度によって、小グループに分かれていたり、先生だけでなく、看護師、作業療法士、通訳、臨床心理士、社会福祉士、また地域のボランティアなど、教員以外の様々な人材が子どもたちの学びを支えているという実態を見せていただきました。  大田区の学校教育におきましても、国が言うから、都が言うからということもあるとは思いますけれども、ぜひ、この人口74万の大田の子どもたちをどう育てていきたいかというしっかりとしたビジョンを持っていただき、少人数化すればよいという簡単なことではなく、子どもたちの学びがより豊かになるような方策について、知恵を出し合っていただきたいと考えます。  大田区の学校教育において、様々な人材、そして有用な人材を確保、活用していくことは、今後の重要な課題でございます。ぜひそれらのことを広く考えていただきながら、私たちも応援させていただきますので、子どもたちのことをよろしくお願いしたいとお願いして、質問を終わります。 ○海老澤 委員長 以上で、第9款教育費の審査を終結いたします。  次に、第10款公債費、第11款諸支出金、及び第12款予備費の審査に入ります。  第10款にはフェア民から通知がありましたが、持ち時間を全て消化しておりますので、質疑は行わず、第10款から第12款までの審査を終結いたします。  以上をもちまして、しめくくり総括質疑を除き、第75号議案 令和元年度大田区一般会計歳入歳出決算の審査を終結いたします。  なお、本議案の討論・採決は、6日の委員会で行いますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、各特別会計の決算の審査に入ります。  各特別会計については、歳入歳出決算の審査を一括して行いますので、あらかじめご了承願います。  それでは、第76号議案 令和元年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の審査を行います。  本議案には共産から通知がありますので、これを許します。  それでは、共産の質疑に入ります。  佐藤委員の質疑に際しまして、資料の使用を許可いたしましたので、ご了承願います。
    ◆佐藤 委員 日本共産党の佐藤伸です。私は、国民健康保険事業特別会計について幾つか質問をいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響で収入が落ち込むことが見込まれる世帯に、国は4月7日の閣議決定に基づいて、厚生労働省が事務連絡等で骨子を示し、大田区でも国保・後期高齢者医療保険・介護保険で保険料の減額・免除制度の運用を開始しました。  国保の申請状況はどうなっていますか。 ◎牧井 国保年金課長 国民健康保険の新型コロナウイルス感染症の影響に伴う保険料減免については、7月1日から申請を受け付けております。  これまで7月に700件、8月に509件、9月に359件、9月末現在で、合計1,568件の申請を受理しております。 ◆佐藤 委員 タブレットのフォルダにある資料5でも示したように、後期高齢者医療保険に年々移行する方が増えるなどの要因で、区内の国保加入者が減っているとはいえ、加入世帯は9万5,949世帯、加入者が13万4,079人いらっしゃることが分かっております。  その中で、今お話がありました1,500数件というのは、この加入者に比べて申請数は少なすぎるのではないでしょうか。大体1.6%ぐらいになると思いますが、周知徹底の強化が必要です。  今の景気状況から考えると、申請要件に該当しているが、この保険料の減額免除の制度を知らず、申請をしていない区民がかなりの世帯でいるのではないでしょうか。  納税課の窓口で制度案内を配布したり、再度区報に掲載するなど、周知徹底の改善を求めます。お答えください。 ◎牧井 国保年金課長 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う保険料減免については、6月に要綱制定などの準備が整い、7月1日から保険料減免申請を受け付けております。  周知については、6月にホームページに掲載したほか、7月からは国保年金課窓口及び各特別出張所窓口でのチラシの配布や区報にも掲載してお知らせしております。  また、納付相談をお受けする際には、新型コロナウイルス感染症の影響による保険料減免制度のこともお伝えするようにし、保険料減免の要件や必要に応じて手続き書類等のご説明もさせていただいております。  今後も、窓口等での案内や被保険者の皆様へ個別の通知の際に保険料減免のご案内を掲載するなど、引き続き様々な方法で周知を図ってまいります。 ◆佐藤 委員 この間、大田区は様々な新型コロナウイルス感染症対策の経済施策なども出しておりますが、やはり区民や対象者への周知というところでは、足りないという状況が今かなりあると思います。そういう意味で、先ほどこの減免制度のことを聞いたのですが、やはり、1.7%未満、この数字から見ると、かなり認知度が低いと思われます。あらゆる機会を通じて知らせていくというお話もありましたが、ぜひ今提案させていただいたように、納税課の窓口などでも制度案内を配布するだとか、区報に1回掲載しているということもお聞きしていますが、再度区報に掲載していただいて、対象の区民の方々に使える制度だということをお知らせすることを求めておきます。  新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が減ることが見込まれる世帯の保険料の減免申請ですが、国保、後期高齢、介護保険のそれぞれの窓口での申請になっております。  窓口の一元化をして、該当する区民の申請に対する負担の軽減を求めます。お答えください。 ◎牧井 国保年金課長 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う保険料減免については、主たる生計維持者の事業収入等の減少が見込まれるなど、一定の要件に該当する場合に保険料が減免されます。国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険のそれぞれの制度の違いにより、減免要件等が多少異なっている点や、保険者が別であるなどの事情により、現在は各担当窓口で申請を受け付けております。  被保険者の利便性向上のため、担当窓口相互に連携を図ることや事業収入等の減少を証明する書面等は被保険者の同意を得て、共通で利用できるように取り扱っております。また、申請者の利便性や新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、郵送による申請も推奨しております。  今後も担当窓口相互の連携を図り、被保険者の皆様の利便性を向上できるよう努めてまいります。 ◆佐藤 委員 一元化と言ったのは、例えば、国保で減免を受けている方が介護保険の減免もしたいという場合に、あちらの介護のほうにも行ってくださいということで、移動されて申請をするというケースがあると伺っています。これを例えば、国保の窓口で介護保険のほうの申請もできるだとか、介護保険の申請の窓口で、国保や後期高齢のほうの減免の申請もできるようにすると、区民の方があっちに行ってまたこれを書いて、あっちに行ってこれを書いてという、そういう手間が省けるということでやりやすくなると思うのですよね。ぜひ、そういったやり方も含めて検討していただきたいということを要望しておきます。  大田区では、2年前の2018年度から、それまで行っていなかった国民健康保険料の納期内に納付できなかった区民から延滞金の徴収を始めました。総括質疑で、我が党の福井委員がその理由を聞きましたが、準備が整ったからとの答弁がされましたが、どんな準備をされてきたのでしょうか。お答えください。 ◎牧井 国保年金課長 総括質疑におきまして、答弁申し上げましたとおり、大田区国民保険条例第22条で、延滞金額を加算して納付しなければならないと規定しています。  この取扱いについては、東京都の指導検査においても延滞金の徴収について条例で定められているにもかかわらず、徴収がなされていないことについて助言等を受けてきたところです。  延滞金の徴収を開始するためには、各様式等の変更のほかシステム改修等が必要になっておりました。このため、数年の準備を経て、国保の制度改革が行われた平成30年度から延滞金の徴収を始めることができたということでございます。 ◆佐藤 委員 確かに東京都の国民健康保険団体連合会が発行する冊子「東京の国保」の今年の7月号には、延滞金について一部の保険者において、それによらない取扱いが見られました。納期内納付をしている被保険者との公平性の確保の観点から、法及び条例に則った事務処理を行うよう助言したなどと書かれていました。  タブレットのフォルダにある資料3、資料4をご参照ください。国民健康保険料は、毎年のように上がり、特に所得の多い少ないに関係なく、世帯加入者の人数に応じて加算される人頭税のような均等割りの額も上がり続けるなど、国保に加入をしている方にとって、保険料が高くて払えない状況があります。  事実、所管課からいただいた資料でも、8月31日現在で3万455世帯、31.7%の国保加入世帯が区内で期限内に保険料が納付できない滞納世帯になっています。  また、昨年度、2019年度は、滞納世帯に対して差押さえが752件で、差押さえをするような資産がなく、執行停止になっている世帯が4,026件あったと報告がされています。  保険料の滞納者は、払わないのではなくて、払えない実態がこの数字の中に示されているのではないでしょうか。  ですから、滞納者に対して、罰則的な意味を持つ延滞金を23区中大田区を含む9区のみの自治体が徴収を行っておりますが、これは逆に言うと、23区中大田区を含む9区だけが行っていて、ほかの区はやっていないということでありますので、保険者である自治体の姿勢そのものが私は問われていると考えております。  高くて払えない保険料に対する延滞金の徴収は、収納率引き上げにはつながりません。逆に、国保加入者の生活と営業を圧迫しているのではないでしょうか。延滞金の徴収を中止するよう求めます。  また、国が認める新型コロナウイルス感染症に関わって保険料の減免をされた加入者は、もれなく過年度分も含めた延滞金を免除するよう求めます。お答えください。 ◎牧井 国保年金課長 延滞金は納期限までに保険料を納めていただいた多くの被保険者との公平性の確保の観点を考え加算され、条例等に則り徴収しているものであります。  延滞金は、納期限までに保険料を納めていただくよう促す意義も有しており、今後も適正に徴収してまいります。  一方で、納付期限までに保険料を納付しなかったことについて、やむを得ない理由があると認める場合は、延滞金を減免することができます。  保険料が納付期限までに納められない事情として、災害や病気、また事業収入の減少など、様々な事情があると考えております。延滞金の減免については、国民健康保険条例施行規則第11条において、要件や手続き方法について規定されております。  それぞれの事情や生活状況をよくお聞きして、延滞金の減免申請のご説明をさせていただくなど、被保険者お一人おひとりの事情に応じて、丁寧に説明して対応してまいります。 ◆佐藤 委員 質問に答えていないのですよね。私は、コロナ感染症に関わって、保険料の減免をされた加入者は、もれなく過年度分を含めた延滞金を免除するよう求めました。  この制度は、国がつくったといいますか、国が言った制度ではありますが、このコロナ禍の下で、収入がある一定程度落ちている世帯に対して保険料の減免をすると。これは、もちろんその世帯の生活を応援するということもあるのでしょうけど、やはり医療保険ですから、国保は。医療機関にかかりやすいようにするということが、この中に私は含まれていると考えております。そういった面で、延滞金をこういった世帯からもとっていくということは、全くその世帯の暮らしや営業を応援していない。せっかく国がそういう制度をつくっているのにもかかわらず、個々で対応していくなどということになりますと、国の立てつけに大田区は違う見解を持っていると私は言わざるを得ないと考えております。個々にというお話でしたけど、ぜひ過年度分も含めまして、新型コロナウイルス感染症に関わって、実際に保険料の減免をした、そういった加入者に対しましては、延滞金の免除をするよう強く求めておきます。  昨年5月の連合審査会で、私は国民健康保険料などの強引な収納問題について質問し、広聴広報課発行の冊子「区民の声」に二度とこの問題で区民の声が載らないよう改善を求めました。  しかし、最新の「区民の声」ナンバー67、2019年4月から2020年3月には、こんな声が掲載されています。国民健康保険料を滞納していたため、分割納付の相談を行ったが、滞納理由も聞いてもらえず、払えない金額を提示されたということが載っておりました。本当に残念です。  タブレットのフォルダにある資料1、資料2をご参照ください。1の中では、大田区国民健康保険料督促状というのが入っています。督促状です。これは、線が引いてありますが、線というか蛍光ペンで書いてありますが、生活困窮などにより、納付期限まで納付が困難な方はご相談ください。納付相談はここですということが書いてあります。  また、「おおたの国保」ですね。これが資料2のほうなのですが、保険料を納めないとこうなりますということで、督促状の送付から催告書の送付、保険給付の制限や短期証の交付、資格証明書の交付まで書いてあります。資格証明書は、ご承知のように資格証明書ではありますが、その証明書を持っていても、保険証としての役割を果たさず、これはイラストつきで書いていますけど、医療機関にかかると10割負担をしなければいけない、そういうものです。やはり保険料は期限内に納めましょうということを書きながら、こういったことが書かれています。  やはり、相談がしっかりとやられていない現状があると思います。収納相談の改善が必要です。特に、区のホームページでは、督促状を送る際や「おおたの国保」などに納付相談という言葉にまとめないで、私は前回の質問でも求めましたが、徴収の猶予や換価の猶予があることを明記して、制度として周知するよう求めます。お答えください。 ◎牧井 国保年金課長 国民健康保険の保険料を納期限までに納めていただけない場合、納期限までに納めていただいた方との公平性の観点から法令に基づき滞納整理を行わせていただいております。  しかしながら、事業を休止した場合や新型コロナウイルス感染症の影響等で生活が困窮した場合など、納付が困難な場合は、大田区国民健康保険条例第23条に規定されている徴収猶予なども含め、対応をさせていただいております。徴収猶予を含めた納付相談については、区のホームページや督促状を送付する際に納付相談や分割納付のご案内をするなど、早い段階で納付相談をお受けするよう努めております。  保険料のお支払いが難しい場合は、まずは納付相談をしていただきたいので、引き続き分かりやすいご案内に努めてまいりたいと考えております。  今後も、被保険者お一人おひとりの事情に応じて、丁寧に説明して対応してまいります。 ◆佐藤 委員 丁寧な相談をしていたら、「区民の声」にこういったことが載らないのですよ。換価の猶予や徴収の猶予があるということをしっかりと区民へ周知徹底するということが大事だと思います。  おかげさまでホームページには載るようになっていますが、やはりしっかりと督促状を出すときに、納付相談という簡単な言葉にまとめないで、しっかりと行うよう求めまして質問を終わります。 ○海老澤 委員長 以上で、しめくくり総括質疑を除き、第76号議案 令和元年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の審査を終結いたします。  次に、第77号議案 令和元年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の審査を行います。  本議案には、質疑の通知がありませんので、しめくくり総括質疑を除き、第77号議案 令和元年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の審査を終結いたします。  次に、第78号議案 令和元年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算の審査を行います。  本議案には、共産から通知がありますので、これを許します。  それでは、共産、質疑願います。 ◆大竹 委員 介護保険特別会計について質問をいたします。今日最後の質問になりますので、よろしくお願いいたします。  決算概要説明書448、449ページ、地域支援事業費について質問いたします。  私も今年3月の予算特別委員会でも総合事業について質問しました。第7期事業で、予算では3年間下がっていると。今決算でも昨年から比べて2年間下がり続けていると。決算概要説明書の3款1項地域支援事業、執行率67.31%、不用額8億9,000万円余。3目の包括的支援事業費は執行率が高いですね。96.25%なのですが、1目の介護予防・生活支援サービス事業費は、執行率が何と48.78%、不用額は8億3,000万円余という、こういう状況になっています。執行率が低かった理由についてお答えください。 ◎浅沼 元気高齢者担当課長 執行率が低かった理由につきましては、75歳以上の高齢者数の伸び率を踏まえ、前年度決算額に基づき当初予算を算出しましたが、専門職が提供する訪問や通所サービスが、ボランティアによる生活支援サービスに移行したことや、一般介護予防事業の実施により、高齢者の健康維持・増進が図られたことなどの理由により、想定した給付額を下回ったものと捉えております。 ◆大竹 委員 ボランティアによる絆サービスですね。ボランティアですから、当然専門職からボランティアに移ったということで、質の問題が問われると思います。  それから、一般介護予防事業の拡充等を言っていました。ただ、前年度から比べると、今決算では、例えば、介護予防普及啓発事業は4,100人減っているだとか、地域介護予防活動支援事業が655人減という、こういう中身もあります。  とりわけ、やはり減少している大きな原因として、私は第7期事業に入ってから、介護事業者による支援については原則1年だと。このようなことがやはり大きな原因になっているのではないかと考えます。  ですから、このような言ってみれば要支援の切り捨てですね。1年間と期間を決めて終了する、あるいは卒業する。こういうものをぜひやめていただきたいと考えます。お答えください。 ◎浅沼 元気高齢者担当課長 委員お話しの総合事業の通所及び訪問型サービスの期間は、予防の取り組みを行っていくための目標の目安となる期間として設定しているものです。  1年の節目に開催するサービス評価会議により、サービスを継続することで、一層の効果が期待できる方につきましては、次期の目標設定をして、サービスの利用を継続しております。 ◆大竹 委員 私ども党区議団は8月に介護事業者へのアンケートを取りました。介護事業所596か所に郵送して73か所。ここで本当に切実なこの総合事業についての声が寄せられております。卒業の制度は大田区から見捨てられたように感じているとの声が多数寄せられています。要支援の方が今後も介護予防サービスを継続して利用できるようにしてほしい。介護保険適用が削減され、以前のサービスではできない。特に大田区では総合事業のつき放しがあからさま。要支援の方々で大田区のみが卒業制度があること、卒業制度が大田のみでは不平等ではないか。見直しを検討していただけないでしょうか。今年度は第7期事業の最終年です。本当にこういう状況を検証してください。そして、その検証を来年から始まる第8期事業にぜひ生かしていただきたい。そのことを要望して終わります。 ○海老澤 委員長 以上で、しめくくり総括質疑を除き、第78号議案 令和元年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算の審査を終結いたします。  なお、第76号から第78号に至る各議案の討論・採決は6日の委員会で行いますので、よろしくお願いいたします。  本日は、この程度をもって、決算特別委員会を閉会いたします。                午後4時07分閉会...