御着席願います。
〔全員着席〕
────────────────────────────
○くつき信哉 議長 日程第1「
一般質問」を行います。
順次発言を許します。
那須円議員。
〔23番
那須円議員 登壇 拍手〕
◆那須円 議員 皆さん、おはようございます。
日本共産党熊本市議団の那須円です。
大先輩であります家入安弘議員の御逝去の報に接し、心よりお悔やみを申し上げます。「那須君頑張っているか」と、会派の違いを超えて多くの励ましやお言葉をかけていただいたことを思い起こします。家入議員の御冥福を心よりお祈りいたします。
心の整理がなかなかつきませんけれども、4年任期、最後の
一般質問を
日本共産党市議団を代表し、市民の方々の置かれている実態を示しながら、今熊本市に求められているもの、果たすべき責任とは何か、課題別にお尋ねしてまいりたいと思います。市長を初め執行部の方々におかれましては、明快な答弁をよろしくお願いいたします。
現在、国会では、勤労統計の改ざんとも言える問題が明らかになり、さまざまな議論が行われております。2014年の
消費税増税以降、経済の6割を占める
実質家計消費が約3兆円も落ち込んでいることも明らかになりました。
本日は、多岐にわたり
市民サービスの充実を求めた質問を準備していますが、経済の好循環を生むためにも、現在または将来への不安を取り除くこと、さらには社会保障など、負担の軽減を図り、自由に使える可処分所得をふやしていくことなどが重要だと考えます。
また、市長が目指す誰もが憧れる上質な
生活都市熊本については、当初予算においてもさまざまな事業が提案されています。上質な生活都市というものの土台には、
市民生活の豊かさ、安心感、これは内面的な豊かさはもちろんですが、貧困を解決し、日々の生活が経済的にも安定し、暮らすことができるということが大前提にあると思います。
こうした観点で質問を行います。
まず、
国民健康保険についてお尋ねいたします。
私
たち市議団は、これまでも高過ぎる
国民健康保険料の引き下げを求めてまいりましたが、
大西市長1期目の4年間で2度の
国民健康保険料の値上げが行われ、政令市20市の中で、
モデル世帯、40代夫婦、子供2人の世帯では、所得200万円の世帯では、国保料が所得の2割を超えて40万5,015円と、最も負担の重い水準となってしまいました。最も保険料の低い神戸市、同じ
モデル世帯ですが、国保料は26万7,270円の1.5倍の水準です。政令市20市の中で、
年間国保料が40万円を超えている都市は熊本市のみとなっています。
国保加入者の滞納率は、
全国平均が約15.2%、
政令市平均が19.0%でありますが、熊本市の国保料の滞納の実態は
加入世帯10万1,382世帯中、
滞納世帯は3万1,638世帯と、31.2%、
加入世帯の3割が国保料を払えないという状況です。
2度の値上げ、政令市一負担の重い国保料がどれほど
市民生活を苦しめているのか、寄せられた声を紹介いたします。高い保険料の支払いで食費、光熱費の縮減に努めているが、限界に来ている。年金は減る一方で、少しでも国保料の負担を減らしてほしい。60代女性の声であります。払いたくても払えない。年金が入っている通帳の預金を
差し押さえられ、生きていく希望を失った。70代の方の声であります。また、自営業をされている50代の男性の方からは、病院に行くための医療費を国保に充てざるを得ず、保険証が来ても今度は医療費が払えずに病院に行けない。こうした声が寄せられています。誰もが憧れるどころの状況になっておりません。私たちの
市民アンケートでも、最も市に取り組んでほしい項目の1位が、
国民健康保険料の引き下げであり、こうした切実な声が寄せられております。
まず、
大西市長にお尋ねいたしますが、熊本市の
滞納世帯割合が31.2%と
全国平均の2倍となっている原因をどのように認識していますでしょうか。お尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 本市の
国民健康保険料の滞納率が高い要因はさまざまございまして、特定できるものではございませんが、本市の1人当たりの医療費は、
指定都市の中で高く、またさまざまな
保険料収納率向上対策に取り組んでまいりましたが、依然として収納率は低い状況にあり、その結果、保険料が高くなっていることも要因の一つと考えられます。
引き続き、
医療費適正化に向けた取り組みや、
収納率向上対策の強化などに努め、保険料の上昇抑制に取り組んでまいります。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 医療費の高いこと、そして収納率が低く保険料が高くなっていることが要因の一つとの答弁でありました。加入者の所得が低く、保険料が政令市で最も高い。払えない方がふえるのは当然だと思います。
市民生活に重くのしかかる国保料をどう軽減していくのか、
国保加入世帯の置かれている深刻な状況を受けとめてほしいと思います。
他の
医療保険と比べ、
国民健康保険料がいかに高い水準になっているかということは、何度もこの議場で紹介してきましたので
皆さん御存じだと思います。先ほど紹介した40代夫婦、子供2人、所得200万円、この条件で他の
医療保険の保険料がどうなっているのか、国保と同様に介護保険の負担分も合わせて計算をしていただきましたが、会社勤めの方が入る
協会けんぽで、年18万2,520円、市役所で働く職員の共済であれば、年18万2,266円、同じ国の住民であるのに、個人の負担については国保は40万円、他の
医療保険の2倍以上の負担となっています。この格差、不平等の解消に国、自治体は目を背けてはなりません。
全国知事会は2014年、国保料をせめて
協会けんぽ並みに引き下げるために1兆円の
公費負担増を政府に要望しております。国保の構造的な矛盾は、全国どの自治体も共通の課題であり、国保料の引き下げは知事会挙げて声を上げている課題です。ただ、国の
財政措置待ちということではなく、
国保引き下げに自治体みずから取り組みを進めている都市もあります。
そこで、
一般会計からの
繰り入れの拡充、さらには
国保料減免制度の拡充についてお尋ねいたします。
一般会計の法定外繰入
額赤字解消分は、幸山市長時代、最大28億円、その後20億円台の水準でありました。ところが、
大西市長になり、8億円、今年度は7億3,000万円と激減いたしました。さらに来年度提案されている予算では、6億6,000万円と、さらに削減されています。
法定外繰り入れの額の
政令市比較を見てみますと、これは人口規模の差が出ないように1人当たりの数字を調べましたけれども、最も多く
繰り入れを行っている千葉市が1人当たり2万3,145円と、熊本市の約4倍、相模原市は2万702円と、熊本市の3.6倍、
政令市平均は9,132円に対し、熊本市は5,682円と、
政令指定都市平均の6割しか
繰り入れを行っていないのが実態です。多くの政令市が、国保の赤字、財政赤字が
保険料高騰へとしわ寄せにならないよう、言いかえれば、
市民生活を圧迫しないよう、
一般会計からの
繰り入れを行っております。
大西市長にお伺いいたしますが、さきの12月議会では、熊本城の
特別見学通路7億5,000万円の増額、
熊本城ホールの
保留床取得費7億1,000万円の増額がなされました。こうした多額な支出を年度途中に次々に増額補正していく、このようなお金があるのならば、せめて
政令市平均並みの法定外繰入額へと拡充を行い、保険料の引き下げに努めるべきではありませんでしょうか。
大西市長の見解を求めます。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長
国民健康保険制度は、原則として
保険料収入と公費によって必要な
保険給付費を賄う制度となっておりまして、平成30年度に実施されました
国保制度改革に伴い、熊本県が示す
標準保険料率を参考に本市の保険料を決定しているところです。
保険料の
負担緩和等を目的とする
法定外一般会計繰り入れについては、国の通知によりまして解消、削減すべきものと位置づけられております。このため、
収納率向上及び
医療費適正化の対策を強化することにより、被保険者の
保険料負担に急激な増加が生じないように努めつつ、法定外の
一般会計繰り入れに依存しない運営を目指してまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員
法定外一般会計繰り入れについては、国の通知により解消、削減すべきものと位置づけられているとのことで、増額するとの答弁はありませんでした。ただ、今答弁された昨年1月29日に厚労省から出された通知には、被保険者の負担水準に激変が生じないような時間軸を置きつつ、実現可能な
削減目標値と具体策を十分に検討しなさいとされており、被保険者に過度な負担が生じないことが大前提となっております。そして、繰入額の解消、削減も平成30年度から6年間の計画を立てて、実現が困難と見込まれる場合は県と協議し、変更できるとも記載されております。
先ほど市長が言われた
医療費適正化によりどれほど
医療費抑制効果が
生まれ保険料の重い水準が解消されていくのか、具体的な数値や目標もないまま、ただ繰入額を減らしていき、
指定都市で最も重い国保料をそのままの状況に据え置くことは許されないものと考えます。
医療費適正化のことに先ほど触れられましたので紹介いたしますが、熊本学園大学の
高林秀明先生が2014年3月に示した「
国民健康保険の実態と課題―熊本市の
国保改善運動から―」という論文があります。これは、701世帯からの聞き取りをもとに得られた情報を分析して、本市国保の現状と課題を明らかにしたものです。
その中で、保険料の負担感の重さと
受診抑制との関連について、保険料の負担が多いと感じている方ほど
受診抑制の経験が多いという結果が示されています。保険料が生活を圧迫していると答えた方の
受診抑制の経験ありが47.5%、保険料の支払いが滞っていると答えた方の
受診抑制の経験ありは71.8%となっています。また、さまざまな
医療保険の中で、食費を切り詰めていると答えた割合が最も高かったのは国保制度で約40%、また国保の中でも年収100万円未満の方は、5割の方が食費を切り詰めていると回答されております。高い国保料をそのままにすることは、
受診抑制や生活環境の悪化でさらに健康悪化を招き、
医療費給付費の増と負の循環を生み出していくことになります。誰もが憧れる都市になるためにも、まずは市民が安心して暮らし、払える国保料へと引き下げることを強く要望いたします。
また、
収納率向上との名目で機械的な
差し押さえを行うべきではないことも指摘しておきたいと思います。年金の振り込まれる通帳の預金が
差し押さえられた、運転資金としてなくてはならない預金が
差し押さえられたなど、具体的な相談も寄せられております。2014年11月の国会質問で、機械的な
差し押さえはしないという通知、通達を自治体に出すべきではないかという質問に対し、当時の
塩崎厚労大臣は、ぬくもりを持った行政をやるべく徹底していくと答弁しています。また、一昨日の
衆議院予算委員会においても、国保の運用について、命にかかわることは事実だと
安倍総理自身が認め、適切に運用されるよう各市町村への周知を徹底していくと答弁されています。丁寧な納付相談とともに、
滞納世帯の置かれている実態をつかみ、さまざまな福祉制度や支援制度につなげるなど、対応を図っていただくように求めます。
次に、
減免制度についてお尋ねしますが、国保料が
協会けんぽなどの
被用者保険と比べて著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保にしかない均等割、平等割という
保険料算定の仕組みがあるからであります。
協会けんぽや共済の保険料は、収入に
保険料率を掛けて計算するだけで、家族の人数が保険料に影響することはありません。ところが、国保料は、所得に料率をかける所得割のほかに、世帯員の人数に応じてかかる均等割、各世帯に定額でかかる平等割を合算して算定されます。
熊本市の場合は、39歳以下の人数が1人ふえれば4万4,700円、つまり子供が1人生まれれば4万4,700円、2人では8万9,400円、3人では13万4,100円と、保険料がふえていくことになります。この1人当たりの均等割の
指定都市比較では、
医療費分では名古屋市に次いで2番目に高い金額となっております。ただ、名古屋市は1
世帯当たりの平等割をとっていませんから、断トツに熊本市が高い均等割をとっているということになります。収入のない赤ちゃんが1人ふえると、国保料がはね上がる額が政令市でもっとも高い、つまり、収入がふえていないにもかかわらず、保険料がふえる仕組みが、払えない国保料、負担の重い国保料の一つの要因になっていることは間違いありません。人間の頭数に応じて課税する人頭税は古代につくられた税制で、人類史上で最も原始的で過酷な税とされています。それが、21世紀の
公的医療制度に残っていることに大きな疑問を感じます。この時代錯誤の仕組みこそ、低所得者や家族が多い世帯に重い
保険料負担を課している最大の要因ではないでしょうか。
こうした中で、仙台市では、均等割について18歳未満の均等割額の3割を減免する独自の軽減策を講じています。熊本市においても、仙台市が行っている18歳未満の均等割を減免するなど、均等割を引き下げるために独自の
減免制度を創設すべきと考えますがいかがでしょうか。
大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 本市独自の
減免制度として、被保険者が3名以上で基準総所得が100万円以下の世帯につきましては保険料を1割減免しておりまして、低
所得者世帯及び多子世帯を含めた
子育て世帯への支援として取り組んでいるところでございます。
今後も、現行の
減免制度の周知に努めてまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 現行の
減免制度を紹介し、周知に努めるとの答弁でありました。ただ、今の
減免制度を利用したとしても、政令市の中で一番重い保険料であることに変わりはありません。東京都清瀬市は、昨年度から第2子以降の子供の国保料の均等割を半額にする
減免制度を始めました。また、岩手県宮古市は来年度、子供の均等割を免除する予算案を提案しています。政令市でも、先ほど紹介した仙台市で実施されています。1人当たりにかかる保険料の
減免制度は、全国多くの自治体でも実施されている効果のある
減免制度です。
協会けんぽの2倍もの保険料を、せめて
協会けんぽ並みに、ぜひ均等割の減免の必要性を認識していただき、具体化してほしいと強く要望しておきたいと思います。
次に、
がん検診の無料化についてお尋ねいたします。
市長公約の55番目には、
がん検診を
完全無料化し、受診率の向上を図る等
予防医療を積極的に促進しますと掲げられております。
熊本市の
がん検診率は、
全国平均と比較しても、肺がんで平均の約5割、胃がんで平均の3割、大腸がんで平均の4割、乳がんで平均の6割、子宮がんで平均の6割と低い水準です。積極的に
予防医療に取り組むとしながら、新年度予算については、なぜ70歳以上だけが対象となったのでしょうか。
予防医療の推進を図るためにも、全世代に対して
がん検診の無料化を拡大するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 本市では、昨年度から
がん検診の
受診率向上に向けた取り組みを強化しております。
具体的には、冬期における
大腸がん検診の郵送検診、また
個別受診勧奨の拡充などに取り組んでおりまして、平成29年度の
子宮頸がん検診では受診者数が前年度比で5,000人程度増加するなど、一定の効果があらわれているものと考えておりますが、
指定都市の中では、いまだ受診率が低い状況であります。
まず、
がん検診無料化の対象を70歳以上とした理由についてでございますが、受診勧奨などの
受診率向上に取り組んではおりますものの、受診率は70歳以上で急速に低下し、罹患率は逆に70歳代前半でピークを迎え、その後も高いまま推移しているという状況がありますため、無料化により早期発見、早期治療につなげ、元気な高齢者の増加を目指すというものでございます。
次に、無料化の全世代への拡大につきましては、マニフェストでも
完全無料化を掲げておりまして、まずは、事業効果が高いと見込む70歳以上の方の
がん検診無料化を行いまして、その効果や他都市の取り組みにおける成果等を検証した上で、その実現を目指してまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 まずは、事業効果が高いと見込む70歳以上の方の
がん検診無料化を行い、その効果を検証した上で
完全無料化実現を目指すとのことでありました。まずは一歩を踏み出したという内容でありました。
今回の
がん検診、70歳以上無料化で必要な増額分は1,800万円であります。さらに、
完全無料化に向けては、あと5,200万円で実現できます。この事業は、お金で換算できない人の命を守る施策です。ぜひ早急な
完全無料化を求めたいと思います。
次に、震災からの復興についてお尋ねいたします。
医療費の抑制など
医療費適正化に取り組むとの、先ほど国保での答弁がありましたので、まず、
医療費減免の復活についてお尋ねいたします。
私は、昨年、第1回定例会の
予算決算委員会において、震災後1年半で
医療費減免の打ち切りを行うことについて取り上げ、
受診抑制が発生し、重大な健康被害を与えることになるのではないかと市長にただしました。市長は、国保の
レセプト件数の平均値を根拠に、
受診抑制はないとの答弁をされましたけれども、9月の
医療費減免が打ち切られる月の
レセプト件数の総数が24万7,980件であったことに対して、減免が打ち切られた10月の件数が22万5,969件と、2万2,011件、1割減っています。9月比較で、11月でも2万3,153件の
レセプト件数が減っていることを示して、
減免制度の打ち切りの前後で明らかなレセプトの落ち込み、そして
受診抑制が発生していることをさらにただしました。市長からは、当然、全体の総数や、それからどういった診療の状況であるかということを確認して分析してまいりたいと思っているという答弁がされました。
そこでお尋ねいたしますが、分析の結果、医療費の
減免打ち切りによって
受診抑制が起こったことへの認識、そして被災者の健康状態がどのようになっているのかの認識をまずお尋ねいたします。
大西市長の答弁をお願いいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長
受診抑制につきましては、一部
負担金免除対象者の中から1,000人を無作為抽出いたしまして、平成27年9月から平成30年3月までの
受診回数を調査いたしました。
調査対象者の
免除終了後の
月平均受診回数は、
免除期間中よりも減少していますものの、
熊本地震発生前の
月平均受診回数と同程度でございました。また、一部
負担金免除対象者以外も含めた被保険者全体の
月平均受診回数は、期間を問わず一定でございました。なお、月平均1人当たりの
レセプト件数におきましても、
免除期間中と
免除終了後から平成30年12月までの月平均1人
当たりレセプト件数は同水準でございます。
〔議長退席、副議長着席〕
このようなことから、全体的に見ると
受診抑制に至っているとまでは言えないと考えております。
次に、被災者の健康状況につきましては、
仮設住宅入居中の方に対しましては、入居当初から地域支え合いセンターの看護師が戸別訪問や電話により生活状況や健康問題の有無を調査し、状況に応じて訪問等で見守りや健康に関する助言を実施しているところでございます。
熊本県が
仮設住宅等入居者を対象に、平成30年3月から6月に実施いたしました、こころとからだの健康に関する調査では、高度の
心理的ストレスを抱えられた方の割合が8.2%で、平時の約2倍という結果が出ておりまして、心のケアが必要な方がいらっしゃるということを認識しております。
今後も引き続き、
熊本こころの
ケアセンター等の関係機関と連携いたしまして、被災者の個々の状況を踏まえた丁寧な相談対応に努め、被災者に寄り添った支援を行ってまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 月平均1人当たりの
レセプト件数は同水準との答弁がありました。ただ、この数値は、分母が
国保加入者16万人、17万人で割っているので、受診の程度はどれほど変化したのかというのは、この数値からは見えてきません。全体的に見ると
受診抑制に至っているとまでは言えないという答弁がありましたけれども、その前に、冒頭の
免除終了後の
月平均受診回数は
免除期間より減少していると答弁していますので、
受診抑制に至っていないとの答弁と矛盾しています。また、
免除終了後の月平均の
受診回数は地震前の月の
受診回数と同程度であったという答弁がありました。
市の政策局が昨年10月に行った熊本地震に係る
アンケート調査を見ると、
医療費減免対象者の中で、震災前から持病があり悪化したと答えた方が55.9%、震災前には特に病気はなかったが、震災後、体調が悪くなったと答えた方が62.3%となっています。また、答弁であった高度の
心理的ストレスを抱えた方が地震前の水準から2倍という結果が示されました。地震を契機に体調が悪化した方が6割に上っているのに、地震前からふえているはずの受診が地震前と同等となっているということについては、説明がつかないのではないかと考えます。
熊本県は、2018年3月31日から同年6月1日までの期間、熊本市を初め
応急仮設住宅及びみなし
仮設住宅、公営住宅に入居されている18歳以上の方3万5,419人を対象に
健康調査を行い、同年9月7日に結果を公表いたしております。つまり、2017年9月末の
医療費減免が打ち切られた後の
健康調査となります。全体の回答率は35.3%、1万2,518名から回答を得ていますが、そのうち
応急仮設住宅とみなし
仮設住宅に入居されている9,444名について、つまりは半壊以上、
医療費減免の対象となっている方でありますが、
健康調査の結果について示されています。
調査結果を見ると、
先ほど答弁であった強い
心理的ストレスがある高度のリスクと判定された方が8.2%で、1年前より1.5%減ったものの、震災前の約2倍と、なお高いことが示されています。中程度と軽度の人を含めて、回答者の4割が心の不調を抱えております。また、同調査の中では、病気の有無や治療の状況についての調査結果が示されていますが、精神疾患のある患者の中で、9.1%が治療を中断しています。また、肝疾患では10.9%が治療を中断、歯科疾患では20.1%の方が治療を中断、呼吸器疾患では9.6%が治療を中断、いずれも
医療費減免制度が実施されていた時期に行われた1回目の調査を上回る中断率となっています。
そもそも、第1回目の調査において治療を中断した理由として、15%の方が経済的に負担が重いと答えていたわけですから、
医療費減免の打ち切りが
受診抑制や治療中断に大きな影響を与えたことは間違いありません。治療中断の割合が増加している、これは、被災者の健康を守る、命を守るという点において非常に重大なことだと思います。
こうした被災者の実態から目を背けず、
医療費減免制度の復活をすべきではないでしょうか。
大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 医療費の一部負担金免除措置につきましては、国、県及び熊本県後期高齢者医療広域連合からも特別な財政支援が終了したことから、県内全市町村保険者と同様に、平成29年9月をもって終了と判断したものでございます。本市独自の一部負担金免除措置等の実施は、国が8割補助を行ったとしても本市が2割を負担いたしますことから、
国民健康保険料率の引き上げや
一般会計からの
繰り入れが必要となりまして、一部負担金免除要件に該当しない国保被保険者や国保被保険者以外の市民も含めて広く負担していただくこととなりますため、一部負担金免除措置の実施は困難であると考えております。
先ほども申し上げましたけれども、これまでも地域支え合いセンターによる
仮設住宅への戸別訪問等を通じ、被災者の皆様方の個々の状況を踏まえた生活相談や健康相談等の丁寧な対応を行ってきたところでございますが、今後も引き続き被災者の皆様に寄り添った支援をしてまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 今の答弁では、熊本市が2割を負担することになると国保料の引き上げや
一般会計からの
繰り入れが必要となって、国保以外の方の負担もあるので、
医療費減免復活は困難との答弁であったかと思います。
後段で、地域支え合いセンターによる戸別訪問を通じて丁寧な対応を行っていきたいと答弁がありましたけれども、経済的な負担が理由で受診ができないという方がいらっしゃることは事実であります。
国が8割の財源を支出することをなぜ可としたのか、そもそものところを考えていただきたいと思います。国の支出する8割の財源は、被災地以外の方々も納めた税金であったり、国保以外の方も納めた税金が原資となっています。つまりは、未曽有の震災があり、経済的な理由で健康悪化があってはならない、命や健康を守るために必要であるから国は8割の補助を行っているのだと思います。せめて県と折半することなどを交渉しながら、再開に向けて積極的に動いてほしいと思います。
本市の医療費が高いと市長は先ほどから指摘されていますが、震災前の平成27年は1人当たり30万5,944円、震災があった平成28年は32万4,575円、翌年平成29年は33万6,899円と、近年急激に増加しています。病院にかかりたいけれども、生活費や住宅再建を優先し、受診を我慢する、そして病気が悪化する、治療費が多くかかってしまう、こうしたことがないように
医療費適正化を進めたいとの国保の質問での答弁との整合性のある対応、被災者への
医療費減免の復活を強く求めて、次の質問に移ります。
次に、住宅再建についてお尋ねいたします。最後の一人まで震災前の生活を取り戻すまで、粘り強い支援が求められます。
現在、
応急仮設住宅及びみなし仮設に入居されている方は4,700世帯となっており、最大1万世帯ほどの方が仮設入居をされていた時期と比較すると、4割程度になっています。3年目の延長については、自宅再建の工期が間に合わない、公共事業に日数を要し、自宅が再建できない、民間賃貸希望の場合は、健康悪化等により1階もしくはエレベーターつきの物件を探しているが見つからない、高齢者、障がい者、ひとり親世帯については、現在の物件より安い物件を探しているが見つからない、保証人が見つからない、公営住宅を希望される方については、災害公営住宅の工期が間に合わない、既存の公営住宅に入居したいが、補修等の工期が間に合わないなど、8つの条件の中を1つ満たすことで延長が認められてまいりました。
本来、東日本大震災にはなかった条件が設定されたことで、延長を希望しながら退去せざるを得なかった世帯が、2018年4月から本年1月までで235世帯に上っているのは重要な問題でありますし、そもそも8つの条件を満たせずに延長申請を諦めた等世帯が多くあったと聞き取り調査の中で私自身は実感しているところです。
では、4年目以降の条件はどうなっているのか。昨年9月18日付で蒲島郁夫熊本県知事から安倍総理大臣に送付された災害救助法による援助の特別基準についてという文書があります。その中の対応方針として、次のように明記されています。
住まい再建を予定しているが、建設業者の不足のため、自宅再建に時間を要すること、土地区画整理事業や地盤改良等の公共事業のおくれなどの関係から、自宅着工ができないこと、また災害公営住宅が整備されていないことなどにより、供与期間内に
仮設住宅を退去できないなど、やむを得ない事情がある世帯について供与期間を延長するとなっています。文書の最後には、やむを得ない事情があれば、供与期間を延長するとされていますが、4年目延長の条件は、自宅再建で建築請負契約書を交わしたが、工期の関係等から
仮設住宅の供与期間内に再建できない、自宅再建で公共事業に日数を要し、
仮設住宅の供与期間内に再建できないと、自宅再建の方に限定し、民間賃貸、既存の公営住宅を希望している方については延長を認めないと締め出しを強行するような条件が設定されています。
大西市長に伺いますが、なぜ民間賃貸を希望する方、既存公営住宅を希望している方が延長条件から外れたのでしょうか。お答えをお願いいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長
応急仮設住宅の供与期間の延長につきましては、御承知のとおり、災害救助法によりまして実施主体であります県が国と協議いたしまして同意を得た上で定めることとなっております。そこで、本市におきましては、県と国との延長協議に際し、被災者一人一人の再建方法や再建時期、公営住宅の提供状況等を報告いたしまして、それぞれの状況に応じた柔軟な対応をいただくよう求めてきたところでございます。
今回、建設工期や公共工事の関係により、自宅の再建ができない方々や災害公営住宅の完成待ちの方々に対しまして、延長の同意が得られたことは被災地の実情を国に御理解いただいたものと認識しております。
議員お尋ねの民間賃貸住宅及び既存公営住宅の希望世帯が再延長の同意対象にならなかった理由につきましては、県内の民間賃貸住宅の空き物件の状況等を踏まえて判断されたものと伺っております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 答弁では、民間賃貸住宅の空き物件の状況等を判断されたと伺っているとの答弁でありました。
代表質問で藤岡議員も指摘されていましたけれども、震災から3年目を迎えようとしている中で、それぞれがさまざまな事情を持ちながら仮設からの恒久的な住宅の確保のために努力されております。私は、一人一人の複雑な状況に寄り添って、仮設を退去したから終わりではなくて、その退去後も震災前と同様の生活を送れるのか配慮した対応が求められると思います。
仮設住宅入居者への聞き取り調査などもこの間行ってまいりました。自宅再建を諦めて民間賃貸を希望されている方からは、地震前と同じ水準の家賃での物件が見つからないとか、子供の通学の関係で震災時と同じ、今住んでいる校区内で物件を探しているが見つからないとか、ペット同居可の物件が見つからない、低階層の物件が見つからない、住みなれた地域での物件を探しているが見つからない、こうした理由が2つも3つも絡み合って仮設退去後の生活を心配されている方が多くいらっしゃいます。
2019年1月18日に、NHKにおいて、くまもとの風「見えない被災者を追ってⅡ~みなし仮設 迫られる退去~」との題名のドキュメント番組が放映されました。その中で、熊本市のみなし
仮設住宅に入居されているIさんは、民間賃貸住宅の転居を希望したものの、家賃などが折り合わずに、みなし仮設の延長を希望していたものの、5月6日までにみなし仮設を退去しなければならないとの県からの通知に不安を募らせている状況でした。みなしを出てしまうと、自分はこの生活を続けていけるのか不安を感じていると深刻な思いを語られていました。
熊本学園大学の高林教授は番組の中で、みなし
仮設住宅を退去できる状態ではない方が出ざるを得なくなっている。必要な人に必要な物を必要な程度だけ支援しなさいという災害救助法の原則から見た際に、原則が守られているか疑問であるとコメントしています。
今回の延長要件の絞り込みが今後の災害に適用されれば、熊本地震が今後のあしき前例になりかねないと、こうした指摘を真摯に受けとめるべきだと思います。
さらに、番組では、みなし仮設を出た後、西区の公営住宅に移ったFさんも紹介されています。自宅は全壊、その後、みなし仮設に転居後、昨年5月に西区の公営住宅に入居されているとのことです。この方は自宅再建のめどが立たずに公営住宅に入居、住みなれた地域とは離れて、住宅までの坂道が大変こたえると、近くにはコンビニ1軒、自宅のときに必要のなかった家賃も発生し、貯金を切り崩しながら生活しているとのことでした。恒久的な住宅を確保はできているが、生活の不安は募るばかりとの状況でありました。つまりは、仮設から退去すれば生活再建が果たせるということではないということであります。益城町が委託しているみなし仮設の支援団体minoriが独自に調査をした結果では、経済的、精神的、健康問題など、仮設を退去した後、16%の方が何らかの問題を抱えながら暮らしていることが明らかになっています。
今後、十分な準備ができないまま、退去が迫られる中でこうした課題を抱える割合がふえることが懸念されると、同団体は指摘しています。
そこで、
大西市長にお尋ねしますが、自宅再建と公営住宅、復興住宅に限定した延長条件ではなくて、民間賃貸、そして既存の公営住宅を希望する方も含めて、さらには経済的な状況、健康面なども含めて、延長が必要な方には延長が認められるように、条件の改善を市として県、国に対して求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
大西市長の答弁を求めます。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 災害救助法における
応急仮設住宅は、被災後の一時的な居住の安定を図る目的に提供されているものでございまして、あくまで被災者の方々の一時的な仮の住まいでございます。このような状態が長期間にわたるのは好ましくなく、再建が可能な世帯は一日も早く恒久的な住まいを確保していただくことが必要であると考えております。
このため本市では、生活に困窮する世帯や障がい者世帯等、再建が困難な世帯に対しまして各区の地域支え合いセンターや伴走型住まい確保支援事業を中心に、公的扶助や施設入所等、既存の福祉制度の活用も行いながら重点的な支援に努めております。
今後とも引き続き、被災者の皆様の実情に応じた各種支援策の充実等について国へ要望を行ってまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員
仮設住宅の延長条件については、災害救助法にのっとって、実施主体は県でありますので、国と合わせて改善を働きかけていただきたいと思いますけれども、民間賃貸住宅や既存の公営住宅を希望されている世帯が対象となっていないために、追い出しというようなことは行うべきではないと指摘したいと思います。
1つ事例を出して
大西市長にお尋ねいたします。ゆっくり読みます。
現在、
仮設住宅入居者の中で、既存の公営住宅、とりわけ体調の都合で1階もしくはエレベーターつきの公営住宅を希望されている方が221世帯いらっしゃいます。その中で、提供可能な市営住宅は修繕済み、修繕予定を含めて133戸です。希望世帯数からすれば、現時点では受け入れ戸数は足りておりません。もし、公営住宅の1階やエレベーター希望の方がマッチングできなければ、退去を迫るということになるのでしょうか。
大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 今御質問の個別の状況については通告をいただいておりませんでしたので、この点については、また、担当局の方とも検討しまして後ほどまた回答させていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、そうした被災者の皆さん方のいろいろな希望、それからさまざまな状況がやはり個別に違います。ですので、私どもは、個別の世帯ごとに状況をいろいろと確認して、今そのマッチングを一生懸命やらせていただいているところでございます。
できる限りいろいろな皆さん方の希望に沿うように全力を挙げてまいりたいと考えておりますので、どうか御理解いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 通告書の中には、延長要件の改善について通告をしています。確かに、今具体的な事例の質問文書というのはお渡ししてはおりませんでしたけれども、具体的にマッチングだけでは解決できない場合は、やはりどうするのかしっかり考えを固めておく必要もありますし、説明をいただきたいなと思いました。
こういうふうに、本人の責任ではなくて、本人が体調不良で1階しか、エレベーターつきしか希望できないという方が221世帯と、準備できている公営住宅は133世帯と、どうしても数が足りないとなれば、公営住宅を希望している方もやはり延長を認めるような柔軟な対応が現実的に必要になってくると思います。
さきに紹介したマッチングで、西区の公営住宅に入居した男性もそうですが、私の知り合いである高齢者も若葉校区の公営団地に入居したが、1階を希望していたにもかかわらず、それがかなわなかったと、将来の不安を話されておりました。いずれ1階に移ることもできますよと支援員の方とかにも言われたそうですけれども、また新たな引っ越し費用も含めて、仮設から退去された後の生活が安心して暮らせると心の底から思えるような状況で退去し、自宅再建を図っていただけるように進めていただきたいと思います。
次に、被災を受けた方への住宅リフォーム及び修繕制度についてお尋ねいたします。
今回、熊本地震で被災された方から多く寄せられる御意見の一つが、やはり一部損壊世帯への支援の弱さです。家の被害状況を点数化しますけれども、1点から19点と被害の幅がありながら、それを一部損壊と一くくりに区分され、いまだに修繕に至っていない方も多く残されております。
実際に家を見に行きましたけれども、壁のひびを自分で修繕したけれども雨水が入ってきて、今度内壁にカビが生えてきているという方もいらっしゃいましたし、サッシのゆがみで窓が閉まらないという方、お風呂のタイルが剥がれたままで使っていると、こうした方々の自宅を見てまいりました。今現在、建物の公費解体も終わる中で、新たな住宅が市内各地で建設されております。
復興特需とも言うべき人手が足りない、こうした声も聞きますが、やがてこうした復興特需は需要の先食い状態となり、地域の中小建設業など中小業者の経営にも深刻な影響を今後及ぼしてまいります。一部損壊世帯と認定された方は、昨年12月末で8万2,631世帯になっております。そのうち、100万円の工事について10万円の補助制度を利用できた方が7,394世帯と9%、また非課税、ひとり親への支援も合わせて約2万世帯、25%、残り約7割の一部損壊世帯には何ら支援がない状態です。
こうした方々に対して、修繕やリフォームの一部を補助する制度を被災者の住まい再建と、そして中小建設業者の経営支援という観点から実施ができないでしょうか。答弁を求めたいと思います。
〔古庄修治政策局長 登壇〕
◎古庄修治 政策局長 一部損壊世帯に対する支援についてお答え申し上げます。
これまで生活再建支援金の対象とならない一部損壊世帯に対しましては、災害義援金を活用して、住家の修理費に100万円以上を要した世帯に10万円を配分する支援等を実施してきたところでございます。また、国に対しても、生活再建支援金等の拡充についてこれまで一部損壊世帯を含めた対象の拡大や支援金の増額等について要望してきたところでございまして、一部損壊世帯を対象とした住宅リフォーム及び修繕助成制度の創設については考えておりません。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 修繕制度は考えていないということで、打ち合わせのときには、現時点ではという言葉が入っていたんですが、その現時点も抜けた答弁になってしまっておりました。ゼロ回答です。
100万円以上を要した世帯に10万円を支給する制度、支援水準の是非はありますけれども、少なくない費用負担の一部でも補助制度を活用できたことで、被災者としての支援が提供されたと実感されております。
一方、何ら支援のない7割の一部損壊世帯の方々の中で、修繕に着手していない方も多く残されています。せめて、先ほど紹介したように、サッシのゆがみを直して窓が閉まるようにしたいという方、年金生活でなかなか厳しくてそのままになっているようでした。壁の修繕をしたいけれども、100万円までの工事ではないために援助が受けられなかったと答えた方は、90万円の見積もりを私に見せながら嘆かれてもおりました。一部損壊世帯も被災者でありますので、自宅再建、そして復興特需が落ち込んできた際の中小建設業の支援などにもつながっていきますので、ぜひ引き続き御検討いただきたいと思います。
次に、震災後のインフラ整備、とりわけ生活道路の整備、修繕についてお尋ねいたします。
ことし1月18日に市民の方々とともに、各土木センターに対して道路や公園等の改善を地域から持ち寄り、要望活動を行いました。地震による道路のうねりやひび割れ、落ち込み、そして道路の沈み込みによってできたマンホールの段差など、さまざまな要望が寄せられたところです。
住民の皆さんからは早急な改善が要望されましたが、例えば道路の舗装などについては、修繕時期がいつになるのかわからないとの回答でありました。生活道路は、市民の暮らしに与える影響が大変大きいことから早急な対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。都市建設局長にお尋ねいたします。
〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣 都市建設局長 地震からの道路復旧については、災害復旧に係る補正予算などを活用し、復旧活動に影響がある幹線道路や地域の要望が高い生活道路の復旧を優先的に実施し、地震時に調査した被災箇所の復旧はおおむね完了する見通しでございます。
そのような状況ではありますが、地震発生から約3年が経過し、当初調査した被災箇所以外の道路についても、経年的な劣化があり、地域からの要望をいただいているところでございます。しかしながら、生活道路は、
市民生活を支える最も身近な社会基盤であることから、今後とも地域の要望について早急な改善が図られるよう、また住民の方々に可能な限り施工の時期をお示しするなど、丁寧な対応にも努めてまいります。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 地域の要望については、早急な改善が図られるように施工時期を明確にするなど、対応に努めていきたいとのことですので、ぜひよろしくお願いいたします。
そして、予算的な面で施工時期がおくれることがないように、予算の拡充もあわせて要望しておきたいと思います。
次に、子育て支援について数点お尋ねいたします。
まずは、子供の医療費助成制度についてであります。
大西市長の1期目の公約に掲げられた中学校3年生までの助成制度の年齢拡充は実現されました。しかし、年齢拡充のための財源の多くを3歳から小学校3年生の親の負担をふやすことで確保するという内容になりました。私も、子育て真っただ中でさまざまな意見を保護者の方から聞きますけれども、最も病気にかかりやすい小さな子供の医療費負担をふやすことには納得いかないとの声も多く聞きます。
昨年の市長選挙において、西日本新聞は、数字で切る熊本市11・18市長選2013~17年の合志市への流出2,377人子育て支援、十分ですかとの見出しで、熊本市と周辺自治体の子供医療費助成制度を特集しております。
記事の中には、8歳と4歳の男児2人を育てる主婦の声が紹介されております。2016年2月に熊本市東区から引っ越しし、一戸建てに暮らすTさんは、同市内にある夫の職場は遠くなったが、子育てのしやすさを第一に考えた。念願の庭つき一戸建てを実現できたのも、熊本市より土地代が安かったから、子供の医療費が無料なので、気軽に病院に行けるのは助かるとの思いを記事の中で寄せております。
また、同記事には、合志市と菊陽町への転出者数が2013年から5年連続で転入を上回った。特に、熊本市から合志市に毎年1,000人以上が転出しており、2013年から5年間で2,377人が流出した。ゼロ歳から14歳の将来世代も熊本市から合志市への転出が多いと報じています。ゼロ歳から14歳の世代の転出ということは、子育て世代の転出が多いということであります。
合志市は、子育て支援日本一のまちづくりを掲げて、中3までの医療費
完全無料化を実現しております。この主婦は、熊本市に住むママ友達からうらやましいと言われるとのコメントも残しています。記事では、東洋経済新報社が全国791市と東京23区を対象にまとめた住みよさランキング2018も紹介されており、合志市は全国で27位、九州の市で2位になった一方で、熊本市は全国506位との結果も掲載されております。
記事は続けて、12月から小4から小6も通院、調剤費の上限が700円に減額されるが、完全無料の合志市に比べ物足りなさは否めない。高齢化と人口減に悩む自治体が若い世代を呼び込むために子育て支援策を競い合う中、熊本市の施策は十分と言えるのかと記事で指摘しております。働く世帯の方々が定住地域を決める要因の一つに、子育てのしやすさ、医療費助成の水準が大きな物差しとなっていることを示す記事だと思います。そして、何より重要なことは、誰もが憧れる都市とならなければならないのに、この5年間で合志市への人口流出が2,377名、これに菊陽町などを加えれば、さらに数は多くなると思いますが、人口流出が起こっているということです。
県内自治体の医療費無料化ですが、18歳までの
完全無料化を実施している自治体は、山鹿市など3自治体、中学校終了まで
完全無料化を実施している自治体は、菊池市、合志市、大津町、西原村、益城町、嘉島町など、熊本市を囲む周辺市町村など13自治体に上っています。
子供医療費助成制度については、一部負担をなくし
完全無料化にしていく必要があると考えますが、
大西市長の見解を伺います。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 子供医療費助成制度につきましては、持続可能な制度とすることも念頭に、平成30年1月受診分より中学3年生まで対象年齢を拡充いたしました。さらに、平成30年12月受診分より、小学校4年生から小学校6年生の通院、調剤に係る自己負担限度額につきましては、1,200円から700円に引き下げたところでございます。
今後とも
子育て世帯が安心して子育てできる環境を整えるため、市民や医療機関などの関係機関の御意見を伺うとともに、事業効果を検証してまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 市民や医療機関などの意見を伺うとともに、事業効果を検証したいという答弁でありました。子供の医療費年齢拡充は、市長1期目の目玉公約でもあり、多くの市民が期待を寄せる制度でありました。年齢拡充に必要な予算は約7億円で、そのうち市の増額分は1億円ですので、6億円を3歳から小学校3年生の親の負担をふやすことで財源を確保しているということになります。小さい子供を持つ親の負担をふやし、中学までの年齢拡充の費用に充てるという、親同士の負担のやりくりでは住民は納得しないのではないでしょうか。
人口減少も大きな課題になっていますが、今回紹介された記事では、自然減少ではなくて、子供の子育て環境の差で他市町村に
子育て世帯が流出しているという形で、数値にもなって目に見える課題でありますので、負担の軽減に向けた取り組みを強く求めて次の質問に移りたいと思います。
保育分野の課題で、待機児童と保留児童の問題、さらには3歳の壁の問題についてお尋ねいたします。
大西市長は、さきの市長選のマニフェストにおいて、公約の2番目に、さらなる保育ニーズ拡大が見込まれる中、各区で積極的なマッチングを行うなど、引き続き実質的な待機児童ゼロを継続しますと掲げられております。この間、認定こども園や、さらには小規模保育など、地域型保育施設の整備で受け入れ枠の増加が図られていく中で、熊本市の待機児童は2016年から3年連続でゼロを達成いたしました。定員枠を2015年から4,500名分ふやしてこられたことについては、国の法改正の中に看過できない課題はあるとしても、子供を預け、働きたいと願う親の思いに応えたものだと思います。
しかし、一方で、いずれも4月時点での待機児童がゼロでありましたけれども、5月以降はふえ続け、2016年度の末の3月には、待機児童372名、保留児童1,238名、2017年度末の3月には、待機児童535名、保留児童1,543名となっています。待機児童ゼロとなった4月の翌月には、昨年度74名の待機児童が発生している状況で、預けたくても預けることができないこうした親の不安を根本から解決するには至っていない状況です。
また、保留児童についても、単にミスマッチという言葉では片づけられない課題です。具体的な声を紹介しますけれども、希望した保育園に入園できず、自宅から30分の保育園を紹介されたが、職場とは逆方向で、朝晩の送り迎えを考えると近くの園の空きが出るまで待つしかない、希望する園に入れず、あっせんされた園までは車がなく、自転車での送り迎えは難しいので空きを待っているなど、具体的な声を聞いてまいりました。また、この間ふえた地域型保育、3歳未満児までの受け入れ枠としてかなり増加していますけれども、連携園とのスムーズなつなぎができていない課題もあります。既に連携園の枠はなく、卒園後3歳からどうなるのか不安であるとの声も聞いております。
いわゆる3歳の壁でありますが、厚生委員会などでも、ここ数年間指摘されてきた課題であると認識していますけれども、解決を図っていく必要があるのではないでしょうか。4月時点での保留児童、一昨年度は450人、昨年度は373人、今年度は403人と、この中に3歳の壁に阻まれて希望する園に預けることができない方が含まれていることは間違いありません。
積極的なマッチングに取り組むとの市長の公約ですが、やはり抜本的には認可保育園をふやしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。市長の公約にもかかわることですので、
大西市長にお尋ねいたします。
次に、保育士の確保についてでありますが、待機児童の抜本的解消のためにも、認可保育所の増設を進めるためにも、それを可能にする保育士確保が必要であり、そのために保育士の待遇の抜本的改善は不可欠であります。
政府は、資格要件の緩和やICT化の支援などに取り組んできましたけれども、根本的な配置基準の改善や保育士全体の賃金の底上げが図られないために問題の解決には至っておりません。都市部でも地方都市でも保育士不足が深刻になっています。離職者も後を絶たず、特に民間の離職率は8.55%と高いものになっています。東京都の調査では、現在就労している保育士で、退職意向がある人が約2割で、その理由は給料が安い、仕事量が多い、労働時間が長いなどです。これらを解決しなければ、保育士不足を解消することはできません。
保育士の賃金は、全労働者の平均より約9万円低くなっています。国も、この間、若干の処遇改善に取り組んできましたが、まだまだ限定的で、全産業労働者との差は解消されておりません。保育士の賃金を全産業平均に近づくように引き上げていくことや、賃金引き上げの対象を栄養士など、保育園で働く全ての職員とするなど、保育現場全体の賃金の底上げを図っていくことが必要だと考えます。
保育現場では、非正規の保育士が全体の42%を占めています。保育現場は、非正規の保育士抜きでは成り立たない状況になっております。非正規の保育士の仕事が、正規保育士の仕事と同じになっていることも少なくありません。それにもかかわらず、非正規保育士の賃金は依然として低く、正規保育士の4割から5割程度です。非正規保育士の正規化を進めるとともに、正規、非正規の均等待遇の実現も求められる課題だと考えます。
保育士の育成とあわせ、正規化を進めるとともに、待遇改善を図るなど、さらなる予算や取り組みを強めて保育士確保を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。この質問は健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 本市の待機児童につきましては、平成27年4月の待機児童数が397人であったという状況を踏まえまして、これまでに地域型保育事業所の整備や認定こども園への移行を促進するなど、積極的に保育の受け皿を確保してまいりました。その結果、平成30年4月において、3年連続して待機児童ゼロを達成し、保留児童に関しましても403人と、平成27年4月の801人から半減しております。そのような状況を踏まえ、さらなる認可保育所等の整備につきましては、将来的な少子化の進行や本年10月より実施されます幼児教育無償化の影響も念頭に、保育施設とのマッチングをさらに強化しますとともに、今後の入所申し込みの申請状況等を精査する中で、慎重に検討してまいりたいと考えております。
〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎池田泰紀 健康福祉局長 私の方からは、保育士確保に向けた取り組みについてお答え申し上げます。
これまで本市におきましては、保育の担い手の確保策といたしまして、潜在保育士を対象といたしました再就職支援コーディネーターを熊本県社会福祉協議会に配置いたしまして、潜在保育士の掘り起こしを行いますなど、保育の担い手の確保を積極的に行ってきたところでございます。
また、保育士等の待遇改善といたしましては、その負担軽減を図るため、保育所等に保育補助者として従事できる子育て支援員の配置や、昨年度より新たな制度として導入されました保育所等における中堅リーダー的な役割を担う技能、経験を積んだ職員への追加的な人件費加算の給付を行いまして、労働環境の改善に努めているところでございます。
民間保育所の保育士の正規化についてでございますが、現在、保育所等の入所申請率や施設数が増加しております中、保育士の昨年12月時点での本市の求人倍率は約3.4倍となっておりまして、正規、非正規を問わず、保育士の確保は全国的な喫緊の課題であると考えているところでございます。
本市といたしましては、これまでの保育の担い手の確保策や国が取り組む処遇改善等を着実に実施しながら、引き続き保育の担い手の確保や保育環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 本年10月から実施される幼児教育無償化により、さらなる保育需要は高まっていくことが予想されます。将来的には、少子化を見定めながらという点ももちろん理解できますが、マッチングの強化では解決できない保留児童解消、市長の言葉で言えば、実質的な待機児童の解消を図る上で、受け入れ枠のやはりさらなる拡充を、法にも位置づけられている自治体の実施責任のもとで図っていただきたいと思います。
保育士の確保については、本市における保育士の求人倍率が3.4倍との答弁がありました。分子、つまり求人数は284人、分母、つまりそのうち就職希望者84人となっているということです。200名ほど保育士が不足している状況です。保育士が確保できれば、スペース的にも子供を受け入れることができる園がまだ多くあります。なぜ保育士の確保が困難となっているのか。先ほど紹介した雇用形態、待遇面での改善など、国とも連携しながら保育士の働きやすい環境整備を図り、保育士確保に取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、就学援助の拡充についてお尋ねいたします。
私どもに寄せられる生活相談の中には、就学援助にかかわるものも少なくありません。義務教育中にかかる負担の軽減や支援策を子育て世代が求めているのだと私自身は認識しているところです。
熊本市は、就学援助を受けることができる所得条件を明確化し、所得とともに収入基準も示すなど、利用しやすい制度として取り組みを進めてこられたことは十分に承知しております。
昨今、子供の貧困が大きな社会問題となる中で、就学援助制度はその貧困解決に向け、重要な制度になってきていることは間違いありません。
そこで、現在、生活保護費の1.25倍となっている所得基準を、より利用しやすい制度となるように、相模原市が実施している1.5倍と基準を見直していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
また、国からの交付金で算定されているクラブ活動費、生徒会費、PTA会費については、本市においても国から交付税で算定されているわけですから、就学援助の費目に加えて支給すべきだと考えますが、いかがでしょうか。教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 本市の就学援助の所得基準については、生活保護基準の1.25倍以内としており、平成25年8月からの生活保護基準の段階的な引き下げに対しては、その影響を勘案し、引き下げ前の平成25年4月の生活保護基準で算定しております。また、昨年10月には、生活保護基準の引き下げが行われましたが、他制度への影響に配慮を促す国の通知を踏まえ、平成31年度は生活保護基準の1.3倍以内とし、できるだけ引き下げの影響が及ばないように対応する方針です。
さらに、本市では、入学準備金の国庫補助基準の見直しに伴い、平成30年度から入学準備に係る保護者負担を考慮し、支給単価を増額したところですが、国においては、平成31年度も単価を増額する予算案が示されており、決定されれば本市の支給単価についても増額する方針としております。
このような中、本市の就学援助費の支給総額は年々増加しており、国による財政措置も十分とは言えない中では、就学援助の所得基準のさらなる見直しやクラブ活動費、生徒会費、PTA会費を新たな支給項目として追加することは困難であると考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 所得基準を1.3倍とふやしたということで、その基準値となる生活保護については、引き下げが実施された昨年の基準を用いるとの答弁でありました。入学準備金については、支給単価の増額案が決定されれば、支給単価に反映されるとのことでしたので、ぜひよろしくお願いいたします。
この所得基準は、自治体によってさまざまでありますけれども、所得基準の要件緩和など、子育てに係る負担の軽減に引き続き取り組んでいただきますように要望いたします。
次に、市長公約に掲げられた給付型奨学金についてお尋ねいたします。
一昨日の代表質問でもありましたが、簡潔にお尋ねしたいと思います。
私は、一昨年第4回定例会の
一般質問において、子ども支援課が行った子どもの生活等実態調査を紹介しながら、貧困が学力や将来の希望にまで影響を与えることを危惧して、給付型の奨学金についてお尋ねいたしました。
学生の今2人に1人が奨学金を借りなければならず、返済が必要な貸与型を借りた場合、卒業後の返済額は一人平均約300万円に上ります。雇用と収入が不安定で、奨学金を返済できないという人がふえるとともに、サラ金並みの厳しい取り立て、訴訟なども若者を追い詰めております。
給付型奨学金は、圧倒的多数の学生の痛切な要求であることは明らかです。こうした中で、
大西市長の公約の9番目に、未来の熊本市の中核を担う人材の育成・確保のため返還不要の市独自の奨学金制度を設けます。任期中実現との記載を見たときに、大変うれしく思ったところです。
任期中の実現とありますけれども、学費で悩む学生の声に応えるためにも、待ったなしの課題だと考えています。実施時期をいつごろと考えておられるのか、また、その水準はどのように考えておられるのか、早期の実現が必要だと考えますが、市長の見解をお願いいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 近年では、国によります高等学校等就学支援金や熊本県奨学のための給付金など、給付による教育費の支援制度が充実してきておりまして、さらに政府におきましては、高等教育の無償化に向けた方針が閣議決定されたところでございます。国や県の制度が大きく変わっていく中、返還不要の本市独自の奨学金制度の創設は、対象者の範囲や給付内容など、さまざまな検討が必要であると考えておりまして、今後、他都市制度の調査を初め国や県の制度の動向を注視しながら、任期中の実現に向け、進めてまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 制度設計はまだこれからということで、具体的なスケジュールや内容は示されませんでしたが、経済的な不安を抱えながら通学している学生の思いに応えられるよう、早急な対応を求めたいと思います。
この点については、
大西市長の決断に大きなエールを送りつつ、学生の不安に応え得る制度設計、早期の実現をお願いしたいと思います。
次に、中小企業・小規模企業振興基本条例を実効性あるものにしていくためにお尋ねいたします。
昨年12月議会において、議員提案のもとで熊本市中小企業・小規模企業振興基本条例が改正されました。全国の中小企業数は約380万社に上りますけれども、一つ一つが多彩な個性を持ち、固有の歴史的、文化的特徴を備えております。熊本市においても、全企業の99.8%が中小企業であり、そのうち8割が小規模企業であります。
今回の条例改正では、改めて小規模企業の果たしている役割を明確にし、その持続的発展を目的としていることが大きな特徴となっています。また、改正前の条例には規定されていなかった基本計画策定を義務づけております。新年度に向けて、熊本市は基本計画を策定し、さらに具体的な実施計画をつくっていくことになります。
その基本計画策定に向けてお尋ねいたします。
全国に先駆けて1979年に振興条例を制定した東京都墨田区では、制定の前年、係長級職員165人が区内製造業9,314社にみずから足を運んで実態調査、悉皆調査とも言いますけれども、行いました。この調査で、ひどい環境で家族労働に支えられ、それでも税金を払っている、健康破壊や長時間労働への対応、支援が急務など、区長、職員の認識が一変しました。それまでは、中小企業対策は商工部だけの縦割り行政でしたが、この悉皆調査後は、福祉や教育を含む横断的事業として区政に位置づけられております。
全事業所の実態調査を行い、自治体が地域の中小企業の実態を把握し、得られた情報を施策に生かしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、その際、商工施策だけではなく、福祉やまちづくりなど、自治体の幅広い施策に反映させていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。市長の見解をお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 全事業所の実態調査につきましては、本市には約3万の事業所がございまして、全てを個別に訪問しての調査には限界があると考えておりますが、可能な限りきめ細かなニーズ把握を行い、施策に反映させる必要があると認識しております。
そこで、今年度から従業者300人以下の民営事業所1,000社に対しての
アンケート調査に着手しておりまして、この調査結果を詳細に分析し、中小・小規模事業者の経営実態に即した条例に基づく基本計画を策定してまいりたいと考えております。
また、新年度からは、産業版ドンドン語ろうを開催いたしまして、
アンケート調査だけでは読み取れない、例えば福祉やまちづくりなどの各分野の御意見につきましても、私自身が直接対話いたしますことによりまして幅広く御意見等を伺ってまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 1,000社への
アンケート調査に着手しているとのことでありました。また、新たに始められる産業版ドンドン語ろうを開催し、福祉分野やまちづくりなど各分野の意見を聞いていきたいとの答弁でありました。こうした取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。振興条例が単なる理念的なものになるのではなくて、実際に役立つものになるためには、やはり中小業者、金融機関、自治体職員など、当事者が主役になって実践を進めることが不可欠だと考えています。
北海道帯広市では、2007年に中小企業振興基本条例を制定した後、条例を具体化するために、1年で74回に及ぶ議論を重ねました。その中で、経営者や業者自身が中小企業や地域の値打ちに気づき、例えば工場誘致などの呼び込み型から内発型の地域振興に軸足を移すことが重要だという認識が広がっています。
現在、中小企業活性化会議において、年に2度協議や検証が行われていますが、福祉や税の面などから、また小規模企業を会員とするさまざまな中小企業支援団体をメンバーに追加するなど、多面的な検証、検討ができるように改善を図っていただくように求めたいと思います。
次に、熊本市として目指すまちづくり、地域経済の発展についてお尋ねいたします。
私は、2014年の第4回定例会の
一般質問において、京都大学の岡田知弘教授の著書、地域づくりの経済学入門を示しながら、これまでの国土政策や企業誘致などの地域開発政策の分析を行う中で、地域づくりを進める上で大事なキーワードとして、地域内再投資力と地域内経済循環の取り組みを推進するように求めました。
著書の中では、企業誘致について一定の雇用は生まれるものの、誘致のための自治体の投資によって生まれた利益を見たときに、誘致企業の本社への利益移転機能によって地域経済に還流される付加価値が低いということを大きな問題として指摘されております。つまり、企業誘致のために優遇的な税制や補助金など、自治体が投資をしたとしても、企業が生み出す所得は本社に置かれた都市部、特に著書で紹介されていた2001年においては、東京に一極集中して地域経済に還流される付加価値が低くなるという指摘でありました。
これは誘致企業に限らず、現在、熊本市において観光戦略、インバウンド政策のもとで
熊本城ホールなど、MICE施設の整備を初め交流人口の増加を目指す取り組みを進めていますけれども、市内で消費をする商業施設、宿泊施設など、あらゆる産業分野においても共通する課題でないかと考えます。
市内における消費活動が地域経済にどのように循環し、熊本の経済に付加価値を与えているのか、現在、熊本市においても、産業連関表が作成されていますけれども、例えば商業において、県外資本の郊外大型店やチェーン店での消費と、地場の企業で消費した場合の市内自給率がどのようになっているのか、そこまで把握はできないものとなっております。
2015年に開かれた土木計画学研究発表会で示された消費者の買い物行動時の選択店舗の相違が地域経済に及ぼす影響に関する研究という論文があります。京都市における消費がどのように地域に帰着するのか、店舗の
種類ごとに分析を行った論文です。
結論の部分を紹介しますと、買い物支出のうち、地元に帰着する割合は、大型店舗では2割程度であるのに対し、地場スーパーでは4割以上、地元商店では5割以上と、チェーン展開する大型店より、地域密着型の地場スーパー、地場スーパーよりも商店街の地元商店での買い物のほうが、買い物支出のうち地元に帰着する割合が高いことが示されたとし、全国でチェーン展開する大型店舗での買い物支出は、買い物した地域から遠い地域に帰着する割合が高いと示唆されたと結論づけられております。
さきに紹介した岡田教授が指摘しているように、自治体の投資によって生まれた利益を見たときに、企業の本社への利益移転機能によって地域経済に還流される付加価値が低くなっているのではないか、地域資源を生かした地域資本を意識的に形成して、育成していくことを通じて、地域内に繰り返し再投資をする力、地域内の再投資力をいかにつくり出していくのか、こうした視点で検証を深めて、ただ単にインバウンド、交流人口の増加ではなくて、その消費が地域経済により多くの付加価値を与えるような取り組み、仕掛けを同時に図っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
大西市長の答弁を求めます。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 議員御紹介の地域資源を生かした経済循環は、地域経済活性化の一つの方策と認識しておりますものの、本市は連携中枢都市圏はもちろんのこと、本県全域の経済成長を牽引する役割を担っておりまして、関係自治体とも連携を図りながら施策の展開を図っていく必要があると考えております。
そのため、企業誘致のような外部からの投資を呼び込む施策や移住・定住の促進による人口増加策、さらにインバウンド等の交流人口の増大による消費拡大策などを積極的に展開しているところでございます。
今後も、本県全域を見据えた消費喚起や投資につながる施策を実施していくことで、本市のさらなる経済の発展につなげてまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 今の答弁で、地域循環というのは大事だと認識しているという答弁もありました。自治体の投資、市域での消費がより市内に循環していくためにはどうすればいいのか、これは今後もっともっと検証を深めるべき課題だと考えています。下通などを見ましても、全国チェーン店の店舗が非常に多くなりました。もちろん、多様なニーズに応えるまちづくりは必要ですけれども、地場の企業や経営力、経営的にも力をつけながら市内の消費が市民所得の向上につながる仕組みづくりを進めていただきたいと思います。
それでは次に、立野ダムについてお尋ねいたします。
ダムそのものの危険性等技術的な課題については、これまで何度も取り上げてきましたので、今回は別の角度で
大西市長にお尋ねいたします。
今、白川流域においては、南阿蘇村、菊陽町、大津町、熊本市内各区において、立野ダムの建設について詳細な検証と住民説明会を求める流域住民の会が発足しています。
住民への説明責任については、
大西市長も大事であるとの認識をこれまでも何度も示してこられたところであります。しかし、こうした住民たちが、国土交通省に公開質問状を提出しているにもかかわらず、一度も誠意ある回答が寄せられないまま工事だけが進むという事態になっています。
昨年5月23日付で、知事や流域自治体の首長宛てに国交省と住民が疑問に思っている論点対比表が添付され、国交省に回答の要請を行うことが求められました。
大西市長はどのような対応をとられたのでしょうか。
また、南阿蘇村では、村主催の立野ダム説明会が開かれ、国交省と住民側双方から立野ダムに関する説明を行う住民説明会が行われています。先ほど紹介した要望書の中では、熊本市に対しては、中学校区ごとに国交省と住民側双方からのダムに関する説明会を行ってほしいとの要望が出されていますが、どのような結論となったのでしょうか。
また、住民が望む説明会も開催されないまま、つまりは住民合意がないまま本体工事のみが進められる、こうした国の公共事業のあり方は許されるものではありません。説明会を開催し、住民の納得を得るまでの間は、工事の一時中断を国に対して求めるべきではありませんでしょうか。
以上、
大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 立野ダムに関しまして、国と住民との論点対比表に対する国への回答要請につきましては、昨年5月24日に開催いたしました白川改修・立野ダム建設促進期成会の意見交換の場におきまして、私のほうから国の責任において流域住民の皆さんに丁寧でわかりやすい説明を行っていただくよう申し入れを行ったところでございます。
また、住民説明会の開催の要望につきましても、流域住民の皆さんの不安や疑問の声に対して、これまでもあらゆる機会を通じて事業主体であります国土交通省において丁寧な説明を行っていただくよう要望してきたところでございまして、それを受けまして、
熊本地震発生以降、流域住民や議会に対し、現地見学会等が繰り返し行われてきたと認識しております。
そのように、事業者の責任において対応がなされており、また各地で、この自然災害の発生により、甚大な被害が発生する中で、白川の治水安全度の向上を図っていただくということは、市民の安全安心な暮らしを確保する上で大変重要でありまして、今後とも白川水系河川整備計画の着実な推進に向け、取り組んでいただきたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 現地見学会が行われて、それで十分な説明があり、納得されているならば、今回紹介したような要望書は出ていないわけであります。論点対比表には、ダムがあるがゆえの危険性に疑問を持っており、そういった疑問も住民から寄せられているわけであります。
市長は、事業主体である国に説明責任を果たすべきという立場は今明確に述べられました。住民も、疑問を何度も国交省に聞いても返事がないから説明会を開いてほしいと要望があったわけです。市が間を取り持って、市主催の説明会をすればいいのではないですか。何かできない理由はあるのでしょうか。
大西市長に再度お尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 先ほどから答弁させていただいておりますけれども、この立野ダムに関しましては、やはり私から国の責任において流域の住民の皆さんに丁寧でわかりやすく説明を行っていただくべきだということで何度も申し入れをこれまでもさせていただいております。
さまざまな不安の払拭に向けてこれから取り組んでいただきたいと思っておりますので、今後も国のほうに、これは事業主体である国の責任においてしっかりとした説明を行っていただくように要望してまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 今、答弁がありましたけれども、国の説明を求めると言いながら、国は説明を行っていない状況が続きながら本体工事が進んでいる状況なんですね。
市が説明責任をするほど必要と言うのならば、実際に膝を突き合わせて、熊本市が間を持つから国交省さん来てくださいと、住民の方からも来てくださいとお互い論点をしっかり整理しましょうという説明会を開いて、納得して事を前に進めるのかどうするのかを結論づければいいと思います。
市長がずっと要望しても国交省は納得する説明をしない。その一方で、立野ダムの工事だけが進むというのは、やはり河川法にも定められている住民の意思をしっかりと理解、合意を得た上でやっていくという法の趣旨にも反しているものと厳しく指摘しておきたいと思います。
次に、さくらカードについてお尋ねいたしますけれども、昨年4月より行われてきた高齢者及び障がい者の社会参加促進等に関する検討会の報告書がことし1月にまとめられました。
検討会は、高齢者及び障がい者の社会参加促進という観点からさまざまな議論が行われて、その中で、さくらカードについても記載があります。対象者や利用者負担についても見直しが必要ではないかとの記載もありますが、一方で、現行の制度を維持してほしいとの声も多く、制度の見直しによって高齢者の社会参加が阻害されないように留意すべきであるとの報告があります。
また、障がい者については、ICカードへの移行により、チャージ環境や車載機タッチ音、市の境における精算の問題などを初めとする利便性に関する課題、市民負担が多くなった等のさまざまな課題が提起されているとして、負担のあり方、文脈を見れば負担軽減の検討がなされる、そしてより多くの障がい者が社会参加できるように対象の見直しが必要という意見がまとめられております。
さくらカードについては、2012年に熊本市により、経済波及効果、健康づくりの効果及び生きがいづくりへの効果を検証するための調査が実施されております。
調査によれば、さくらカードによる新たな消費の経済波及効果は30億1,500万円となり、外出がふえたが52.1%、よく歩くようになったが51.8%と、健康づくりに大きく寄与していることがわかりました。
そこでお尋ねいたしますけれども、さくらカードについて、本市公共交通を利用する市民に対して、より使いやすい制度として、高齢者の負担割合の引き下げ、障がい者については無料のおでかけパス券の復活、対象者の拡大を図っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
大西市長に答弁を求めます。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 さくらカードにつきましては、本年度実施いたしました外部検討会におきまして、おでかけICカードの利用環境の改善など、利便性の向上を図るとともに、制度の対象者や利用者負担割合について、社会参加促進事業全体を考える中で総合的に検討を行うことが必要であるとされたところでございます。
このようなことから、昨年12月に庁内検討会議を設置したところでございまして、高齢者等の社会参加促進施策を総合的に整理する中で、今後の制度のあり方についてさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 現時点では、利便性の向上を図るという表現にとどまり、具体的な答弁はありませんでしたが、高齢者の無料パス券を発行している大阪府高槻市では、乗車券利用による効果を多面的に検証しております。熊本市ももちろん、先ほど紹介したように検証していますけれども、外出の機会が増加している。週に1.3回増。歩行数についても1日当たり869歩ふえている。経済効果も年額32億円。さらに環境負荷低減効果についても調査していまして、CO2が年で806トン減、これは杉の5万7,571本分の吸収効果に匹敵するそうです。
検討を進めるということでありますが、さくらカードの利用促進が地域経済や健康やコミュニティの形成、社会参画、さらには環境負荷の軽減など、多面的な役割を果たしていることなども再検証しながら制度の充実を図っていただきたいと思います。
次に、電柱の地中化、無電柱化についてお尋ねいたします。
国土交通省は、去年の2月19日、2018年から2020年度の3年間に、新たに全国約1,400キロの道路で電線を地中に埋設し、無電柱化するとの計画をまとめました。目的は、景観向上や災害時の緊急輸送道路の確保、高齢者や障がい者など通行が多い駅周辺や通学路における安全対策であります。
日本には、今現在約3,550万本の電柱があり、年に7万本ずつ増加しているとのことであります。無電柱化が比較的進んでいる東京23区で8%、大阪市で6%にとどまっており、100%のロンドンやパリ、95%の台北、46%のソウルなどと比べて低い水準です。ちなみに、熊本市の無電柱化率は2%となっています。
無電柱化を推進してほしいと思いますけれども、一番の課題はそのコストでありまして、低コストの工法開発など、今後に向けた課題はあるものの、本市においても、国の財政補助などを最大限活用し、緊急輸送道路を初め、例えば景観の観点から江津湖周辺地域、さらには狭い通学路など、無電柱化を進めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。これは、市長の公約にも掲げられておりましたので、
大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 本市における無電柱化事業につきましては、昭和61年より中心市街地の商業地域や緊急輸送道路を対象に、約55キロメートルを実施してきたところでございますが、無電柱化率は約2%にとどまっている状況でございます。
このような中、国は無電柱化に関する施策の総合的、計画的かつ迅速な推進を図るため、第7次無電柱化推進計画を策定し、さらには防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を講じることとしております。
本市といたしましても、暮らしに活力と勢いのある社会の実現のため、災害時の安全性の確保や美しい町並みの形成に寄与する本事業の重要性は十分認識しているところでございます。
今後は、国の動きにも連動いたしまして、緊急輸送道路や災害拠点病院へのアクセス道路を優先的に実施していく予定でございまして、引き続き各電線管理者との合意形成に努めることはもとより、国の補正予算等を最大限活用するなど、無電柱化事業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
〔23番
那須円議員 登壇〕
◆那須円 議員 緊急輸送道路や災害拠点病院へのアクセス道路を優先的に実施していくとのことでありました。災害対応、防災が優先されることについては、私自身も必要であると思います。同時に、芦屋市では無電柱化促進条例というものを昨年9月に制定して、防災機能の強化とともに、通行空間の安全性及び快適性の向上、良好な都市景観の形成を図ることを目的に、無電柱化計画策定を条例の中で義務づけております。
熊本市においても、地域のさまざまな観光資源の魅力向上の観点から、景観の向上であったり、さらには通学路の安全性などを見据えながら、無電柱化の取り組みを拡充していただきますよう、要望しておきたいと思います。
最後に、1点ほど要望を申し上げます。
一般質問の中で取り上げられてきました健軍商店街の双方向通行のことです。
私自身、泉ヶ丘校区自治協議会の一員ですので、地元の利用者、商店街の方に御意見を伺いました。
健軍商店街の双方向通行については、商店街利用者の安全性の低下、そして現在は一方通行で南側の出口には右折レーンがありますので、それほどの渋滞は発生していませんが、双方向となると、右折レーンも確保できずに、商店街内で車の渋滞など、さまざまな観点からの懸念の声が寄せられました。
この課題については、ぜひ地元の方々の思いを尊重していただきたい、その旨要望させていただきます。
以上で、私の
一般質問を終わりたいと思います。
冒頭申しましたように、きょう求めてきた項目は、多くの
市民生活にかかわる問題です。もちろん財源の課題もあるわけですけれども、中心市街地へのさらなる投資、JTやNHK跡地の買収、市電の延伸など、今後予定されているさまざまな事業の中で優先順位をしっかりと検証して、命や生活にかかわる事業、そして市民の安心な生活を保障し、誰もが心の底から住みたいと願う生活都市を目指していただきたいと思いますし、私もそのために引き続き頑張る決意を述べて
一般質問を終わります。
長らくの御清聴ありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○田辺正信 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午前11時55分 休憩
───────────
午後 2時00分 再開
○くつき信哉 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○くつき信哉 議長
一般質問を続行いたします。北口和皇議員。
〔46番 北口和皇議員 登壇〕
◆北口和皇 議員 自由クラブの北口和皇でございます。登壇の機会を与えていただきました議員各位に感謝を申し上げます。
家入議員が本日御逝去されました。家入議員には大変お世話になりました。心よりお悔やみを申し上げます。
それでは、通告に従って質問を進めます。
最初に、
大西市長が目指されている政令
指定都市像についてお尋ねいたします。
熊本市が政令市になって、はや7年がたとうとしております。
大西市長は、これからの4年間の市政運営に責任を持たれるわけでありますが、熊本市民にとっては、政令市になって何がどう変わったのか、余り実感ができていない状況にあると思います。
現在、全国レベルで見ますと、政令市間の競争は激しさを増しております。そのような中で、熊本市が政令市になって7年、東京圏への若者の人口流出はとどまることがなく、また九州の中でも福岡への熊本からの転出が大きく上回っており、人を引きつける力で福岡市には完全に負けています。これを逆転しろとは言いませんが、熊本市の未来を考えると、福岡市に対抗していく必要があると考えます。
しかし、2期目に入った大西市政には、この熊本市を本当にどこへ向かって発展させようとされているのか、市民にとってそのビジョンが見えない状況にあります。
大西市長は、今後熊本市を、そして熊本市民をどちらへ引っ張っていこうとされているのか、政令市の市長として、この熊本を50年後、100年後にどのような都市にしようと思っておられるのか、その決意のほどを聞かせていただきたいと存じます。
〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり
平成31年2月22日
出席議員 46名
1番 くつき 信 哉 2番 田 辺 正 信
3番 光 永 邦 保 4番 大 塚 信 弥
5番 山 部 洋 史 6番 緒 方 夕 佳
7番 小 池 洋 恵 8番 三 森 至 加
9番 高 本 一 臣 10番 小佐井 賀瑞宜
11番 寺 本 義 勝 12番 福 永 洋 一
13番 西 岡 誠 也 14番 田 上 辰 也
15番 浜 田 大 介 16番 井 本 正 広
17番 藤 永 弘 18番 原 亨
19番 原 口 亮 志 20番 紫 垣 正 仁
21番 大 石 浩 文 22番 田 中 敦 朗
23番 那 須 円 24番 重 村 和 征
25番 村 上 博 26番 上 田 芳 裕
27番 園 川 良 二 28番 倉 重 徹
29番 澤 田 昌 作 30番 満 永 寿 博
31番 三 島 良 之 32番 齊 藤 聰
33番 田 尻 善 裕 34番 上 野 美恵子
35番 白河部 貞 志 36番 藤 岡 照 代
37番 津 田 征士郎 38番 坂 田 誠 二
39番 竹 原 孝 昭 40番 江 藤 正 行
41番 藤 山 英 美 44番 落 水 清 弘
45番 古 川 泰 三 46番 北 口 和 皇
47番 田 尻 将 博 49番 鈴 木 弘
説明のため出席した者
市長 大 西 一 史 副市長 多 野 春 光
副市長 植 松 浩 二 政策局長 古 庄 修 治
総務局長 中 村 英 文 財政局長 田 中 陽 礼
市民局長 萱 野 晃 健康福祉局長 池 田 泰 紀
環境局長 勝 谷 仁 雄 経済観光局長 平 井 英 虎
農水局長 西 嶋 英 樹 都市建設局長 田 中 隆 臣
消防局長 西 岡 哲 弘 交通事業管理者 肝 付 幸 治
上下水道事業管理者白 石 三千治 教育長 遠 藤 洋 路
中央区長 石 櫃 仁 美 東区長 田 端 高 志
西区長 深 水 政 彦 南区長 松 石 龍太郎
北区長 野 口 恭 子
職務のため出席した事務局職員
事務局長 田 上 美智子 事務局次長 大 島 直 也
議事課長 本 田 正 文 調査課長 中 川 和 徳...