松山市議会 > 2019-06-17 >
06月17日-04号

  • 警察官(/)
ツイート シェア
  1. 松山市議会 2019-06-17
    06月17日-04号


    取得元: 松山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    令和 元年 6月定例会                 令和元年          松山市議会第2回定例会会議録 第4号          ──────────────────             令和元年6月17日(月曜日)             ───────────── 議事日程 第4号   6月17日(月曜日)午前10時開議日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第1号 松山市市税賦課徴収条例等の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 承認第2号 松山市市税賦課徴収条例の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 承認第3号 松山市介護保険条例の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 議案第62号 令和元年度松山市一般会計補正予算(第1号) 議案第63号 松山市情報公開条例の一部改正について 議案第64号 松山市市税賦課徴収条例の一部改正について 議案第65号 松山市地域再生法に基づく認定事業者に対する固定資産税の課税免除又は不均一課税に関する条例の一部改正について 議案第66号 松山市離島振興法に基づく離島振興対策実施地域固定資産税の課税免除に関する条例の一部改正について 議案第67号 市議会議員等報酬・期末手当及び費用弁償条例の一部改正について 議案第68号 松山市火災予防条例の一部改正について 議案第69号 松山市子ども医療費の助成に関する条例の一部改正について 議案第70号 松山市特定児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について 議案第71号 松山市保育所条例の一部改正について 議案第72号 松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について 議案第73号 松山市手数料条例の一部改正について 議案第74号 松山市下水道条例の一部改正について 議案第75号 松山市港湾施設使用条例の一部改正について 議案第76号 松山市海岸占用料等徴収条例の一部改正について 議案第77号 市有自動車による交通事故の損害賠償額を和解により定めることについて 議案第78号 市道路線の認定,廃止及び変更について (一般質問)   ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第1号~第3号、議案第62号~第78号   ──────────────── 出席議員(43名)  1番  田 渕 紀 子  2番  檜 垣 良 太  3番  矢 野 尚 良  4番  山 本 智 紀  5番  松 波 雄 大  6番  河 本 英 樹  7番  岡   雄 也  8番  岡 田 教 人  9番  白 石 勇 二  10番  本 田 精 志  11番  池 田 美 恵  12番  太 田 幸 伸  13番  山 瀬 忠 吉  14番  長 野 昌 子  15番  松 本 久美子  16番  大 木 健太郎  17番  向 田 将 央  18番  松 本 博 和  19番  上 田 貞 人  20番  杉 村 千 栄  21番  小 崎 愛 子  22番  梶 原 時 義  23番  武 田 浩 一  24番  上 杉 昌 弘  25番  渡 部   昭  26番  清 水 尚 美  27番  吉 冨 健 一  28番  大 塚 啓 史  29番  角 田 敏 郎  30番  原   俊 司  31番  渡 部 克 彦  32番  若 江   進  33番  菅   泰 晴  34番  土井田   学  35番  猪 野 由紀久  36番  大 亀 泰 彦  37番  雲 峰 広 行  38番  丹生谷 利 和  39番  清 水 宣 郎  40番  白 石 研 策  41番  寺 井 克 之  42番  池 本 俊 英  43番  田 坂 信 一   ──────────────── 欠席議員(0名)   ──────────────── 事務局出席職員職氏名  事務局長     渡 部 俊 明  事務局次長    仙 波 章 宏  総務課長     野 本 克 彦  議事調査課長   山 内   充  議事調査課主幹  井 上 真 紀  議事調査課主査  重 川 卓 也   ──────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長       野 志 克 仁  副市長      梅 岡 伸一郎  副市長      北 澤   剛  総務部長     前 田 昌 一  理財部長     松 本 善 雄  理財部副部長   大 木 隆 史  財政課長     丹生谷 英 司  総合政策部長   河 合 洋 二  総合政策部危機管理水資源担当部長           黒 川 泰 雅  総合政策部坂の上の雲まちづくり担当部長           片 本 悦 央  市民部長     津 田 慎 吾  保健福祉部長   松 原 ゆ き  保健福祉部社会福祉担当部長           山 岡 弘 和  環境部長     藤 本 則 彦  都市整備部長   高 松 和 昌  都市整備部開発建築担当部長           横 本 勝 己  下水道部長    白 石 邦 彦  産業経済部長   家 串 正 治  産業経済部道後温泉活性化担当部長           崎 山 吉 繁  産業経済部農林水産担当部長           池 田 和 広  消防局長     中 矢 洋 造  教育長      藤 田   仁  教育委員会事務局長白 石 浩 人  会計管理者    沖 廣 善 久  公営企業管理者  平 岡 公 明  公営企業局管理部長田 中 教 夫   ~~~~~~~~~~~~~~~~       午前10時0分開議 ○清水宣郎議長 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の日程第4号のとおりであります。   ──────────────── ○清水宣郎議長 まず、日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第86条の規定により、議長において27番吉冨議員及び28番大塚議員を指名いたします。   ──────────────── ○清水宣郎議長 次に、日程第2、承認第1号ないし第3号及び議案第62号ないし第78号の20件を一括議題とし、上程議案に対する質疑とあわせ、一般質問を行います。 この際、申し上げます。各議員の発言は、申し合わせの発言時間内においてお願いいたします。 それでは、一般通告者の発言を順次許可します。まず、矢野議員。 〔矢野尚良議員登壇〕 ◆矢野尚良議員 おはようございます。フロンティアまつやまの矢野尚良です。通告書に従いまして質問をさせていただきます。市長初め、理事者の皆様方のわかりやすい御答弁をよろしくお願い申し上げます。 まず初めに、大人のひきこもりについての質問をさせていただきます。ことしの3月、内閣府が、2018年12月7日から24日にかけて実施した40歳から64歳までの5,000人を対象にした生活状況に関する調査の報告書の中で、中高年のひきこもりの数を推計61万3,000人と公表いたしました。そのうち7割以上が男性であり、ひきこもりの期間は7年以上が46.7%、5年以上が51%を占めました。61万3,000人は、15歳から39歳までの若者のひきこもり推計54万1,000人を上回り、ひきこもりの高齢化と長期化が鮮明となったこの調査は、今回初めて実施されました。厚生労働省によるひきこもりの定義とは、仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6カ月以上続けて自宅に引きこもっている状態のこと。買い物などで時々外出することもある場合もひきこもりに含まれるとされています。ひきこもりは、単一の要因によって引き起こされるものではなく、さまざまな要因が絡み合って引き起こされます。昼夜逆転等による生活などの生物学的要因、社会環境、就学や就職時のつまずき等の社会的要因精神的ストレスなどの心理的要因などです。今回の調査によると、男性が76.6%、40歳から44歳と60歳から64歳の割合が最も高く25.5%、就労状況は、勤めているという回答は、正社員、非正規雇用、パート、アルバイトを問わずゼロ%、一方無職という回答は76.6%。このように今回の中高年調査によって、ひきこもりイコール若者という誤解や偏見を改め、人はどの世代でもどの世代からでも引きこもるという前提を啓発していく必要があると思います。そこで、お伺いいたします。本市では、平成29年度からひきこもり相談窓口を設置しているとお聞きしていますが、窓口設置後の相談件数及び相談内容など本市における40歳から64歳、いわゆる大人のひきこもりの現状についてお教えください。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 平成29年度のひきこもり相談窓口の設置後から現在までの相談件数は、合計47件あり、家族からの相談がほとんどで、そのうち本人が40歳から64歳までの方は12件となっています。相談内容から見た大人のひきこもりの方の現状は、男性が7割で、ひきこもりの期間は10年以上が最も多く、最長30年と長期化が見られました。ひきこもりのきっかけは、主に職場での人間関係の問題で、現在困っていることは、親がいなくなってからの心配、本人の精神科治療ができていない、就職先が見つからないといった内容となっています。以上です。 ○清水宣郎議長 矢野議員。 ◆矢野尚良議員 ありがとうございます。この大人のひきこもり問題は、8050問題という言葉で表現され、80代の親が50代の子どもの生活を支えるという問題です。背景にあるのは、子どものひきこもりです。ひきこもりという言葉が社会に出始めるようになった1980年代から90年代は、若者の問題とされていましたが、約30年がたち、当時の若者が40代から50代、その親が70代から80代となり長期高齢化。こうした親子が社会的に孤立し、生活が立ち行かなくなるケースが目立ち始めています。以前、次のようなニュースを見ました。札幌市のアパートの一室で、82歳の母親と52歳の娘の遺体が発見されました。検針に来たガス業者が、電気がついているのに応答がないことに不審に思い事態が発覚、死後数週間がたっていました。警察によると、2人の死因は栄養失調による衰弱死、母親が先に亡くなり、娘がしばらく後に死亡していたことがわかりました。近所の人によると、娘は10年以上ひきこもりの状態で、買い物や食事の世話は母親がしながら地域とのつながりも避けるように暮らしていたといいます。医療や福祉の支援も受けていなかったと見られています。このニュースは、ほんの氷山の一角にすぎないことであると想像されます。そこで、お伺いいたします。本市における大人のひきこもりをどの程度まで実態把握をしていますか。また、調査をしているのであれば、その調査方法、頻度及び調査結果についてお伺いいたします。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 本市では、これまでにひきこもりの実態調査を2回実施しています。1回目は、平成28年度の民生・児童委員による調査で、市全体のひきこもりの方の概要を把握するため情報を収集しました。その結果、ひきこもりの方の人数は183人で、そのうち40歳以上が120人を占めるなど高齢化がうかがえました。ひきこもりの期間は10年以上が85人で最も多く、次いで5年以上10年未満が42人と引きこもる期間の長期化が見られました。2回目は、平成30年度に地域包括支援センターが行った調査で、相談やサービスなどでかかわった高齢者世帯のうち、ひきこもりの方が同居している世帯を調査した結果、20人のひきこもりの方を把握し、そのうち40歳以上は14人でした。その中には、高齢の母親に介護サービスを導入したいが、同居しているひきこもりの息子の同意が得られないという事例や父母の年金で生計を立てているが、一人になったときの生活が心配という事例が見られ、大人のひきこもりに対する支援の必要性を再認識しました。以上です。 ○清水宣郎議長 矢野議員。 ◆矢野尚良議員 何かを調査し、何かをなし遂げるときに、まずは現状把握から物事は始まると思います。きちっとした現状把握をしていただいておりますので、また今後も確実な現状把握の継続をよろしくお願いいたします。 現在、ひきこもりは、幅広い年代にまで広がっており、親が現役時代の間は、社会から見えにくく、長期化、深刻化すればするほど支援が難しくなるものと考えられます。私自身は、ひきこもりによって引き起こされる課題として、市民の担税力の低下、支援体制の構築に莫大な予算が必要になる、ひきこもりによって社会的貧困状態に陥る、単身・未婚世帯の増加、年金・国保等社会保障制度への影響、ひきこもり世帯の高齢化に伴う生活状況の悪化、生活保護世帯の増加、子どもから親への虐待、自殺等への発展の可能性など多くの課題が想定されます。そこで、お伺いいたします。本市の大人のひきこもりによって引き起こされる課題について、本市の見解をお伺いいたします。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 ひきこもりは、かつては若年者に多く見られると考えられていましたが、さきに答弁した本市の実態調査では、ひきこもりの方のうち、40歳以上が約7割で、大人のひきこもりが多くを占めています。この大人のひきこもりは、親の高齢化で、世帯収入が年金などに限られる中、病気で介護が必要な状態になったり、さらにひきこもりの方の高齢化により、就職先が限られ、自立が難しくなるなど、経済、介護、就職などの問題が絡み合い、その世帯の中で複合化していることが多く、容易に解決の糸口が見つからないことが課題であると認識しています。以上です。 ○清水宣郎議長 矢野議員。 ◆矢野尚良議員 こういったさまざまな課題への支援についてお伺いいたします。ある民間支援団体が主催をされている集いの記事を見ました。やはり、御高齢の家族が多く、長期のひきこもりの子どもさんを抱えた方ばかりのようでした。中学校のときのいじめが原因で、20年間部屋に引きこもったままの子どもさんや大切な家族なのに長い年月、コミュニケーションがとれないまま過ごすなど、つらい実態でありました。一方、これらの家族に寄り添い、長く外部との関係を絶った人たちの心に寄り添いながら、家庭訪問や居場所をつくり、ひきこもりで悩む親たちでつくる家族会を組織し、支援するなどの支援者の取り組みによって心を開き、自立に向かう事例等も数多くあると聞きました。このような民間支援団体の皆様とも協議をしながら、行政側としてなすべき専門的な支援は何かを検証し、そのための体制強化が必要であると切に思いました。そこで、お伺いいたします。本市としての支援対策と今後の方向性についてお教えください。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 本市では、保健所にひきこもり相談窓口を設置し、家族や関係機関からの相談に応じており、保健師や精神保健福祉士が支援内容を説明し、支援計画を立て、家族の了解を得た上で家庭訪問を継続しながら、愛媛県のひきこもり地域支援センターや医療機関などと連携して支援しています。また、ひきこもりに対する誤解や偏見が生じないよう、正しい知識についてホームページへの掲載やリーフレットを設置するなど、市民と地域の関係者に啓発を行っています。さらに、本市では、関係機関庁内関係課で構成するひきこもり相談事業関係機関連絡会を開催し、情報交換を行うなど、効果的な支援方法を共有しています。今後も民生・児童委員関係機関との情報共有や連携を一層強化し、ひきこもり対策に積極的に取り組んでいきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 矢野議員
    矢野尚良議員 積極的な御対応どうもありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 続いての質問に移ります。子どもたちへのキャリア教育についてお伺いいたします。毎年、ある大手生命保険会社が、未就学児と小学生を対象に、大人になったらなりたいものランキングのアンケートを実施しております。2018年は男の子1位サッカー選手、2位野球選手、3位学者・博士となっています。女の子は1位食べ物屋さん、2位保育園・幼稚園の先生、3位看護師さんとなっています。このアンケートは、1989年より調査されており、1989年より30年間、男の子も女の子も順位は多少の変動があるものの、およそ同じような職業が上がっています。成長に伴ってさまざまな職業や価値観に触れることで、夢や希望は変化していくはずです。つまり、経験や視野の広がりとともに、選択肢も広がるものではないでしょうか。本当にやりたいことが見つかる、なりたかった職業につけることは、豊かな人生を送る大きな要素になります。しかし、自分自身が何になりたいか、何がしたいかがわからないという若者が多いと言われ、それがニートやひきこもりにつながっている、そしてそれらは、自己肯定感の低さにあらわれているのではないかと思われます。内閣府のデータでも、自己肯定感を聞いた項目では、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンを比較した中でも大きく差をあけられ最下位であり、また将来への希望を聞いた項目でも同じ結果となりました。そこで、お伺いいたします。みずからの可能性を信じ、人生を前向きに考えるためにも、キャリア教育とともに自己肯定感を高める取り組みや教育も必要と考えますが、本市の御所見をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 白石教育委員会事務局長。 ◎白石浩人教育委員会事務局長 小・中学校では、教育活動全体を通じて、キャリア教育の推進に取り組んでいます。小学校では、日々の係活動や清掃活動などを通じて、友達と協力して働くことの大切さを学び、集団の中で役立つ喜びを感じながら、自己肯定感を高めています。中学校では、主に職場体験学習を通して、さまざまな職業の方々の多様な生き方や考え方に触れながら、社会の中で自分らしい生き方を考えることで自己を理解し、自己肯定感を高めています。今年度から職場体験学習をまつやまジョブチャレンジとして、地域や企業等との協力のもと、全ての市立中学校で5日間行います。また、市内小・中学生対象に開催されているキッズジョブまつやまには、毎年多くの児童生徒が参加し、地元企業の仕事に関心を持ち、将来の夢につながる体験を行っています。今後も互いに認め合い、一人一人が大切にされる集団活動や発達段階に応じたキャリア教育に取り組みながら、自己肯定感を一層高め、持続可能な社会のつくり手となる児童生徒を育てていきます。以上でございます。 ○清水宣郎議長 矢野議員。 ◆矢野尚良議員 私も毎年キッズジョブにボランティアで参加しておりますけれども、ぜひ継続していってください。よろしくお願いします。 続いての質問に移ります。6月4日、新聞の一面に人生100年年金頼み限界という記事がトップで掲載されました。金融庁の金融審議会は、計画的な資産形成を促す報告書をまとめ、年金だけでは老後の資金を賄えず、95歳まで生きるには夫婦で2,000万円の蓄えが必要であると試算。現役期とリタイア前後、高齢期といった人生の段階別に資産運用、管理の心構えを説きました。少子高齢化による公的年金制度の限界を政府みずから認め、国民の自助努力を求めた形ではありますが、投資には元本割れリスクもあり、金融商品の慎重な選別が必要となります。こうした記事からもわかるように、国の財政悪化は顕著であり、我々の現役世代だけでなく、将来生きていくためのお金の不足額が2,000万円どころではなくなることが予測される中、私がキャリア教育とともに取り組んでいただきたいと考えるのは、ファイナンシャルリテラシー、お金に関する知識、理解やつき合い方を身につける教育です。生きていくこととお金は切り離すことができません。マネー教育も生き抜く力を養う教育の一つと言えるのではないでしょうか。本市もマチカに対する助成金のように、電子マネーの普及や仮想通貨が身近なものになってくるなど、お金に関する環境が大きく変化する近年、このファイナンシャルリテラシーを身につけることは、自分自身の身を守るにも重要であると考えられます。しかしながら、日本人のファイナンシャルリテラシーは、先進諸国の中でもとても低いという調査結果が出ています。私たち日本人は、学校でお金に関する授業はほとんどありません。そのため、正しいマネー教育を教えられる人がいないのではないかと考えられます。例えば、先ほどの2,000万円の不足額を積み立てるために、現在35歳が毎月5万円を65歳までこつこつと積み立てをしたら、積立総額は1,800万円となります。それでは、現在の銀行金利である年率0.02%で積み立てをすると約1,805万円、年率3%で積み立てをすると約2,855万円、年率5%で積み立てをすると約3,986万円となります。しかしながら、高い利率は危ないのでは、だまされているのではといったような感情になるのが現状ではないでしょうか。また、日本銀行の調査によると、日本人は現預金の比率が52%と世界屈指で高い国です。反対にアメリカ人は、金融大国だけあって、株式、債券、投資信託の有価証券投資で50%以上の資産を保有しています。現預金の比率はわずか14%しかありません。ヨーロッパ人は、ファイナンシャルリテラシーが高い国が多く、個人金融資産のバランスも現預金、有価証券、保険年金を3分の1ずつ保有しており、非常にバランスのとれた状態であることがわかります。マネー教育先進国とも言えるアメリカは、子どものころからお金について学ぶことが当たり前と考えられており、幼稚園から発達状態に合わせた教育が行われています。生徒が実際に株取引を行ったり、企業家や経済人が講師となって、経済や経営について、また実際のビジネスシーンでの事例を話す授業があり、生の話を聞くことで、ビジネスについて興味も湧いてきます。日本には子どもにお金の話などをしなくていいという意見もまだまだ多いようですが、お金の流れを知ることで社会の仕組みを知り、価値を知ることで働くことの大切さを知ることができます。そこで、お伺いいたします。先ほども申しましたとおり、生きていく上でお金とのかかわり合いは切り離すことができません。ファイナンシャルリテラシーを身につけること、お金に関するモラル等を学び身につけることも生きる力を養うことであると考えますが、小・中学校教育の中での年齢に応じたマネー教育についていかがお考えか、また現在での本市におけるマネー教育の現状と課題についてお答えください。 ○清水宣郎議長 白石教育委員会事務局長。 ◎白石浩人教育委員会事務局長 年齢に応じたマネー教育及び本市の現状と課題については関連がありますので、一括してお答えいたします。国民一人一人が、より自立的で安心かつ豊かな生活を実現するためには、子どもたち自身にも生活スキルとしての金銭に関する知識や判断力を身につけさせていく必要があると考えています。現在、小・中学校では、株の取引や企業の経営についての学習や体験は行っておりませんが、学習指導要領の内容に基づき、学年に応じた金銭、金融教育に取り組んでいます。小学校の家庭科では、物や金銭の大切さや計画的な使い方について学習し、また中学校の社会科や技術家庭科では、多様な金融サービス支払い方法を考えた計画的な金銭管理等について学習しています。そうした中、電子マネーなどの普及によるキャッシュレス化など、子どもたちを取り巻く生活環境が変化しており、金銭の価値を正しく理解し、活用する能力を高めることが課題として上げられます。今後は、発達段階に応じて、地域の金融機関が開催している金融教育教室を活用したり、売買契約の仕組みや消費者被害の対応等について学習を深めたりするとともに、国の動向にも注視しながら、金銭に関する知識や判断力の向上に努めていきます。以上です。 ○清水宣郎議長 矢野議員。 ◆矢野尚良議員 ありがとうございます。 最後の質問は、本市の財政について質問させていただきます。実質的な地方交付税、すなわち普通交付税と臨時財政対策債について質問させていただきます。3月議会におきまして、私自身初めて本市の予算の議決に携わることとなり、なぜ三割自治、四割自治と言われているのか、その意味を理解することができました。本年度の当初予算一般会計の本市歳入の内訳は、市税640億円、国庫支出金407億円、地方交付税190億円、市債108億円、県支出金149億円、繰入金127億円、その他217億円となっています。具体的には、その構成比率は、市民からの直接税の市税は640億円で全体の約34.8%、国からの国庫支出金と地方交付税を合わせた597億円は32.49%、そして市債や県支出金、繰入金などは601億円の32.7%となっています。そこで、気になりますのが、本市歳入の約3分の1を占める国からの資金、すなわち国の財政状況の動向です。それは、国の財政悪化に伴い、国の地方交付税総額が減少を続けている点です。地方交付税総額は、データを見ますと、2000年度の21兆4,107億円をピークとして、2012年度17兆4,545億円より6年連続してマイナスを続けており、2018年度におきましては、16兆85億円でした。2019年度は、国の税収の増加により、16兆1,809億円と前年度から少し増加しましたが、地方交付税総額は、ピーク時の約7割強に減少していることから、本市における地方交付税も年々減少傾向にあるものと想定されます。そこで、お伺いいたします。本市財政の大きなウエートを占める地方交付税のうち、特別交付税を除く普通交付税の動向は、財政運営に大きく影響をいたします。2013年度から本市の普通交付税の金額の推移をお示しください。そして、普通交付税の今後の見通しとそれに伴う対策はどのようにお考えでしょうか、お願いいたします。 ○清水宣郎議長 松本理財部長。 ◎松本善雄理財部長 まず、金額の推移については、2013年度が237億496万4,000円、14年度が228億4,053万6,000円、15年度が211億2,961万1,000円、16年度が199億4,130万1,000円、17年度が193億3,815万3,000円、18年度が188億2,855万8,000円です。次に、今後の見通しと対策ですが、今年度の地方財政計画では、地方交付税の原資となる国の税収の増加などにより、地方交付税総額が前年度から増額となっており、本市の普通交付税額についても、昨年度から約2億円増の190億円を見込んでいます。なお、来年度以降の交付額については、経済情勢の変動や国の予算編成の動向等を踏まえ、年度ごとに地方財政計画が策定されていくため、現時点で見通すことは困難ですが、国の骨太の方針では、当面の地方一般財源総額について、2018年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとしていますので、市税等を含めた一般財源は一定確保できると考えています。しかしながら、社会保障関係経費の増加や公共施設の老朽更新等で財政需要が増大していることから、引き続き厳しい財政運営になることが見込まれています。そのため、事務事業の見直しや効率化など、歳出縮減に継続して取り組むとともに、債権管理の適正化等による市税収入の確保や基金の有効活用などで歳入確保を図ることにより、健全財政の堅持に努めていきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 矢野議員。 ◆矢野尚良議員 続いての質問は、臨時財政対策債について質問させていただきます。臨時財政対策債は、地方交付税の原資が不足した場合、自治体が特別に発行する地方債、償還費用は元利とも国が後に交付税で手当てする仕組みとなっており、自治体財政を直接的には圧迫しない、一般的に臨時財政対策債は、国の隠れ借金とされています。ただ、自治体が借りる形をとっているため、国の借金なのか、地方の借金なのか、わかりにくい構図となっています。地方交付税そのものが削減され、自治体側から見ると潜在的な財政リスクと映っています。ある資料を見ますと、自治体の赤字地方債である臨時財政対策債の残高が、過去最高を更新しており、2017年度末では総額53兆円に達しています。そして、100億円以上抱える自治体は487と全国の3割近くの自治体となっています。先ほどの質問でも話しました金融庁は、少子高齢化による公的年金制度の限界を政府みずから認め、老後の資金は自助努力なしではやっていけないことを発表しています。このこと自体は、既に10年前には言われていたことではないでしょうか。このことからも、国全体の財政悪化が目に見えてわかると思います。さきの3月議会で、本市に予算に携わり、多少なりにも財政について勉強させていただき、国と地方は無関係でないことを理解いたしました。そこで、今回、国の財政が最も深くかかわっている中の一つである臨時財政対策債について質問いたします。本市の決算状況の中で、経常収支比率を見ましても、2017年度は88.47%、臨時財政対策債を除いた数値でも95.5%、2016年度は89.8%、臨時財政対策債を除いた数値でも96.5%とある程度の健全性が見てとれます。しかしながら、市債の中に含まれる臨時財政対策債の発行額と残高を見てみますと、発行額は2015年度が83億3,910万円、2016年度が73億4,470万円、2017年度が81億1,940万円で、年度により増減がありますが、残高は2015年度末が779億1,876万円、2016年度末が808億4,148億円、2017年度末が837億9,933億円と増加の一途をたどっています。そこで、お伺いいたします。どれだけふえても国が措置をするため、地方財政に影響のないと言われている臨時財政対策債ですが、財政悪化を突き進む国が、一方的に財源措置を放棄したらどうするのかを含めた本市の臨時財政対策債に対しての見解をお示しください。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 臨時財政対策債は、本来地方交付税で配分されるべき地方の財源を国の財源不足で地方債に振りかえ、その元利償還金の全額を交付税措置する制度です。地方の財政運営に大きな影響を与えるこうした財政措置の制度は、国と地方との信頼関係のもと、一方的に変更することはない認識で有効に活用しながら財政運営をしています。仮に臨時財政対策債を借り入れなかった場合は、財源不足で本来取り組むべき事業を行えず、市民サービスが低下するなど、円滑な財政運営が難しくなる懸念があります。そのため本市は、普通交付税の振りかえで臨時財政対策債が配分される制度のもとでは、必要な一般財源で活用せざるを得ないと考えております。しかし、恒常的な地方交付税の財源不足は、臨時財政対策債の発行に頼らず、地方交付税の法定率を引き上げて対応するよう、全国市長会などを通じて今後も引き続き要望してまいります。以上です。 ○清水宣郎議長 矢野議員。 ◆矢野尚良議員 ありがとうございました。私は、国、地方全体において、財源が不足していっている実態から目を背けているのではと感じていまして、責任の所在が曖昧な巨額な借金のあり方を見直す必要性が今後も続けてあるのではないかと思います。以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○清水宣郎議長 以上で、矢野議員の一般質問を終わります。 次に、本田議員。 〔本田精志議員登壇〕 ◆本田精志議員 松山創生会の本田精志です。5月に元号が平成から令和となりました。昭和生まれの私は、中村草田男のまねをして、昭和は遠くになりにけりと少しの寂しさと昭和のよさを考えながら、令和になっても守るべきことは守る、新しいことも取り入れながら、精いっぱいの取り組みをして、市民の幸せと発展に貢献しようと強く思ったところです。さて、平成の大きな課題に、西条黒瀬ダムからの分水問題があります。これは、政争にもなり、選挙や議会でも激論となりました。これまでの経緯についてはここでは述べませんが、異常渇水から25年、先送りのできない課題です。これまでを再検証し、新しい議論をスタートする時期に来ていると思っています。次回の水問題に関する協議会の結果を見て、どうするべきかを判断したいと考えています。 それでは、質問に入ります。今回の6月議会に提案された議案の中から質問します。野志市長、関係理事者におかれましては、明確な御答弁をよろしくお願いします。最初は、災害用資機材についてお伺いします。今回の6月補正予算案の中に、消防施設費、非常備消防用車両機械購入事業の提案があります。非常備消防とは、消防団のことです。少子高齢化や地方の人口減少などの影響もあり、全国的には消防団員数が減少傾向にあると言われています。しかし、松山市消防団においては、団員定数が合併時2,301名でしたが、消防団充実強化に取り組み、男性団員の確保に努め、女性団員の拡充、新たに機能別団員も加わり、平成30年4月には2,551名と250名増員しました。組織は1団1本部9方面隊41分団で、消火活動、救助活動、水防活動、防火・防災啓発活動、救命講習、その他の活動を通じて、地域に密着しながら安心・安全なまちづくりに貢献しています。ふだんはほかの仕事をしながら、災害が起きれば消防団活動に従事する、そのために定期的に訓練を行っています。また、発生する災害はさまざまで、地域の特性に合わせ、災害時に必要な施設や装備、資機材の充実が大変重要になると考えています。昨年9月議会で私の質問の答弁で、「このたびの災害を教訓に、団本部会議や分団長会議の中でどのような資機材が不足していたのか、どのような資機材が必要だったのかなど、被害の大きかった分団から意見を聞き、全ての分団としっかり検証した上で、必要な資機材の整備を検討します。」とありました。そこで、お尋ねいたします。1点目は、今回はチェーンソーなどの救助用資機材を整備するとなっています。整備する資機材と資機材導入に至った経緯についてお聞かせください。2点目は、消防団の資機材の中には、訓練を十分に積む必要があるものがあります。今回、整備するチェーンソーは、中でも危険が伴う資機材ではないかと思います。消防団員が資機材の効果的な活用を行うための方策についてお聞かせください。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 まず、整備する資機材と導入の経緯は、本市の消防団では、昨年の7月豪雨での経験を今後の災害対応に生かしていくため、全分団にアンケート調査をしました。その中で、「倒木で塞がれた道路や土砂が流れ込んだ木造家屋があり、チェーンソーなどの救助用資機材があれば効果的に活動できた」など資機材を要望する意見が寄せられました。このような現場の声を受けとめ、団本部会議や分団長会議で検討した結果、今回の6月補正予算で国の補助金を活用し、消防団が迅速に活動できるよう、チェーンソーと油圧ジャッキを購入し、全地区の分団に配備します。今後は、これらの資機材を有効に活用し、豪雨災害や台風などの風水害を初め、発生が懸念されている南海トラフ巨大地震でも消防団が今まで以上に充実した活動ができると考えています。次に、効果的な活用の方策は、まず取り扱いや維持管理の研修会を繰り返し行い、基本的な技術を学びます。そして、中央消防署の城北支所や消防学校の訓練施設などで実際に風水害の現場を想定して道路の障害になった倒木を取り除いたり、倒壊した家屋で柱や家具を持ち上げ切断したりし、これらの資機材を安全で確実に活用できるよう、さらに実践的な訓練を重ねます。このほか、消防団の機動重機部隊や消防隊と連携して訓練し、大規模化する災害への対応力を高め、さまざまな現場で消防団が効果的に活動できるよう取り組んでまいります。以上です。 ○清水宣郎議長 本田議員。 ◆本田精志議員 配備される資機材が、安全に効果的に活用できるよう、これからも指導や訓練をお願いしたいと思います。 次の質問です。さきにも言いましたが、発生する災害はさまざまで、地域の特性に合わせ、災害時に必要な施設や装備、資機材の充実が大変重要になると考えています。また、大規模災害発生時には、常備消防とは違った形で消火や救助、救出、警戒巡視、避難誘導、災害防御などさまざまな現場で活動することになります。全ての災害に対応できる救助用資機材を全消防団に整備することは難しいことです。しかし、災害の特性を考慮し、資機材を整備することで、消防団の役割がより発揮できると思います。そこで、お尋ねいたします。救助用資機材で今後整備が予定されているものや調査中のものがあればお聞かせください。 ○清水宣郎議長 中矢消防局長。 ◎中矢洋造消防局長 消防団への救助用資機材は、今後消防車の更新時に手動でコンクリートを破壊できる器具やエンジンカッターなどの切断器具、担架などを順次整備していく予定です。これに加えて、豪雨災害でも効果を発揮する救命ボートなど、新たな装備の導入についても消防団からの意見を聞きながら引き続き調査していきます。また、消防局では、国の無償使用制度を活用して、船外機つきで乗船定員15名程度、船首が開閉し、重量物も搬送できる大型の高機能救命ボートを今年度中に消防署へ配備する予定ですので、これらの資機材も消防団と連携しながら運用していきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 本田議員。 ◆本田精志議員 地域性も考えて、また適正な整備をお願いいたします。 この項最後の質問です。一昨年の台風18号では、降り続いた大雨で重信川が戦後最高の水位となりました。また、昨年の7月豪雨では、過去に経験したことのない雨量により、市内の各所で大きな土砂災害が発生しました。私の地元である余土地区では、幸いにも土砂災害の危険性はありませんが、全国屈指の急流と言われる重信川や石手川に接しており、近年の地球温暖化に影響されたと思われる異常気象による災害が全国各地で頻発している今日、いつ河川の氾濫による災害が発生してもおかしくないと感じています。こうした中、私は、松山市消防余土分団の一員として、先日の5月12日に国土交通省が主催する重信川総合水防演習に参加しました。水防工法の中で、河川の堤防が破堤した場合に対応できるつき回し工法という水防工法を実施しました。これは、堤防の川側が決壊したとき、断面の不足を住居側堤防斜面で補うためくいを打ち込み、土のうを入れて堤防を強化する工法です。事前の訓練と演習当日と2回実施しました。晴天の昼間でも大変な作業でしたが、この作業を大雨の中、夜間に行うと思うと、定期的な訓練が必要だと感じました。水防工法を行う際には、現象を見きわめた上で、最も有効な工法を選択しますが、工法によって使用する水防用資機材も変わってきます。松山市では15日にはまとまった雨が降りましたが、梅雨入りの発表はなく、渇水も心配です。しかし、本格的な梅雨やその後の台風接近など、これからが出水期を迎えます。大雨によって内水氾濫の危険性や河川の増水で堤防が決壊するなどのおそれも出てくるため、水防団を兼務している消防団が出動する機会も増加するものと考えています。今回の訓練を通して実感したことですが、消防団は市民の安心・安全を守るため、大雨などによって河川氾濫のおそれがある場合は河川を巡回し、少しでも異常を発見した場合は状況に応じた水防工法を行う必要があるため、災害時に地域の防災拠点となるポンプ蔵置所にも必要な水防用資機材が常備されていることが大変重要であると考えます。そこで、お尋ねいたします。現在の水防用資機材の配備状況はどのようになっていますか。また、今後水防用資機材を充実させる予定があるのか、お聞かせください。 ○清水宣郎議長 黒川危機管理・水資源担当部長。 ◎黒川泰雅危機管理・水資源担当部長 現在保有している主な水防資機材は、土のう袋約30万枚、木ぐいや鉄くい約2万本、ブルーシート約5,000枚、水中ポンプ約60台など市内14カ所の水防倉庫と各消防署などあわせて26カ所に配備しています。また、迅速に水防活動を行えるよう、消防団の要望に応じてポンプ蔵置所にも土のう袋やブルーシートなど、一部の水防資機材を配備しています。今後は、災害時により効果的な水防活動が行えるよう、消防団を初め、関係部局と協議し、地域の防災拠点であるポンプ蔵置所へのさらなる分散配備を行うことで、水防資機材の有効活用に努めていきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 本田議員。 ◆本田精志議員 地域の消防団による水防活動が効果的に行えるような配備をまたよろしくお願いいたします。今後発生する大規模災害には、地域の防災力向上が不可欠になります。ふだんから地域密着性や動員力があり、防災面で十分な訓練と経験を積んでいる消防団と自主防災組織やその他の組織や団体が連携することが、地域防災力向上に大きく役立つと考えています。今後の取り組みを注視していきたいと思います。 次の項に行きます。この項では、子ども医療費についてお伺いします。今回の6月補正予算案の中に、子ども医療助成事業の提案があります。報道や議案説明を受けたとき、市民の皆さんや議員の皆さんは、どのように思ったでしょうか。遅い、やっとか、よかった、ありがたい、関係ない、保険料が上がったらどうするなどさまざまではないでしょうか。これまで議会でもたびたび論戦を繰り広げてきた子育て支援の目玉施策です。昨年の市長選、野志市長3期目の公約として掲げたこともあり、昨年度の12月議会と3月議会では、多くの議員が質問を行いました。来年1月から実施できる運びとなり、私は早い時期に実現したことはとてもよかったと思っています。この議案については、猪野議員や池田議員も質問していますが、重ならない部分について質問したいと思います。多くの市民の皆さんが、子ども医療費助成の拡充を期待する中、野志市長が実現に向けて慎重だったのは、制度設計をどのようにするかより財源をどのように確保するかに要因があったのではないでしょうか。松山市では、これまでの答弁や説明でわかるように、多くの子育て支援に対する取り組みを実施、継続しています。まつやま子育て応援パンフレットを見てみますと、子ども医療費助成拡充、24時間、365日の小児救急医療体制の継続、待機児童対策など、妊娠、出産期から小・中学生の間の子どもにきめ細やかな取り組みをしています。一方で、大幅な歳入増加が見込めない状況にあって、持続可能な健全財政を目指し、市政運営を行っている松山市で、今回子ども医療費助成の拡充をすることで歳出がふえることに少し不安を持っています。そこで、お尋ねいたします。今回の子ども医療費助成の拡充に当たり、必要な経費は年間約8億7,000万円が必要と聞いています。松山市が愛媛県に県費補助率引き上げを要求している2分の1が認められたとしても、年間約6億5,000万円必要ですが、今回愛媛県が県議会に提案をしている8分の3が可決されたとすると、年間約7億6,000万円の財源が毎年必要となります。今回拡充する子ども医療費の財源の確保は、どのように行うのか、お聞かせください。 ○清水宣郎議長 松本理財部長。 ◎松本善雄理財部長 子ども医療助成の拡充を初めとする重要施策を推進し、幸せ実感都市まつやまを実現するための行財政基盤の確立に向け、本市では今年度から財政課、人事課、企画戦略課職員などで構成するプロジェクトチームを立ち上げました。現在は、このチームを中心に、全庁挙げて限られた財源を有効かつ効率的に活用するため、事務事業や補助金の見直しを行うほか、債権管理の適正化を図るなど、さまざまな分野について計画的に鋭意作業を行っているところです。こうした取り組みを推し進めることで、抜本的な歳出縮減と歳入確保につなげ、子ども医療助成の拡充に必要な財源を捻出したいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 本田議員。 ◆本田精志議員 限られた財源の中で、ゼロベース方針で予算編成を行っている中で、拡充は本当に大変厳しいものだと思っております。現状の市民サービスや各種事業が停滞することのないようにお願いしたいと思っております。 次の質問です。野志市長による今議会の議案説明や今議会のこれまでの論戦を聞いていると、今回の子ども医療費拡充では、通院についても中学3年生まで拡充し、所得制限や一部自己負担は設けず、窓口負担のない現物給付であると理解しています。これは、中学3年生までの助成をしている中核市でも、所得制限や一部自己負担を設けているところが半数以上ある中、松山市では野志市長の英断により、これまでの子育て支援とあわせて、愛媛県内、全国でも先進的な取り組みになり、子育て世代にとって大きな支援になると思います。そこで、お尋ねします。財源確保もできました。すばらしい制度にもなりました。しかし、この制度を継続していくためには、医療費をできるだけ抑える必要もあるのではないでしょうか。拡充に伴い、増加する医療費の抑制について、どのような方策を考えているのか、お聞かせください。 ○清水宣郎議長 北澤副市長。 ◎北澤剛副市長 本当に医療を必要とする人が安心して受診できるよう、また限られた医療資源と財源を有効に活用しながら持続可能な制度とするためにも、医療機関の適正な利用の啓発が必要です。そのためには、子どもの医療のかかり方について、保護者の知識と理解を深め、不安を解消することが重要となりますので、受給資格証とあわせたチラシの郵送、医療機関や児童クラブ等へのポスターの掲示、広報紙やタウン誌への掲載、SNSの活用などにより適正利用の周知啓発を強化します。また、小児科医による市民講座の開催、新薬と同等の効き目で価格の安いジェネリック医薬品の使用促進、休日や夜間の急な病気にどう対処するかを教えてくれる子ども医療電話相談♯8000の周知など、医師会や歯科医師会、薬剤師会など関係機関とも引き続き協議しながら対応してまいります。以上です。 ○清水宣郎議長 本田議員。 ◆本田精志議員 適正な広報とまた適正な利用に期待したいと思っております。 この項最後の質問となります。子ども医療費が無料になり、子育て家庭の経済的負担が軽減される、この制度の対象となる子育て世代を大変うらやましく思います。最近は、社会全体で子どもを育てるとして、子育てにかかる費用の多くが助成されて、子育てに優しい社会になってきています。受益者負担の考えに照らすと、不公平感を覚える人もいるとは思いますが、子育てに関する助成制度は、子育て世代にとってはとても魅力的であります。そこで、お尋ねいたします。子ども医療費の拡充では、市民の皆さんが一番関心があるのはやはり無料ではないでしょうか。野志市長3期目の公約となってからは、「子ども医療費は全部無料」、「医療費のうち何が無料」などとよく質問されます。今回拡充される子ども医療費は、どのような費用が無料となるのか、詳細についてお聞かせください。 ○清水宣郎議長 北澤副市長。 ◎北澤剛副市長 今回の拡充では、通院費の対象者を中学3年生まで拡大するとともに、給付方法を現在償還払いとなっている入院費も含め、全て現物給付といたします。これにより、来年1月以降、現在の未就学児を対象とした乳幼児医療費助成と同様に、内科、小児科医、眼科、耳鼻科、歯科、薬局など、愛媛県内の医療機関を受診した際に窓口への支払いが不要となります。ただし、保険適用される医療費の自己負担分を助成する制度であるため、保険適用外の予防接種、歯科健診、診断書料など支払いの必要なものもあります。詳細については、制度開始までにチラシ、広報紙やタウン誌などでお知らせする予定です。以上です。 ○清水宣郎議長 本田議員。 ◆本田精志議員 わかりやすい答弁ありがとうございます。市民の皆さんの御理解と適正な利用で、子ども医療費助成が継続していくように、また注視していきたいと思っております。よろしくお願いします。私は、子どもの育ちを核にまちづくりや人づくりなどを行い、社会教育や学校教育を向上させ、シビックプライドの醸成を図ることで、これからの課題を乗り切り、100年先も輝き続けるふるさと松山であり続けるために、これからも多くの建設的な提案をしていきます。その取り組みの一環にもなりますが、新たな活動として、ことし6月、議員有志により松山市スポーツ議員連盟を設立しました。松山市のスポーツに関することを松山市や関連団体、民間団体などと協議したり、松山市のスポーツ振興、強化の推進や市民の健康増進を図ったり、議員でなければできない部分について取り組みをしていきたいと思っています。私は、令和となり、新しい取り組みも行い、二元代表制の役割を果たしていきたいと考えております。以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○清水宣郎議長 以上で、本田議員の一般質問を終わります。 次に、角田議員。 〔角田敏郎議員登壇〕 ◆角田敏郎議員 自民党議員団の角田敏郎です。市長を初め、理事者の皆様方におかれましては、市民の皆様方にわかりやすい御答弁をいただきますようよろしくお願いをいたします。最近、障がい者がかかわる心温まる話をよく耳にします。池袋駅でダウン症の長男、助けてくれたお礼言いたい。母親がツイッター。ICカード残高不足で困っていたら、1,000円渡してくれたという話が全国ニュースで取り上げられました。先週は、5月に大阪府枚方市の踏切で、警報音が鳴る中で取り残されていた84歳の女性を近くの特別支援学校の男子生徒2人が救出していたことがわかったというニュースが報道されました。くしくも大阪府が特別支援学校を2校新設することを決めた直後のことでした。障がいのある方が、住みなれた地域で生き生きと安心して暮らせるまち松山の実現を強く願いつつ、質問に入ります。 初めに、障がい者福祉施設等整備国庫補助金についてお伺いいたします。障がいのある方々に福祉サービスを提供する施設であり、これらの方々が自立してその能力を発揮できるよう、必要な日常生活の支援、技術の指導などを行うことを目的に、社会福祉施設の整備に当たっては、国及び地方公共団体による助成制度が設けられています。対象は障害者総合支援法第5条に基づく障害福祉サービス事業所等となっており、負担割合は国2分の1、中核市4分の1、事業者4分の1となっています。市は4分の1の負担で不足している障がい者サービスを充実することが可能となる上、困っている障がい者やその家族にとっては、大変期待の持てる補助事業だと考えています。さて、本市の障害者支援施設等整備補助事業の過去5年の実績を見ますと、創設、増改築等については10件にとどまっており、社会福祉法人のみが補助を受けています。本市の松山市社会福祉施設建設費等交付要綱では、社会福祉法人のほか、市長が特に認めるものとなっており、他の法人を排除するものではありません。さらに、平成30年度松山市障害福祉施設国庫補助協議要綱では、第5期障害福祉計画で、市町村が定める目標として国から示された5つの成果目標に基づく、福祉施設入所者の地域生活への移行、精神障がい者にも対応した地域包括ケアシステムの構築、地域生活支援拠点等の整備、福祉施設利用者の一般就労への移行等、障害児支援の提供体制の整備についてそれぞれ目標を推進する施設整備計画を優先対象としています。一方、現場では、これら多くの役割をNPO法人や民間事業者が担っていますが、精神障がい者については、社会福祉法人は、市内にたった1カ所しかないのが実情です。そこで、1点目に、なぜ創設及び増改築等については、社会福祉法人のみを補助対象としているのか、その理由をお伺いいたします。 ○清水宣郎議長 山岡社会福祉担当部長。 ◎山岡弘和社会福祉担当部長 社会福祉法人は、仮に法人が解散となった場合には、社会福祉法の規定により清算後に残った財産は国に帰属される一方、株式会社等の営利法人の場合、仮に倒産や解散となった場合には、その財産は株主や債権者等に分配され、国への帰属義務がないといった課題があります。また、財政事情の判断材料となる収支及び決算状況は、社会福祉法人の場合、インターネット等で広く公開することが義務づけられ、高い透明性が確保されていることから、本市では、松山市社会福祉施設建設費等補助金の創設及び増改築等の交付対象を社会福祉法人としています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 NPO法人が抜けておりましたが、どのようなことになりますか。 ○清水宣郎議長 山岡社会福祉担当部長。 ◎山岡弘和社会福祉担当部長 お答えいたします。NPO法人につきましては、今現在は対象としておりませんが、現在、松山市社会福祉施設建設費等補助金の創設及び増改築につきましては、社会福祉法人としております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 社会福祉法人を対象としているという理由の中の主なものに、解散等となった場合に財産が国に帰属するというようなお話でしたが、NPO法人はどうなるんでしょうか。 ○清水宣郎議長 山岡社会福祉担当部長。 ◎山岡弘和社会福祉担当部長 NPO法人につきましても、最終的に帰属するところは国庫ということで認識しております。ただ、財政事情の判断材料となる収支及び決算状況につきまして、所管するところが、報告する場所が違うことから、全体的な把握にはつながっていないということが一つの課題ということで考えております。以上です。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 募集要項も29年度までは、社会福祉法人のみという表現はなかったですけれども、社会福祉法人というふうなところでとどまっておったんですが、30年度の募集要項を見ますと、社会福祉法人等という等が加わっております。拡大していこうという意思がおありなのかなあというふうな印象は受けたんですけれども、なかなか明確なところではなかったというのが今までの経緯だというふうに理解をしております。 続けます。創設、増改築等について、補助内容を知らない事業者も多く、相談に来たが情報提供がなかったとの話も聞いております。そこで、質問の2点目です。補助制度の周知が適切に行われているのか、その現状についてお示しください。 ○清水宣郎議長 山岡社会福祉担当部長。 ◎山岡弘和社会福祉担当部長 補助制度の周知の実施については、現在、国庫補助の募集時期に合わせ、市内に事業所を構える社会福祉法人に対し、障害者支援施設等の創設及び増改築等の補助の周知を行っています。また、松山市障害福祉計画での退院可能な精神障がい者の地域生活への移行を重点的に推進するため、社会福祉法人以外の法人に対し、精神障がい者のグループホーム創設への補助を行った事例もあるほか、災害発生に備えた自家発電用設備や危険なブロック塀の改修工事といった緊急性や必要性が高い附帯設備の整備補助については、社会福祉法人に限定することなく、市内全ての障害福祉サービス事業所に対し周知を行っています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 質問では、増改築等についてというふうなことを事前にお知らせをしておったと思うんですけれども、確かに安全面やそういったことについては、NPO法人やその他団体あるいは企業等についても内容をお知らせしているようなんですけれども、増改築については、現状、社会福祉法人にしか情報は行っていないというようなことで、なお相談に来られても、こういった補助がありますということはお伝えはされていないというふうに言っている事業者もあるというのが現実と把握しておりますので、そのあたりお考えをいただいて、門戸を開いてほしいなあというふうに思っています。 質問を続けます。さらに、協議要綱では、国の基本指針の文章中にある整備や充実を図るものを優先対象としています。例として、ショートステイの利便性・対応力の向上等による緊急時の受け入れ・対応体制の確保、障害者の高齢化・重度化や親亡き後を見据えてのグループホーム、地域における居住の場としてのグループホーム、地域生活支援の機能を強化するグループホームまたは障害者支援施設に付加した拠点の整備、重層的な障害児通所支援の体制整備などとしています。これらはまさにNPO法人や民間事業者が担っていると言って過言ではないと思います。この項の最後ですが、本市の障がい者福祉を充実していくために、NPO法人や民間事業者などをどう支援していくのかを含め、今後どのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。 ○清水宣郎議長 山岡社会福祉担当部長。 ◎山岡弘和社会福祉担当部長 本市では、これまで社会福祉法人に創設及び増改築等の補助の周知を行っていましたが、利用者の多様なニーズに柔軟に応え、本市の障がい者福祉をさらに充実していくためには、今後、NPOや株式会社等の営利法人の活用を進めていく必要があると認識しています。そこで、社会福祉法人以外にも補助を周知する上で課題となる、営利法人が倒産や解散した場合の財産の帰属先やNPOを含め運営主体となる法人の経営基盤や財政状況を的確に把握・審査するための基準や仕組みづくりなどについて、他市の状況等も踏まえながら、今後調査・研究していきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 ぜひ調査を進めていただきたいと思います。同様に、県内、愛媛県でも平成25年ごろからNPOを初め民間の事業者にもここの門戸は開いてございます。他の中核市も同様ではないかというふうに思いますが、ぜひ開いていただきたいと思います。今、高齢化というのがいわゆる社会問題として取り上げられておりますけれども、障がい者はさらに深刻でございまして、50歳といいましても健常者の65歳よりも老化が進んでいるといったようなケースも多々見受けられます。今住んでいるグループホームをバリアフリーに改装していくとかといったようなケースは、バリアフリーにするぐらいだったらもう古くなったので新設をしたいと、新しく建てかえたいというようなニーズもこれから出てくるのではないかというふうに思います。どうかよろしくお願いをいたします。 次に、太陽光発電についてお伺いいたします。環境に優しいクリーンエネルギーとして注目を浴びている太陽光発電が曲がり角を迎えています。太陽光発電の2019年問題と言われております。2009年11月に始まりました電力を固定価格で買い取る制度が10年目を迎え、コスト抑制を目的に、国は太陽光発電の買い取り価格を大幅に抑制する予定です。ことしだけでも53万件の契約が切れ、今後も毎年20万件から30万件の契約が切れていくと見られています。これまで高値で買い取られていた電気は、自宅で使うか低廉な価格で販売するか選択を迫られています。さて、本市では、地球温暖化対策などのために太陽光発電システム等を導入する方に対し補助金を交付する松山市スマートシティ推進事業を進めています。この事業の中の松山市クリーンエネルギーシステム等導入促進補助事業では、太陽光発電システム、太陽熱利用システム、家庭用燃料電池システム、さらに住宅用蓄電池システムなどの設置に補助金を支出して導入を促進し、再生可能エネルギーの効率的な利用を目指しています。中でも平成12年から始めた太陽光発電システム補助金は、累計1万3,576件にも上り、中核市の中では1位、累積出力数でも5万7,912キロワットと2位の豊田市を大きく上回り1位となっています。平成30年度まで18年間にこれらの事業に要した補助金累計額は、27億7,230万円にも上ります。こうして太陽光発電、すなわちクリーンエネルギーの導入を促進した結果、合計約6万キロワットに上る一般家庭や事業者の太陽光発電システムなどからクリーンな電力が生産されることになりました。しかし、ここ数年、全国的に見ても、太陽光発電の新規導入が減少傾向にあり、流れに陰が出始めています。本市の補助件数の推移を見ますと、国庫補助事業が終了した2013年、6年前の1,679件をピークに、昨年は616件と急激に減少しています。一方、補助金額の実績を見ますと、10年前、1億6,633万円だったのが、補助金上限の減少とともに減り、昨年度は約5,600万円となっています。そこで、質問の1点目です。補助金の件数及び金額が減少している要因をどのように分析されているでしょうか。 ○清水宣郎議長 藤本環境部長。 ◎藤本則彦環境部長 太陽光発電システムの補助件数は、ピークの平成25年度に1,679件でしたが、年々減少し、平成30年度は616件となり、件数の減少に伴って、補助金額も減少しています。その内訳として、新築住宅への設置は、平成25年度の715件から平成30年度は409件と緩やかに減少し、既存住宅への設置は、平成25年度の964件から平成30年度は207件と大きく減少しています。要因としては、固定価格買取制度の価格低下によって導入意欲が減少していることに加え、既存住宅への設置は、屋根の強度や大きさ、角度など一定の条件を満たす必要があることから、設置できる住宅が減少してきたことも大きいと分析しています。以上です。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 次に行きます。2点目に、これまでに補助金を交付し設置を進めた施策によって、どのような効果があったと考えているでしょうか、お聞かせください。 ○清水宣郎議長 藤本環境部長。 ◎藤本則彦環境部長 本市は、環境と成長が調和するまちを目指し、松山の気候特性を活かす太陽光発電システムの設置補助を平成12年度から開始しました。これまで約1万3,000基に補助し、累計で約6万1,000キロワットの太陽光パネルが設置されたことで、年間で約2万6,000トン以上の温室効果ガスが削減されていると考えられ、また設置者のアンケート結果では、太陽光からつくる電気を身近に感じることで、省エネ意識が高まったとの意見が多く寄せられています。そのほか、太陽光発電システムの設置によって、これまで総額240億円以上の事業が発生し、その相当額が市内で流通したと考えられ、本施策によって地産地消のエネルギーによる温室効果ガスの削減効果や市民の環境保全意識の醸成に加え、市内で事業資金が循環することによる経済波及効果もあったと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 一般の御家庭で太陽光発電を設置して、環境、いわゆるCO2削減に貢献するという意識が醸成されたのは大変有効だったというふうに私は考えております。一方、本市の公共施設には、数多くの太陽光発電システムが導入されております。最も古くは平成11年に設置されました中島町総合文化センターの出力40キロワット、旧市内では平成13年に野外活動センターに設置された出力50キロワットで、現在は中学校24校、小学校37校の学校施設のほか、リサイクルや新エネ・省エネをみんなで楽しく考え、体験できる施設でありますりっくるなどの公共施設に設置されています。学校施設への設置は、子どもたちがエコモニターを見ることによって、節電やCO2削減への意識を高め、地球環境を考える教材として大きく寄与しています。さて、公共施設でつくった電気のその後、すなわちどう利用されているかを調べてみました。初期のころは自家消費が主でありましたが、徐々に余剰電力の売電を始め、平成27年以降の施設は、全量売電しています。市の収入がふえることはいいことだと思う方もおられるでしょう。しかし、太陽光発電などの再生可能エネルギーでつくった電力は、CO2削減など環境価値の高い電力であります。固定価格買取制度は、電力と環境価値を一緒に買い取る制度で、全量を売電してしまっては松山市のCO2削減には寄与しません。我々は、原点に返る必要があると思います。松山市は、年間平均日照時間が全国平均を大きく上回る地域特性から、地域に最も適したエネルギーとして太陽光エネルギーを位置づけ、太陽光エネルギーの活用を核に脱温暖化と産業創出の両立を目指すサンシャインプロジェクトを推進しています。そして、松山市が推進するスマートシティは、再生可能エネルギーを創る、貯める、賢く使うまちが方針のはずです。太陽光発電でつくった電力を使い、余った電力を蓄えることが主題のはずです。場所は公共施設です。一般家庭や事業者であれば、採算性を重視するところですが、市の事業では脱温暖化のためのCO2削減を主眼とするべきではないでしょうか。その上で、避難所となる学校等では、災害時やブラックアウトの際でも使えることが優先されるべきだと考えますが、現在のシステムはブラックアウトの際に使えないものが多いとも聞いています。さらに、これらの公共施設の大部分は、ためるための蓄電池を設置していませんので、日没後は使えません。そこで、3点目の質問です。公共施設の太陽光発電システムのあり方についてどのようにお考えなのか、見解をお伺いいたします。 ○清水宣郎議長 藤本環境部長。 ◎藤本則彦環境部長 本市は、日照時間が長い地域特性を活かし、太陽エネルギーを活用して、低炭素社会の実現を目指す松山サンシャインプロジェクトを推進してきました。このような中、小・中学校へ太陽光発電の導入を進め、発電の見える化で児童等が太陽光発電を実感できる温暖化対策の教材として活用するとともに、自家消費によって購入する電力量の抑制などを行ってきました。今後は、環境学習への活用や電力購入量の抑制、余剰電力の売電を引き続き行うとともに、災害時の自立電源としての活用を検討するほか、太陽光発電による電気の環境価値をグリーン電力として証書化し販売することで、温室効果ガスのオフセットに役立て、事業者の環境貢献への活動を喚起したいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 調べていくうちに、何か事業本来の当初の目的が変わってきたのかなあというふうなことでこの質問をさせていただいたんですが、そうでもないというふうな御答弁かなというふうに思いました。方策が何か目的化されるというのはよくある現象ですけれども、本来原点に返ってもう一度事業の目的っていうところをしっかり見ていただきたいなあというふうに思います。特に、公共施設ですので、避難所となります学校等につきましては、夜使えないというようなことではちょっとまずいんじゃないかなというふうに思います。 次の質問は、太陽光パネルの問題です。国税局が定める太陽光発電の法定耐用年数は17年となっていますが、一般的に太陽光パネルの寿命は25年から30年であると言われています。つまり、全国的に普及してきました太陽光パネルの多くは、2040年ごろから廃棄物となるわけであります。その量は年に80万トンに及ぶとの報道もあります。いずれ大量に、そして一斉に廃棄されることになります。また、パネルの種類によっては、鉛やセレン、カドミウムなどの有害物質を含む場合があります。適切な処分には相応のコストと技術が必要で、発電事業終了後に放置されたり不法投棄されるおそれもあります。使用済み太陽光パネルの大量廃棄による最終処分場の逼迫を懸念する国は、廃棄費用の積み立ての義務化やリユース、リサイクル、廃棄など、適正処理を目指す議論をスタートさせています。そこで、お伺いしますが、現在、市有施設に設置している太陽光パネルを撤去するには、およそどの程度の経費がかかるものとお考えでしょうか。太陽光パネルの寿命及び市有施設での廃棄のピーク時期と概算の撤去経費をお示しください。 ○清水宣郎議長 藤本環境部長。 ◎藤本則彦環境部長 太陽光パネルの寿命は、経済産業省のホームページによると約25年から30年とされ、市有施設では、2009年ごろ、小・中学校を中心に太陽光発電システムを多く導入したことから、太陽光パネルの廃棄のピーク時期は、2034年から2039年ごろと考えられます。現在、市有施設82カ所、合計約1,400キロワットの太陽光パネルが設置されていますが、その撤去費用は、取りつけ場所やパネルの素材等によって大きく異なることに加え、国によるリユースやリサイクルルートの整備が議論され、処理方法が確立していない状況から、現状では概算経費を算出することは困難です。以上です。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 市民から預かった税金を使う以上、設置から廃棄までのライフサイクルコストを考え、費用対効果を評価するのは当たり前のことだと思います。特に、大きな投資には、ライフサイクルコストをいかに最適化するかが事業収支を大きく左右します。環境に優しい取り組み、これ自体は歓迎するが、近年クリーンエネルギーの普及が進み、いささかコストがかかり過ぎるのではないかとの声もあります。そこで、地球温暖化の抑制に前向きに取り組んでいるトップランナーの本市が、今後どのような姿勢でスマートシティを目指すのか、市長の見解をお伺いいたします。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 本市は、太陽光発電などでクリーンエネルギーをつくり、地域でエネルギーを賢く使うなど、環境負荷の少ないまちづくりに取り組んでいます。このような中、温室効果ガスを削減する国際的な枠組みのパリ協定を受け、今後は温室効果ガスの削減がさらに求められるため、本市は今年度、市民や事業者、学識経験者など、さまざまな意見を取り入れ、新たな削減目標を掲げた行動計画を策定する予定です。この計画では、再生可能エネルギーの利用や省エネルギーを促進したり、環境教育をさらに充実したり、またごみ減量リサイクルなど、これまでの取り組みを加速させるほか、環境に優しい、まち全体のスマートシティ化を進め、高齢化や人口減少に対応できる持続可能な都市形態へ転換していきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 角田議員。 ◆角田敏郎議員 ありがとうございます。何か市長の意気込みが伝わってきたようです。化石燃料でつくった電力を減らす取り組みは、太陽光発電だけではありません。蓄電池や燃料電池の導入、建物自体の遮熱性を高め、電力ロスを少なくする取り組みなどさまざまかと思います。本市では、これら取り組みにも一部補助をされております。熱線反射シートを窓に張るだけでも、年間20から30%の節電になるといったデータを出しているメーカーもございます。ごみの減量や再資源化、公共交通の利用促進でありますとか電気自動車の導入など、家庭、そして自治体としてできることもたくさんあります。節水同様、節電に励んで、地球環境のことを考える啓発も大事かと思います。以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○清水宣郎議長 以上で、角田議員の一般質問を終わります。 次に、太田議員。 〔太田幸伸議員登壇〕 ◆太田幸伸議員 皆様改めましておはようございます。公明党議員団の太田幸伸でございます。通告書に従いまして、一問一答で質問させていただきますので、市長並びに理事者の皆様の明快かつ希望あふれる答弁をお願いをいたします。 初めに、本市のひきこもり支援についてお伺いいたします。先ほど矢野議員にも取り上げていただきましたが、大切な問題でございます。改めて質問させていただきます。全国に衝撃を与えた川崎での殺傷事件の容疑者が、ひきこもり傾向だったと報じられ、また元農林水産省の事務次官が、長男を殺害した事件でも、長男がひきこもりがちで家庭内暴力もあったと自供したこともあり、連日ひきこもりについての報道が一気にふえました。こうしたことで、当事者や家族、支援関係者は、ひきこもりに対する偏見や誤解が生ずることを心配しています。根本厚生労働大臣は、川崎での事件に関し、安易にひきこもりなどと結びつけることは厳に慎むべきだと慎重な対応を求めました。また、ひきこもりの当事者や家族を支援するKHJ、全国ひきこもり家族会連合会も声明文の中で、ひきこもり状態にある人がこのような事件を引き起こすわけではない。引きこもる行為そのものが問題なのではない。むしろ、引きこもる人は、職場や学校で傷つけられたり、傷つけたりするのを回避した結果、他者との関係を遮断せざるを得ない状況に追いやられた人が多く、無関係な他者に対し、危害を加えるような事態に至るケースは極めてまれであると訴えています。私もひきこもり支援に取り組んでいる支援者の一人として、以上のことを改めて強く訴えたいと思います。こうした状況の中、ひきこもり問題に対する正確な認識や理解を広げ、社会全体で課題解決に取り組んでいかなければいけないと考えます。国では、40歳以上の中高年を対象に、全国規模の実態調査を昨年初めて実施し、ことし3月に公表をいたしました。この調査によりますと、40歳から64歳のひきこもり状態の人の数は約61万人。61万人のうち、ひきこもりになった年齢は、40歳以上が57.4%、ひきこもりになったきっかけは、退職が36.2%と最も多く、次いで人間関係がうまくいかなかった、病気、職場になじめなかったなどの回答が多い状況でした。家の生計を立てているのは、父、母との回答が34.1%と多く、ひきこもりの高齢化、長期化で、80代の親が50代の子どもを支える8050問題の深刻さがより明らかになりました。また、誰にも相談をしないと答えた方も4割を超えており、中高年のひきこもりの人がいる世帯が、社会から孤立しやすい状況であることがわかりました。全国のひきこもりの数は、2015年に国が実施した15歳から39歳の若年層のひきこもりの実態調査の数、約54万人と合わせると約115万人にもなり、大変深刻な事態であります。精神科医として30年にわたりひきこもり問題に取り組んでいる筑波大学の斎藤 環教授は、かつてはひきこもりの大半が不登校経験者だったが、今は社会人になってから引きこもる人がふえている。引きこもった状態が数年続くと、次第に無気力になり、みずから抜け出すことが困難であり、ひきこもりの平均年齢もますます上がる。そして、2030年にひきこもりの高齢化社会が到来し、十分な対策を打たずにいれば、人口減少の中、年金や生活保護などの福祉財源が破綻するか、孤独死が大量に発生するか、明るい未来は見えないと警鐘を鳴らしています。私も何度も議会においてひきこもりの課題を取り上げさせていただき、3年前には本市独自の実態調査もしていただき、ひきこもりの相談窓口が設置され、支援がスタートしていることに感謝をしておりますが、ますますひきこもりの問題が深刻となる中、ひきこもりの問題の課題解決に向け、行政主導のもと、関係機関などと協力し、一層の取り組み強化をお願いしたいと思います。初めに、本市の今までのひきこもりの相談状況、今回の事件を受けての相談状況、また相談者に対する支援についてお聞かせください。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 本市では、平成29年度から保健所にひきこもり相談窓口を設置して、家族や関係機関からの相談に対応しており、相談件数は、平成29年度は22件、30年度は19件でした。今年度は、現在までに6件の相談があり、川崎の殺傷事件以降の相談件数は1件です。相談者に対する支援については、保健師や精神保健福祉士が家族等から状況を聞き取り、どのような支援を希望しているか確認し、支援計画を立てています。本人や家族の了解が得られた方には、庁内関係課地域包括支援センター、愛媛県のひきこもり地域支援センター等の関係機関と連携して、家庭訪問や相談を継続し、本人との信頼関係の構築に努めます。支援の内容は、本人に対しては、ハローワーク等の関係者と連携して、その方の状態に合った就労先を探したり、居場所づくりにはひきこもりデイケアに同行したり、医療が必要な場合は受診援助を行っています。また、家族に対しては、ひきこもりの子を持つ親の会であるKHJ愛媛県こまどりの会を紹介しています。今後も一人でも多くの方をひきこもりからの回復につなげるため、関係機関等と連携して支援を継続していきます。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 28年度に相談窓口を設置していただいて、相談件数が47件ということでございましたけども、非常に少ないのではないかというふうに感じております。まだまだ周知がされていない。今回の事件を受けまして、私ども支援団体には、1週間ぐらいで通常の10倍の御相談がございました。全体的にも倍以上の相談が来ている状況ですので、やはりまだまだ相談窓口の周知がされていないように感じますので、ぜひともこの点、あわせてまたよろしくお願いしたいと思います。 今回の実態調査でも明らかになったように、誰にも相談をしないが4割を超えており、中高年のひきこもりの人がいる世帯が、社会から孤立しやすい状況です。ひきこもり支援のためには、相談しやすい環境を整えることはもちろん、孤立しないよう民生委員を初め、地域等の理解啓発を図り、相談機関につなげていける環境をつくっていくことが大切であると考えます。2点目の質問として、ひきこもりの理解啓発の取り組みや孤立している状況のひきこもりの当事者を相談機関につなげるためにどのような対策をしているのか、お聞かせください。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 本市では、ひきこもりに対する偏見や誤解が生じないよう、正しい知識についてホームページへ掲載するほか、保健所、福祉・子育て相談窓口等にリーフレットを設置するなど啓発を行っています。また、平成28年度に民生・児童委員に御協力いただき、ひきこもり状態になっている方の状況把握の調査を行ったことで、個別の相談支援へつなぐとともに、地域の理解を深められたものと考えています。また、本人や家族は、専門機関へ相談しない方がほとんどで、地域で孤立しやすい状態にあることから、民生・児童委員地域包括支援センター、障がい者地域相談支援センターなどのひきこもりの方に接することが多い機関にひきこもり相談窓口を周知啓発しています。今後も引き続き市民や地域の関係者へ理解啓発を行い、ひきこもりの方がいる世帯が孤立しないよう、関係機関と連携して早期発見に努めていきます。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 3年前の実態調査は、民生委員の聞き取り方式で実施をしていただきましたが、なかなか本当に民生委員の方、地域の方を含めて理解がないとそうした方を発見ができない。私ども家族会でも、本当に実態は相当な数がいるというふうに認識をしておりますので、改めてそうした啓発を強く強くしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ひきこもりの当事者は、複合的な課題を抱えていることが多く、支援のためには関係機関が連携し、粘り強く取り組んでいくことが大切であります。先ほどの筑波大学の斎藤教授も、ひきこもり支援には、ひきこもりの人が孤立する前に訪問支援から就労まで、切れ目のない相談支援体制を確立することが必要と指摘しています。和歌山県田辺市では、2001年に全国に先駆けて専門の相談窓口を設置するとともに、ひきこもり検討会を設置し、官民による支援のネットワークを構築しています。医療や福祉、教育、労働などの専門知識を持ち寄り、ひきこもりの段階に応じた適切な支援を行っています。ひきこもり問題解決のために、こうした支援体制の構築が重要と考えます。3点目に、現在のひきこもり支援のための関係機関の連携の状況や、訪問支援から就労まで切れ目のない相談・支援体制を確立するため、本市に官民協働のひきこもり検討会を設置してはどうかと考えますが、御所見をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 まず、関係機関の連携についてですが、本市では、平成28年度から愛媛県心と体の健康センターやハローワーク等の関係機関庁内関係課で構成するひきこもり相談事業関係機関連絡会を開催し、各機関の相談の状況や支援内容などについて情報交換を行い、ひきこもりの解消につながった事例についてその支援内容を共有し、効果的な支援方法を検討しています。また、個々の事例については、民間の就労支援事業所なども参加したケース検討会を行っています。さらに、県主催のひきこもり対策関係機関連絡協議会に参加して、ひきこもりの支援体制や予防対策などを協議しています。次に、支援体制の構築についてですが、現在、本市では、連絡会や民間事業者を含めたケース検討会を行い、必要な連携やネットワークが構築されていることから、現時点では新たなひきこもり検討会の設置の予定はありませんが、引き続き官民が連携して、積極的にひきこもりの方の支援に取り組んでいきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 その検討会の中に通常であればいろんなさまざまな支援をする検討会は、当事者団体を含めて、そうした現場の本当の御意見が反映されるように検討していくという場合が多いと思います。このひきこもりの支援団体も、例えば四国だけ見ても、他3県は当事者団体が入っている状況です。愛媛県、また松山市は、そうした部分が入っていない、この点はどういうふうに考えてますでしょうか、検討会について。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長
    松原ゆき保健福祉部長 個々の事例について、民間の事業者、そして医療機関、今は入っておりませんが、家族会などの団体の方も参加していただいて、連携して取り組んでいきたいと考えています。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 ぜひよろしくお願いをいたします。 次に、防災対策についてお伺いいたします。近年、地震や豪雨など災害が頻繁に発生する中、さまざまな災害に対応する力を育む防災教育がますます重要になっています。先月5月31日、本市と愛媛大学、東京大学の連携協定を軸に、産官学民が連携して全ての世代に防災教育を行う全世代型防災教育の取り組みについての共同記者発表がありました。さまざまな対象や世代に応じた防災教育の研修プログラムを作成し、小学生から高齢者まで切れ目のない防災リーダーの育成を目指すというもので、全国初の試みとのことです。行政、大学、高校、自主防災組織ネットワーク会議、商工会議所、私も所属する日本防災士会愛媛県支部などが参加して、松山市防災教育推進協議会が設立され、取り組みがスタートをいたしました。巨大地震の脅威が迫る中、多くの命を守るため、この取り組みに大いに期待をし、防災士として積極的に応援していきたいと思っております。1点目に、この全世代型防災教育とはどういうものなのか、なぜこういう取り組みをするのか、どういう効果が期待できるのかなど、全世代型防災教育の取り組みについて具体的にお聞かせください。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 昨年7月の西日本豪雨では、本市を初め、県内や西日本各地の被害の状況を見て、市長として、市民の皆さんの命を守り、生活を守る大切さを改めて痛感しました。安全で安心なまちづくりには、行政と教育現場や地域、また企業はもちろん、市民の皆さん一人一人の力が必要です。そこで、いざというときに命を守り、地域を守る人材をあらゆる世代で育成したいと考え、連携協定を結びました愛媛大学と東京大学を初め、市内の大学や松山東高校、松山工業高校、松山商工会議所や自主防災組織、防災士会などの皆さんに御賛同いただき、オール松山で松山市防災教育推進協議会を設立しました。この協議会を中心に、小学生や中学生、高校生などには、それぞれの成長過程に応じて学ぶ必要がある項目を洗い出し、教育プログラムを作成します。例えば、小学生には、災害時の身の守り方や防災の目線で地域を見詰め直す防災まち歩きを、中学生や高校生には、助けられる側から助ける側の人材として、率先して避難する重要性や避難所の運営など、必要な知識を学びます。また、教職員や企業の職員と福祉関係者などには、職種や対象に応じた研修プログラムを作成し、小学生から高齢者まで切れ目のない防災教育を行います。こうした産官学民が連携する防災教育は、全国に先駆けておりまして、市民一人一人が学んだ知識を生かし、率先して行動できる防災リーダーになって、末永く地域の防災力を高めていくと考えております。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをいたします。 台風や大雨による豪雨災害への対応は、避難情報をもとにいち早く避難をすることが大切であります。気象庁の大雨警報、市町村の避難準備・高齢者避難開始、避難勧告、河川管理者の河川氾濫警戒情報などさまざまな機関が情報を出すため、危険性を住民は理解しにくく、昨年の西日本豪雨でも、避難情報が住民の避難に結びつかないケースが多くありました。こうした背景もあり、国では、よりわかりやすい避難情報を目指し、5段階の警戒レベルを伝える新制度が、先月29日から始まりました。レベル1は、災害への備えを、レベル2は、避難先やルートの確認、レベル3は、高齢者や障がい者らは避難、レベル4は、全員が緊急避難、レベル5は、命を守る最善の行動を。以前よりはどういう動きをすればよいのかが明確になり、わかりやすくなったと私は思います。市民の命を守るため、具体的な避難行動に結びつくよう、市民への理解や周知に徹底的に取り組んでいただきたいと思います。2点目に、新たな5段階の警戒レベルを伝える新制度について、市民への理解・周知にどのように取り組んでいくのか、お聞かせをください。 ○清水宣郎議長 黒川危機管理・水資源担当部長。 ◎黒川泰雅危機管理・水資源担当部長 災害時に市民の皆さんが適切な避難行動をとれるよう、避難情報や防災気象情報と、とるべき行動の関連づけを直感的に理解することができる5段階の警戒レベルについて、今月発行した土砂災害ハザードマップを初め、広報まつやま、市政広報番組、市ホームページのほか、フェイスブックやツイッターなどで広くお知らせしています。また、自主防災組織や消防団など防災関係団体に対しても、市民の理解が促進されるよう、協力をお願いしています。この警戒レベルごとのとるべき行動を市民の皆さんに正しく理解していただき、災害時の適切な避難につなげて、逃げおくれゼロを目指すことが重要であると考えていますので、引き続き地域で開催される防災訓練や自主防災組織の地区会議などあらゆる機会を捉えて周知していきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 私の住む余土地区では、重信川や石手川に近い地域ということもあり、水害に対しての意識も高く、水害、特に洪水に関しての避難の御心配をされている方が多い状況です。まつやま防災マップの洪水ハザードマップでは、重信川や石手川の氾濫時の浸水想定区域内に避難所に指定されている学校や公民館等が全て洪水の避難所に指定されていないことから、重信川が氾濫したらどこに逃げるんだと心配する声をよくいただきます。その場所の想定される水の深さにもよりますが、多くの場合は自宅の2階等へ垂直避難をすれば対応可能なことが多いことを、私も防災士として説明をさせていただいております。しかし、平家に住む方や浸水が深い地域は、高い場所へ避難しなければいけません。洪水の避難所になっている学校等は、遠方のため、高齢者等にとっては難しい状況も考えられます。その場合の対応策として、その地域にあるビルやマンション、高架道路の上、学校の教室や廊下などが緊急避難場所として考えられます。地域によっては、自主防災組織が独自で地域内のビルやマンションと津波や洪水時の避難場所として協定を結んでいるところもあると聞きました。他市では、行政が主導して、ビル等に協力をいただき、避難ビルの指定をして、避難ビルステッカーを張っているところもたくさんあります。住民の安心のためにも、こうした取り組みをすべきと考えます。3点目として、本市としても、洪水の避難所がない地域に対しては、ビルやマンション、高架道路、学校の教室等を洪水時の避難場所として指定してはどうかと考えますが、御所見をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 黒川危機管理・水資源担当部長。 ◎黒川泰雅危機管理・水資源担当部長 重信川や石手川の浸水想定区域内にある学校や公民館などの指定避難所は、洪水のおそれがある場合、開設しないことにしていましたが、昨年の7月豪雨での避難状況を踏まえ、校舎の上階に避難できるなど、一定の要件を満たす施設は開設するように見直しました。しかしながら、開設できる避難所が限定される地域もあり、このような地域では、水害が差し迫った際、命を守るために高さのあるビルやマンション、高架道路などへ一時的に避難することが有効であると考えられますので、国の動向や他団体の取り組みも参考にし、洪水時の避難場所の指定について調査・研究していきます。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 次に、通学路の安全対策についてお伺いいたします。全国的に通学路の安全対策が課題となる中、先月、川崎市での通学中の児童ら19人が襲われるというショッキングな事件が発生しました。毎日通学路の児童の見守り活動を行う一人として、本当にショックでありました。亡くなられた皆様の御冥福を心からお祈りを申し上げます。昨年5月の新潟市での下校中の女児が被害に遭った事件をきっかけに、政府は登下校防犯プランを作成し、警察、教育委員会、児童クラブなどの地域における連携の強化、見守りの空白地帯の点検等のための通学路の合同点検の徹底及び環境の整備改善、不審者情報等の共有及び迅速な対応、スクールガードの養成など多様な担い手による見守りの活性化、防犯教育の充実など、子どもの危険回避に関する対策の促進を柱に取り組んでおります。また、今回の川崎での事件を受け、文部科学省では、集団下校時の児童生徒がたくさん集まる場所への警備員の配置や見守り活動の強化も検討されているとのことです。通学路の安全対策には、ハード面、ソフト面さまざまな対策が必要でありますが、特に通学路の見守り活動は、児童らの安心・安全のために最重要の取り組みであると思います。実際に通学路に人が立ち、児童らが安全に登校できるよう、現場でさまざま対応すること以上の対策はないと思います。私自身毎日見守り活動を行いこのことは実感をしております。しかし、地域によっては、見守りをする人を確保できない地域もあります。他地域のPTAの役員の皆様からも御相談を受けました。見守り活動は、PTAや地域のボランティアに協力していただかないと実施できませんが、働く保護者も多く、また地域ボランティアもなかなか集まらないため困難なようです。通学路の安全対策のために、行政が主導し、通学路の見守り体制の強化を図っていくべきと考えます。1点目の質問として、本市の見守り活動の実施活動はいかがでしょうか。見守り活動のボランティアが不足している地域があれば、行政が積極的に関与し、呼びかけ、見守り体制強化に取り組んでいくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 白石教育委員会事務局長。 ◎白石浩人教育委員会事務局長 本市では、PTAや地域ボランティアを中心に、信号機のない横断歩道や見通しの悪い交差点での子どもの見守りなど、通学路の特徴や交通事情等に応じた見守り活動を実施しています。また、防犯の観点から、学校、警察、保護者や青少年育成支援員、防犯協会等の関係者で不審者情報等を共有しながら、学校周辺の見守り活動や青色防犯パトロールを行っているほか、地域によっては付き添い登下校や登下校時間に合わせた散歩等のながら見守りを行うなど、工夫を凝らした見守り活動に取り組んでいただいています。しかしながら、各団体では、ボランティアの人員不足や高齢化などにより活動が困難な場合も見受けられます。そこで、見守り体制の強化につきましては、関係者がそれぞれの情報や課題を共有し、互いを補完し合いながら、地域ぐるみの取り組みを推進していくことが重要であると考えていますので、今後は各団体の自主的な取り組みに委ねるだけではなく、関係者の連絡協議会等を通じ、見守り活動の協力を依頼するなど、体制強化の支援に努めていきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 昨年の3月議会におきまして、文部科学省所管の地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業の実施をお願いしました。この事業は、通学路等の児童の見守り活動を行うスクールガード、学校安全ボランティアを養成するため、最新の安全に関する情報などを学ぶことができる養成講座を開催したり、各学校やスクールガードに対する警備のポイントなどの指導と評価を実施するため、防犯の専門家や警察OB等をスクールガード・リーダーとして委嘱する事業です。理事者の答弁では、既に導入している他市の状況等も調査しながら、同事業の活用について検討していきたいとの答弁でございましたが、昨今の事故や事件を受け、緊急的な見守り体制の構築が求められている状況において、こうした事業の実施が一層必要であると考えますが、御所見をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 白石教育委員会事務局長。 ◎白石浩人教育委員会事務局長 本市では、小学校の交通安全教室や交通指導員の研修会に警察官や専門家の講師を招いたり、警察職員の派遣の受け入れや警察官OBの採用等によって、不審者対策への指導、助言や研修会を開催しています。スクールガード・リーダー制度の活用を検討するため、昨年9月に本市が実施した中核市調査で、制度を導入している市の中には、リーダーとしての専門的知識や経験を持った警察官OB等の人材確保が難しいなどの課題があることがわかりました。したがいまして、本市の取り組みを継続する中で、他市事例等の情報収集にも努め、地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業の活用も含めた子どもの見守り体制の強化策について、引き続き検討していきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 最後に、がん対策についてお伺いいたします。市民の命を守るため、市民の生活を守るため、2人に1人が罹患し、市民の疾病による死亡の最大原因となっているがん対策の充実強化をしていただきたいとの強い意志を持って、議員提案による松山市がん対策推進条例が3月定例会で制定をいたしました。従来の市町のがん対策は、検診率向上などがん予防に重点を置いてきましたが、医療の進歩により6割以上の方ががんを克服し、がんと共生する中、がんになっても安心して暮らせる環境づくりが重要であることを鑑み、がん患者への支援、在宅医療・緩和ケアの充実、就労支援などがんに罹患した後の支援の充実強化を求める規定を盛り込んだことが本条例の特徴でもあります。本条例を根拠に、がん予防はもとより、がんになっても安心して暮らせることのできる環境の充実強化のため、具体的施策の推進を強く求めるものであります。若年層の終末期のがん患者には、次のような課題があります。終末期を迎えるがん患者は、訪問介護や車椅子、ベッドなど福祉用具の貸与等が必要になる場合があります。40歳以上の方には介護保険制度が適用され、20歳未満では小児慢性特定疾患により支援制度がありますが、20歳から39歳の若年世代には、支援制度がない状況であり、支援の空白世代となっております。こうした状況に対応しようと、他の自治体では、20歳以上40歳未満の末期患者の訪問介護サービスや福祉用具貸与の利用料に対しての助成をする若年者の在宅ターミナルケア支援事業を実施し、切れ目のない支援施策を実施しています。この事業については、がん患者団体や市民の皆様からも強く実施を求める声をいただき、がん条例の専門部会でも、神戸市や明石市を視察した経緯があり、必要性を強く認識しております。兵庫県の市町では、同事業を先進的に既に実施しているところが多く、鹿児島市や久留米市では、本年度より事業を開始しました。若い世代の患者や御家族の安心のためにも、本事業の実施を強く強く求めます。理事者の見解をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 20歳以上40歳未満の若年者で末期がんと診断された方が自宅で療養生活を送る場合、訪問介護や福祉用具の利用などの支援制度がないことは、愛媛県がん対策推進委員会でも若年者世代の課題として上げられています。また、本年3月に制定された本市のがん対策推進条例の中で、在宅医療の充実が求められていることから、本市としては、家族会やがん相談支援センターなどで在宅療養する若年者の末期がん患者と家族の御負担やニーズなどを把握するとともに、国、県の役割や必要な支援のあり方などの課題について検討していきたいと考えています。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 よくわからなかったんでもう一度聞かせていただきますけども、それは若年者ターミナルケア事業を実施する方向で検討するということでよろしいんでしょうか。 ○清水宣郎議長 松原保健福祉部長。 ◎松原ゆき保健福祉部長 若年者のがん患者さんに対する支援については、先ほども申し上げたとおり、課題となっておりますので、本市としてはまずニーズなどを把握し、必要な支援のあり方などについて検討していきます。以上です。 ○清水宣郎議長 太田議員。 ◆太田幸伸議員 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○清水宣郎議長 以上で、太田議員の一般質問を終わります。 これで、本日の一般質問は終わりました。   ──────────────── ○清水宣郎議長 以上で、日程は全部終了しました。 あすは定刻から会議を開きます。   ──────────────── ○清水宣郎議長 本日は、これをもちまして散会いたします。       午後0時12分散会  ───────────────────────────────────────────    地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                      松山市議会 議  長  清 水 宣 郎                            議  員  吉 冨 健 一                            議  員  大 塚 啓 史...