なお、一部、質問通告の順番を変更いたします。よろしくお願いいたします。
まず、優しい
まちづくりにおける安全安心な
歩行空間の創出についてお尋ねいたします。歩道の整備についてでございます。
私たちはふだん何気なく歩道を歩いたり、自転車で通行したりしておりますが、高齢者、障がいを持った方は歩道を利用するのに危険を感じたり、利用しづらい面があると相談を受け、自分なりに検証してみました。すると、いろいろな面で優しい
まちづくりに反した面が多々あることに気づきましたので、その一部について質問いたします。
本市は、従来から施策の中心に
まちづくりがうたわれています。令和4年度当初予算のポイントの中にも多くを占めておりますし、市長の提案理由の説明の中でも、何回も市民のために全力で取り組む決意が見られました。
しかしながら、本市の歩道の状況に目を向けますと、舗装の経年劣化や占用者の工事による危険箇所も多く、また、道路から施設や住宅への車両の
乗り入れ口について歩道の切下げをしてありますが、車道を優先した構造の急勾配となっているため、高齢者や障がいをお持ちで車椅子を利用されている方から危険であるとか、手押し車やベビーカーの利用者から通行に支障を来しているといった意見をよく聞きます。
現在、歩道の
切下げ工事の許可申請では、歩道幅に合わせて一定の平坦な部分を設けることを条件に工事を許可しているそうですが、以前からある歩道の切下げでは、平坦な部分がないものや、急な勾配で危険で波打っているところなどもしばしば見受けられます。
そこでお尋ねいたします。
誰もが安全で安心して利用できる
歩行空間を確保する上で、歩道の切下げ部での傾斜や段差の解消など歩道の改善について、今後どのように取り組んでいくのか、
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉
都市建設局長 ただいまの歩道に関する御質問にお答えいたします。
歩道の傾斜や段差等を解消するためには、歩道と車道の間を段差ではなく、縁石で区分いたします
セミフラット形式という工法が有効でございまして、国からの通知に基づき、平成17年頃から対応可能な場所において順次整備しているところでございます。
また、従来の歩道と車道に段差がある道路で、
乗り入れ口を設置されるなどの理由で申請により歩道を切り下げる場合には、歩道に原則1メートル以上の平坦な部分を設けて切り下げることとしておりまして、歩道幅員が狭く1メートルを確保できない場合は、勾配が緩やかになるよう民地側を下げていただくなどの指導を行っているところでございます。
このように、沿道の状況や地域の実情を考慮した歩道の改善を行っておりますが、今後の整備に当たりましては、現在、策定作業中でございます
バリアフリーマスタープランのまちあるき点検や、
ワークショップ等での具体的な御意見も参考にさせていただきながら、誰もが安全で快適に移動できる
歩行空間となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〔43番
藤山英美議員 登壇〕
◆
藤山英美 議員 歩道の切下げでは許可申請時、
仕様書どおりに実施するようになっております。誓約書も提出されてありますが、許可が出されたら業者任せになっているのではないかと思います。
なぜなら、切下げで道路との境界の縁石がないところ、平面のもの、傾斜があるものなどばらばらな状態でございます。平面の確保が明記されているのに歩道が斜面のまま、かまぼこ型など隣地に配慮したようなところも見られます。許可では
仕様書どおりに施工するようになっているのに、完了後、統一性がないのは、完了検査が十分でないのではないかと思われます。不十分ならば、誓約書があるので、許可条件に合うよう指導をお願いします。
また、私の知人に、高校生の通学や通勤、高齢者の手押し車などを見て、歩道の安全確保に取り組んでいる人がおります。場所は
鎮西高校通りです。歩道が極端に狭い上に電柱が何本も立っていて、歩道の役目を果たしていない状況であります。その方は、電柱の移設地を探しながら要望しております。九電との調整が必要なことも分かりますが、事故など起きる前に早急に対応をお願いしたいと思います。
続いて、自転車の通行についてお尋ねいたします。
歩道の安全性は、自転車の通行に関しても必要とされております。自転車は軽車両として、法律上は車道の左端を走行するものとされてきましたが、実際は自転車は歩道を走るものとして社会的に長らく認知されております。
しかしながら時代の流れとともに、車から人優先へと視点が変わり、それまで曖昧であった自転車の
交通ルールをきちんと定める必要から、平成19年6月に
道路交通法が改正されました。改めて、自転車は原則車道の左端を走行するものと確認されることになりました。
その上で例外的に、自転車の運転者が児童、幼児及び高齢者の場合であるとか、交通の状況からやむを得ない場合などにおいて、自転車が歩道を通行できるとしてありますが、通勤通学の時間帯などでは、学生が自転車で歩道を猛スピードで走行しており、
道路交通法の改正が周知徹底されていない中で、
自転車利用者の多くが歩道を通行しているように思います。歩道は歩行者が優先であることが守られていないのが現状ではないかと思います。一部の無謀な通行や
ルール違反者により、歩行者が危険を感じたり、怖い思いをしたと聞いています。
現在、脱炭素社会の実現や健康増進に向けた
自転車利用の促進が図られていますが、
自転車専用レーンなどの
ハード整備には多大な経費や時間を要するところであるため、
自転車利用者へのルールや
マナー啓発が重要であると感じております。
また、歩道の有効活用も必要です。狭い限られた
歩行空間が、街路樹や、特に低木の植樹帯、電柱などによって、さらに狭い空間になっているのが現状です。街路樹や低木の植樹帯などは、町並みに潤いを与え、都市景観を向上させることにより
道路利用者に快適な
歩行空間を提供するなど、その役割は認識しておりますが、巨木化した街路樹の根上がりによる段差や、植樹帯があることによる視距不良、落ち葉で滑りやすいなど、歩行者や
自転車利用者が安全に通行できる空間である歩道が危険と隣り合った空間となるなど、課題も多いと考えられます。
高齢者や障がい者などいろいろな人が大勢歩道を利用します。歩道を安全で快適に利用できる環境の整備を第一に考えるべきだと思います。
そこで提案ですが、早急な
道路交通法の周知徹底が必要と思いますし、もともと原則として
歩行者専用だった歩道を自転車が通行している現状を踏まえて、歩行者の安全を確保し改善するために、狭い道路をさらに狭くしている街路樹や特に低木の植樹帯を撤去して、安全で安心して通行できるよう歩道幅員を有効的に活用できるようにしてはいかがでしょうか。
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉
都市建設局長 まず、1点目の自転車の
交通ルールやマナーにつきましては、これまでも関係機関と連携しながら、街頭啓発や小学生等を対象にした
交通安全教室で、安全で正しい自転車の乗り方等の指導を行ってきているところでございます。
また、昨年3月に策定いたしました熊本市
自転車活用推進計画におきましては、小中学校や高等学校の
自転車安全モデル校指定や地域等での講習会、さらには熊本県
運転免許センターと連携した啓発など、さらなる情報発信、啓発に向けた取組を位置づけているところでございます。
加えまして、本議会で上程しております、熊本市自転車の
安全利用及び
駐車対策等に関する条例の改正案では、
自転車利用者の法令遵守はもとより、保護者の皆様や学校及び事業者に安全教育を行う責務を規定いたしまして、例えば事業者の社内研修に講師を派遣するなどの支援を行うこととしております。このような支援を通しまして、自転車の
安全利用の浸透を図ってまいりたいと考えております。
次に、街路樹や植樹帯によります歩道幅員の不足や、巨木化による根上がりといった課題につきましては、
街路樹再生計画におきまして樹種の変更や伐採によります歩道幅員の確保等の基準を定めており、現在の議論を通しまして街路樹と調和の図れた安全な
歩行空間となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〔43番
藤山英美議員 登壇〕
◆
藤山英美 議員 平成19年6月の
道路交通法の改正で、多くの人が自転車で歩道を走ってもよいと思っていると思います。
道路交通法の改正で歩道を通行できるのは、
道路標識等で指定された場合、運転者が児童、幼児、高齢者の場合、車道または交通の状況から見てやむを得ない場合に限られております。それ以外は軽車両として車道の左端を通行することになっております。
自転車通行可の標識は、中心部では街路灯等に多く設置されていますが、郊外に行くと少なくなりまばらです。標識も両面が表示されており、誤解して通行する人もいると思われます。また、
自転車通行のマーク、あと白線などもありますが、徹底されていないような気がいたします。通行許可の区間もどこからどこまでなのか分かりにくく、問題があると思います。
本来、歩道幅が3メートルを基準としてあるようですが、植え込みがあるとほとんどの歩道が確保できておりません。
自転車通行量調査の
ポイント地点も、ほとんど3メートルないようでございます。
令和4年度組織改編で
都市建設局に
交通政策部が新設され、
交通企画課、
移動円滑推進課、
自転車利用推進課の3課体制に再編し、市民が円滑に移動し、快適に暮らすことができる交通政策の推進・調整体制を整備するとのことですので、人と自転車が共存できる安全安心の歩道整備をお願いいたします。
安全安心な
歩行空間の創出に関連して、1点要望いたします。
歩道の有効幅員を狭めるものの一つとして電柱があります。この電柱をなくし、電線類を地中化するための取組である無
電柱化事業は、安全で快適な
歩行空間の確保からだけではなく、防災機能の強化、良好な都市景観の創出といった点でも推進されなければなりません。
無
電柱化事業は昭和60年代から全国で取り組まれており、熊本市においても
中心市街地や
緊急輸送道路などを対象に整備されてきたと伺っております。平成28年12月に無電柱化の推進に関する法律が施行され、無電柱化の推進に関する施策を総合的、計画的かつ迅速に推進することが示されており、これに合わせて、熊本市の無電柱化に関する基本方針や
整備対象路線などを定めた熊本市無
電柱化推進計画を令和元年に策定しております。
令和元年第3回定例会でも述べましたが、
熊本高森線の花立2丁目交差点から益城町教会までの
電線地中化についてですが、
中心市街地から花立2丁目交差点までの
電線地中化は、熊本県が所管していた平成13年頃までに整備が終わり、残すは益城町までの約1キロメートルの区間が未整備区間であります。
熊本地震からの復旧で、益城町では当路線の
電線地中化に取り組む話があり、熊本市においても残す区間の
電線地中化が必要であると思われます。
熊本高森線は、熊本の重要な
緊急輸送道路の一つであり、
道路利用者も多いため、この未整備区間を熊本市無
電柱化推進計画の
整備対象路線として改めて取り上げ、早急な無電柱化の実現に向けて取り組んでいただけるよう要望いたします。
次に、
中心後退についてお尋ねいたします。
狭隘道路に面して行われる建築時の
道路中心後退と、
後退部分の寄附申請に関する市の取組についてお尋ねいたします。
この質問については、令和元年第2回定例会で市民連合の西岡議員が、ほかにも多くの議員の方から質問がありましたが、なかなか進まないのが現実であるということで、改めて質問いたします。
建築基準法では、幅員が4メートル未満の道路に接する敷地において建築を行う場合は、4メートルの確保のため、
道路中心後退により
後退部分にある塀などの構造物を撤去する必要があります。これにより、日常の安全な通行が確保され、日照や通風などの生活環境が向上するだけでなく、災害時の緊急活動や避難が円滑になるなど、安全で良好な
市街地形成のために大変重要な制度です。
しかし、建築時には
道路後退がなされているものの、その後、
後退部分に木を植えたり、石を置かれたりすることで、通行に支障を来すケースなどが見られます。
また、大雨時の冠水対策として道路の舗装や側溝の新設を要望しても、
後退部分を自身で管理し続ける所有者がいる場合、
思いどおりに整備が進まない状況があり、それらの解決のためには、
後退部分を市へ寄附していただくよう積極的に促すことが必要と考えております。
後退部分の寄附を義務づけることはできず、あくまでも
土地所有者の意思により行われるものでありますが、先ほど述べた、
道路後退が必要となる建築時が、拡幅整備のために寄附を促す好機と考えます。
そこで、
道路後退部分の寄附と、寄附申請を促進するための方策について、
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉
都市建設局長 中心後退に関する御質問にお答えいたします。
本市で1年間に申請されます
道路後退が必要な建築確認のうち、寄附申請は約3割程度でございまして、多くは所有権の移転登記がなされずに
後退部分が私有地として残っている状況でございます。
一方、
中心後退につきましては、
建築基準法に定めがございますものの、
後退部分の土地の帰属につきましては規定がございませんことから、寄附の義務づけは難しいものと考えております。
そこで、寄附を求めるよい機会であります
建築確認申請の事前調査の段階で、建築主の方に寄附の御意向を確認する新たな取組をまとめたところでございます。この取組を早急に開始いたしますとともに、引き続き未寄附となっております土地の所有者に対しまして周知を図りながら、
後退部分の寄附の促進に努めてまいります。
〔43番
藤山英美議員 登壇〕
◆
藤山英美 議員 この問題は大変難しい問題だと思います。今までいろいろな議員の方が質問されても、一歩も前進しない問題ではないかなと思っております。憲法の財産権と
建築基準法の
中心後退、本当に難しい問題でございます。
私は昨年、雨が降ると小学生の通学路が川になり危険と相談がありまして、対応を協議し、その場所は以前、自治会長から舗装の陳情が上がっておりましたが、舗装だけでは解決しないので側溝を一緒にと、
中心後退してある土地の所有者に寄附をお願いしましたが、解決できませんでした。子供たちの安全確保ができなかったということでございます。
また、同じように小学校の西側に接した狭い道路に、1メートル足らずの植樹帯が約100メートルあります。保護者から、通学に危険なので除去して歩道を造ってほしいと相談がありました。千葉県八街市で飲酒運転によって小学生5人が死傷する悲惨な事故が起きた後でもあり、
土木センターに相談し、その後、危険防止のポールが立った立派な歩道が完成しましたので確認したところ、植樹帯は学校敷地で、
教育委員会で実施しましたとのことでした。唖然としました。公用地でも、
中心後退しながら寄附行為がなされていなかったということでございます。
中心後退後、寄附されるのは3割くらいとのことでございます。これでは寄附されない土地が増加するばかりです。お願いするだけでは限度があると思います。優秀な職員で知恵を出し、解決していただきたいと思います。
次に、
公設公民館の
自主講座の廃止についてお尋ねいたします。
各位御案内のとおりかと存じますが、昨年7月に本市生涯学習課から
公民館自主講座自治会連合会に対して、令和4年4月から公民館の
自主講座を生涯
学習サークルへ移行したいとの意向が示されました。その理由として、公民館の認知度が低いということとともに、その利用者が高齢者に偏っているということが掲げられていました。
これに対し、現場から猛反発が起こったため、最終的にはさらに1年間検討するということで決着した形となっております。
私自身も40代から今日に至るまで、公民館の
自主講座に
大変お世話になっております。その仲間との交流を深めるとともに研さんに励むことができたのも、ひとえに公民館のスタッフの方々や
公民館自主講座自治会の並々ならぬ御尽力のおかげであると深く感謝しております。
このような私自身の経験から見て、このたびの公民館の
自主講座を廃止する理由として掲げられているものには幾つかの問題点があると考え、次の2点についてお尋ねいたします。
まず、1点目として、高齢者の利用に偏っているということに関しては、令和元年度の
自主講座の参加者は1万5,000人にも及んでおり、高齢者の孤立やひきこもりなどが大きな社会問題となっている中にあって、多くの高齢者が生きがいと楽しみをもって和気あいあいと参加している姿、また、団塊の世代が
後期高齢者に仲間入りしつつある時勢にあっては、公民館の
中核的存在となっている
自主講座の役割がさらに求められていくであろうと考えると、私自身としては逆に高齢者を迎え入れる体制を整えることが有意義ではないかと考えております。
また、2点目としては、
社会教育法や市条例の中で公民館の中心事業と位置づけられている
自主講座を、このように貸館事業としてやっているサークルの中に吸収し、将来的に廃止につなげることは、生涯学習の理念に反することではないかと考えております。
以上の2点についてどのように考えておられるのか、市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長
公設公民館については、現在、利用の自由度を高めるなど生涯学習機能の向上を図るとともに、地域課題の解決や
担い手づくりなどの
まちづくりの推進拠点として、誰もが積極的に活用できる施設を目指し、見直しを進めております。
しかしながら、利用者の皆様には見直しの趣旨が十分に伝わっていないと感じておりまして、まずは私が利用者の皆様と対話する、公民館版の市長とドンドン語ろう!を行う準備を現在進めているところです。
今回の見直しは、地域活動がより深まり、公民館を高齢者の方も含め、より多くの方にとって利用しやすい施設にしていくことが狙いでございます。見直しを進めるに当たっては、対話を重視し、利用者の皆様の御意見を十分に聞きながら、御理解いただけるよう、より丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。
〔43番
藤山英美議員 登壇〕
◆
藤山英美 議員 公民館は目的達成のための定期講座を開設することとなっております。今まで相当の期間、高齢者の生涯学習はもとより、
健康づくり、
生きがいづくり、
体力づくり、
認知症防止等の大きな貢献があったと思っております。運営も自治会が担い、講座開設、運営、講師手配、
イベント計画・実行等を一貫して公民館に協力してこられたと思っております。言わば、
公民館自主講座自治会は、金のかからない
指定管理者と言えると思います。
平成28年の熊本地震の影響、近年の
新型コロナウイルスの蔓延で休講が繰り返されて心配していましたが、令和4年度の募集案内を見ますと、かなり少ないような気がいたしました。このような時期に貸館事業としてサークル化すると、本来の公民館の中心事業の
自主講座を消滅させることになるのではないかと心配しております。
超
高齢化時代の今だからこそ、積極的に取り組んでいただきたい。答弁の中で、市長自ら
公民館版市長とドンドン語ろう!を行うとのことでございますので、利用者の皆様が納得する答えをお願いしたいと思います。
次に、高齢者の
ごみ出し支援についてお尋ねいたします。
本市のごみ収集は、自宅前に出す点在的な収集方式と、複数世帯が近所の
ごみ収集場所にごみを出す
ステーション方式が混在しております。
ごみステーション方式は、効率的な収集や
ごみ出し専用のケージが設置されるなど優れた点があります。しかしながら、介護を必要とする
高齢者世帯や障がい者世帯にとっては、自宅から
ごみステーションまでの距離がある場合は、そこまでごみを持っていくのが難しいという方もおられます。
こうした方々の
ごみ出しを支援する制度として、本市にはふれあい収集があります。このサービスの概要は、対象と認められれば、
ごみステーションまで持って行かずとも自宅の玄関前などに出すことが可能であり、そのごみは
クリーンセンターが通常の
ごみ収集ルートとは別に収集を行うというものでございます。
この制度の対象者は、原則として要介護者、障がい者等だけの世帯で、世帯員以外の親族や近隣の方からの支援を受けることができない場合となっております。また例外的に、これらの条件に該当しない場合でも、何らかの事情により
ごみステーションまでごみを出すことが困難な場合も、支援制度の対象となる場合があります。
今後、急速な超
高齢化社会及び
核家族化社会の進展で、
ごみ出しが困難となる世帯は確実に増加していくものと思われますが、現在、このふれあい収集を利用している世帯は何世帯あるのでしょうか。また、利用世帯のうち、介護認定や
障害者手帳などの交付を受けていないものの、加齢による身体の衰えで
ごみ出しが困難な世帯、あるいは病気、けがなどによって
ごみ出しが困難な世帯は何件あるのでしょうか。
さらには、このふれあい収集に係る経費は、人件費も含めて幾らかかっているのでしょうか。いずれも環境局長にお伺いいたします。
〔
三島健一環境局長 登壇〕
◎三島健一 環境局長 ふれあい収集の
利用世帯数は、令和4年3月1日現在で2,012世帯であり、このうち、要介護認定や
障害者手帳等の交付を受けていないものの、加齢や傷病等によって
ごみ出しが困難な世帯数は773世帯でございます。
また、人件費を含めた経費は、年間で5,000万円程度を要しております。
〔43番
藤山英美議員 登壇〕
◆
藤山英美 議員 答弁から、
ごみ出し支援に対する潜在的需要が相当数あることと、現在の利用者世帯でも相当の経費がかかっていることが分かりました。今後、利用者がますます増加することを考慮すると、この制度を持続可能なものとする必要があると考えます。
現行のふれあい収集は直営で行っており、この業務に従事するごみ収集作業員については、本市の方針として随分以前からその採用が停止されていると伺っております。また、通常の
ごみ収集ルートとふれあい収集のルートが別になっていれば、それだけ収集が非効率となり、経費がかさむことになります。
そこで、現行制度を見直される場合の参考として、本市のふれあい収集以外の手法で高齢者等の
ごみ出し支援に取り組んでいる他都市の事例を紹介いたします。
その前に、介護保険制度では、要介護認定を受けた高齢者は、ホームヘルパーに
ごみ出しを依頼することができるようになっています。しかしながら、ヘルパーが
ごみ出し指定日に合わせて来ることはヘルパーの利用日の偏在を招きますし、早朝8時半までの
ごみ出しルールが支障となり、介護サービスとして利用するには使い勝手が悪いようでございます。
そこで、東京都日野市においては、こうした課題を解決するために、ごみ袋に貼るハンディキャップシールというものを対象世帯に配付し、これをホームヘルパーがごみ袋に添付し、
ごみステーションまで持って行くことによって、指定日以外にも
ごみ出しを行えるような制度が設けられております。こうした取組は、介護サービスの利用を容易にし、
ごみ出し支援に対する自治体の経費を介護保険料に振り替えることから、自治体の独自財源を縮減する効果があります。
次に、新潟市の事例を紹介いたします。
新潟市では、地域コミュニティが主体となって、
ごみ出しが困難となった高齢者等を支援した場合に、行政から補助金を出す制度を設けております。具体的には、この制度を実施する自治会や老人クラブなどの地域コミュニティ団体が高齢者等からの利用申込みを受け付け、ごみを申請者の玄関先から
ごみステーションまで運んだ場合、1回につき150円の支援金を市が助成する制度です。利用者の負担はありません。
150円という支援金は一見高そうに思えますが、1か月の収集日は週2回掛ける4週の8回ですので、1世帯当たり1か月1,200円、年間1万5,000円弱で
ごみ出し支援ができることになります。
先ほどの答弁から、本市のふれあい収集の利用世帯2,012世帯、ふれあい収集に係る経費が約5,000万円ということでしたので、1世帯当たり経費は2万4,850円ということになります。単純に比較はできませんが、新潟市の制度の方が、本市のふれあい収集より経費的に少なく済むようでございます。
また、何よりもこの制度は、地域の自治会等が
ごみ出し困難な世帯を把握し、日頃から顔つなぎとなることで、安否確認、災害時の避難誘導等に役立てるというメリットもあります。また、支援金の一部を自治会活動等に充てれば、自治会活動の貴重な財源ともなる可能性も秘めております。
このように、高齢者等の
ごみ出し問題は、本市に限らず全国的な課題として浮上してきております。
こうした事態を受けて、環境省においては昨年3月に、従来の廃棄物処理体制から
高齢化社会に対応した廃棄物処理体制へとシフトしていく必要性があると判断し、各地方公共団体向けに、高齢者の
ごみ出し支援制度導入の手引きというものを作成しております。この手引書の中には、この問題をごみ処理部局と高齢者担当部局が連携し、さらには地域団体を巻き込んで検討していく重要性が訴えられております。
そこで、本市においても今後、こうしたものを参考に、高齢者、障がい者等の
ごみ出し支援制度について本格的に検討していくべき時期が来ていると思いますが、大西市長の見解を伺います。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市では、家庭ごみ有料化に伴う市民サービスの一環として、本市職員が御自宅まで収集に伺うふれあい収集を平成22年4月から開始しております。ふれあい収集については、福祉部門や区役所との連携をはじめ、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、民生委員等からも周知に御協力いただいており、約2,000世帯が利用されている状況から見ますと、地域に認知されつつあると考えておりまして、今後も利用の拡大に努めてまいります。