松山市議会 > 2015-06-19 >
06月19日-03号

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  1. 松山市議会 2015-06-19
    06月19日-03号


    取得元: 松山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    平成27年 6月定例会                 平成27年          松山市議会第2回定例会会議録 第3号          ──────────────────             平成27年6月19日(金曜日)             ───────────── 議事日程 第3号   6月19日(金曜日)午前10時開議日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第1号 松山市市税賦課徴収条例等の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 承認第2号 松山市介護保険条例の一部を改正する条例を定める専決処分の承認を求めることについて 議案第61号 平成27年度松山市一般会計補正予算(第1号) 議案第62号 平成27年度松山市道後温泉事業特別会計補正予算(第1号) 議案第63号 松山市職員の再任用に関する条例の一部改正について 議案第64号 松山市市税賦課徴収条例等の一部改正について 議案第65号 松山市養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について 議案第66号 松山市港湾施設使用条例の一部改正について 議案第67号 松山市屋外広告物条例の一部改正について 議案第68号 松山市特定ホテル建築規制条例の制定について 議案第69号 工事請負契約の変更について(余土中学校校舎棟移転新築主体工事) 議案第70号 工事請負契約の変更について(余土中学校屋内運動場移転新築主体工事) 議案第71号 工事請負契約の変更について(余土中学校武道場プール棟移転新築主体工事) 議案第72号 市道路線の認定及び廃止について  (一般質問)   ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 承認第1号・第2号、議案第61号~第72号   ──────────────── 出席議員(43名)  1番  池 田 美 恵  2番  岡   雄 也  3番  川 本 健 太  4番  岡 田 教 人  5番  大 木 健太郎  6番  向 田 将 央  7番  上 田 貞 人  8番  杉 村 千 栄  9番  中 村 嘉 孝  10番  太 田 幸 伸  11番  山 瀬 忠 吉  12番  長 野 昌 子  13番  清 水 尚 美  14番  吉 冨 健 一  15番  大 塚 啓 史  16番  白 石 勇 二  17番  松 本 博 和  18番  本 田 精 志  19番  角 田 敏 郎  20番  小 崎 愛 子  21番  武 田 浩 一  22番  上 杉 昌 弘  23番  梶 原 時 義  24番  武 井 多佳子  25番  渡 部   昭  26番  友 近   正  27番  大 亀 泰 彦  28番  雲 峰 広 行  29番  渡 部 克 彦  30番  若 江   進  31番  菅   泰 晴  32番  栗 原 久 子  33番  原   俊 司  34番  猪 野 由紀久  35番  丹生谷 利 和  36番  寺 井 克 之  37番  森 岡   功  38番  宇 野   浩  39番  池 本 俊 英  40番  田 坂 信 一  41番  土井田   学  42番  清 水 宣 郎  43番  白 石 研 策   ──────────────── 欠席議員(0名)   ──────────────── 事務局出席職員職氏名  事務局長     西 山 秀 樹  事務局次長    橋 本   篤  総務課長     仙 波 章 宏  議事調査課長   野 村 博 昭  議事調査課主幹  山 内   充  議事調査課副主幹 高 橋 秀 忠   ──────────────── 説明のため出席した者の職氏名  市長       野 志 克 仁  副市長      梅 岡 伸一郎  副市長      西 泉 彰 雄  総務部長     大 町 一 郎  理財部長     片 山 雅 央  総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長           矢 野 大 二  総合政策部危機管理水資源担当部長           桝 田 二 郎  理財部副部長   黒 瀬 純 一  財政課長     黒 川 泰 雅  市民部長     唐 崎 秀 樹  保健福祉部長   矢 野 一 郎  保健福祉部社会福祉担当部長           西 市 裕 二  保健福祉部子ども子育て担当部長           岡 本 栄 次  環境部長     大 野 彰 久  都市整備部長   山 崎 裕 史  都市整備部開発・建築担当部長           柳 原   卓  下水道部長    青 木 禎 郎  産業経済部長   平 野 陽一郎  産業経済部道後温泉活性化担当部長           大 崎 修 一  産業経済部農林水産担当部長           佐 伯 俊 一  消防局長     芳 野 浩 三  教育長      山 本 昭 弘  教育委員会事務局長前 田 昌 一  教育委員会委員長 金 本 房 夫  会計管理者    秦   昭 彦  公営企業管理者  平 岡 公 明  公営企業局管理部長竹 田 正 明   ~~~~~~~~~~~~~~~~       午前10時0分開議 ○清水宣郎議長 これより、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の日程第3号のとおりであります。   ──────────────── ○清水宣郎議長 まず、日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第86条の規定により、議長において17番松本議員及び18番本田議員を指名いたします。   ──────────────── ○清水宣郎議長 次に、日程第2、承認第1号、第2号及び議案第61号ないし第72号の14件を一括議題とし、上程議案に対する質疑とあわせ一般質問を行います。 この際、申し上げます。各議員の発言は、申し合わせの発言時間内においてお願いいたします。 次に、傍聴人の皆様に申し上げます。傍聴される皆様は、傍聴席で拍手、その他の方法により賛成、反対の表明をしないよう御注意願います。その他騒ぎ立てないようお願いいたします。 それでは、一般通告者の発言を順次許可します。まず、若江議員。 〔若江 進議員登壇〕 ◆若江進議員 おはようございます。松山維新の会の若江 進でございます。一問一答方式で一般質問を行いますので、市長初め関係理事者の明快な御答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めに、環境モデル都市の取り組みについてお伺いいたします。近年の異常気象はとどまることを知らず、ことしに入りましても青森で4月としては史上初めての真夏日を観測、5月には台風が日本列島に接近するなど、以前では余り見られなかった事象が起こっております。また、松山でも近年はゲリラ豪雨や雷の発生が頻発し、真夏日の日数も増加するなど、最近の季節外れの異常気象には驚くものがあります。これらの主な要因は、地球温暖化であると考えられており、それに対する早急な対応が求められています。昨年11月に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書では、20世紀半ば以降に引き起こされた温暖化は、大半が産業発展に伴う人間活動が原因であり、現状のままでは気温上昇、海面上昇などへの影響が予想以上に早く進む、としています。さらに、何の対策もしないまま温室効果ガスの排出量がふえ続ければ、将来的に平均気温が最大で4.8度、海面は最大で0.82メートル上昇すると予測されており、その結果、河川沿いや沿岸地域における氾濫、猛暑に関する死亡リスクの増加、干ばつによる水や食糧不足の増大などを頻繁に引き起こし、社会に甚大な影響を及ぼすであろうと警告しています。こうした中、本年5月1日の新聞報道では、国は温室効果ガスの排出を原発稼働や再生可能エネルギーの普及に加え、代替フロン対策、二酸化炭素を吸収する森林の整備などを行うことにより、2030年までに2013年比で26%、2005年比で25.4%削減することとした新たな目標を設定するとともに、2030年時点での望ましい電源構成比率として、石炭火力などを減らす一方、原発を20から22%、太陽光や風力など再生可能エネルギーを22から24%などとするエネルギーミックスを公表いたしました。また、愛媛県においては、平成27年3月に改定した愛媛県地球温暖化防止実行計画の中で、中期目標として1990年比で2020年に15%、長期目標として2050年に70%を削減すると定め、自転車を活用したライフスタイルへの転換など、新たな取り組みを行っていくというふうにお聞きしています。また、本市の温暖化対策としては、年間平均日照時間が全国平均を大きく上回る地域特性を生かし、平成12年からクリーンエネルギーの導入を促進し、平成19年には松山サンシャインプロジェクトを立ち上げ、積極的に太陽光発電システム等の導入を図った結果、太陽光発電システムの世帯当たりの導入率が中核市でトップクラスの実績となっています。さらに、ごみ分別の細分化や再資源化など、ごみの排出抑制を行うなどの各種施策を積極的に実施した結果、平成18年度から8年連続で市民1人1日当たりのごみ排出量が、人口50万人以上の都市で一番少ないなど、さまざまな環境への取り組みが評価され、平成25年3月に国から環境モデル都市に選定されたのは御案内のとおりであります。環境モデル都市とは、温室効果ガスの排出量削減に向けて高い目標を掲げ、先駆的な取り組みにチャレンジする都市ということであります。今後、持続可能な低炭素社会づくりに向けたさまざまな取り組みにチャレンジするものと思われますが、本市では平成26年から平成30年の5カ年で温室効果ガスの大幅な削減を目指すために重点的に行う取り組み計画として環境モデル都市アクションプランを策定いたしました。そこで、質問の1点目は、環境モデル都市アクションプランの幅広い分野にわたる取り組みに関する進捗管理についてお聞かせください。 ○清水宣郎議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 松山市環境モデル都市アクションプランでは、温室効果ガス排出量を1990年の基準年から2020年までに18%削減することを中期目標として設定し、その達成に向け、松山サンシャインプロジェクトの推進やスマートコミュニティの推進など4つの柱を掲げ、2014年度から2018年度までの5カ年で住宅・オフィス用太陽光発電等のさらなる導入促進や松山スマートコミュニティマスタープランの策定に向けた各種可能性調査や実証実験、交通乗りかえ拠点の整備や節水型都市づくりの推進などに重点的に取り組むこととしています。このような幅広い分野の事業を着実に実施するには、全庁的に適切な進捗管理を行うことが必要です。そこで、平成26年3月、関係各部署で構成する環境モデル都市まつやま推進本部を設置し、その下部組織である作業部会で事業の実施状況や温室効果ガス削減量を毎年度取りまとめることとしています。また、アクションプランの実績は、国が設置する環境モデル都市評価調査検討会でヒアリングとともに評価、助言を受けることとなっており、その評価結果を踏まえて既存事業の見直しや新たな取り組みを検討するなど、本市の誇れる環境モデル都市まつやまの実現を目指してまいります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 質問の2点目ですが、本市が環境モデル都市として先駆的な取り組みにチャレンジするために、産官学が連携した組織を結成し、推進を図っているというふうにお聞きしております。その推進組織の設置状況や活動状況についてお聞かせください。 ○清水宣郎議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 環境モデル都市としての取り組みを推進するためには、企業、大学、NPOや行政が一体となって持続可能な低炭素社会づくりを目指した活動を実践することが重要であると考えています。こうした中、昨年10月、本市の呼びかけにより、再生可能エネルギー関連の団体を初め、交通、住宅、情報通信、環境教育関連など、多様な分野から参画を得て環境モデル都市まつやま推進協議会が設立され、12月には事業の具体的な協議を行う下部組織として環境モデル都市まつやま運営委員会が設置されました。また、本年1月には、アクションプランの4本柱の一つであるスマートコミュニティの充実を目指し、忽那諸島における市遊休地を活用したスマートコミュニティの可能性をテーマに調査研究を行う部会が設置され、4月までに地域特性を生かした再生可能エネルギーシステムの導入や活用方法、地域活性化策などについて5回協議が行われました。その後、5月に開催された運営委員会や今月に行われた推進協議会で提言の取りまとめに向けた準備が進められており、今後提言書として本市に提出される予定です。以上です。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 質問の3点目は、昨今の再生可能エネルギー導入に係る情勢は、不安定な電力である太陽光や風力に対し、電力会社が接続契約の回答を保留するなど、難しい局面に差しかかっていると思われます。このような状況の中、本市が重点的に進めている太陽エネルギー等を初めとした不安定な再生可能エネルギーについて、引き続き円滑な導入促進に向けてどのような施策を実施するのかお聞かせください。 ○清水宣郎議長 大野環境部長。 ◎大野彰久環境部長 本市では、平成19年度に脱温暖化と産業創出の両立を目指す松山サンシャインプロジェクトを立ち上げ、積極的に再生可能エネルギーの導入促進を図った結果、平成26年度末現在の太陽光発電システムの補助件数は、累計で1万506件、累積出力合計は4万5,167キロワットであり、今年度本市が実施した中核市への調査では、累積件数、出力合計ともに中核市の中で第1位となっています。こうした中、昨年電力会社が一時的に送電網への接続契約申し込みに対する回答を保留した経緯もあり、電力の安定供給につながる蓄電池が今後の再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を図る解決策の一つとして注目されています。蓄電池は、電力供給のピークカットやピークシフトにより電力の安定供給が図られ、温室効果ガス排出抑制につながり、地球温暖化対策に寄与することはもちろん、設置者にとっては深夜の割安の電力を利用することにより電気料金が節約できることや、停電時のバックアップ電源としても活用できるメリットがあるなど、今後普及していくことが期待されています。こうしたことから、本市ではアクションプランの中でクリーンエネルギーの導入促進策として掲げる蓄電池の普及に向けて、設置に係る費用の一部として10万円を上限とした補助制度を開始することとしています。今後は市及び国の蓄電池設置に対する補助制度を周知することで再生可能エネルギーの導入等を促進し、産学民官が連携を図りながら環境モデル都市まつやまとして持続可能な低炭素社会を実現するために積極的に取り組んでいきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 次に、坂の上の雲のまちづくりについてお伺いいたします。本市においては、平成11年度に小説『坂の上の雲』を軸としたまちづくりを進めることとし、本市全体を屋根のない博物館と捉え、回遊性の高い物語のあるまちを目指すフィールドミュージアム構想を打ち出しました。そして、当時の中村市長及び職員の方々の大変な苦労と粘り強い交渉により、平成14年には司馬遼太郎夫人の福田みどりさんから、小説『坂の上の雲』を本市のまちづくりに生かすことが許可され、その後、東大阪市にあります司馬遼太郎記念財団との間で坂の上の雲の名称使用や協力内容など、基本的な連携事項について定めた協定書を締結し、さらに平成16年には財団から提供される役務や諸権利の許諾などに関する覚書を取り交わしています。また、こうしたまちづくりへの取り組みについては、公共機関やマスコミなどから評価され、国のまちづくり交付金を活用した坂の上の雲ミュージアムの建設、ロープウエー街及び道後温泉本館周辺ファサード整備等大型プロジェクトが次々と実行された結果、景観の美しい魅力あふれるまちづくりにつながるなど、市民はもとより観光客にも大いに喜ばれております。このことは、先ほど申し上げたとおり、本市の粘り強い取り組みとあわせ、何よりも司馬遼太郎記念財団による高い見地からの御理解と御協力のたまものであり、本市に対する恩恵ははかり知れない大きなものがあることから、坂の上の雲のまちづくりについて私は今後も末永く継続していくべきというふうに考えています。そこで質問ですが、本年4月の本市の機構改革で、坂の上の雲まちづくり担当部長が総合政策部長と兼務になったことから、坂の上の雲のまちづくりが徐々に縮小されるのではという懸念を持つ方もいらっしゃるというふうにお聞きしております。私は決してそんなことはないというふうにかたく信じております。本市では今後どのように坂の上の雲のまちづくりに取り組んでいくのかお聞かせください。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 小説『坂の上の雲』に描かれた夢や理想に向けてひたむきに努力することや、市民の皆さんとともに地域資源を最大限に活用していくことは、本市のまちづくりの底流をなす普遍的な考え方で、私の政治姿勢の原点でもあります。そして、市長就任以来、これまで住民の皆さんとともに知恵を出し合い、工夫を重ねながら地域資源を生かしたまちづくりに取り組んでおりまして、その思いは現在でも変わっておりません。こうしたことから、平成25年3月に策定した第6次松山市総合計画でも、夢や理想を抱き挑戦し続けるまちを目指すことをまちづくりの理念の一つに掲げております。現在北条地域や中島地域では、愛ランド里島構想風早レトロタウン構想に基づくさまざまな施策を展開しており、また三津浜地域でも古民家や食文化といった地域の特性を生かしたまちづくりを進めるなど、フィールドミュージアム構想で位置づけたサブセンターゾーンの活性化に取り組んでおります。そして、2年後の平成29年には正岡子規の生誕150年や坂の上の雲ミュージアム10周年、平成30年には明治維新150年など、小説『坂の上の雲』にかかわる節目の年を迎えます。今回機構改革で総合政策部長に坂の上の雲のまちづくり担当部長を兼務させましたが、坂の上の雲のまちづくりを縮小することは考えておらず、今後も小説に描かれた精神を大切にしながら、みずからのまちに愛着と誇りを持つことができるよう、地域の方々と一体になって坂の上の雲のまちづくりをさらに発展させていきたいと考えております。 以上でございます。 ○清水宣郎議長 若江議員。
    ◆若江進議員 次に、消防救急艇はやぶさの運用についてお伺いいたします。本市は三津浜桟橋に係留中の消防救急艇はやぶさを初め、三津の渡し船がすさき丸、こぶかり丸の2隻、鹿島渡船がかしま、花へんろの2隻、そのほか行政連絡船かもめ、離島診療船しまどり、海面清掃船かいせいの計8隻の船舶を所有しております。今後は各公用船の老朽化に伴い、代替船についての議論や計画も行われていくと思いますが、そのうち特に消防救急艇はやぶさは、平成17年1月の旧松山市、旧北条市、旧中島町の合併に伴い、有人2島から有人9島を有することとなった松山市が、島民市民の消防救急体制のさらなる充実・向上を図るため、平成21年2月に竣工し、同年10月本格運用を始め、今日に至っています。消防救急艇はやぶさ導入により、合併前には島民で編成する消防団のみで対応していた火事や事故に対し、高度な知識、技術、装備を有する消防隊の投入で、より効果的な災害対応を行うこと、そして島内で発生した傷病者に対しいち早く救急隊員が接触し、病院に搬送するまで継続的に処置を行うことが可能となり、島民の安全・安心は大きく向上したと感じています。現在愛媛県が検討を始めているドクターヘリが導入されれば、気象条件による影響やおのおのの機能別特徴を相互に補完する運用も可能となり、さらなる体制の強化につながるものと期待をしています。なお、平成25年中及び平成26年中の消防救急艇の出動件数は同数でありまして、314件となっております。なお、平成26年中の314件の出動内訳は、救急出動が296件、救助出動9件、火災出動4件、その他出動5件となっており、救急出動が94.3%となっています。また、各島への到着所要時間及び行き帰りの所要時間は、係留している三津浜桟橋の松山港務所には船長待機室があり、常時船長1名が待機しており、西消防署に消防救急艇の出動指令があった後、出港するまでに救急隊員や救急車の乗船のほか、冬場の暖機運転に10分程度の時間を要するということであります。三津浜桟橋出港後は、潮流や気象状況にもよりますが、大浦港が23分、神浦港23分、睦月20分、野忽那20分、二神25分、怒和30分、津和地35分、泊8分、由良10分、釣島15分、安居島は40分となっています。そこで、さらに搬送時間を短縮するためには、現在の係留地を島嶼部に変更することが考えられます。三津浜から中島本島に移した場合には大幅な時間短縮が見込まれ、他の島へも短時間で運航可能となるなど、島民の救急活動のさらなる向上が図られ、大きな効果をもたらすものと考えています。そこで、質問の1点目は、消防職員の定数や人員配置などの課題があることは重々承知していますが、消防救急艇はやぶさの係留地を三津浜桟橋から大浦港に移すことの御見解をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 芳野消防局長。 ◎芳野浩三消防局長 消防救急艇はやぶさは、伊予灘に面した山口県境や広島県境と接する広範囲な海域にある9つの島で暮らす方々の安全を守るほか、石油コンビナート地区や沿岸部での火災防御や救助など、多様な消防活動ができるよう整備したものです。この船の導入に当たっては、消防隊員とともに救急車や消防ポンプ積載車を緊急搬送するほか、船舶や沿岸火災にも対応する放水設備や海上での救助活動に使うエンジンつき小型ゴムボートを装備しています。また、港へ到着後、直ちに救命処置ができるよう、船内のキャビンにも高度な救命資機材を搭載しています。そこで、この消防救急艇の係留場所を中島大浦港へ変更することについてですが、先ほど御説明を申し上げましたとおり、この船は島嶼部での活動のほか、垣生地区の空港周辺から北条浅海地区に至る長い海岸線での活動や西部地域の石油コンビナート災害、さらに重要港湾である松山港内の火災や事故など、多様な役割を果たす必要があります。また、この船の整備には松山空港周辺の事故にも即応する目的で、空港環境整備協会の助成事業を活用しており、空港から9キロメートル以内の港に係留することも条件になっています。そのため、これらの諸条件を考え合わせ、西消防署の特別救助隊や特殊消火隊など高度な技術を持つ隊員と車両や資機材を災害現場へ迅速に搬送するため、限られた消防力を有効活用できる最適な係留場所として現在の三津浜港を母港としているものです。なお、今後も愛媛県が導入を検討しておりますドクターヘリや海上保安部の巡視船との連携で、島に暮らす方々がさらに安全で安心できる消防体制づくりに努めてまいりたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 質問の2点目は、本格運用から5年以上が経過し、船長や隊員は訓練等や経験によりスキルは格段に向上しているというふうに思いますが、今後の人員配置、職員の養成などの運用方針、ソフト面の展望をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 芳野消防局長。 ◎芳野浩三消防局長 消防救急艇はやぶさは、平成21年10月の運用開始から26年末までの5年余りで延べ1,606件出動し、そのうち救急が1,521件、救助が43件、火災が28件などとなっており、毎年300件程度出動しています。これらの活動は緊急性を伴い、昼夜を問わず、また濃霧や強風時にも行われるため、当初から海上保安部や民間航路などで長い乗船歴を持ち、実務経験豊富な人材を船長に充てるほか、海上業務への適性を見ながら救急隊員の資格と船舶免許をあわせ持つ消防職員を配置し、安全運航に努めてきました。そこで、これらの業務に関する人員配置や職員の養成などソフト面の展望については、これまでも船舶資格を有するOB職員の再雇用などにより船長や救急隊員を補助する甲板要員を追加配置し、事故防止に万全を期していますが、今後は有資格消防職員の中から自己申告で希望する職員を優先配置するなど、訓練や実績を重ねながら、将来的には消防職員の船長を独自に養成したいと考えており、既にこれに応えるスキルを持った職員も誕生しつつあるというのが現状です。しかしながら、はやぶさに配置する隊員も、長期的な視点で見れば他の消防隊員と同様に定期的な人事異動が必要です。先般、上島町が使用していた救急専用艇が更新されることになり、上島町から有償で譲渡の打診を受けたことから、現在その船の取得に向けた契約業務を進めています。したがいまして、この船が確保でき次第速やかに現行消防救急艇の予備船として運用するとともに、消防職員の練習艇としても活用し、今後の要員を養成したいと考えています。また、この船を取得することで消防救急艇のドック入りや緊急トラブルにも対応でき、より確実な24時間365日の運用体制が整備されるほか、現行行政連絡船の代替船としての活用も視野に入れ有効活用する計画としています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 次に、三津の渡しの指定管理についてお伺いいたします。三津の渡しは、その歴史は古く、応仁3年(1469年)に室町時代から戦国時代に活躍した伊予の守護大名である河野通春が初めて乗船したというふうに伝えられています。また、諸説ある中で、河野通春が居城とした港山城の城兵が、三津の渡しを利用し三津浜で米類や魚を買い求めたことから、それが現在まで続く三津の朝市の始まりになったとも言われています。現在、松山港内港の三津浜と港山を結ぶこの三津の渡しは、海上約80メートルを小型動力船で結んでいる松山市道高浜2号線の一部であり、午前7時から午後7時まで、年中無休、無料で運航され、年間約4万人が利用しているというふうにお聞きしています。私は以前、都市企業委員会において、三津の渡し運航業務の業務委託について質問いたしました。その際には、三津の渡しだけの運航業務は直営のほうが業務委託に比べ経費面で有利であるというふうな答弁がございました。ところで、鹿島渡船運航業務では、委託することによりコスト削減が見込まれ、鹿島特別会計においては、財政健全化に取り組むとともに、より効率的で質の高い公共サービスが提供できるということで、平成26年度から平成28年度までを現在委託しております。そこで、質問でありますが、鹿島渡船運航業務とあわせ三津の渡し運航業務を一体で業務委託するならば、さらなるコスト削減が図られるのではないかというふうに考えております。市道高浜2号線の一部である三津の渡し運航業務の業務委託に対する御見解をお聞かせください。 ○清水宣郎議長 山崎都市整備部長。 ◎山崎裕史都市整備部長 現在三津の渡し運航業務は、船舶操縦士免許を持った有資格者で、運航実績のある労務職員が確保されていることから、市の直営で業務を行っています。しかしながら、将来的に資格を有する職員の確保が難しくなることが想定されるため、鹿島渡船運航業務の委託実績やスケールメリット、さらには契約更新時期などを総合的に勘案しながら指定管理者制度の導入なども含め、今後安全で安定した運航体制について検討していきたいと考えております。以上です。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 それでは、最後に港山の整備についてお伺いいたします。河野通春が居城とした港山城は、河野水軍や忽那水軍の根拠地として栄えましたが、小早川隆景による伊予攻略で1585年に落城いたしました。数年前までは細い道をたどって城の石垣が残る頂上まで登ることができましたが、今では竹林等の樹木が生い茂り、登ることが困難な状態であり、長く放置された状態でありました。しかし、港山の頂上から見る夕日は、日本の夕日百選に選ばれている伊予市双海町にまさるとも劣らない景観であることをよく知る三津浜を核に松山西部地域の活性化を目指す松山西部地域開発協議会が、港山周辺の地元の方々と交渉し、災害時の避難場所にもなることから、目視でテニスコート約2面ほどの広さのある頂上の竹林を整備し広場とするほか、登山道のための農道の再整備を本市の松山市美しい街並みと賑わい創出事業補助金を活用し実施する予定とお聞きしています。先日伊予鉄梅津寺パークでは、来年温泉の試掘が行われ、その結果により民間企業による温泉宿泊施設、産直物産販売所が整備され、平成29年夏にも開業されると新聞報道がありました。また、伊予鉄三津駅近郊では、ビジネスホテルがことし9月に開業予定となっております。港山の整備と相まってフィールドミュージアム構想の一画をなすサブセンターゾーンである西部地域は、民間資本により活性化しつつあります。さらに、三津浜地区の最大の活性化策と私は確信しております三津の朝市が復活すれば、松山観光の大きな魅力向上につながると考えます。そこで、質問の1点目は、このたび松山西部地域開発協議会が活用を予定している補助金は、どのようなものかお聞かせください。 ○清水宣郎議長 柳原開発・建築担当部長。 ◎柳原卓開発・建築担当部長 松山市では、近年市民による自発的なまちづくりに取り組む地域が増加していることを受け、市民主体のまちづくりをさらに進めるため、平成25年度に松山市美しい街並みと賑わい創出事業補助金を創設し、松山市のまちづくり計画などと整合がとれ、まちの新たな魅力やにぎわいを創出するハード整備に対し支援を行っております。具体的には、にぎわいを創出する交流施設の整備や回遊性を高める案内板の整備、昭和20年以前に築造された歴史的建造物の保全・改修などを補助の対象としており、補助率は補助対象経費の3分の2、交流施設の整備などでは上限額は500万円となっています。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 次に、質問の2点目ですが、今後補助金を活用するとなると、どのような手続で進むのかお聞かせください。 ○清水宣郎議長 柳原開発・建築担当部長。 ◎柳原卓開発・建築担当部長 補助金の対象となる事業につきましては、毎年度ホームページや広報紙などで広く募集を行い、活用を希望されている方に対しては随時相談を受け、場合によっては現地に出向き説明を行うなど、きめ細かな対応をしています。今年度につきましては、既に募集を終了しており、現在申し込みをされた案件について、書類の内容確認、現地調査を行っている段階であり、今後外部の専門委員の意見をいただきながら市の審査委員会で公益性、地域性、継続性などについて審査を行い、8月ごろをめどに支援する事業の決定を行う予定となっています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 若江議員。 ◆若江進議員 ありがとうございました。以上で、私の一般質問を終わります。 ○清水宣郎議長 以上で、若江議員の一般質問を終わります。 次に、吉冨議員。 〔吉冨健一議員登壇〕 ◆吉冨健一議員 公明党議員団の吉冨健一です。これより、一般質問をしますので、市長並びに理事者の皆様の明快な御答弁をお願いします。 最初に、本市の治水について質問します。まず、1つ目に、浸水被害対策について伺います。毎年梅雨のこの時期になりますと、5年前の集中豪雨を思い起こします。平成22年の集中豪雨では、市内各地で浸水被害が発生し、私のところにも複数の連絡があり、急いで現場へ行きました。土居町の内川沿いでは、豪雨対策にポンプが設置されているものの、くみ上げが追いつかず、宅地が浸水し、消防が出動して土のうを積み上げるしか手だてがない状況でした。ことしは大丈夫だろうかと、地域の方は大変心配されています。本市は人が暮らす居住地と農地が共存するバランスのとれたまちを形成していますが、梅雨にもなると用水の細かい調整も必要なようです。現在市また県でも、雨水の逃げ道となる河川や雨水管整備を計画的に進めていますが、完了には相当の期間が必要であると伺っています。そこで、改めて数点お尋ねします。1点目に、河川・水路など本市の水の流れの全体像はどのようなものか。また浸水被害の発生状況や地域はどうなっているのか。そして本市の浸水被害対策のポイントは何か、概要をお示しください。今補正予算案には、傍示川護岸工事が計上されています。平成27年度今年度工事完了の予定です。そこで、2点目に、傍示川護岸工事の完了により、周辺地域、古川・市坪地域の浸水被害はどの程度軽減されるのか。また平成22年の集中豪雨以来、本市の浸水被害対策はどこまで進展したのか。残る課題は何か、お示しください。 ○清水宣郎議長 青木下水道部長。 ◎青木禎郎下水道部長 1点目のうち、まず本市の水の流れの全体像についてお答えします。本市に降った雨は、地下に浸透するものやため池などに貯留されるもの以外は表流水となって河川や水路を経由して海へと流れています。久米・桑原方面の東部地区では石手川や小野川など、石井・浮穴方面の南部地区では内川や重信川など、また西部地区では三反地川や洗地川などを経由して市内を東から西へ横断する形で海に流れ、城北地区では久万川や大川などを経由し、北条地区では立岩川や粟井川などを経由して海に流れています。また、中島や興居島などの島嶼部には大きな河川がありませんので、海岸線へと向かう小規模な河川や水路を通じて海へと流れ込んでおります。次に、浸水被害の発生状況などについてですが、近年発生した浸水被害で最も大きなものは、平成13年6月の梅雨前線豪雨によるものです。19日の正午前から降り始めた雨は、総雨量263ミリで、ピーク時の1時間には約47ミリを記録し、天山、朝生田、古三津など市内各所で116棟の床上浸水と515棟の床下浸水が発生しました。また、平成22年7月には、石井地区などで2棟の床上浸水と74棟の床下浸水が、そして平成24年8月には、東雲地区や道後地区などで2棟の床上浸水と10棟の床下浸水が発生しています。次に、浸水被害対策のポイントについてですが、都市化の進展などにより、本来自然が有していた保水・遊水機能が低下し、地球温暖化に伴う局地的な大雨が頻繁に発生する現状では、流域内に降った雨には流域全体で対応するという総合的な治水対策が重要になっています。そうした中、本市が進める浸水対策では、雨水計画の基準に基づく速やかな排除を基本としたハード整備を行うとともに、可能なところでは雨水調整池や地下浸透型水路を整備し、計画基準を上回る局地的な大雨への備えとして、内水ハザードマップの公表による市民の防災意識の向上などのソフト対策にも取り組んでいます。いずれにいたしましても、浸水被害対策のポイントは、ハード、ソフト両面から可能な限りの対策を講じることで浸水被害を軽減し、市民の安全・安心を確保することが重要であると考えております。次に、2点目のうち、まず傍示川の工事による浸水被害の軽減状況についてお答えします。傍示川の周辺では、昭和54年6月の河川氾濫や昭和57年9月の台風18号の大雨などで繰り返し浸水被害を受けたため、昭和61年度から全長1,955メートルの河川改修事業に着手し、現在までに1,870メートルが完成していますので、周辺地域では河川氾濫による大規模な浸水被害は解消できたと考えています。上流側の古川・市坪地区にも河川改修により被害の軽減効果が及ぶものと考えていますが、抜本的に浸水解消を図るためには、能力が不足している地区内の水路の改修が必要ですので、現在進めている下水道計画の変更作業を急ぎ、傍示川の改修工事が完了した後速やかに雨水幹線などの工事に着手したいと考えています。次に、平成22年以降の浸水被害対策の進展と残る課題についてですが、本市では平成13年の大雨で床上浸水など特に被害の大きかった市内10地区を重点地区として、平成15年度からポンプ場の建設や雨水幹線の整備を進めてきました。平成22年度には大可賀、朝生田、新浜の3カ所の雨水排水ポンプ場が完成していましたが、その後の整備により、平成24年度には西石井ポンプ場、平成26年度には中須賀第2ポンプ場、そして今年度中に和泉雨水排水ポンプ場が完成し、計画していた6カ所の全てのポンプ施設が稼働できることになります。また、今年度末までには雨水幹線やその他の附帯設備など、計画していた全ての施設が完成する見込みですので、平成13年や平成22年の大雨にも十分対応できる状況になると考えています。しかしながら、和泉・古川地区を初め北条地区や三反地川周辺などでは、依然として浸水被害が懸念される箇所が残されていますので、被害の程度や緊急性を考慮しながら計画的な整備を進めるとともに、下水道部独自のマニュアルに基づき、大雨警報などの発令と同時に浸水被害が予想される地区を巡回し、土のうや排水ポンプを事前に準備するなど、関係部局と協力し、浸水被害の軽減に努めていきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 2つ目に、水防法の改正に伴う浸水被害対策の強化について伺います。近年全国各地で豪雨が多発していることに伴い、浸水被害対策をハード、ソフトの両面から推進する改正水防法などの関連法が5月に成立しました。これにより集中豪雨の際の防災・減災対策が一層進むことが期待されますが、これを具体化するためには、自治体の積極的な取り組みが必要になります。豪雨による浸水被害には、川の水が堤防を越える洪水と下水道や側溝が雨水を排水し切れずにあふれる内水氾濫があります。しかし、これまでの水防法には内水氾濫に関して定めがありませんでした。改正法では、県や市に内水被害のおそれがある浸水想定区域の指定を義務づけ、河川氾濫などと同様の浸水対策を促しています。したがって、市は今後内水による浸水想定区域も含めた地域防災計画を定め、避難場所や避難経路を示すハザードマップをつくり、市民への周知に努めなければなりません。また、地下街についても、内水氾濫の区域指定になることがあり得ますが、こうした内水被害への対策として、協定に基づいて市が民間企業の雨水貯留施設を直接管理することが可能になりました。そこで、3点お尋ねします。水防法の改正に伴い、内水氾濫を含めた浸水想定区域はどのように拡大するのか。2点目に、水防法の改正を受け、浸水被害対策の強化に本市はどのように取り組むのか、お考えをお示しください。災害は待ったなしです。そこで、本市の治水についての質問の最後に、いざ緊急のとき、市民はどのように対応したらよいのか。また緊急時の連絡先などはどうなるのか、周知のために改めてお尋ねしますので、お答えください。 ○清水宣郎議長 青木下水道部長。 ◎青木禎郎下水道部長 1点目と2点目についてお答えします。まず、1点目の浸水想定区域の拡大についてですが、今回の水防法の改正では、これまで洪水による浸水区域としていた浸水想定区域に、新たに内水氾濫や高潮による浸水区域が追加されると同時に、想定し得る最大規模の降雨や高潮を前提として区域設定を見直すことになりましたので、中心市街地や地下街また沿岸部などにも浸水想定区域が拡大することが見込まれています。次に、2点目の浸水被害対策の強化への取り組みについてですが、今回の法改正で内水氾濫による浸水想定区域の指定は市町村に義務づけられることになりましたが、今後想定し得る最大規模の降雨などの具体的な基準が国から示されることになっていますので、国、県の動向を注視しながら、関係部局等と連携を図り、浸水想定区域の速やかな指定を行い、地域防災計画に反映するとともに、住民の皆さんへ周知を図り、浸水被害に対する避難体制など一層の充実・強化に努めたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 桝田危機管理・水資源担当部長。 ◎桝田二郎危機管理・水資源担当部長 緊急時の市民対応についてですが、まずはテレビやラジオ、インターネットなどで警報等の発表状況や今後の雨量予測などの気象情報を積極的に収集していただくほか、市からは防災行政無線を主に、テレビやラジオ、緊急速報メールなど、あらゆる手段を活用し、緊急情報をお知らせしますので、慌てず落ちついて適切な行動をとっていただきたいと思います。なお、災害が発生するおそれがあるときは、避難を優先し、市の避難勧告などの発令を待つことなく早目早目の自主避難を心がけるようお願いします。また、豪雨時や夜間などの避難に際しては、移動に危険が伴うことも考えられることから、無理をせず、建物2階への垂直避難など、状況に応じた対応が重要となります。こうした、いざというときの避難のポイントや命を守るための大切な情報を、本年3月に市内全戸に配布した改訂版まつやま防災マップにわかりやすく掲載していますので、市民の皆様には日ごろから目を通していただき、避難経路や避難場所などの確認とあわせ災害に備えていただきたいと思います。また、緊急時の連絡先についてですが、災害の発生やそのおそれにより身の危険を感じたときなど緊急時には、ためらうことなく消防機関への119番通報はもちろん、防災マップの裏表紙に市災害対策本部を初め、いざというときの連絡先を掲載していますので、状況に応じて御連絡をお願いいたします。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 次に、一層のさらなる支え合いの構築について質問します。1つ目に、農福連携の取り組みについて伺います。先月、砥部町高尾田にあおぞらベジィという自然栽培の店舗がオープンしました。株式会社パーソナルアシスタント青空が経営する障がい者就労継続支援B型事業所メイド・イン・青空が丹精込めて育んだ安全で新鮮な野菜が並びます。メイド・イン・青空では、平成18年から障がいのある方や社会で働きにくい人たちの就労支援に取り組んでいます。彼らの持っている力を発揮できるものはないか、試行錯誤の中で出会ったのが人と作物が互いに育っていく自然栽培の世界だったそうです。代表の佐伯さんは、必要なものは全部雑草が与えてくれると言います。そして、こう語っています。我々は一歩前に出ようと決意しました。農地に加えて地域の耕作放棄地、栽培放棄地約2万坪を全て自然栽培に変えてきました。3年目の今、自然栽培で育った作物や我々のことを少しずつですが全国の人が知り始め、商品を買っていただけるようになってきました。今まで福祉の世界は、買ってあげるというお情けの世界でした。我々の商品は、欲しいと言われることで誇りを持って販売ができています。自然栽培がそのきっかけをつくってくれました。全国にある耕作放棄地が福祉の力によってよみがえり、自然栽培によって地域の自然環境がよみがえる。地域コミュニティの再生にもつながっていく。支えられるだけの福祉ではなく、支える福祉が全国で生まれたら、この日本はどれだけ心豊かな国になるでしょう。佐伯代表はそのように訴えています。しかしながら、農業と福祉の連携を進めていくには、さまざまな課題も存在します。まずは農地の確保に始まり、設備投資の負担、メイド・イン・青空の場合、耕作放棄地などの借用については、地域の農業委員の方が協力をしてくださったそうですが、農業と福祉の連携は始まったばかり。一層の普及のためには、農・福の橋渡し、コーディネートが要ります。また、福祉の参入や自然栽培の取り組みは、助成の対象にすらならないこともあるようですので、農業施策における緩和措置の必要もありそうです。そこで、お尋ねします。担い手不足に悩む農業、手間暇かけてじっくり取り組む就労、そして安全な食材。農業と福祉の連携・一体的な取り組みは、まさにベストなマッチングであり、時代の要請であると思います。農福連携の取り組みは、市民が生きる、地方創生の一方策としてもっと推進されてしかるべきだと思いますが、本市のお考えをお示しください。 ○清水宣郎議長 佐伯農林水産担当部長。 ◎佐伯俊一農林水産担当部長 現在農業分野では、耕作放棄地や担い手不足が深刻な問題となっています。昨年度、国は、農地の借り手と貸し手のマッチングによって農地の集積・集約化を行う農地中間管理機構を新たに設立しましたが、本市では福祉関連の法人が農地の借り手として登録され、今後の農業を支える多様な担い手の一人として活動を始めようとしています。一方、福祉分野では就労継続支援事業所などで障がいのある利用者に、就労に必要な訓練や支援を行っており、中でも農業は障がいの程度に応じた作業が可能であることなどの理由から、市内81カ所の就労継続支援事業所のうち、少なくとも16カ所で農作業を取り入れています。そうしたことから、農業と福祉の連携は、人と自然とのかかわりの中で営まれる農業を通じて地域農業の活性化や障がい者の自立支援などの効果が期待されますが、地方創生の施策の一つとして推進するためには、農地の確保や人材の育成など、解決すべき課題もありますので、まずそれらの課題解決に向け調査研究していきたいと考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 中項目2つ目に、公共交通におけるノンステップバスの普及について伺います。地下鉄のない本市にとって、広範な交通網を持つ乗り合いバスは、市民生活になくてはならない重要な公共交通機関です。平成12年からは車椅子の方も利用可能で、高齢者や子どもも乗りおりしやすいノンステップバスが導入され、現在では路線バスの約7割がノンステップバスになっているようです。松山市内を巡回しているノンステップバスは、乗降口のステップつまり階段がなく、地面から床面までの高さが30センチと、従来の高さ53センチのワンステップバスと比べて23センチも低く、さらに車高調整装置で5センチの車高下げができます。また、車椅子用のスロープ板も常備してあり、車内には車椅子専用スペースもあります。事業所の案内によれば、今後もノンステップバスの導入に積極的に取り組み、人に優しい公共交通機関を目指し、バリアフリー化を一層推進していく方針のようです。そこで、お尋ねします。市駅から旧道の11号を通って川内方面へ向かう路線バスやループバスは、四国がんセンターや愛大病院、十全病院などの医療機関を利用する市民もたくさん乗り合わせます。そうした中、ノンステップバスが大変喜ばれていますが、実は運行に限りがあり、増発を望む声があります。また、ノンステップバスの運行予定がわからないため、バス停で祈る気持ちでバスを待つ方もいるようです。そこで、ノンステップバスの一層の普及について本市はどのようにお考えか。また運行予定が市民にわかるように提示する必要はないのか、御所見をお示しください。 ○清水宣郎議長 山崎都市整備部長。 ◎山崎裕史都市整備部長 本市では、高齢者や障がいのある方を初め、誰もが円滑に移動することができるように、交通施設や鉄道、バスなどのバリアフリー化を進めることとしており、平成18年のバリアフリー新法で国が定めた平成32年度までのノンステップバス導入率70%の目標値を、第6次総合計画では平成29年度に前倒しし、国や県と連携してバス事業者に対し財政支援を行ってきました。その結果、平成26年度末の導入率は70.1%になり、国の目標年より6年、第6次総合計画より3年早く達成しました。今後も引き続き事業者に対して国や県と連携して支援を行い、さらなる導入率の向上を目指したいと考えています。また、ノンステップバスの運行予定は、事業者に電話で問い合わせができる体制となっているほか、インターネットが利用できる環境であれば、事業者のホームページでリアルタイムに確認することができます。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 中項目3つ目に、障害者権利条約の批准と国内法の整備に伴う本市の施策について伺います。昨年1月20日、ようやく国は障害者権利条約を批准、最終的な同意をしました。2006年12月に国連総会で障害者権利条約が採択されてからおよそ7年。その間、まずは国内法の整備などの改革を進めるべきとの当事者などの意見も踏まえ、障害者基本法の改正、障害者差別解消法の成立、障害者雇用促進法の改正などの制度改革が行われ、満を持しての批准となりました。条約は最初に、障害が発展する概念であることを認め、また障害が機能障害を有する者とこれらの者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用であって、とあるように、いわゆる社会モデルを明確に示しています。これは、障がいとは当事者と環境・周囲の態度の間に生ずるものであって、環境・態度が変わることで障がいは軽減もしくはなくすことができるという原理です。私たちは先入観から物事を判断しがちです。障がいのある方に接するとき、保護が必要な人と見るのか。または治療が必要な人、患者と見るのか。あるいはサービスが必要な人、利用者と見るのか。または我々と平等な権利を持つ人、市民と見るのか。あるいは貢献する人材、社会の構成員と見るのか。どのように見るかで私たちの態度と行動は変わり、それはそのまま障がいのある方の活動と参加を促進あるいは阻害する大きな環境要因になります。批准に先立って障害者権利条約に基づく独自の条例を定めている県、市も幾つかあります。そして、ますます大事なのが教育だと私は考えています。そこで、お尋ねします。国内法の整備と障害者権利条約の批准を受けて、子どもも高齢者も障がいのある人もない人も、誰もが暮らしやすいまちを目指して、本市としてはどのような取り組みをしていくのか、お考えをお示しください。 ○清水宣郎議長 西市社会福祉担当部長。 ◎西市裕二社会福祉担当部長 現在国では、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して障がい者制度の改革が進められています。本市では、平成24年7月に、保険や福祉に関する相談や手続がワンストップでできる高齢者や障がい者にも優しい福祉総合窓口を開設するとともに、市内2カ所に地域相談支援センターを設置し、身体・知的・精神障がいに加え、発達障がい、難病、虐待などのさまざまな相談に対し総合的に支援を行っています。こうした中、平成28年4月に障害者差別解消法が施行されますが、本市では今年度、公共施設や観光施設などのバリアフリー情報を提供するおでかけらくらくまっぷ!をスマートフォンやタブレットからも利用できるように改良いたします。さらに、今後は災害発生時に高齢者や障がい者などが迅速かつ的確に避難できるよう、自主防災組織などと協力しながら避難行動要支援者の支援体制を順次整えていくとともに、市有施設や公園などの施設改修の際には、点字ブロックの導入やスロープによる段差の解消、多目的トイレの設置なども進めていきます。また、市民や民間事業者にも障がいについての知識や理解を深めるための周知・啓発に努め、障がい者や高齢者、子どもなど全ての人が暮らしやすさを実感できるまちづくりに取り組んでいきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 4つ目に、社会資源としてのコンビニとの協働について伺います。今や市内の至るところにコンビニエンスストアがあります。昨年3月には業界最大手のセブン-イレブンが愛媛に進出。セブン-イレブンいい気分。あいてます、あなたのローソン。あなたと、コンビに、ファミリーマート。すぐ、そこ、サンクスサークルK。佐藤隆太主演のテレビドラマでたらめヒーロー、ロケ地はモンマートまつやま店となっていましたが、これは埼玉県の店舗のようです。コンビニは今や、生活基盤を担う地域の拠点になりつつあります。本市では、既にコンビニ収納を実施、支払いの種類も順次拡大し、昨年4月からは市県民税や国民健康保険料など全12種類が収納できるようになりました。また、各種の広報を置いてくださっていることも多く、まもるくんのステッカーや市や関係機関のポスターをガラスに張っている店舗も多く見かけます。そこで、お尋ねします。例えば兵庫県尼崎市では、全国で初めてローソンの駐車場を利用した出前型のコンビニ健診を実施しています。受診者は10代から30代の若い世代が多く、また受診者の8割が市の健診を初めて受けた人でした。高い血糖値や高血圧などの発見にもつながっているようで、身近なローソンだから健診を受ける気になった、初めて健診を受けたけど、こんなにいろいろわかるとは思わなかったなど、好評のようです。また、埼玉県川口市では、ケアローソンが好評。介護が必要な高齢者やその家族を支援する新しいタイプのコンビニです。ケアローソンは、高齢者向けの商品も充実、シニア世代の利用も多く、商品をまとめ買いしていく人もいます。さらに、介護サービスを相談できる居宅介護支援事業所の機能もあわせ持っています。介護が必要となった場合、市役所や地域包括支援センター、居宅介護支援センターなどに足を運ばないといけませんが、身近なコンビニで相談ができれば、介護する家族の負担を軽減できる効果もあります。コンビニは幅広いネットワークを持つ地域のよりどころ、社会資源です。そこで、コンビニとの協働に関する指針・計画を策定し、市とコンビニとのコラボレーション、松山コンビニ、コラボ。を一層推し進めてはどうかと思いますが、御所見をお示しください。 ○清水宣郎議長 唐崎市民部長。 ◎唐崎秀樹市民部長 民間企業と連携・協働して公共サービスを補完する取り組みは、松山市にも災害時の物資供給や高齢者、障がい者の見守り活動などがあります。コンビニエンスストアとの協働では、全国的な店舗網や年中無休、長時間営業といった特性を生かして公金収納サービスを行っているほか、昨年は観光客などをもてなす目的で、全国的にも珍しい、松山おもてなしコンビニの認定を行いました。また、他市の事例では、尼崎市や川口市のほかにも、地域振興などに関する包括協定を締結し、地産地消の推進や防犯・防災活動など、コンビニエンスストアの特性を生かした協働事業を実施しているところもあると聞いています。そのほか自治体との協働事業に限らず、祭りなどの地域行事に駐車場を提供しているなどの事例は、松山市内でも見られます。コンビニエンスストアは市街地だけでなく、郊外にも多数出店されており、議員が言われるように、今や生活基盤を担う地域の拠点として、利用者にとっては生活に密着した欠かせない場所となっています。松山市では、市民活動推進指針を策定して市民活動団体と事業者などの連携・協働を促進していますが、今後はコンビニエンスストアを地域の活性・振興、生活・福祉環境の向上にもつながる有用な社会資源として捉え、新たな活用や協働事業の可能性について、他市の事例も参考に研究していきたいと思います。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 次に、財政の見える化について質問します。1つ目に、未活用の市有資産、特に不動産・動産などの資産いわゆる有形固定資産の現況について伺います。松山市南部に長い期間活用されないままとなっている市有施設の跡地があります。私のところにも地域住民の方から、あの消防跡地の活用はどのようになっているのか、治安の面からも心配であるし、介護の拠点にするなど有効な活用はできないのかとの御要望があり、担当部局に問い合わせをいたしました。そうしたところ、タウンミーティングなどでも御意見をいただいており、有効な活用策があれば地元から御提案をいただきたいところだが、行く行くは売却か、場合によっては転用も考えているとの回答でありました。そこで、お尋ねします。このような未活用の市有資産、特に不動産、動産など簡単にはお金にかわらない資産について、現状はどのようになっているかお示しください。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 未活用資産のうち、不動産については、平成27年5月末現在、土地は活用困難な山林等を含め36件で、総面積は約6万2,000平方メートル、建物は中島の廃校舎等を含め11カ所で、総延べ床面積は約1万3,000平方メートルとなっています。これらについては、庁内で組織する公有財産有効活用検討委員会で、直ちに売却する財産、条件が整えば売却する財産、将来活用が見込まれる財産に区分してその取り扱いを検討しています。その中で、条件が整えば売却する財産及び将来活用が見込まれる財産については、適正な維持管理を行うとともに、期限を定めての貸し付けなど、公有財産の効果的かつ効率的な運営に努めています。次に、動産については、使用不能となった時点で処分しており、机やキャビネット等一時的に保管しているものを除き、未活用の動産は保有していませんが、公用自動車等では経過年数や走行距離、消耗の度合いなどで総合的に判断し、売却するかどうか決定しています。このような過程を経て、未活用財産のうち売却可能なものは一般競争入札やインターネット公売等を行うなど、適切な財産運用に努めています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 それでは、2つ目に、それらの資産について、維持管理はどのようになっているのか。維持費、コストはどうなっているかお示しください。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 不動産のうち土地については、定期的な除草などの維持管理を行っており、そのコストは平成26年度で約170万円となっています。また、建物については、現在廃校となっている建物を一時的に地元で使用しているところもあり、それに伴う光熱水費などが平成26年度で約98万円となっています。今後も必要以上の経費をかけることなく適切な維持管理に努めてまいります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 それでは、バランスシート(貸借対照表)つまり本市の資産、負債、蓄えの観点から見て、それら未活用の資産が占める状況とその分析について見解をお示しください。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 本市では、平成20年度決算から決算統計の数値をもとに作成する総務省方式改訂モデルを採用し、バランスシートを含む財務書類を作成しています。現在公表している平成25年度決算をもとに作成したバランスシートでの未活用資産を含む資産の状況は、普通会計ベースで資産合計額7,358億円となっています。ここで別途、未活用資産を試算いたしますと、土地の評価は固定資産評価基準に基づく固定資産評価額として、建物の評価は再調達価格から減価償却累計額を控除した金額として算出すると、土地、建物の評価額は約8億6,000万円となり、資産に占める割合は約0.1%であり、未活用資産が財政運営に及ぼす影響は限定的なものであると考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 専門書としては珍しいヒットであるトマ・ピケティの21世紀の資本。本書が指摘することの一つは、資本の持つ影響力の強さ、資本が得る収益・所得の大きさです。本市が持っている貴重な資産・資本は、すなわち市民の貴重な資産・資本です。利潤を生み出す民間資本と違い、公的な資本は市民サービスに役立つことで初めて生きてきます。これは市政にとって大変重要な視点です。そこで、お尋ねします。本市が持っている未活用の有形固定資産を、今後どのように管理し生かしていくのか、お考えをお示しください。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 未活用資産のうち、将来活用が見込まれる財産については、松山市公共施設マネジメントの基本方針で、市民ニーズに対応した資産活用を基本に取り組むこととしております。そのため、少子高齢化の進行と人口減少社会への移行という人口構造の変化に対応した行政サービスの提供や市民ニーズの変化に応じた効果的な公共施設マネジメントを推進することにより、最大限活用できるよう今後も取り組んでまいります。また、売却可能な財産については積極的に処分し、民間事業者などが有効に活用し市民生活の向上に寄与していただくよう努めるとともに、本市の歳入確保と維持管理コストの縮減を図ってまいります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 中項目5つ目に、複式簿記による新公会計制度の導入について伺います。ことし1月、総務相は地方自治体に対し公会計の整備促進についての通知を出しました。そこでは、民間企業のような複式簿記の導入を図り、新公会計制度により今後3年間で財政の見える化を進めるよう促しています。そのような中、東京都江戸川区は今年度から新公会計制度東京都方式を導入し、運用を始めました。新公会計制度のメリット・利点は、数値化、見える化、わかる化にあります。これまで見えにくかった負債や財産が数値化される、数値化でさまざまなことが見える、そうすると改善点がわかり、具体的な課題に取り組めるようになると言われています。例えば市が100万円の車を1台買ったとします。これまでの会計では、市が業者に100万円払ったというお金の動きしか見えませんでした。しかし、車が手元にあるわけですから、それは100万円の資産、こうした資産をどう保有していて、それがコストに換算するとどうなるか、そうしたトータルのコストが見えるようになります。そこで、お尋ねします。本市では平成13年度つまり平成12年度決算分以降は貸借対照表を整備・公表し、平成20年度決算分以降は総務省方式改訂モデルを採用して財務書類を整備・公表していますが、本市の会計制度は今後どうするのか。市民の血税、市民の資産・資本を預かる立場としては、総務相通達に鑑み、いち早く新公会計制度を導入し、財政の改革に取り組むべきであると思いますが、お考えをお示しください。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 現在地方公共団体が作成している財務書類は、複数のモデルが存在しており、大きく総務省方式改訂モデル、総務省基準モデル、東京都などの独自モデルの3つに分類され、本市では平成21年度すなわち平成20年度決算から中核市の約8割と県内の全市町が採用している総務省方式改訂モデルで財務書類を作成し、公表していることは御案内のとおりでございます。本市が採用している改訂モデルは、決算統計の数値をもとに作成しており、固定資産台帳の整備が必ずしも前提とされておりませんが、既に本市では平成21年度決算分から売却可能資産の時価評価を実施しているほか、それ以外の行政財産などについても、財務書類の精度を高める上で必要とされる固定資産台帳の整備に向けて取り組んでいるところです。そのような中、財務書類の作成方式が複数存在し、他団体との比較方法が十分に確保されていないことや、大半の団体が決算統計の数値をもとに作成する改訂モデルを採用し、固定資産台帳の整備が十分に進んでいない現状に対応するため、昨年5月に国から統一的な基準による財務書類作成と、その前提となる固定資産台帳の整備に向けて準備等を進めていくことが要請されました。また、ことし1月には、統一的な基準による地方公会計マニュアルも公表されるなど、正式に全国統一的な基準による財務書類の作成と固定資産台帳整備の指針が示されているところです。本市でもこの統一的な基準に基づき財務書類の作成を行っていくことで、これまでの単式簿記・現金主義の官庁会計では正確に把握できなかった減価償却費などのコスト情報の把握が可能となり、財政運営のさらなる透明性と効率化の向上につながるものと考えております。そうしたことから、本市では現在国が期限とする平成29年度すなわち平成28年度決算までに統一基準での財務書類の作成・公表ができるよう、引き続き固定資産台帳の整備に向けて鋭意取り組んでいるほか、作成に向けての庁内の体制や基準づくりに着手しており、今年度中をめどに国から提供される予定のソフトウエアの状況等を見きわめながら財務書類の作成が速やかに行えるように取り組んでまいります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 次に、都市景観について質問します。1つ目に、本市の景観整備について伺います。本年1月、北陸新幹線開通直前の金沢市に産業経済委員会で行政視察に伺いました。北陸加賀百万石の城下町であり、豊かな自然とお城、たくみの手仕事が光る工芸のまち金沢市。歴史ある城下町として本市と相通ずる部分も多いように感じましたが、特に参考になったのは、景観保全の取り組みでした。金沢市の中心には、市役所に隣接して金沢21世紀美術館があります。表と裏がない独特のつくりで、夜の開館、魅力的なショップ、レストランなど、気軽さ、楽しさ、使いやすさをキーワードに、いつでも誰でも立ち寄れる公園のような美術館を目指しています。そして、美をきわめる兼六園、伝統と存在感の金沢城、情緒的な町家群、これら歴史建築と21世紀美術館など現代建築の競演、残すべきは残し、開くべきは開く、私がまちを歩いて気づいたのは、こうした保存と開発の調和がまちの細部にも行き届いていて、一体的で美しいまち並みをつくり出していたことです。金沢市には景観に関する条例があり、景観整備を通じてまちづくりに参加する市民意識も高まっているのかもしれません。そこで、お尋ねします。本市では本年3月に中心地区の景観計画を策定していますが、今後のまちづくりにおいて景観への取り組みはどのようにしていくのか、御所見をお示しください。 ○清水宣郎議長 柳原開発・建築担当部長。 ◎柳原卓開発・建築担当部長 松山市では、松山市景観条例や景観法に基づく松山市景観計画を策定し、本市のランドマークである松山城の眺望保全や建築物の高さ、色調を誘導するなど、景観まちづくりを進めています。また、道後やロープウエー街周辺では、地域の特色を生かすよう地元の方々と検討を重ね、景観整備について地域独自のルールづくりを行うなど、良好な景観の創出とまち並みの保全に努めています。今後につきましては、景観計画に基づき、まち並みの調和に配慮しつつ地域特性を生かした公共施設の整備や民間建物への誘導を行うなど、良好な景観形成の取り組みを進めるとともに、地域の機運の高まりにあわせて順次計画区域を拡大していきたいと考えています。さらに、景観は市民共有の財産であるという認識のもと、市民一人一人の意識の高まりが大切ですので、都市景観賞、都市景観の魅力発見バスツアーといった、これまで実施してきたソフト施策の内容をさらに充実させるなど、市民が主体となって良好な景観形成を推進できるよう景観意識の醸成に取り組み、官民一体となった松山らしい歴史と文化の薫る良好な都市景観の保全、創造につなげていきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 2つ目に、アーキテクチャ、設計思想を生かした都市の整備について伺います。先ごろ大分市アートプラザを見てまいりました。同館は昭和41年に大分市出身の国際的建築家・磯崎 新氏の設計により大分県立大分図書館として完成したものですが、平成8年には県立図書館の新築・移転に伴い、市がこれを譲り受け、市民のための文化交流の場アートプラザとして再生されました。3階は磯崎 新建築展示室となっていて、磯崎氏の斬新なアーキテクチャつまり設計思想をかいま見ることができます。今や設計思想は観光資源、先ほどの金沢市ではアーキテクチャを観光の目玉に押し出し、建築を楽しむ旅・アーキテクチャツーリズムを展開しています。金沢21世紀美術館については、わざわざそれを見るために訪れる外国人観光客も相当数いるようです。翻って本市には、名城松山城を初めジブリ作品・千と千尋の神隠しの舞台のモデルになったと言われる道後温泉本館、そして世界的建築家安藤忠雄氏が設計した坂の上の雲ミュージアムなどの建築物があり、すぐれた設計思想が形になったユニークな建築物が数多く存在します。そこで、お尋ねします。アーキテクチャ、設計思想を生かした都市の整備について、本市としてはどのようにお考えでしょうか、御所見をお示しください。 ○清水宣郎議長 柳原開発・建築担当部長。 ◎柳原卓開発・建築担当部長 これまで松山市では、歴史的建築物である道後温泉本館や松山城の歴史・地域性を踏まえた整備コンセプトを官民が共有し、道後温泉本館周辺や松山城の玄関口となるロープウエー街の道路整備にあわせ民間建物の壁面景観整備、いわゆるファサード整備を行い、建築物と一体感のある景観づくりに努めてきました。また、都市の整備に当たっては、設計思想に歴史や地域の特性を取り入れることは大切であると考えていますので、そうした考えのもと、中心市街地の顔とも言える一番町大街道口交差点では、景観の専門家のほか行政、地権者、関係団体の官民で検討を重ね、現在整備を進めております。具体的には、大街道商店街の入り口に明るく開放感のある広場空間を創出するほか、俳都松山を感じさせる俳句の短冊の形を模した愛媛県産材のベンチや子規が俳句で好んで使ったもみじのシンボルツリー、子規の直筆をかたどった大街道の文字を銘打ったシンボル柱を配置するなど、松山の歴史、文化を感じさせる工夫を施しているところです。今後においても、引き続き歴史や文化にすぐれた建築物など、地域資源を活用しながらアーキテクチャ、設計思想を生かした個性豊かな魅力ある都市の整備に取り組んでいきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 3つ目に、松山城のお堀存続の歴史的経緯について伺います。この春ハクチョウのひなが誕生し、話題となった松山城のお堀、市民に限らず本市に訪れる方たちにとっても憩いの空間となっています。しかし、戦後すぐこのお堀が埋め立ての危機に瀕したことは余り知られていません。この経緯については、昨年松前町の史談会に譲渡された銘板、岡井藤志郎先生顕彰記に詳しく記されています。昭和23年秋、愛媛軍政部司令官は、当時の松山市長に、衛生面を理由として松山城のお堀埋め立てを命令しました。命令を受けた市長は、内堀埋め立ての工事費予算案を市議会に提案し、可決後直ちに着工、翌昭和24年6月には内堀の埋め立てが完了してしまいました。こうした中、岡井藤志郎氏を初めとする先人たちは、松山城のお堀埋め立てに対する反対同盟を結成、一斉に外堀埋立反対の市民運動がわき起こりますが、それを尻目に外堀の埋め立ては着々と進行していきました。お堀存続はまさに風前のともしび。そうした中、岡井氏を初めとする陳情団は、民事部司令官に直談判。鬼神も恐れぬ岡井氏の熱弁に事態が大きく動き、外堀埋め立ての計画はついに中止となったのでありました。ことしは戦後70年、今日の松山を支えている先人たちの足跡を私たちは忘れてはいけないと思うのです。そこで、お尋ねします。戦後のお堀埋め立てとお堀存続の歴史的経緯について、本市はどのように認識しているのか。また岡井藤志郎氏を初めとする先人たちの足跡をどのように認識しているのか、御所見をお示しください。2点目に、名城松山城と一体となって見事な景観を生み出している松山城のお堀、現在ではお堀は欠くことのできない松山城の一部となっています。そこで、松山城のお堀を守った、お堀を残した大恩人岡井藤志郎氏を顕彰するお考えはないか、御所見をお示しください。 ○清水宣郎議長 矢野総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長。 ◎矢野大二総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長 1点目のお堀存続の歴史的経緯及び2点目の岡井藤志郎氏を顕彰する考えについては、関連がありますので、一括してお答えいたします。戦後間もない昭和23年当時、進駐軍から本市に出されたお堀埋立命令に対して、命令撤回の嘆願や異例の進駐軍司令官への直談判など、お堀を守るために多くの先人たちが奔走されました。そして、このときの中心的な役割を担われた一人が岡井氏ですが、そのほかにも朝美地区150戸の農家で組織された城濠水利組合や郷土史の研究家などで結成された松山城濠埋立反対期成同盟会など、各界各層の皆さんの熱い思いや御尽力があったからこそ本市の宝であるお堀が守られたものと認識しています。そうしたことから、昨年11月には、堀之内東口にお堀の保存にかかわった大勢の方々の功績を後世に伝えるため、その経緯などを記した解説板を設置しています。現在のところ岡井氏個人を顕彰することは考えていませんが、今後岡井氏を初め先人たちの偉業を顕彰する市民の皆さんの機運が高まった際には、顕彰方法や内容などについて検討したいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 次の質問です。間もなく梅雨が明けますと夏本番。そして、夏といえば御当地松山の熱いイベント松山まつりです。昨年は天候のため一部中止となり、大変残念でしたが、ことしは記念すべき50回目を迎えます。そこで、1つ目に、第50回松山まつりについて伺います。第50回松山まつりについては、既に松山まつり実行委員会を初め御関係各位の御尽力で着々と準備が進められているところ、期間は8月7日金曜日から9日日曜日までの3日間、恒例の野球拳おどりの演舞を初め、ことしは50回を記念するさまざまな催しが予定されています。そこで、お尋ねします。大きな集客効果も見込める夏の一大イベント松山まつり、第50回が大成功となるよう、共催の本市もしっかり応援していただきたいと思いますが、本市としてどのように臨むのか。雨天、悪天候への備えも必要です。お考えをお示しください。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 第50回という記念すべき松山まつりが、踊り手にとっても観覧される方にとってもより魅力的で活気あふれるものになるよう、参加団体や関係者の御意見を参考にしながら、実行委員会で約1年間にわたりまして新たな企画や運営方法などについて検討を重ねてまいりました。その結果として主なものを申し上げますと、スタート地点とゴール地点を逆にし、千舟町から大街道を通り一番町へ向かうコースに変更することで、踊る距離の延長や給水ポイントの増設を行うほか、光と映像のショーも実施する堀之内会場への移動もスムーズに行われるようになり、より一層の盛り上がりを演出できるよう工夫いたしました。また、最終日には東京ディズニーリゾート・スペシャルパレードが盛大に開催され、若い世代や家族連れといった幅広い層に参加していただけるものと思います。さらに、今回は主な踊り手を中学生以下とするこども部門を創設するほか、小学生を対象として松山まつりをテーマに絵やイラストと俳句を融合させた俳句アートコンテストを実施するなど、歴史ある松山まつりの伝統や文化的価値を次世代へ継承するための取り組みにも力を入れます。また、松山まつりは雨天の場合でも決行することにしておりますが、警報の発表や落雷など、重大な災害が起こるおそれがある場合には、踊り手や観客の安全確保を第一に、迅速な判断を行った上で適切に運営していきたいと考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 2つ目に、野球拳おどりの普及について伺います。関係会合では、さまざまな催しも大事であるが、やはり祭りの核心は踊りであるとの御意見もあり、私ももっともだと思った次第です。そこで、お尋ねします。親しみやすく全国的にも有名な野球拳、さまざまな自治体や団体がAKB48のフォーチュンクッキーを踊ってインターネットで動画配信していたのは記憶に新しいところですが、野球拳おどりも負けず劣らず大変親しみやすい踊りであると思います。しかしながら、松山まつりの核をなすこの野球拳おどりを市民の誰もが踊れるかというと、そうでもないようです。そこで、松山市民なら誰でも踊れる、市民に愛される野球拳おどりとなるために、学校を初め各種団体などでも取り扱ってはどうか。またインターネットなども活用して野球拳おどりの普及を図ってはどうかと思いますが、御所見をお示しください。 ○清水宣郎議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 野球拳おどりは松山が発祥とされる野球拳をもとに街頭踊りとして振り付けされ、45年前から松山まつりに取り入れられた経緯があります。以来関係者が中心となってその普及に努める中で、同じく45年前にスタートした野球拳全国大会とともに、春と夏の一大イベントとして定着し、例年たくさんの踊り手と観覧客でにぎわっています。そして、当日の模様はマスコミやテレビ番組などで取り上げられ、ケーブルテレビでは約3カ月にわたり繰り返し放映されるなど、野球拳おどりについては映像を通してごらんいただいている方も多いと思います。一方、学校やPTA、各種団体が協力して行う地域の夏祭りでは、野球拳おどりも取り入れ、多くの子どもが踊りに参加することで次の世代に引き継げるよう取り組んでいる地域もあります。今後は野球拳や野球拳おどりが松山を代表する郷土芸能として幅広い年齢層に定着できるよう、インターネット動画配信などの手法も含め研究していきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 今の御答弁に対して、学校でいかがでしょうか。 ○清水宣郎議長 平野産業経済部長。 ◎平野陽一郎産業経済部長 学校では、既に総合的な学習の時間や文化祭での体験活動に地域に根差した郷土芸能を取り入れておられ、それらの活動を継続することも大切でありますことから、野球拳おどりにつきましては、それぞれ学校の実態に応じた取り組みに委ねたいと考えておりますが、学校やPTAが協力して行う地域の夏祭りには野球拳おどりを取り入れているところも多く、子どもたちも多数参加しているので、子どもから御年配の方まで多くの人たちに野球拳おどりに親しんでいただいているものと考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 吉冨議員。 ◆吉冨健一議員 以上で、質問を終わります。 ○清水宣郎議長 以上で、吉冨議員の一般質問を終わります。 ただいまから午後1時まで休憩いたします。       午前11時43分休憩   ────────────────       午後1時0分再開 ○清水宣郎議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。大亀議員。 〔大亀泰彦議員登壇〕 ◆大亀泰彦議員 フォーラム松山の大亀泰彦でございます。ただいまから一般質問いたします。 私は、先日道後を拠点としてまちづくり活動に御尽力いただいている市民の方から、市に対する提言書をいただきました。まずはその一文を紹介いたします。温故知新、故きを温ねて新しきを知る。私は戦後の発展を知ることが重要だと思い、近代化、さかのぼる、をテーマに道後温泉の歴史探究や源泉めぐり等の活動をしています。戦後復興期の松山では、昭和26年国際観光温泉文化都市に指定されて以降、昭和30年8月に松山城山ロープウエーが開通、同時期に道後温泉内湯施設の整備がなされるなど、松山観光インフラの基盤が整備されました。その当時のことを知っているのは、観光業に従事されている方でも多くはありません。今年度がそういった基盤が整備された60年の節目であり、市民に広く知ってもらえる機会を設けるとともに、学んでもらえる場所をつくり出すことを目的として、関係各所に事業化を提言しています。今回このような活動を通じて道後温泉の点で活動をするより、松山城及びロープウエーや空港と連携し面となって活動できれば、当時の出来事を多角的に捉えることができ、さらにそれをつなぐ導線を意識することにより、これからの導線に関する事業、松山外環状道路、JR松山駅、さらには夢の四国新幹線にも広く市民に関心を持っていただけるのではないかと思うようになりました。そこで、ぜひ松山市には旗振り役を務めていただき、面となって各種還暦行事をとり行っていただきますようお力添えを賜りたくお願いいたします。こういった文面でありました。その他、昭和30年10月、小野地区に陸上自衛隊松山駐屯地が創設され、11月には帝人松山工場が開業、翌31年3月には松山空港では極東航空、今の全日空が初めて民間で旅客輸送を開始しています。当時の新聞記事には、飛行場周辺の住民も複雑な表情で初就航を眺めたという記事があり、相当の反対もあったのだろうと推測できます。さらに、昭和31年3月には、愛媛新聞創刊80周年の記念事業として、戦後10年の復興の軌跡と今後の発展を祈念し、堀之内公園をメーン会場として産業文化松山大博覧会が盛大に開催されました。その他水道施設や幹線道路、都市公園、市営住宅等、さまざまな都市基盤整備が着手、飛躍的に進んだのもこの時期であり、当時の人口は20万弱、今や四国最大の50万都市となった本市の近代化の黎明期と位置づけできるのではないでしょうか。そこで、今回はさきに紹介しました本市の都市基盤や観光等の産業基盤の多くが近代化され、還暦という節目を迎えている今、各種事業の進捗や動向に関して質問いたします。市長を初め理事者各位には、60年後を見据えた前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。 まずは、JR松山駅周辺整備事業についてであります。先日、県が進める新車両基地の整備が、移転先の地盤の軟弱さや文化財発掘作業などの影響で、完成予定が平成27年度から31年度へと大幅に遅延することが明らかになりました。私の認識では、平成29年のえひめ国体には間に合いませんが、平成32年ごろには高架化された近代的な駅ビルや多くの人が集う文化的拠点として、また郊外から市内へのスムーズな交通結節地点として、さらには環境や災害に配慮し、効率的で清潔感あふれる居住地域として県都松山の陸の玄関にふさわしい姿を待ち望んでいたのでありました。改めて事業の進捗について、区画整理事業、駅の高架化事業、駅ビルの改築、駅前広場の整備、車両基地跡地利用の整備、周辺道路整備、さらには路面電車の延伸について、各事業の完成時期の見通しについてお示しください。 次は、車両基地跡地の有効活用についてであります。先日専門委員会等で議論し、パブコメを経て車両基地跡地利用に関する基本構想が公表されました。跡地利用については、平成22年に私も委員として参加させていただいた都市活性化調査特別委員会にて議会の意思として提言を取りまとめました。その提言の主なものは、1つ、活用策を検討する上で徹底した情報公開と市民参画でガラス張りの議論に努められたい。2つ目は、集住と集客、コンパクトシティーの実現に向けて、松山のオリジナリティにあふれ、他市から多く訪れていただけるようなまちづくりに努められたい、というものでした。今回の基本構想の内容はどのようなものか。 また、議会からの提言についてどのようにお応えいただいたのかお示しください。 次は、松山外環状道路についてであります。同道路は、国道11号から国道33号、国道56号、さらには国道437号を経て国道196号まで結ぶ地域高規格道路であります。昨年井門インターから古川インターが、ことし3月には市坪インターから余戸南インターが開通し、28年度中には古川インターから市坪インター間が開通し、松山インターから国道56号につながり、いわゆる松山インター線が全通する予定であると認識しています。また、並行して56号から県道新空港通りまでの空港線についても、余戸や垣生地区の景観も付近を通るたびに住宅地が更地になり、巨大な橋脚が立ち並ぶなど、激変しており、着々と工事が進んでいるように感じています。インター線開通により市内流入の交通量が分散化され、国道33号や南部環状線の交通量が緩和され、常態化している天山交差点や旧空港通り付近等の渋滞が解消されることにより、物流の円滑化等による経済効果や環境負荷の低減、路線バスの定時性の確保等による市民生活の利便性の向上の効果が期待されますが、部分開通後の実績も勘案し、改めてどのような効果が期待されるのかお示しください。 一方、インター線は大規模なコンサートや大会が開催される坊っちゃん球場や武道館、競輪場を有する中央公園があり、イベント開催時には渋滞が常態化しています。さらに、インター線開通後は、市外や県外客を中心にマイカー利用もふえることが予想されます。パーク・アンド・ライドやバスやタクシー、JR等の公共交通機関をもっと有機的に利活用すべきと考えます。そこで、お伺いします。中央公園付近の渋滞の現状及びインター線開通後の渋滞予測並びに対応についてお聞かせください。 また、松山空港までの開通時期、その他未着手となっている国道11号から33号並びに県道新空港通りから196号についての事業の見通しをお聞かせください。 次に、空港・港湾整備についてお伺いします。まずは、松山外港地区港湾整備事業に関してであります。当事業は、平成6年に事業が始まり、現在水深13メートル、4万トン級の船舶が来る接岸可能な港を整備しており、27年度事業完了ということで、最終局面を迎えております。また、当事業は国直轄の大型公共事業であり、その是非が厳しく問われ、見直される中、事業主体である国としても、刻々と変化する社会情勢を勘案し、定期的な事業評価を公表するするなど、説明責任を果たしながら進めてきました。私は、自由貿易時代に入り、産業競争力の強化やモーダルシフトによる環境面、さらには東日本大震災を教訓とした防災面等、多面的な効果を期待し、必要との理解のもと、そういった事業評価もチェックしつつ、当事業の進捗を注視してきました。と同時に、巨費を投じ完成した施設が、待てども待てども船が来ないといった巨大な釣り堀とならないように、ポートセールス等の充実を議会や委員会で訴えてきました。そこで、目に見える実績を期待し、以下質問をします。まずは事業の進捗、国の直近の事業評価、総事業費、本市負担額についてお示しください。 次は、同じく国直轄事業で、松山空港耐震化工事についてであります。当事業は、数年以内には高い確率で発生が予測されている巨大地震に備えて、松山空港滑走路の耐震化を図る事業と理解しております。県としても最重要課題の一つと認識し、ここ数年国への予算要望の最上位に位置づけています。東日本大震災では、仙台空港の滑走路が巨大津波に襲われ、何日間も機能不全に陥るといった衝撃的な光景は記憶に新しく、現在も脳裏に鮮明に焼きついています。早期完成を望むところであります。そこで、お伺いします。事業の概要と完了時期、総事業費、本市負担額についてお示しください。 関連し、空港の民営化についてお伺いします。国においては、行革の一環として松山空港を含め国が管理する地方空港を民営化する方針を打ち出しています。現在仙台空港が2016年度から、福岡、高松空港が18年度を目途に民営化を進めているとされ、さらには松山空港も次の候補とされております。民営化になれば経費の圧縮、発着料値下げ等、営業力の強化による路線の拡充が容易となり、地域経済の活性化が期待できます。しかし、一方では、滑走路やターミナルビル、駐車場等、広大な施設の一体的な維持管理が可能か、あるいは一番大切な安全性が確保できるのかといった懸念も感じるのであります。そこで、お伺いします。国が考える空港民営化の中身について、想定されるメリットとデメリットについて、さらには松山空港の民営化の見通しについて御見解をお示しください。 この項の最後は、空港・港湾の施設利用の促進についてであります。両施設とも県や市、関係団体とで組織する、空港は松山空港利用促進協議会が、港湾は松山港利用促進協議会がそれぞれ一体的に担っているものと理解しております。空港については、ここ近年台湾便を初めとする国際チャーター便やLCCの就航、駐車場の拡張により発着旅客数が増加傾向にあるものと認識しております。また、港については、13メートル岸壁完成に備え、ガントリークレーンの増設等により、現在強いられている二次輸送の解消に向けた受け入れ体制の環境整備も着々と進んでいるものと理解しており、今後はさらなる営業力の強化が期待されます。そこで、お伺いします。両団体の活動内容、両施設の利用状況について、今後の施設利用促進に向けての目標数値や具体策についてお示しください。 次は、中心市街地の活性化についてであります。堀之内から花園町、そして市駅、まつちか、銀天街、大街道、ロープウエー街、そして道後へと点をつなぎ線として地域に回遊性を持たせ、さらに周辺へと面として広め、中心商店街を核としたまちの再生と新たなにぎわいの創出を目指そうとする施策は、野志市長の掲げる、たからみがきのまちづくりの重点施策と認識しています。今議会においても、花園町のファサード整備、銀天街L字地区の再開発、一番町地区における民営駐輪場整備、道後地区での椿の湯改築や道路・駐輪場整備、大街道商店街でのソフト事業、立地適正化計画の策定等、関連予算が計上されております。まずは、中心商店街の現況についてお伺いします。通行量や消費額、空き店舗率のここ5年間の推移はどうなっているのかお示しください。 次は、銀天街L字地区の再開発についてであります。昨日の栗原議員さんも質問されましたが、一部かぶるところもありますが、質問したいというふうに思います。同地区は本市の中心商店街の背骨である2核2モールの中間点、にぎわい創出の結節点としての役割を担ってきました。しかしながら、大手スーパーの撤退後、建物の老朽化も進み、一時期大型商業施設の建設計画が持ち上がったものの、県外の大手スーパーが進出を取り下げ頓挫しましたが、再開発を望む市民の声も数多く聞こえてきます。そこで、お伺いします。今議会では同地区の再開発に関する予算案が示されていますが、地元協議会のメンバー、活動内容、基本計画を策定する範囲と計画策定の工程表、市の立場や役割はどうなのかお示しください。 さて、2008年に閉館し、再開発が期待されて久しい一番町のラフォーレ原宿・松山店跡地については、御案内のとおり、13階建て再開発ビルとしての工事が進んでおり、この8月8日にホテルが先行オープンし、先月マスコミ報道にもあったように、同月26日にアエル松山として全館オープンする予定となっております。また、それにあわせてアーケードの改修等、大街道入り口の周辺整備も急ピッチで進んでいます。また、本議会冒頭で市長の挨拶にもありましたように、観光客数は増加傾向にあり、昨年の外国人観光客数は過去最高を記録しました。一方、若い人中心に人の流れが大きく変わったと言われているエミフル松前や、今治にも来春四国最大の飲食施設を有するイオンがオープンする予定であります。また、近県の岡山県倉敷市では、若者や女性に人気の高い美観地区に併設する形で西日本最大規模のアウトレットモールが2011年にオープンしました。高速道の整備にあわせ、さまざまな営業活動を展開する中で、今や山陽地域のみならず、四国や山陰地方までが商圏となっているとのことであります。このように、地域間競争が激化する中、ハード整備と同時に観光客や近隣自治体からの誘客戦略も大切になってこようかと思います。御所見をお示しください。 次は、四国遍路についてであります。八十八カ寺を観光バスで回る巡拝バス1号が松山から出発したのが昭和28年であり、四国遍路が観光事業として定着しつつあったのも昭和30年代初頭であり、まさに信仰に観光というエッセンスが加わって還暦期を迎えています。60年の変遷を経て巡礼の形態は、徒歩は変わらないけれど、団体ツアーでのバス、タクシー、マイカー、バイク、最近では愛媛県が力を入れているサイクリングの影響で、自転車道の整備に伴い自転車でという方も随分とふえているように思います。また、巡礼の目的も、信仰はもとより、観光、癒やし、自分探し、さらには最近では俳句を詠みながら霊場をめぐるといった吟行というスタイルにもにわかに人気が出ているそうであります。特に松山は俳句のまちであり、こういった選択肢を情報発信することで観光振興に生かしていくのも大切な視点かなと思います。さて、四国遍路は昨年開創1200年を迎え、年間通じてさまざまなイベントが四国各地で切れ目なく行われました。旅行業者によると、お遍路ツアーも例年になく盛況であったと伺っています。そこで、昨年の年間の巡礼者数、年代や性別、最近顕著化している外国人の数、経済効果について、近年の傾向値もあわせお示しください。 さて、この4月、四国遍路は文化庁から日本遺産として全国18件の一つとして認定されました。日本遺産とは、その名称から、世界遺産の日本版と捉える方も多いかと思いますが、一説には、東京オリンピックを見据え、訪日観光客数の増加を目指す国の成長戦略の一環と伝えられており、世界遺産とは少しニュアンスが違うのかなと感じております。そこで、お伺いします。日本遺産について基本的な知識として、その概要及び世界遺産との違いについて、今回四国遍路が選定された理由、選定されたことによる国からの支援内容及び取り組み内容についてお示しください。 最後に、世界遺産化に向けた取り組みについてであります。さきの3月議会で宇野議員が質問されており、それを踏まえてさらに議論を深めたいと思います。現在四国遍路、正式名称は四国八十八箇所霊場と遍路道は、暫定リスト候補のカテゴリー1aに当たり、当面の目標として、平成28年に暫定リスト入りを目指しているものと理解しております。また、文化庁から課題として指摘されている点が大きく2点、顕著な普遍的価値の証明と四国全域に及ぶ霊場と全長1,400キロメートルの遍路道の文化財指定と保護であり、学術的にも財政的にも大変高いハードルであると認識しております。そこで、お伺いします。暫定リスト入りに向けての役割分担やスケジュール、本市の役割についてお示しください。また、本市には四国内の自治体で最大の8カ寺の霊場と相当キロの遍路道を有しております。その調査や文化財指定・保護措置の方法・手順、進捗状況についてもお示しください。 最後の質問です。さきに紹介した提言書をいただいた市民の方は、言いっ放しではなく、みずから動き汗をかいていただいております。昨日愛媛新聞に関係団体の総会で道後温泉内湯60周年の記念式典の実施が決定されたとする記事が載っておりました。また、国際観光温泉文化都市シンポジウムの開催実現の見通しも立ってきているように伺っております。さらに、郵便局や松山空港、自衛隊にも働きかけて何らかの取り組みの検討がなされているように伺っております。ちなみに60年前の松山市は、財政再建法の適用を受けて台所事情も含め極めて困難な時期でありました。そういった中、大局を見据え、今につながる繁栄の礎を築いてこられた先人の御尽力に敬意を表しますとともに、当時を振り返り、今後のまちの将来像をともに考えるような機会があればいいなと私は強く感じたのであります。特に松山城ロープウエーは市有施設であり、城は市民のシンボルであることから、観光振興や市民の郷土意識を高めるという面からも、少なからず効果があるものと認識します。そこで、お伺いします。本市としてもそういった志のある市民や市民団体と連携し、近代化還暦の節目行事の取りまとめ、あるいは各所への働きかけや支援をしてはどうか提案し、その御所見をお伺いします。 60年後といえば私はこの世にいないと思いますが、四国遍路が世界遺産となり、四国新幹線が開通し、空港や港湾が整備され、国際的なハブ港となり、国の内外からたくさんの人や物が行き交い、名実ともに国際観光温泉文化都市としてさらなる発展を遂げている、そんな将来像を期待するとともに、子や孫たちに我々が生きる今がその基礎となった時期であったと評価されるよう、これら事業にしっかりと取り組んでいただくことを願い質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○清水宣郎議長 これより、答弁を求めます。野志市長。 〔野志克仁市長登壇〕 ◎野志克仁市長 大亀議員に、私からはJR松山駅周辺整備についてのうち、まず車両基地跡地利用に関する基本構想の内容についてお答えいたします。 松山駅周辺地区は、県都松山の陸の玄関口として50万都市にふさわしい都市基盤の整備と魅力あるまちの実現が望まれており、本市は愛媛県によるJR松山駅付近連続立体交差事業などと一体的に、土地区画整理事業を初めとする松山駅周辺整備事業を進めております。本市が取得予定の車両基地跡地の活用は、当地区のまちづくりを先導する大切な役割を担っていますので、ことし5月基本構想を策定しました。この基本構想は、市民が主体になって新たな松山らしさをここでつくり、発信するために求められる役割を示したもので、基本理念を松山情報文化交流拠点としています。そして、その理念を実現するため、駅前立地を生かし、松山の情報文化を体験できることや、松山らしさを情報発信することなど4つの基本方針を掲げ、文化創造、にぎわい交流、防災など5つの主要機能をホールや広場といった交流スペースを設けることで相互に連結し、相乗効果を生み出す基本的な施設の姿を示しています。今後この基本構想をもとに施設の具体的な規模や機能及び設備などを検討し、将来にわたって必要とされる施設をつくりたいと考えております。 次に、議会の提言内容の反映についてお答えいたします。いただいた提言のうち、1点目の徹底した情報公開と市民参画でガラス張りの議論に努めることについては、車両基地跡地の利用に関する審議会で、学識経験者や関係団体などに加え、公募による市民がワークショップ形式により、構想初期から活発な検討を重ねていただき、基本構想案についてはパブリックコメントを実施し、38名の市民から189件の意見をいただきました。そのほか本事業では、シンポジウムの開催や大学祭に説明用のブースを設けるなど、さまざまな形で市民参画を図っており、これらの活動や経緯はホームページに掲載し、周知と情報公開に努めております。2点目の松山のオリジナリティーにあふれるまちづくりに努めることについては、基本構想の理念及び方針で松山らしさを発信する拠点を目指すこととしており、その方針に沿って取り組んでまいります。3点目の有力な公益施設の移転候補地としての具体的な検討については、基本構想で他の公共施設との役割分担を明確にし、相互に連携を図ることとしており、現在策定中の松山市公共施設再編成計画と整合性をとりながら今後具体化へ向けた検討を進めてまいります。4点目のJR四国の利用促進策への支援と相乗効果の高まる跡地利用については、基本構想で一体的なまちづくりを進めるために相互連携が必要とされており、県やJR四国を初め、広く市民の意見を聞きながら、オール松山で検討していきたいと考えております。 そのほかの質問につきましては、関係理事者からお答えいたしますので、よろしくお願いいたします。 ○清水宣郎議長 矢野総合政策部長。 〔矢野大二総合政策部長登壇〕 ◎矢野大二総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長 大亀議員に、四国遍路及び近代化還暦の節目についてお答えいたします。 まず、四国遍路についてですが、これまで景気の低迷とともに減少していたお遍路さんの数は、近年の遍路やおもてなし文化に対する関心の高まりにより増加に転じ、特に昨年は四国霊場開創1200年ということもあり、国内だけでなく海外からも多くのお遍路さんが訪れ、大きなにぎわいを見せました。そうした中、巡礼者数30万人とも言われるお遍路さんですが、歩き遍路やバスツアー、自家用車の利用など、昨今の巡礼方法の多様化や1番札所には多数の方が来場するなど、札所により事情が大きく異なっていることから、年間の巡礼者数、年代や性別、経済効果などについてはいずれも公的な統計数値としてお示しすることは困難な状況です。 次に、日本遺産についてお答えいたします。まず、日本遺産の概要及び世界遺産との違いについてですが、日本遺産は地域の歴史的魅力や特色を文化・伝統を語るストーリーとして認定するもので、文化財そのものが認定されるわけではありません。また、日本遺産が観光誘客等を通じて地域の活性化を図るものであるのに対し、世界遺産は顕著な普遍的価値を有する文化遺産及び自然遺産を人類全体の遺産として保護・保存するものです。 次に、四国遍路が日本遺産に認定された理由及び国からの支援についてですが、遍路文化は国籍や宗教・宗派を超えて誰もがお遍路さんになれる世界に類を見ない文化であり、また今回のストーリーが地域の活性化や観光振興に資することが高く評価されたものと考えています。そして、この認定により、情報発信や人材育成を初め、普及啓発、周辺環境整備等に対して国の財政的な支援が得られることになっています。今後の取り組みとしては、ことし5月に四国4県を初め関係市町村や関係団体などで四国遍路日本遺産協議会が設立されたところであり、多言語化ホームページの開設やパンフレットの作成、大都市圏での展示会の開催、八十八箇所共通の説明板の設置など、日本遺産の魅力発信を計画的かつ効果的に実施することにしています。 次に、世界遺産の暫定リスト入りに向けた取り組みについてお答えいたします。まず、役割分担についてですが、四国八十八箇所霊場と遍路道世界遺産登録推進協議会には、普及啓発、受入態勢の整備、普遍的価値の証明、資産の保護措置の4つの部会が設けられており、本市が所属している受入態勢の整備及び資産の保護措置部会では、遍路道案内表示シートの設置や構成資産の保護手法の検討などを行っているところです。今後のスケジュールについてですが、暫定リストへの登載に向け、ことし7月には推進協議会としての素案を作成し、学識経験者の意見も踏まえた上で、平成28年には文化庁に正式な提案書を提出する予定です。 次に、市内にある霊場や遍路道の調査などについてですが、霊場や遍路道の調査は、推進協議会の方針に基づき、県と関係市町が連携し順次行われているところであり、現在愛媛県内では西条市の60番札所横峰寺の調査が終わり、41番の龍光寺、43番の明石寺、65番の三角寺を実施しているところです。また、遍路道については、讃岐街道や土佐街道など歴史の道とあわせて調査が行われ、ことし2月に遍路道と霊場周辺一帯について文化的景観候補地の選定報告がなされたところです。今後、推進協議会から保護措置の方法や手順が示されますので、国史跡・名勝などの文化財指定に向け、県や関係機関と連携しながら取り組んでいくことにしています。いずれにしましても、世界遺産登録へ向けた取り組みは決して容易な道ではありませんが、世界に誇る大切な宝として後世に引き継いでいくためにも、関係者が一丸となり取り組んでいきたいと考えています。 次に、近代化還暦の節目についてお答えいたします。本市では、多くの先人たちが築き上げてきた貴重な有形・無形の資源を活用したまちづくりに取り組む中で、これまでにも周年等の節目に合わせた各種記念事業を実施してきました。そうした中、昨年は瀬戸内海国立公園指定80周年、道後温泉本館改築120周年、四国八十八箇所霊場開創1200年という3つの節目が重なる年であったことから、地域に根づくおもてなし風土を生かしながら、松山の魅力に磨きをかけ、積極的な情報発信を行ったことで多くの観光客に松山を訪れていただきました。特に道後温泉周辺では、伊佐庭如矢の顕彰企画展の実施や国際芸術祭・道後オンセナート2014の開催など、本市の歴史や先人の功績を振り返るとともに、新たな道後の魅力を実感していただけたものと考えています。御質問の中で示された松山空港での民間会社の旅客輸送の開始や帝人松山工場の開業、道後温泉内湯施設の整備などは、いずれも松山の近代化の礎を築いたものです。それぞれは還暦の節目を迎えますが、そのことをもって本市全体として今年度を近代化の還暦と明確に位置づけることは難しく、行事の取りまとめについては現在のところ考えておりませんが、地元や民間が行う事業について、可能な支援、協力をしていきたいと考えています。なお、本市としては、城山ロープウエーが運行60年を迎えるに当たって、松山まつりの50回記念とあわせ石垣や登山道のライトアップ、ロープウエーの夜間営業といった夜の松山城の魅力発信に向けた取り組みを予定しています。今後とも市民の皆さんと一緒に松山の歴史や文化などを見詰め直すとともに、将来のまちづくりについてしっかりと考え、どんな困難な時代でも先人たちが守り発展させてきたこの松山を未来の子どもたちへ確実に引き継いでいきたいと考えています。 以上でございます。
    清水宣郎議長 山崎都市整備部長。 〔山崎裕史都市整備部長登壇〕 ◎山崎裕史都市整備部長 大亀議員に、松山外環状道路整備及び空港・港湾整備についてお答えします。 まず、インター線開通の効果についてですが、部分開通後、交通の分散化により国道33号南行きの渋滞が710メートルから280メートルへ約6割緩和され、国道33号での交通事故が30件から22件へ約3割減少し、安全性が向上しています。今後空港までの全線が開通することで主要施設へのアクセス向上はもとより、さらなる渋滞緩和、交通事故の減少など、当初想定した効果があらわれるものと期待しています。 次に、松山中央公園付近の渋滞の現状及びインター線開通後の渋滞予測と対応についてですが、大規模なイベント開催時には国道56号にも渋滞の発生が見られますが、インター線の開通による大幅な時間短縮や外環状道路からの進入口がふえることで交通の分散化が図られ、国道56号の渋滞も緩和されると考えており、加えて公共交通機関の利用を促進し、さらなる渋滞緩和を図ることとしています。 次に、空港までの開通時期についてですが、現在空港滑走路東側付近から新空港線までの区間で地元説明会や用地交渉の準備を行っている状況であることから、全線開通の時期は未定ですが、平成29年のえひめ国体開催時には松山インターと松山空港間について、外環状道路の側道と既存の幹線道路を利用した円滑な交通の確保が図られるよう事業進捗に努めることとしています。 次に、国道11号から33号、空港から国道196号の見通しについてですが、既に都市計画決定されている国道11号から33号までの間は、関係市町で国や県に対し早期事業化に向け積極的に要望しています。空港から国道196号までの間については、地域高規格道路の調査区間に指定されていますが、現時点では構想段階であるため、国・県・市で調査研究を行っている状況です。 次に、空港・港湾整備のうち、松山港外港地区港湾整備事業についてですが、事業の進捗については、平成26年度末の進捗率は93%で、マイナス13メートル岸壁は今年度に完成し、平成28年度から供用開始される見込みです。また、国の直近の事業評価は、平成26年12月に第三者委員会によって行われ、事業継続が妥当であるとの判断を得ており、その際の投資効率性を示す指数は1.3となっています。なお、国が事業評価に際して公表した総事業費は約402億円で、市の負担額は県施工の関連工事も含め約108億円となる見込みです。 次に、松山空港耐震化事業についてですが、南海トラフ巨大地震を想定した液状化対策は、平成26年度までに完了しています。また、耐震化対策は、今年度から滑走路下の地下道耐震補強工事と2,000メートル滑走路当時の護岸部分について調査設計を行う予定と伺っています。さらに、海側に延伸された500メートル部分の護岸については、国に対し早期事業化を要望しています。このようなことから、耐震化事業の完了時期や総事業費については未定となっていますが、松山空港における国直轄事業の場合、市の負担は事業費の約5%とされています。 次に、空港民営化についてですが、滑走路やターミナルビル、駐車場などを民間資金やノウハウを活用し一体的に維持管理することで経営の効率化や利用者へのサービス水準が向上するメリットなどが想定される一方、利益につながらない安全面への投資に対する懸念や効率化の名目で地域の声が反映されないおそれなどのデメリットが考えられます。そうしたことから、現在のところ他空港の動向を国、県、空港ビル株式会社などの関係機関と注視し、情報共有しており、民営化の是非も含めて白紙の状況です。 次に、施設利用促進についてですが、松山空港利用促進協議会では、空港の認知度向上のためのイベント開催や国内外の各航空会社に路線の維持拡充の要望、国際線の利用者に対する駐車場料金などの財政支援を行っています。また、松山港利用促進協議会では、東京や関西及び県内の荷主企業に対するPR活動を行っているほか、新たな荷主等に輸送費の一部を補助し、集荷拡大を図る松山港利用促進インセンティブ事業等を行っています。次に、空港等の利用状況についてですが、松山空港の発着旅客数は、平成21年度の約236万人から平成26年度は約44万人増加し、過去最高の約280万人となりました。また、松山港のコンテナ貨物取扱量は、長さ20フィートに換算すると平成21年度の約3万TEUから平成26年度は約1万2,000TEU増加し、約4万2,000TEUとなりました。次に、目標数値や具体策については、第6次愛媛県長期計画では、平成26年度の松山空港の利用者数を260万人に設定しましたが、平成25年度に達成したため、新たに平成30年度の目標値を285万人としています。また、松山港については、当面年間4万5,000TEUの国際コンテナ貨物の取り扱いを目標としていますが、今後マイナス13メートル岸壁やガントリークレーン増設など、港湾機能強化が進められることとなっており、完成後の取扱量増加に期待を寄せているところです。今後も引き続き、現在の利用促進活動を継続するとともに、さらなる充実について各協議会に要望していきたいと考えています。 以上でございます。 ○清水宣郎議長 柳原開発・建築担当部長。 〔柳原 卓開発・建築担当部長登壇〕 ◎柳原卓開発・建築担当部長 大亀議員に、JR松山駅周辺整備及び中心商店街活性化についてお答えします。 まず、JR松山駅周辺整備の各事業の完成時期の見通しについてですが、先般愛媛県が取り組んでいるJR松山駅付近連続立体交差事業に関して、新車両基地・貨物駅の移転時期を平成27年度末から31年度中とし、事業全体の完成はこれまでどおり32年度を目標に進めるということが愛媛県から公表されました。これを受け本市では、土地区画整理事業及び駅前広場の整備に及ぼす影響を検討した結果、工事の工程の見直しはあるものの、完成時期は県の鉄道高架事業と同様に、平成32年度を目標としています。周辺道路の整備については、中之川通り線は一部区間で既に事業着手し、本町宝塔寺線は高架事業に関連する区間の事業認可取得に向け準備を行っています。また、愛媛県が整備する松山駅西口南江戸線についても、事業認可に向け準備を行っていると伺っており、その道路内に本市と鉄道事業者が協力して延伸する路面電車については、道路整備にあわせて事業化してまいります。車両基地跡地利用の整備については、今後基本構想に基づき具体的な規模や機能及び設備などを明らかにした基本計画を策定し、跡地の取得を行ってまいります。これら周辺の道路や跡地利用の整備及び駅ビルの改築の完成時期については、鉄道高架事業・土地区画整理事業の進捗にあわせて取り組む必要があると考えておりますが、現在のところ未定です。 次に、銀天街L字地区再開発のうち、基本計画の策定範囲と工程及び市の立場と役割についてお答えします。まず、範囲についてですが、銀天街と大街道が交差する付近を中心とし、千舟町通りや中之川通りなど2車線以上の幹線道路で囲まれた約4.5ヘクタールの区域です。次に、工程についてですが、今後地区の人口動態や交通実態、土地・建物などに関する現況調査や権利者への意向把握を行い、商業や住宅などの適切な施設需要や駐車場や駐輪場、広場など必要な都市機能についての調査・検討を行うことにしており、今年度中の計画策定を目指したいと考えています。次に、市の立場や役割についてですが、平成25年3月に策定した中心地区市街地総合再生基本計画では、L字周辺を一番町交差点周辺、松山市駅周辺と並ぶ重要な拠点空間と位置づけ、再開発を中心とした建物更新により魅力ある商業核に加え、駐車場や駐輪場、広場など、街を訪れる人を受けとめる機能を一体的に創出するほか、都心居住機能の導入も進める方針としています。中心市街地の再生には、地元、民間事業者、行政が協働し、将来ビジョンを共有しながらまちづくりを進めることが重要ですので、今後市が策定する基本計画の中でL字地区の再開発の方向性を示すとともに、地元協議会を中心とした再開発に関する機運醸成や調査研究活動が相互に連携し、車の両輪となって官民連携による再開発を推進していきたいと考えています。 以上でございます。 ○清水宣郎議長 平野産業経済部長。 〔平野陽一郎産業経済部長登壇〕 ◎平野陽一郎産業経済部長 大亀議員に、中心商店街活性化のうち、中心商店街の通行量や消費額、空き店舗率について及び銀天街L字地区再開発についての中の地元協議会のメンバー及び活動内容と観光客や近隣自治体からの誘客戦略についてお答えします。 まず、通行量については、中心商店街である大街道、銀天街及びまつちかタウンにおいて計8カ所のポイントを定め毎年調査をしています。5年前の平成22年が14万1,446人に対し、平成26年は12万8,324人であり、約1割減となっています。次に、消費額についてですが、経済産業省の商業統計によれば、平成19年の大街道商店街及び湊町商店街の年間商品販売額は583億2,400万円となっています。また、平成26年の年間商品販売額は来年3月以降の公表予定となっていますので、平成19年の商業統計をもとに中心商店街内の大型店舗の推移を参考に算出しますと約420億円となり、平成19年と比較すると約28%の減となります。次に、空き店舗率についてですが、中心商店街である大街道、銀天街、まつちかタウンには429の店舗がありますが、平成22年からの推移を見ていきますと、平成22年が13.1%、平成23年が11%、平成24年が11.3%、平成25年が11.9%、そして平成26年が11.8%となっています。 次に、銀天街L字地区再開発のうち、地元協議会のメンバー及び活動内容についてですが、メンバーはL字地区内の土地所有者、借地・地上権者、建物所有者などで構成されており、現在の会員数は約80名です。また、活動内容としては、銀天街及び大街道のにぎわいとL字地区の繁栄を実現するために地元が考える再開発構想を検討するとともに、権利者間の合意形成や行政等許認可機関との協議など、事業化に向けた調整も行う予定です。 次に、観光客や近隣自治体からの誘客戦略についてですが、松山市は中心部に大街道や銀天街、ロープウエー街などが並び、その周りには多数の飲食店やホテルなどがバランスよく集積されており、観光客の皆様には十分楽しんでいただける環境が整っていると認識しています。また、今回ラフォーレ原宿・松山跡地にホテルやテナントなどの複合施設としてアエル松山がオープンする運びとなり、まちがより華やかになるものと期待しています。さらに、L字地区を中心に再開発に向けた取り組みが始まるなど、まちの魅力とにぎわいの創出に向けた機運は高まっています。このような中、これまで以上に近隣自治体や県外からも中心商店街に来ていただくためには、観光客も視野に入れたより集客力があるテナントの誘致や人の流れを意識した施設整備方針の策定など、中心商店街を点ではなく面として捉え、まち全体のブランド力を強化する魅力あるまち更新が重要であり、本市としても地元と一体となって積極的に取り組んでいきたいと考えています。 以上でございます。 ○清水宣郎議長 以上で、答弁は終わりました。(「議長」と呼ぶ者あり)大亀議員。 ◆大亀泰彦議員 自席から失礼をして再質問させていただきます。 まず、これは再質問ではないんですけど、中心商店街の活性化なんですけど、両部長から答弁いただきまして、基本的には行政と地元と両輪ということでこれから進めていくということで、非常に力強い御答弁いただきましたので、ぜひよろしくお願いいたしたいというふうに思います。 それと、質問に入りますが、矢野部長の答弁です。まず、5-3の世界遺産化の②なんですけど、私がちょっと聞いてるのは、市内にあるということなんですけど、矢野部長の御答弁は非常に丁寧に御答弁いただいたんですけど、その内容については、市内にあるの後ろですね、霊場や遍路道の調査や文化財指定・保護措置の方法・手順、進捗状況についての中、これの内容が県が主導になって三角寺、横峰寺、龍光寺、この3カ寺はやったというような御答弁いただいたんですけど、私が聞きたいのは、市内8カ寺の状況について聞きたいので、再度答弁いただきたいというふうに思っております。 それと、6番の近代化還暦の節目ということで、昨年が四国遍路開創1200年、そして瀬戸内海国立公園80周年と、そして道後温泉本館120周年という節目で、るるいろんな事業をやったということで、改めてこの時期が近代化還暦の年とは認識してないというのが基本的な松山市の考え方だというような御答弁をいただいて、その結果、松山市としてそういう取りまとめはしない。ただ、各所がもしそういう記念事業をやるんだったら協力はやぶさかでないというような内容だったと思うんです。それにひっかけて私は、松山城ロープウエーが市有施設なんで、特にこのロープウエーの60周年というのは、特に松山市として大事なんではなかろうかというような御提案を差し上げたところ、松山でもやると。ただ、これは松山おどりが50周年というようなイベントは企画しているというようなことで、その内容も御紹介いただいたんですけど、結論からいえば、60周年、還暦というような位置づけではやらないというふうな、そういう御答弁でよろしいですか。 この2点よろしくお願いします。 〔「議長」と呼ぶ者あり〕 ○清水宣郎議長 矢野総合政策部長。 ◎矢野大二総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長 自席から失礼をして再答弁申し上げます。 まず、四国遍路の部分ですが、御紹介させていただいたのが60番札所、41番、43番、65番ということでございますけれども、松山市の8寺につきましては、まだ調査に至っていないというふうな状況でございます。 また、還暦の件についてでございますけれども、大亀議員からお示しいただいたそれぞれの内容については、確かに近代化の礎を築いたものであるというふうに思っています。ただ、今年度松山市が近代化を踏み出した一つの節目というふうなことの一つとは考えておりますけれども、近代化に踏み出したということにつきましては、それぞれいろんな取り組みあるいは考え方もあろうかと思ってます。例えば、昭和24年では、例えばの例で申し上げますと、市制施行60周年の記念事業として産業復興松山大博覧会、そうしたものとか、昭和26年には松山観光温泉文化都市が住民投票で成立、可決した。こうしたさまざまな近代化に踏み出したというふうな節目が松山市にはあろうかと思いますので、そうしたことをもって今年度が還暦というふうなことに位置づけるというのは難しいというふうなことでお答えさせていただきました。そして、城山のロープウエーにつきましては、60年に当たるということで、記念イベントをやっていこうというふうな考え方でございます。 以上でございます。 〔大亀泰彦議員「はい、了解です。」と呼ぶ〕 ○清水宣郎議長 以上で、答弁は終わりました。 以上で、大亀議員の一般質問を終わります。 次に、岡田議員。 〔岡田教人議員登壇〕 ◆岡田教人議員 自民党議員団の岡田教人でございます。一問一答方式にて質問いたしますので、市長初め理事者の皆様の明快なる御答弁をお願いいたします。 長年日本経済を苦しめてきたデフレが克服されつつあり、日経平均株価2万円超え、ことしの春闘において昨年を上回るベースアップなど、にぎやかな話題が踊っている昨今ではありますが、皆口をそろえて言うことは、地方にその恩恵が感じられないということです。その影響が如実にあらわれている数字が、先日内閣府より公表されました。その調査によると、2012年度の1人当たりの県民所得は、26都道府県で前年度より増加する中、愛媛県は247万円と、前年度比7.1%の減で35位、さらに実質経済成長率は25都道府県でプラス成長の中、愛媛県が最も低く、マイナス5.9%でありました。この事実を真摯に受けとめ、真剣に取り組むべきは愛媛県なのか、中核市である松山市が考えていくべきなのか、私は言うまでもないことだと思っております。6月2日公表の広域連携都市に本市が選ばれました。伊予市、松前町など3市3町と連携し、地方版総合戦略の動きと並行して推進していくことになっております。民生費が膨れ上がり、地方交付税措置も見直される中、国の方向性待ちの相変わらずの姿勢では、全てが絵に描いた餅になりかねない。これまで人口減少社会への対策を打たなければならないと当議会で訴えてまいりました。このたび松山市議会において地方創生調査特別委員会を設置し、都市部から地方への人の移動及び交流人口の拡大、社会増減の現状を打破するためにさまざまな提言を取りまとめることとなりました。松山市地方創生懇話会の議事録、人口ビジョン及び総合戦略骨子の案などを見ておりますが、従来どおりの住民サービスを拡大するだけでは何も変わらない。思い切った革新的な施策を打ち出すしかないと思っております。47都道府県、政令指定都市20市、松山市を除く中核市44市、ほか魅力ある地方公共団体が数多くある中で、どれだけの方が松山市に魅力を感じて振り向いてくれるのか。高校、大学を卒業後松山市に住んでもらえるのか。そのハードルは高く険しいものです。愛媛・松山に愛着やゆかりがある方々は別にして、全く無縁の方々に対してはなおさらだと思います。松山市の魅力を前面にPRし、行政自体に相当な気概がないとその思いは成就しないと考えます。つまり、どこの自治体も変わらぬ金太郎あめのような地方創生ではなく、松山市しかなし得ない特色が鮮明に出るべき政策を打ち出すことが必要なのです。では、革新的な施策を打ち出すためには何が必要か。金太郎あめのような同じ取り組みばかりが並ぶ自治体にならないために何が必要か。それは、みずからの力でパイロット事業が打ち出せる強い力を持つこと、つまり自治体の稼ぐ力・経営センスを持ち、高めることにあると思います。市長の提案説明にもありましたが、2014年に松山市を訪れた観光客は、推定で570万人であり、外国人観光客は台湾との交流事業の拡大などで過去最高を更新しました。また、道後温泉地区のホテル・旅館の宿泊者数は、前年度を大きく上回る約88万7,000人で、過去5年間で最多となりました。大変喜ばしいことであります。このような背景の中、インバウンド等を獲得するための戦略も大変重要ではありますが、並行して私はとにかく行政の無駄を可能な限りなくし、活用できるものは活用する。フレキシブルで無駄のない自治体体質をつくる。地方創生を生き抜くための土台づくりが必要であると考えます。先ほども申し上げたとおり、財源不足であるから足を踏み出せないのでは人口減少に歯どめはかけられません。しかも、総務省は地方交付税の算定方法を見直し、自治体に仕事の効率化を促す方針を固めております。学校給食や公共施設管理などを自前ではなく安価な民間委託をしているとの前提で交付税を計算するという、いや応なしの対応を迫ろうとしております。 そこで、今後はさらに厳しい立場に立たされる行財政運営にどう取り組むべきか。市が保有している不動産について、本来の目的を踏まえつつ、財政的視点に立って見直しを行い、不動産投資の効率性を最大限向上させていこうという考え方は積極的に取り入れるべきではないか。市ではこれまでも主に処分を中心とした財産活用の取り組みを行ってきたが、現状を見るとさまざまな課題があらわれています。遊休財産で言えば、単に遊休財産イコール処分の考え方だけでは、なかなか成果が見出せない状況となっています。今後は資産経営の視点から、保有財産の見直しと並行しながら不動産としての価値を明確にした上で、遊休財産を明確に分類し、スケジュール管理と最良な活用方策を定めることにより戦略的な遊休財産の資産運用も取り組むべきだと考えます。これらの視点から質問させていただきます。まず、先ほどの遊休公有財産についてお伺いします。本市の遊休公有財産の定義について明確な基準をお示しください。それを踏まえて耐震性の問題によるもの、貸付期間の終了によるものなど、今後遊休化されることが想定される施設は幾つありますか、具体的に示すことはできますでしょうか。次に、これまで遊休公有財産については、売却されるなど一定の成果を見せているところではありますが、活用もしくは売却が進まない財産について、今後どのように対応を行うおつもりですか。また、これら遊休公有財産はどのように市民及び民間事業者等に周知されているのか。されていないのであれば、なぜ周知していないのかお示しください。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 1点目の遊休公有財産の定義についてお答えします。本市では、条例、規則等で規定されていませんが、当初の設置目的を終えた行政財産を庁内で組織する公有財産有効活用検討委員会でその取り扱いを検討し、利活用する方針に決定した財産を除いたものを未利用財産と位置づけています。2点目の今後遊休化が想定される施設については4件を予定しており、具体的には、来年度移転する余土中学校の移転跡地、現在建物が取り壊されている旧椿荘跡地、また市道拡張工事に伴って移転、廃止される北条老人憩いの家と北条倉庫があります。3点目と4点目の遊休公有財産の今後の対応と市民等への周知方法については、関連がありますので一括してお答えします。現在遊休財産のうち、直ちに売却する財産については、原則として市の広報紙やホームページ等で周知し、積極的に売却を進めていますが、地理、画地条件が芳しくない物件では売却できていない状態が続いているものもあります。それ以外の、条件が整えば売却する財産及び将来活用が見込まれる財産については個別の対応としており、地元からの要望により一時使用を許可しているものや、活用自体が困難なもの、また将来活用が見込まれるが、その時期が未定のものなど、さまざまな制約があることから、現在のところ市民等への周知は行っていません。今後の対応につきましては、民間事業者等への一時貸し付けも視野に、周知する財産、方法等を含め検討していきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 岡田議員。 ◆岡田教人議員 ありがとうございます。 午前中の吉冨議員の質問にもありましたけども、資産運用の視点で行政の見える化をぜひとも推進していかなければならないと思っておりますので、活用が進まない、売却が進まない資産についても今後積極的に公平公正な立場で周知等をしていただけたらと思っております。よろしくお願いします。 次に、対象を広げまして公有財産の活用についてお伺いします。先般、愛媛県新居浜市において公有地にコンビニエンスストアを誘致し、全国的に珍しい取り組みとして注目を浴びた事案は記憶に新しいものであります。平成19年の改正地方自治法の施行により、行政財産の貸付範囲の拡大により、庁舎等の建物、附帯施設、敷地において余裕がある部分の貸し付けが可能となったことは御承知のとおりです。そこで、お伺いします。貸付範囲の拡大等がなされた改正地方自治法施行以降、自動販売機、電柱、看板以外で松山市において公有財産が民間事業者に活用されている実績はありますか。種類、件数及び得られる収入についてお示しください。公共施設の利用に当たっては、幾つかの法令を遵守しなければなりません。例えば国が市に無償で貸し付けている堀之内でイベントを行う際に、法令の遵守が必要であり、愛媛県公害防止条例、食品衛生法などがあります。その中で騒音対策についてですが、この中で音の大きさの制限として70デシベル以下という制限があります。これは高速走行中の自動車内、騒々しい事務所の中、セミの鳴き声、大きな声というのが70デシベルに該当するようですが、意欲ある者の一歩を踏みとどめてしまう若干厳しい基準に思います。法令遵守をしなくてもいいということではなく、各施設を使用する際の基準が時代に即したものであるか、ある程度緩和されないものなのかと思います。各施設の公有財産の使用に当たり、法令的な制約や基準がありますが、これらを個別に検討または見直して民間等の自由な経済活動の裾野をあらゆる角度から広げるお考えはありませんか、お聞かせください。市内のすぐれた経営者に問いかけたことがあります。行政に何を求めますかと。その方はこう答えました。行政には何もしてほしいとは思わない。強いて言えば民間がすることを邪魔しないでほしい。ちょっと待ってと思うものの、何も言えませんでした。理事者の皆様には、知識、データ、経験が豊富であり、また優秀な職員がいるにもかかわらず、これから地方創生で踏ん張らないといけないときにこれではもったいなく思います。行政主導で行う地方創生ではなく、市民、民間とともにつくり上げる地方創生を忘れてはなりません。それを踏まえて、今後の行政の支援のあり方も考えていかなければならないのではないでしょうか。意欲があっても金銭面、人員面で先に進めない若者やNPO等の地域の活性化を目的に活動する組織に対して、松山市としてさまざまな場面でバックアップしていくなど、松山市が積極的に協働していくお考えはありませんか。官民連携で得られるのは民間のノウハウです。民間事業者の選定には慎重にならなければならないのはもちろんですが、公平性の原則を守る中で、松山市としてしっかりとしたルールを定め、適切ではない事業者を廃するシステムを設ければ、市民ニーズ、民間ニーズの把握のために効率のよい方法として民間の柔軟な発想、タイムリーな感覚から生まれる事業や企画等の提案を受ける窓口を設置するなどの民間事業者提案制度を導入していくお考えはありませんか、お伺いします。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 1点目の公有財産の貸し付けの実績についてですが、平成19年の改正地方自治法施行以降平成26年度までで民間事業者に貸し付けを行っている公有財産は、短期間のものが駐車場や資材置き場など約100件で、収入は約570万円、また1年以上長期にわたるものが、中島病院関連敷地など約20件で、収入は約3,800万円となっています。2点目の民間等の自由な経済活動についてですが、公有財産の使用に当たっては、市民の誰もが安心かつ快適に使用していただく必要があり、各施設の管理条例や松山市行政財産の使用料徴収条例など法的な制限があります。議員御提案の民間等の自由な経済活動を推進することは重要であると認識していますが、市民生活の安全・安心などとのバランスを十分勘案した上で、個々の施設の状況に応じ対応していきたいと考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 唐崎市民部長。 ◎唐崎秀樹市民部長 地域活性化を目的に活動している団体などとの協働についてお答えします。本市では、松山市総合計画の基本目標の一つに、市民とつくる自立したまちを掲げ、地域自治組織や市民活動団体など、地域活性化を目的に活動している団体などとの協働を目指して各種施策に取り組んでいます。これらの団体に対しては、市有施設を使用する際、各施設の規定に従い、無料貸し出しや使用料の減免措置を行っており、本市としましては、市民協働を推進する意味からも、引き続き地域活性化などを目的に市有施設などの有効活用を希望する団体へは可能な範囲で支援を行っていきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 4点目の民間事業者提案制度の導入についてですが、本市では市民サービスの向上を目指し、市民の財産である公有財産の有効活用を図るため、期限を定めての貸し付けを行うなど、効果的かつ効率的な運営に努めてまいりました。一方、将来の少子高齢化の進展や莫大な施設の更新費用が想定されるなど、本市を取り巻く環境は大きく変化しており、これまで以上に市民ニーズに的確に対応できる質の高いサービスの提供と効率的な資産活用が求められています。そうしたことから、議員御提案の民間の柔軟な発想、タイムリーな感覚は重要であると認識していますので、民間の自由で創意工夫に富んだノウハウや発想を生かした公有財産を有効活用する提案制度について、他市の事例も参考に調査研究してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 岡田議員。 ◆岡田教人議員 ありがとうございます。 今回は公有財産の活用の中で質問させていただきましたので、そういう御答弁になったと思うんですが、よくある外国の方が日本に来られて、日本人だったら驚かないところに外国の方がすごい驚かれる、そういったところは皆さんも記憶にあると思うんですけども、行政がこの財産を普通だと思っていることが、民間の人から見てみれば、こんな活用もあるのになというところは多々あると思います。価値観のギャップがあると思いますので、市民部長がお答えいただきましたけども、もっと開かれた、オープンな行政をつくっていただくことが今後松山市に必要なんじゃないかなと僕は思います。 次に、民間委託についてお伺いします。行財政改革の一端を担うアウトソーシングは、これまで多方面にわたり検討・導入されております。行革というのは、今使っている車の数を3台から2台にするというのが単純な行革の考え方。ニーズの多様化による行政サービスの提供に係る負担は相当なもので、財政難により計画を超える職員配置は十分なされない中で、民間の専門的なノウハウを活用させてもらうことで物の行革の視点とは違う適材適所、適切な人員配置が可能となる人の行革となるのではないでしょう。現在松山市では、庁舎清掃、学校給食、保育園、ごみ収集の一部で行政サービスのアウトソーシングがなされております。先進自治体においては、住民票の交付など窓口業務の民間委託に取り組んでいるところもあります。例えば支所での証明書発行業務を銀行に委託すれば、公金収納をあわせて取り扱うことができるとともに、窓口数の増により市民サービスの向上にもつながると考えます。そこで、お伺いします。本市においても窓口業務の委託を検討してみる価値があるのではないかと考えますが、いかがですか。また、他分野のさらなる民間委託の可能性があるかもお示しください。次に、体制についてお伺いします。担当課が個別業務について検討することもよいのですが、市として市の業務を総合的に精査し、アウトソーシングについての方向性を示すべきと考えますが、担当部署を決めて取り組むお考えはないのでしょうか、お伺いします。 ○清水宣郎議長 大町総務部長。 ◎大町一郎総務部長 まず、1点目の窓口業務の委託についての考え、また他分野のさらなる民間委託の可能性についてお答えいたします。民間委託については、行政コストの削減を一層促す仕組みとして、現在国では地方交付税の配分の見直しが進められており、また他の自治体での市民課や税、福祉といった窓口業務での検討・導入が進められています。そこで、本市の窓口業務のうち特に市民課及び支所については、先進的で高い評価を得ているワンストップサービスの安定的な質の確保や22の支所、7つの出張所、また土日、祝日も利用可能な3つのサービスセンターという全国的にも充実した窓口体制が確保できている実情もあり、慎重かつ総合的な判断が必要と考えますが、その他の窓口業務やこれまでに導入していない他の分野でのさらなる民間委託については、国の動向や他の自治体事例を参考にしつつ可能性を探っていきたいと考えています。2点目のアウトソーシングの方向性等、総合的に精査する部署を決めて取り組む考えについてですが、本市では民間委託は過去数次にわたり策定した行政改革大綱やアウトソーシング推進基本計画、そして現在の行政改革プラン2012に基づき、これまで100を超える施設での指定管理者制度の導入や下水道施設、保育所の運営、またごみ収集や学校給食共同調理場の業務、さらに道後温泉本館や椿の湯の入浴券販売業務などで順次進めてまいりました。このことにより、アウトソーシングに対する全庁的な意識は一定浸透していると考えていますが、今後は人事課を中心に、人と仕事、そして組織の一体的な改革を推進していく中で、各担当部署とともに方向性を見出し精査をしていきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 岡田議員。 ◆岡田教人議員 よく議論の中で、コストパフォーマンスがどうたらとかという議論がありますけども、ストレスフリーなまちづくり、そして行政のコストが全く変わらなかったとしても、市民の費やす時間が軽減されるんであれば、それは市民サービスの拡充になると思っておりますので、民間委託を根本からぜひとも本気で考え直していただきたいなと思います。 次に、PPP、パブリック・プライベート・パートナーシップ、わかりやすくいいますと公民連携についてお伺いします。安倍内閣の成長戦略の大きな柱の一つでもある社会資本整備の手法であるPPP、PFIの活用が注目されております。PPPの中に位置づけられているPFI、プライベート・ファイナンス・イニシアチブは、公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るという考えであり、1992年に導入されました。近年、民間資金等の活用による公共施設等の促進に関する法律に基づく基本方針の変更について閣議決定がなされたばかりでもあります。導入に当たっては、多くのメリットがあるものの、慎重にならざるを得ない側面もあります。全ての施設において導入すべきとは言いがたく、事業の実施に当たっては、条件づけや本市の中小企業の参画を妨げることがあってはなりません。かつ深い議論と市民の理解を得なければなりません。そこで、中長期的な計画の中で建てられるもしくは改修される際のコスト面とノウハウを効率よく活用できる一面を持つPFIを含むPPPについて市はどのような認識を持っておられるのか、市の見解を伺います。次に、松山市が過去にPFIの考え方を取り入れた事例はありますでしょうか。あるならばその事業効果についてお示しください。次に、耐震化等により今後10年で建てかえが必要となる市有施設はどれくらいありますか。最近では西予市がJR駅舎の建てかえを行う際に、このPFIを活用すると聞いております。さらに、全国に目をやると、徳島県が老朽化した県営住宅を建て直す際に、福祉施設を併設及び避難施設として位置づけ、PFIを活用し整備しています。これらは人口減少が見込まれる中で、環境や防災等の課題に的確に対応した公共施設の整備を行っているわけです。さらに例を挙げますと、ディズニーランドで有名な千葉県浦安市は、土地柄昼間の人口動態と夜間の人口動態の格差が顕著で、将来の人口動態に課題もあるため、小学校建てかえ時において将来的な児童数減少を見据え、福祉施設等への転用の可能性を視野に入れた施設設計・建設を行っております。PFIは行政の単年度に係る予算が最小限に抑えられ、かつその施設の運営も民間に任せた場合には雇用が生まれることもあり、雇用の創出はこれから空き家対策と並行して都市部からの人口交流を活発化させるためにも必要であることから、本市としても今後加速化させるべき方法ではないかと考えます。これら他市町村の好事例をどう捉えるかお伺いします。今現在、和泉北団地の建てかえ工事が進められていますが、民間資本・ノウハウの活用の視点で行政コストのスリム化を図るのであれば、当該事業こそPFIによるプロジェクトにするべきだったと思います。それを行わなかった理由をお示しください。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 私からは、PPPの1点目、2点目についてお答えいたします。地方分権の進展や人口減少社会の到来などにより、地方を取り巻く環境が大きく変化する中、全国で地方創生に向けた取り組みが本格化しようとしております。本市が幸せを実感できるまちとして今後も発展していくためには、限られた財源と人的資源を最大限に活用しつつ、市民の皆様や企業、NPO団体などの多様な主体との協働や民間活力の活用など、経営的な視点に立って公共サービスを展開することがますます重要になると考えております。そこで、1点目のPPPに対する本市の認識についてですが、PPPは公共施設の老朽化や大規模災害に備えた防災・減災への対応が自治体の課題とされる中、社会資本の整備、維持、更新と、地方財政の健全化を両立させるものとしてメリットがあると考えております。また、民間活力の創出による地域経済の活性化という面からも有効な手段であると認識しています。一方で、公共性と民間企業の採算性の両立や特定の事業者に長期間サービスの提供を委託することによるリスクの管理など、慎重に検討すべき課題もあります。次に、PFIの考えを取り入れた事例とその事業効果についてですが、本市では2件3施設の事例があり、その一つが西クリーンセンターの建設・運営です。当施設はPFIに準じたDBO方式を採用しており、この方式は設計、施工及び運営を一体的に委託するもので、運営期間を20年間として計画的に維持管理することで、従来の公設公営方式と比べ約63億円の財政負担が軽減できると見込んでおります。もう一つは、かきつばた浄水場及び高井神田浄水場の膜ろ過施設整備等事業で、運営期間を15年間とし、同じくDBO方式を採用したことで、従来の公設公営方式と比べ約34億円の財政負担の軽減を見込んでおります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 片山理財部長。 ◎片山雅央理財部長 3点目の今後建てかえが必要となる市有施設についてお答えいたします。市有施設の建てかえ時期は、立地条件、施設用途などさまざまな条件により違いが生じますが、平成26年2月に策定した松山市公共施設マネジメント基本方針では、計画的な保全による長寿命化を推進するとしており、既存施設は築60年以上の使用を目指した維持管理補修を行い、必要な時期に建てかえなどを行うこととしています。そこで、倉庫や機械室など延べ床面積が100平方メートル未満の小さな施設を除き、今後10年の間に築60年を迎える施設は、学校、住宅、庁舎など57施設約6万平方メートルあります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 大町総務部長。 ◎大町一郎総務部長 他市町村の事例に対する本市の考え方についてお答えいたします。西予市がPFIでの実施に向けて取り組んでいるJR卯之町駅周辺の整備事業は、単なる施設整備ではなく、駅前を中心として既存の商店街やまち並みといった地域財産を活用したまちづくりを公民連携の手法で実施することを目指した事例であると聞いております。その他の事例として、大分市では老朽化した支所の移転建設に伴い、従来の支所機能に産業・福祉・防災・にぎわい創出などの機能を加えた複合的公共施設をPFIの手法で整備した事例があると聞き及んでおります。これらPFI手法の特徴として、建設・運営コストの縮減だけでなく、本来一時的に発生する多額の財政支出を抑制し、事業費支出を平準化できるというメリットがありますが、一方で事業規模や収益性の確保、公民の役割やリスク分担などの課題を精査する必要がありますので、今後本市が進める事業でPPPの導入に適合するものがあるか、総合的に検討していきたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 山崎都市整備部長。 ◎山崎裕史都市整備部長 PPPについてのうち、和泉北団地にPFIを取り入れなかった理由についてお答えします。PFI導入の一般的な理由としては、行政側に建てかえノウハウや人材などマンパワーが不足している場合、財源確保が困難な場合、また商業・業務や福祉施設などとの複合化した建物整備を行う場合などに効果があるとされています。今回の和泉北団地では、近年建てかえを行った三津口・高砂団地での経験で培った技術的・事務的ノウハウや人材を生かせることができ、必要な財源も国の補助金や起債が活用できます。また、施設活用の面では、限られた敷地の中で必要な戸数を確保しつつ、空地を利用して駐車場整備も行うことから、市営住宅専用用途として計画しています。こうしたことから、和泉北団地ではPFIによる整備手法は採用しませんでした。今後におきましても、市営住宅の建てかえを検討する際には、財政状況やPFIも含め、さまざまな整備手法による効果を比較検討したいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 岡田議員。 ◆岡田教人議員 ありがとうございました。 先ほど申し上げましたとおり、全ての施設がこの手法に合うとは思っておりませんで、将来の人口動態を見据えた施設整備を考えて、市長が言われておりました産官学金をより具現化していただきたいなと思っております。 最後に、私は子どもの医療費負担の軽減やがん対策、保育園児2人目の保育料無料化など、予算を投じた行政サービスの提案に対して、財源がないから難しいですとか、検討・研究するなどの答弁ではなくて、前向きな答弁が理事者の皆様から発せられるように、経営感覚を持つ行政をつくり上げていただきたいと思っております。それこそが行政と市民、民間事業者が距離を縮め、市長が言われるオール松山の体制の一助になると思っております。今後理事者の皆様がさらなる経営センスを持たれることを期待して質問を終わります。ありがとうございました。 ○清水宣郎議長 以上で、岡田議員の一般質問を終わります。 次に、渡部克彦議員。 〔渡部克彦議員登壇〕 ◆渡部克彦議員 松山維新の会、渡部克彦です。一問一答により一般質問を行います。野志市長初め関係理事者の皆様方の明快な御答弁をお願いいたします。 まず最初に、学校給食で相次いで発生した衛生管理上の問題について質問いたします。まず、これまでの経過を簡単に振り返ってみます。去る2月24日、市内の小学校に届いた学校給食のパン数個が、小動物にかじられたような形跡が見つかり、翌25日以降、市立幼稚園を含む61の小・中学校でパンの提供がストップされました。パン製造業者では、工場内でのネズミによる食害の可能性が高いとして、ハード、ソフトの両面から抜本的な改善を行ったとのことであり、その結果、今月から3カ月ぶりの提供再開に至っています。この間先月には、味生学校給食共同調理場内でネズミが捕獲されたことにより、実質7日間にわたり調理業務が停止したほか、市立保育所の給食での異物混入、またおかずとして調理・提供していた小アジの中へのフグの混入という子どもたちへ提供する給食で普通考えにくい重大な事案が数週間のうちに立て続けに発生したことは、松山市の学校給食の提供を受ける保護者の一人としてまことに残念でなりません。また、一連の問題で数多くの子どもたちと保護者の皆さんに不安と負担を強いる結果となったことは、学校給食の実施者として重く受けとめられ、再発防止に全力を尽くしていただくことをお願いし、お尋ねいたします。まず、今回の一連の問題は、いずれも衛生管理を徹底して行っているはずの学校給食の現場で起こった事案であり、学校給食に対する保護者の信頼は大きく失いました。このことを教育委員会はどのように受けとめておられるのかお答えください。 ○清水宣郎議長 山本教育長。 ◎山本昭弘教育長 今回の問題では、給食を楽しみにしている子どもたちや保護者の皆さんには、多くの御心配と御負担をおかけし、心からおわび申し上げます。幸い健康被害の報告はありませんが、学校給食では、安全であると同時に安心して食べてもらうことが最も大切であると考えています。そのため、今回の事案が発生した際には、保護者の皆さん一人一人にその都度書面でお知らせするとともに、PTAの会合の機会を捉え、原因や再発防止策など取り組みの経過を報告してまいりました。また、給食調理場は何よりも徹底した衛生管理が求められる施設であることから、味生共同調理場での事案を踏まえ、他の調理場でも職員による臨時点検と応急処置を行った上で、夏休みには全調理場一斉に専門業者による臨時点検を実施する予定としています。このほか食品の安全対策として、納入業者に対し衛生管理の徹底を強く申し入れ、今回の事案の原因となった商品は今後使用しないこととしたほか、各調理場では、食材を受け入れるときや調理過程などでの目視チェックをより確実に行うよう指導しています。今後は、学校給食に携わる関係者が一丸となって徹底した衛生管理を行い、給食の安全を確保し、市の取り組みを丁寧にお伝えすることで保護者の皆さんの信頼回復に努めてまいりたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 次に、これら一連の問題は学校給食というくくりではありますが、それぞれの原因を探っていきますと、パンの供給の停止とフグの混入では、市ではなくむしろ製造する側の問題により発生した事案であることが見えてきます。しかしながら、市が設置する共同調理場でネズミが捕獲され、結果、給食が提供できないという事態に陥ったことは、市の責任という視点からは、他の事案と比べ1段上のレベルで受けとめないといけないと考えています。また、数日間とはいえ完全な給食が提供できず、3,000人もの子どもたちに弁当を持参させるという事態は、保護者負担の面からも大変重たいものであり、事実PTAの会合などで耳にした早期再開を求める切実な保護者の声は、3カ月にわたったパンの停止よりも、味生調理場でわずか7日間の調理停止のほうが多かったという結果からも裏づけられます。くしくも同時期に県内のある調理場で御飯に異物が混入するという事案が報道されておりましたが、施設は一日も休止することなく給食を提供することができたとのことであります。味生共同調理場では、ネズミが捕獲されたその日に、翌日以降の給食停止を決定したと伺いました。突然あしたからの給食はない、よって弁当を持参してくださいという連絡を受けた保護者の皆さんの驚きと混乱は容易に想像ができます。一方で、調理場でネズミが出たことを問題とし、発見後直ちに業務を停止し、徹底した対策を講じた松山市の対応は適切であったとする専門家の意見も聞き及ぶところであります。そこで、お尋ねします。味生共同調理場では調理業務を行いながら、すなわち給食を提供しながら施設の改善を図ることはできなかったのでしょうか。どのような判断のもと調理場を休止することに決定したのかお尋ねいたします。 ○清水宣郎議長 山本教育長。 ◎山本昭弘教育長 学校給食では、子どもたちの食の安全のために衛生管理の確保は最も優先すべきことと考えています。こうしたことから、味生共同調理場のケースでは、直ちに調理業務を休止した上で、施設内に生息しているのか、あるいは外部から侵入したものなのかについて、専門業者による原因究明を行うことが必要であり、場内に調査のための監視カメラを設置し、数百枚の捕獲シートを敷き詰めた状態であったため、調理業務を行うことはできませんでした。また、調理業務を停止することで保護者の方には弁当持参の負担を強いることになりますが、まず徹底した対策を優先すべきと判断し、休止を決定したものです。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 次に、今回の味生共同調理場では7日間で調理業務を再開することができました。また、今回の事案を受けて、ほかの調理場でもネズミの侵入防止対策を中心に衛生管理の徹底に努めていると伺っています。しかしながら、どのような完璧な対策を行ったとしても、今後同様の事案が起こる可能性はゼロではないわけで、万が一学校給食を供給できない事態が発生し、それが長期にわたることとなった場合には、今回の事案をどう生かし、どのように対処していくのかお尋ねいたします。 ○清水宣郎議長 山本教育長。 ◎山本昭弘教育長 学校給食の調理場は、全国的に見ても災害時の臨時給食施設としての備えはあるものの、一部の調理場が休止した場合の支援については想定していないのが現状です。しかしながら、今回発生した味生共同調理場のケースを教訓に、こうした事態を想定した構えも必要と認識しています。今回味生共同調理場の支援を検討する中で、人員の手配のほか、食材の納入や各学校への配送、使用済み食器類の回収・洗浄・消毒保管など、これら一連の対応を確立するために一定の準備期間や全体的な調整が必要となることが見えてきました。今後はこうした課題を踏まえ、現在策定中の調理場整備計画の中で共同調理場ごとの支援体制をシミュレーションし、緊急時にも可能な限り通常の学校給食を提供できる調理場施設のあり方について検討してまいります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 次に、私はこれまでも共同調理場独自の献立などを通じて地産地消の拡充を期待し、共同調理場の民間委託の推進に賛成の立場をとってまいりました。また、先ごろの報道によりますと、学校給食における地方交付税の算定方法は、来年度から現在の直営方式から民間委託方式への計算の根拠が大幅に見直されるとのことであり、こうした流れからも、民間委託を推進することは時代の流れに沿った必要な行政改革の一つと受けとめています。学校給食は、調理場だけを見ても、自校式と呼ばれる単独調理場のほか、親子式調理場、共同調理場があり、また調理業務にも直営方式と民間委託方式があって、各自治体は各地域の実情に応じ、全国さまざまなスタイルで実施されているのが現状であります。そこで、改めて共同調理場方式をとり、調理業務の民間委託方式を推進する本市の導入利点を、今回の味生調理場の事案を踏まえてお答えください。 ○清水宣郎議長 山本教育長。 ◎山本昭弘教育長 一般的に共同調理場方式では、調理規模の拡大によるスケールメリットのほか、食材の搬入効率が向上することで地場産物の利用が促進されるなど、自校調理場方式よりも設置効果が大きいとされています。また、共同調理場方式では、調理能力上の余力が大きいことや、もともと給食運搬車を配備していることから、他の調理場への支援体制はより構築しやすいものと考えられます。一方、調理業務の民間委託方式と直営方式を比べますと、民間委託の場合には経費の縮減だけでなく、専門職などの人員の柔軟な配置によるきめ細かなアレルギー除去食の提供や地元で生産される農産物を使用した独自の献立の回数をふやすことも可能となってきます。また、今回の対応を協議する中で、本市の民間委託の共同調理場では、直営の共同調理場に比べて調理員の数が多いことから、勤務体制の組みかえによる人的支援が比較的容易であり、緊急時には通常の調理規模を上回る体制の構築にも一定の見通しを立てることができました。これらのことから、今後も現行の共同調理場方式と調理業務の民間委託方式を継続し、導入のメリットを最大限活用することで、よりよい学校給食を引き続き推進してまいりたいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 今後安全・安心の学校給食が提供されることを願いまして次の質問に移ります。 次に、MACネットCSC、子育て支援情報・安心安全情報等メール配信システムについて質問いたします。現在MACネットCSCは、市からの委託を受けて松山市青少年育成市民会議が運営しております。このシステムは、子どもの月齢に合わせた子育てに役立つ情報や市内で発生した不審者情報や災害情報などをあらかじめ登録された市民のもとに配信するもので、私自身、地域行事や学校等における活動時の連絡網として大変便利に利用させてもらっております。近年、個人情報保護のほか、さまざまな事情で従来の固定電話による連絡網が機能しにくくなっているところですので、とても意義のあるシステムであると思っています。そのような中、MACネットCSCは運用開始から数年が経過し、平成27年4月から新システムへ移行して運用されていますが、これまでの稼働実績、新旧システムの登録者数と課題、またシステムを新しくした経緯についてお尋ねいたします。 ○清水宣郎議長 山本教育長。 ◎山本昭弘教育長 現在のMACネットCSCは、平成18年に松山市小・中学校PTA連合会が、学校などと保護者の連絡網として、また全国で子どもが被害者となる痛ましい事件が起こったことを背景に、本市で発生した不審者情報を保護者や多くの市民に携帯メールで配信し、子どもたちの安全を守るための取り組みとして始まりました。その後、市民メンバーが主体となる共同研究活動みんなのまつやま夢工房からの提言を受け、子育て支援情報の配信を加え、平成21年度から松山市青少年育成市民会議が運用しています。まず、新旧システムの登録件数についてですが、旧システムでは導入当初の1万6,927件から平成26年度末には7万6,765件へと大幅に増加しています。新システムでは、登録情報の管理方法に見直しを加えており、例えば兄弟で小学校、中学校に在籍している場合には2件としていたものを、1つのメールアドレスであれば1件とするため、旧システムとの単純比較はできませんが、本年6月10日の時点での登録件数は4万6,185件となっています。次に、システムの課題と新しくした経緯についてですが、利用者の増加に伴い、登録者がメールアドレスを変更した場合などに宛先不明のアドレス情報が蓄積され、メール配信速度に低下が見られるなどの課題が生じていたほか、システム設計から10年以上が経過し、ハードウエアの老朽化やメンテナンスが困難になっていたことから運用にふぐあいが生じ始めたため、新システムへと移行したものです。以上です。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 次に、先般松山市青少年育成市民会議の総会に出席させていただきましたところ、MACネットCSCは子育て支援情報配信への取り組みに予算化されております。しかし、それ以前から従来の不審者情報等の安全・安心情報や市内小・中学校、幼稚園などが日ごろの連絡網としても利用されております。先ほどの答弁によりますと、新システムの登録者数4万6,185件を見ますと、一度にこれだけの多くの人へ、また行政の情報が届きにくい方への情報伝達手段はほかにはないのではないでしょうか。現在スマートフォンが普及している状況を考えますと、GPS機能を活用して災害発生時に最寄りの避難所へ誘導できるかもしれませんし、多くの一般市民にこのシステムに登録していただくことで、今後さまざまな情報発信に活用できると思います。そこで、教育委員会だけの枠にとらわれず、組織横断的な発想でさまざまなサービスを提供できるよう、このシステムを発展させてはどうかと考えますが、これまでどのようにして用途を広げてきたのかについての経緯と今後どのように活用していくかについてお尋ねいたします。 ○清水宣郎議長 山本教育長。 ◎山本昭弘教育長 MACネットCSCは、平成18年の運用開始以降、子育て支援情報を追加するなど、その用途を広げてまいりました。さらに、平成26年度からは健康への影響が懸念されるPM2.5の情報や気象・地震・防災といった緊急災害情報を新たに加えるなど、部局を超えた取り組みを進めています。次に、今後の活用についてですが、新システムでは従来の携帯端末に加え、近年広がりを見せるスマートフォンやタブレット端末の機能を利用できることから、本年秋ごろをめどにGPSによる位置情報を活用した新たなサービスとして、大規模災害時などに自分がどこにいるのかを家族や友人などに知らせることができる機能の追加を予定しています。これは松山市青少年育成市民会議が持つ民間のノウハウを生かしたもので、さらなる登録者の増加につながるものと期待しています。今後とも社会情勢や市民のニーズに見合った情報の提供に努め、子どもたちの安心・安全につながる取り組みを推進してまいります。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 このMACネットシステム運用が始まり10年がたとうとしておりますけれども、運用当初にはここまで多く広がりになるとは思っていなかったのではないかなと思います。多くの苦労があったことを推察いたします。運用当初にかかわった関係者に敬意を表するとともに、MACネットシステムが今後さらに発展することを願いまして次の質問に移ります。 次に、女性消防職員の活躍について質問いたします。先日の愛媛新聞の報道によりますと、本年5月23日に静岡県浜松市で開催された第38回全国消防職員意見発表会で、本市西消防署の女性職員が優秀賞を獲得したという記事が掲載されておりました。発表の内容は、命のスタンプラリーと題し、女性救急隊員が2年前の救急出動で心肺停止状態になった生後3カ月の乳児の母親が、乳児への心肺蘇生法があることを知らず何もできなかった、と泣き崩れた現場に直面し、自身も一人の母として乳幼児を持つ保護者への救命講習の参加を促すための手段として、母子手帳の交付時や定期健診の際に、子どもの年齢に応じた講習会を紹介するスタンプラリーの実施について提言されたものです。従来消防という仕事は、心身ともに災害現場の最前線で活躍する強靱さが求められるため、男性の職場というイメージが非常に強くありましたが、近年女性の社会進出に伴い、本市でも女性消防職員が採用され、予防や通信業務などのデスクワークだけでなく、消火や救急といった最前線で男性同様に活躍されておられます。そのため、今回のようなすばらしい提案が生まれてきたのではないかと思うのであります。また、本市では男女を問わず消防職員が業務に対する提言や取り組むべき課題等について自由に発表し、消防業務の諸課題に関する一層の知識の研さんや意識の高揚を図ることを目的として意見発表会が開催されており、大変よい取り組みであると思いますし、これまでも意見発表会の提言がきっかけとなり、小・中学生に対する命の教育やこれから親になる市民を対象としたパパ・ママ救命救急といった取り組みが実現されたと聞き及んでいます。そこで、質問の1点目ですが、本市における女性消防職員の配置状況についてどのようになっているのかお尋ねいたします。 ○清水宣郎議長 芳野消防局長。 ◎芳野浩三消防局長 現在松山市消防局には、四国の消防本部では最も多い14名の女性消防職員が在職しており、中でも平成17年度以降に採用した12名は、愛媛県消防学校の初任課程を卒業後、消防の基本である消火や救急業務など現場活動の実務を積むため、最前線の消防署に配置しています。その後は現場経験を積むことによって得られた知識・技術を生かせるよう、個々の適性や自己申告等を考慮しながら総務、予防、通信指令業務など、女性職員の職域を特に限定することなくさまざまな部署に配置しています。現在の配置状況は、本年4月から新たに女性救命士2名を道後温泉を訪れた女性観光客への対応として東消防署に配置したほか、夜間勤務を伴う交代制勤務として救急隊員2名、消防隊員2名、指揮隊員1名、通信指令員1名の計8名を置き、一方8時30分から17時15分までの毎日勤務として総務、予防業務などへ6名の女性職員を配置しているところです。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 次に、全国消防職員意見発表会で優秀賞を獲得し、今回提言された命のスタンプラリーについて、今後の消防の施策にどのように反映するお考えなのかお尋ねいたします。 ○清水宣郎議長 芳野消防局長。 ◎芳野浩三消防局長 現在全国の消防本部では、消防職員が業務に対する提言や今後取り組むべき課題等について自由に発表できるボトムアップ型の意見発表会を実施しており、本市では平成7年の阪神・淡路大震災を契機としてこの発表会へ参加しています。これまでの発表の中には、若手消防職員が現場活動などを通じて得た、市民の安全・安心につながるすぐれた提言も多く、平成24年度には小学生を対象とした命の教育を、また平成25年度にはこれから親となる方々を対象としたパパ・ママ救命講習を新たな消防の施策として反映し、子どもから大人まで幅広い世代にわたり救命知識の普及啓発に努めてきました。今回の命のスタンプラリーは、母親である女性消防職員自身の体験を通じて提言されたもので、その発展性と実用性が高く評価され、本市では初めて全国で2位となる優秀賞の受賞につながったものです。また、その内容は、親となった市民の皆さんに、母子手帳の交付時や定期健診などの機会を捉え、子どもの成長に応じたスタンプカードや記念グッズを配付し、救命講習会への参加を促すものです。この提案は特に乳幼児を持つ若い世代のお父さん、お母さん方に向けた救命処置法を普及する手段として大きな効果があるものと考えています。今後は関係部局と調整し、できるだけ早期に本市の施策に反映したいと考えています。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 市民の安全・安心のために消防職員のさらなる活躍を期待し次の質問に移ります。 次に、消防団はっぴ導入について質問いたします。あの東日本大震災では、200名以上の消防団員のとうとい命が犠牲となりました。また、昨年の広島市の土砂災害では、地元広島市の消防団員も危険な被災地で懸命に救助活動を行いました。そして、その後も御嶽山の噴火、さらには先般の鹿児島県の口永良部島の大規模な噴火では、噴煙が迫る中、避難誘導に当たる勇気ある消防団員の活動が報道されていました。こうした災害報道がなされるたびに、地域防災のかなめとしてのあかしである消防団のはっぴをまとった団員の雄姿が映し出され、私も同じ消防団員として日々の業務の傍らで災害の最前線で懸命に励むこれらの方々は誇りであり、心からの敬意とともに、被災地で活躍する姿に我が身を重ねているところであります。さて、本市でも南海トラフ巨大地震の発生では、最悪の条件下では、松山市内の家屋2万5,000棟も焼失すると想定されています。市内全域でほぼ同時に発生する火災に対向するためには、常備の消防職員だけでは限界があることは、これまでの大規模地震が示しています。こういったときにはやはり地域の事情に詳しく、災害に即応でき、またその数においても常備消防職員の5倍を超える人員を擁する消防団の力にかわるものはありません。私も平成2年に地元の消防団に入団し、火災や水防出動を初め、小野地区で毎年開催される大規模な林野火災訓練にも駐屯地の自衛隊員とともに参加しています。訓練では、消防職員と同じ防火服を着ていますが、実際の火災では自宅や職場からはっぴを羽織って直接現場に向かうケースが多く、はっぴ姿のままの活動では、燃え上がる炎と熱により大変危険な状況も考えられます。先日、日本消防協会のホームページを拝見しますと、過去5年間で全国の消防団員の負傷した件数は、毎年約1,200件もあり、昨年度も1,126件のうち、14.2%の160件が消火活動時の負傷であります。こういった中で、今議会に提出されております高性能はっぴの導入は、日々地域を守るという気概に満ちた消防団を市民全体で応援し、危険な作業に当たる消防団を支えたいという市民の思いのあらわれであると考えているところであります。そこで、高性能とうたわれるこのはっぴの導入経緯そして特徴、さらには見込まれる効果についてお尋ねいたします。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 一昨年国は、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律をつくり、地域防災を牽引する消防団を支援し、強化する体制を整備しました。こうした中、昨年11月の長野県北部地震で震度5強を記録した白馬村では、37棟の住宅が全壊しながらも、消防団員が懸命に一軒一軒の安否確認を行い、閉じ込められた住民を救出したことで、幸いにも死者はありませんでした。私は、被災地で活動する消防団員のこのような報道を見るにつけ、消防団の重要性を再認識し、昼夜を問わない活動への敬意と感謝とともに、消防団を地域の宝としてさらに市民全体で支えていきたいと考えております。そこで、まずはっぴの導入の経緯ですが、事業所の中に多くの消防団員がいる地元繊維メーカーの帝人株式会社から、地域防災の最前線で活動する消防団員により安全性の高いはっぴを提供したいというありがたい申し出をいただきスタートしたものです。その開発には、消防が多様な現場活動に対応できる機能性や耐久性などに必要な情報を提供し、メーカーは独自開発した難燃繊維の採用と染色技術や着心地の改良を重ね、このたび難燃性の高性能のはっぴが製品化されたため、本市では全国に先駆け導入したいと考えております。また、同事業所は従業員の消防団員を支援する消防団協力事業所として本市が認定しており、さらにその功績から、消防庁長官の消防団地域活動表彰を受賞している事業所でもあります。このはっぴの開発も企業を挙げて防災活動に参画するという積極的な姿勢によるものであり、私自身昨年8月に東京都で開催された消防団を中核とした地域防災力充実強化大会で、この地元産のはっぴを羽織り、本市の支援策であるまつやま・だん団プロジェクトをPRさせていただいたところです。次に、このはっぴの特徴としては、多くの消防団員が仕事中や夜間には直接火災現場に出動するため、羽織りやすく燃えにくく、さらに強度や耐久力を高めたことです。また、これまでのはっぴは消防団員であることを象徴するのが主な役割でしたが、このはっぴは厳しい活動をする消防団員を守るための実用性を織り込んだものであり、これまで以上に消防団員が安心して活動でき、そしてこのはっぴ姿を市民が目にすることで消防団への理解をより深め、支援する環境づくりにも効果があると考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 このはっぴでありますけれども、多くの団員がおります。今後このはっぴを消防団員にどのように配備していくお考えかお聞かせください。 ○清水宣郎議長 野志市長。 ◎野志克仁市長 現在本市の消防団員が使用しておりますはっぴは、既に使用期間が20年を超えるものがほとんどです。このため、日々の火災に備えるためには、一刻も早く整備したいと考えておりまして、本補正予算を御承認いただきましたら早速契約事務に取りかかり、まずは平成28年1月に開催する市民参加型の消防出初め式をめどに、現場活動する全ての消防団員へ順次配備したいと考えております。以上でございます。 ○清水宣郎議長 渡部克彦議員。 ◆渡部克彦議員 ありがとうございました。 私も一消防団員としてそれこそ新しいはっぴを羽織って、火災現場には行きたくありませんけれども、もしものときにはまた全力で消火活動することをお誓い申し上げまして私の一般質問を終わります。 ○清水宣郎議長 以上で、渡部克彦議員の一般質問を終わります。 これで、本日の一般質問は終わりました。   ──────────────── ○清水宣郎議長 以上で、日程は全部終了いたしました。 あす20日及び21日は、市の休日につき休会、6月22日は定刻から会議を開きます。   ──────────────── ○清水宣郎議長 本日は、これをもちまして散会いたします。       午後3時10分散会  ───────────────────────────────────────────    地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                      松山市議会 議  長  清 水 宣 郎                            議  員  松 本 博 和                            議  員  本 田 精 志...