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平成31年 3月 定例会-03月05日-03号

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  1. 八戸市議会 2019-03-05
    平成31年 3月 定例会-03月05日-03号


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    平成31年 3月 定例会-03月05日-03号平成31年 3月 定例会         平成31年3月八戸市議会定例会会議録(第3号)         ────────────────────── 議事日程第3号  平成31年3月5日(火曜日)午前10時開議 第1 一般質問(継続)  ────────────────────  本日の会議に付した事件 議事日程に同じ  ──────────────────── 出席議員(31名)        1番     久保百恵 君        2番     岡田 英 君        3番     日當正男 君        4番     中村益則 君
           5番     苫米地あつ子君        6番     田端文明 君        7番     冷水 保 君        8番     三浦博司 君        9番     高橋一馬 君        10番     高山元延 君        11番     工藤悠平 君        12番     夏坂 修 君        13番     吉田淳一 君        14番     伊藤圓子 君        15番     山名文世 君        16番     古舘傳之助君        17番     藤川優里 君        18番     小屋敷 孝君        19番     森園秀一 君        20番     壬生八十博君        21番     豊田美好 君        22番     松橋 知 君        23番     立花敬之 君        24番     前澤時廣 君        25番     田名部和義君        26番     五戸定博 君        27番     八嶋 隆 君        28番     寺地則行 君        30番     大館恒夫 君        31番     坂本美洋 君        32番     吉田博司 君   -------------------- 欠席議員(1名)        29番     秋山恭寛 君   -------------------- 地方自治法第121条による出席者    市長         小林 眞 君    副市長        田名部政一君    副市長        大平 透 君    教育長        伊藤博章 君    総合政策部長     中村行宏 君    まちづくり文化スポーツ部長               原田悦雄 君    総務部長       大坪秀一 君    財政部長       岩田真奈 君    商工労働観光部長   磯嶋美徳 君    農林水産部長     出河守康 君    福祉部長       豊川寛一 君    健康部長       佐々木勝弘君    市民防災部長     石田慎一郎君    環境部長       佐藤浩志 君    建設部長       渡辺昇覚 君    都市整備部長     大志民 諭君    教育部長       吉田幸司 君    交通部長       村岡威伴 君    市民病院事務局長   品田雄智 君    監査委員       早狩博規 君   -------------------- 出席事務局職員    事務局長       石亀純悦    次長兼議事課長    池田和彦    副参事(議事グループリーダー)               山道隆央    主査         知野大介    主査         見附正祥    主査         林 一秀  ────────────────────   午前10時00分 開議 ○議長(五戸定博 君)これより本日の会議を開きます。  ──────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(五戸定博 君)日程第1一般質問を行います。  順次質問を許します。   --------------------   27番 八嶋隆君質問 ○議長(五戸定博 君)27番八嶋隆議員の質問を許します。八嶋議員  〔27番八嶋隆君登壇〕(拍手) ◆27番(八嶋隆 君)おはようございます。私の一般質問は、ワンマター、ワンクエスチョンですので、早目に終わると思いますが、あらかじめ御了解願いたいと思います。  通告に従い、順次質問を申し上げます。  当事者の請求人男性をAさんとしたいと思います。そもそも事の発端は今から約13年前のことですので、平成18年のころだったと思います。施設から兄を連れてきて、Aさんとおばと兄との3人で暮らしていました。このことは、当然市の福祉にお世話になっておりますから、市側は承知済みであったと思われます。そして、ある日、市の担当職員がやってきてAさんに、兄さんと住むのであれば申告してくださいと言われました。そして後日、市役所に呼ばれて、用紙に記入してくださいと言われましたが、兄にかわって書くのは無理だと断りました。そしてその後、市の担当者が数人かわっても何も言われませんでしたので、この件は容認されたものと理解しておりました。  そして、担当者がかわって、是川から引っ越しするのにAさんが家のごみや引っ越し荷物を運んでいるところに市担当者があらわれまして、これは誰の車ですか、車検証を見せてくれ、名義は兄さんのものではないか、同じ住所でないか、お兄さんと一緒に住んでいるのではないですか、それなら兄も生活保護にしなさい、兄の保護費も合わせて不正受給しているのではないでしょうかと言われたそうであります。  Aさんは、今まで兄と暮らしていても、市役所では何も言わないできたのに、今になってなぜ急に問題にするのか、法律でも変わったのだろうかと思ったそうであります。そして、市職員に聞いても答えてくれず、ともかく書類に署名してくださいと言うばかりでした。  Aさんが当時の担当者にこのことを尋ねると、市担当者は、Aさんを担当したのはたった2年だけだったでしょう、手続をとっくにしたものだと思っていたからですとの返答だったそうであります。Aさんは担当者に、引っ越しするのであれば保護変更申請書に署名、捺印してくださいと言われたので、それはAさん自身のことなので署名しました。変更を必要とする理由のところは、兄と住居をともにするためと書いてくださいと言うので、それは事実なので書きました。Aさんは、なぜ今まで一緒に住んでいるのに、改めて今さら書かなければならないのかと思ったそうであります。  ついでに、市担当者に、お兄さんのかわりに同意書も書いてくださいと要求されましたが、Aさんは拒否しました。拒否したのは複数の弁護士と相談した上でのことでありました。市担当の職員は、車の件はこのままでは済まない、そのつもりでいなさいとおどすように言ったそうであります。そして、間もなく弁明通知書が送付されてきて、会議が開かれました。そして、弁明会が開かれ、廃止処分となりました。これが大まかな経緯であります。  要点である同意書の提出指示について、県の裁決書は、Aさんの兄名義の同意書を提出することは実現不可能または著しく実現困難であったと解されるから、処分庁の口頭による指導指示を受けた際にAさんか、兄名義の同意書を提出しなかったことについてはやむを得ない面があったと言わざるを得ない。  なお、処分庁が法第29条に基づく金融機関への照会に当たり、兄名義の同意書を添付することが必要不可欠と判断するのであれば、障害者福祉法第28条の規定により、市長による後見等の審判請求手続を行い、しかるべき成年後見人を兄に付した上で、当該成年後見人に対し、兄名義の同意書を求めることも検討すべきであったと解される。以上のとおり、Aさんが収入申告書及び資産申告書を提出しなかったことについて正当な理由があるとは認められない。  ただ、一方で、口頭による指導指示には、兄名義の同意書を含む書類一式を提出するよう処分庁から説明を受けており、本件指導指示にも兄名義の同意書の提出が含まれるものと認識したことにはやむを得ない面もあり、本件指導指示に従うことが期待しにくい事情があったことは否定できない。このような本件指導指示に至る経緯を踏まえると、本件指導指示に対する指導違反の程度が重大で悪質であるとまで評価することはできず、したがって、停止処分を経ずして直ちに廃止処分とした点については重きに失したのではないかとの指摘をせざるを得ないという県の判断が下されました。  また、保護廃止決定通知書決定理由欄には指導指示違反のためと記載されているのみであり、理由づけを求めた行政手続法の趣旨に照らし、不利益処分の理由が十分に記載されていたとは言いがたいこと、また、指導指示書は、郵送の場合は、内容証明し、郵送により行うと定められているにもかかわらず、本件指導指示書を簡易書留により郵送しているのは違法行為であると思います。  そこで、質問その1は、通常は、支給を停止してから、その後、廃止処分という手順が通例であるにもかかわらず、いきなり廃止処分ということになった判断は何によるものなのか。  そして、質問その2、県の判断では、本件は指導指示に対する指示違反の程度は重大で悪質であるとまでは評価できず、したがって、停止処分を経ずして直ちに廃止処分とした点について、市の認識はいかなるものであったのでしょうか。  そして、質問その3は、弁明会で市側の、処分庁の職員11人が出席して行われましたが、厚生労働省援護局に問い合わせたところ、八戸市福祉事務所は全国でも最も多い人数で弁明会を行っているとのことでした。市側の出席者は異常に多過ぎるのではないか。県の行政不服審査会の諮問でも多数の職員を出して、言葉の威圧と動揺を与えられて、考える余裕さえない、無理のある状態の中で弁明を求められたと指摘しておりますが、この弁明会は適正な人数を超えていたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  ちなみに、申し上げれば、このときの弁明会では、所長初め出席者全員が名札をつけていなかったといいます。これは接遇向上マニュアルに義務づけられていることの義務違反だと思われます。あえて申し上げれば、地方公務員法第33条の信用失墜行為の禁止に値する行いであり、しかるべき対処が必要であると考えます。
     また、青森県行政不服審査会八戸福祉事務所に会議録が作成されていたのかと確認したところ、八戸福祉事務所は、会議録を開示することで、誰が、何の発言かについて追及を受ければ、会議の出席者の自由な意見を徴することが困難になるとの理由から、会議録を作成していないとの回答でした。何のために書記が出席していたのでしょうか。八戸福祉事務所長が下した処分が適切であったかどうか。外部の者はもちろん、八戸福祉事務所長自身も、事後において検証することができないことにもなると思われます。八戸市情報公開条例または個人情報保護条例で外部に公開されることにはならないのですから、会議録も作成しないことの理由にはならないと思います。会議録を作成しないことによって、職員が好き勝手に言いたい放題で、失言、暴言など、職務遂行のため、職務濫用の証拠隠滅のおそれがあると考えられます。法を行使するに当たって、会議録を作成するのが責務であると思います。これは八戸福祉事務所のもとで行う会議を軽視したやり方であると指摘しておきます。  次に、質問その4でありますが、このような不名誉なことが再び起こらないための防止策として、仮称でありますが、庁内に指導監察室とでもいいましょうか、法律家や心理カウンセラーはもちろん、福祉行政のエキスパートを結集したクレーム対策処理チームとでもいいましょうか、適切に丁寧な福祉行政に心がけ、突出した職員の対応を抑制し、正確な情報を共有し合いながら、より適切な対応となるようなセクションの設置は考えていないかどうか、伺うものであります。  最後に、質問その5、県から八戸市に取り消し裁決が出されてから既に4カ月がたちました。Aさんにしてみれば、いまだ重大で悪質な不正受給者としてのレッテルが張られているに等しい状況であります。この後の見通しについて伺うものであります。  以上、壇上からの質問を終わります。  〔27番八嶋隆君降壇〕(拍手) ○議長(五戸定博 君)福祉部長福祉部長(豊川寛一 君)おはようございます。それでは、八嶋議員にお答え申し上げます。  平成30年10月26日、県が八戸市の生活保護廃止処分取り消し裁決した件につきまして、5点御質問がございましたので、順次私からお答え申し上げます。  まず、停止してから廃止処分するのが通例だが、即座に廃止処分したことへの御質問ですが、生活保護法では、第27条において、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができるとされており、これによる指導または指示に被保護者が従わない場合は、法第62条の規定に基づき、被保護者の都合も配慮した上で被保護者対して弁明の機会を与え、生活保護の変更、停止または廃止を検討することとしております。この弁明の機会は、指導または指示に従わなかった理由に正当性が認められる場合には、保護の継続を含め検討するためのものでありまして、保護の廃止を前提として開催したものではございません。  国の生活保護実施要領では、保護の停止を行うことによっては当該指導指示に従わせることが著しく困難であると認められるときは、保護を廃止することとし、当該処分を実際に決定した日からの適用を原則としておりますことから、今回の弁明の機会においては生活保護を廃止する即日処分を決定したものでございます。  次に、県の裁決書では重大かつ悪質であるとまでは評価しないとあるが、その認識についてお答え申し上げます。  青森県より平成30年10月に送付された裁決書では、生活保護廃止処分が保護の実施を終了させる最も重い処分であることを鑑み、生活保護実施要領の規定に該当するかどうかは、指導指示内容の相当性、適切性、指導指示違反に至る経緯、指導指示違反の重大性、悪質性、保護の廃止がもたらす被保護世帯の生活の困窮の程度を総合考慮して慎重に判断すべきと述べております。また、今回の処分につきましては、処分庁である当市の判断のほとんどについて妥当であると認めつつ、一部の指導指示に従わなかったことについて重大で悪質であるとまでは評価することはできず、停止処分を経ずして廃止処分としたことは妥当ではなく、停止処分が相当であるとされております。  当市といたしましては、国の生活保護実施要領を踏まえ、妥当と判断し廃止処分としたものでございますが、審査庁である県の判断を真摯に受けとめまして、さらなる生活保護制度の適切な実施に努めてまいります。  次に、弁明会における出席者が10人以上であった理由についてお答え申し上げます。  弁明の機会は、生活保護法第62条の規定により、被保護者が必要な指導または指示に従わなかった場合に、保護の変更、停止または廃止の処分をする前に、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を被保護者に通知した上で開催するものでございます。弁明の機会では、被保護者から指導、指示に従わなかった理由を確認し、組織として十分に協議、判断するために、担当ケースワーカーと担当のグループリーダー、そして担当課長、次長、福祉事務所長が出席しておりますが、このほかにも記録係や、必要に応じて案内係、適正化推進保安対策員が同席する場合がございます。このため、弁明の機会を設ける場合は通常10人以上の職員が出席することとなり、当該弁明の機会の当日も11人が出席しておりますが、進行に際しては、被保護者に対して威圧感を与えることのないように努めております。  次に、防止策として仮称・指導監察室のような適切な対応ができる庁内機関の設置の考えについてお答え申し上げます。  現在、福祉事務所内には御質問にありました指導監察室のような専門部署はございませんが、処遇困難ケースにつきましては、関係部署との連携を密にし、組織的に対応し、必要に応じて各種会議や弁明の機会を与えるなど適切な対応に努めております。また、福祉事務所では、毎年県または国が実施する生活保護法施行事務監査において、生活保護行政がより適正かつ効率的に運営ができるよう指導、援助をいただいております。議員御提案の専門部署の設置につきましては現在のところ考えておりませんが、生活保護法に基づく事務執行に当たりましては、法令等の専門的知識が必要な事案や疑義が生じた場合には、速やかに県や国などへ確認するとともに、十分な検討を重ね、より一層適切な対応を目指してまいります。  次に、善後策についてお答え申し上げます。  今回、県が当市の生活保護廃止処分取り消し裁決した件に対する今後の対応につきましては、これまで県の生活保護担当部署と対応策を協議してまいりました。その際、県から、厚生労働省に対して確認しておく必要があると助言をいただきましたことから、生活保護実施要領等の解釈も含めて、現在、国に意見を求める準備を進めているところでございます。  当市としましては、今回の県の取り消し裁決を真摯に受けとめ、今後は生活保護制度のより適正な実施に努めるとともに、被保護者の立場や心情等に寄り添った懇切丁寧な対応に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)八嶋議員 ◆27番(八嶋隆 君)所長、いろいろるる答弁がありましたが、私は承服できない部分が多々あります。言葉は丁寧でありますけれども、個人情報がありますから、余り微に入り細に入り言えないところはありますが、私が思うところ、やはり市の対応には、そごだとか、やり過ぎだとか、いろいろなことが多々あったと思うのです。あなた方は真摯に受けとめておりますがと言う割には、私は裏づけになる対象ではないという認識であります。  まず、いろいろ説明がありましたが、結果において県は、簡単に言いますと、いろいろあったけれども、あなた方処分庁のとられた結論は重きに失したものではないか。この重きに失した、法律用語みたいですけれども、平たく言うと、いわゆるやり過ぎだということです。もう少し慎重にやりなさいという意味も十分含まれていると思うのですが、そういう意味では、所長の答弁の中に私は、例えば、申し上げられる部分で言いますけれども、市の対応の中に、市職員がAさんの通院している病院にわざわざ電話を入れて、Aさんの医療費を今月で打ち切るかもしれませんよということを発言しているのです。これは裏をとっています。はたまた、一方、このまましゃべると切りがありませんから、1つ、2つだけ言いますが、三八地域県民局地域整備部建築指導課、いわゆる県営住宅のところです。ここに市職員がわざわざ電話を入れて、まことに横柄な話し方で、県の職員もむかっときたということも裏をとっています。  こういうこと、たった2つですが、整骨院のこととか、ガスのこととか、いろいろあります。所長の話の中にはありませんでしたが、少しも真摯に受けとめていない部分が多々あるのです。こういうことを一々職員が、これはAさんに対する一種の職員のパワハラと思うのですと言うと言い過ぎかもしれません。議会運営委員会にかかるかもしれませんが、あえて言いますけれども、弱い者いじめです。職権濫用と言ってもいい、越権行為と言っても言い過ぎでないような職員の対応があった、いわゆる丁寧さに欠ける、答弁とは少し違った実態があるということを私はあえて申し上げたいと思うのです。  このことについては肯定できないかもしれませんけれども、あえて申し上げておきたいのですが、所長、再質問は2回しかできませんが、事情は承知していますか、答えてください。 ○議長(五戸定博 君)福祉部長福祉部長(豊川寛一 君)お答え申し上げます。  今お話ししていただきました件につきましては、事柄としては承知しておりました。いろいろお話しされた内容につきましては若干違うところがありますが、ただ、答弁でも申し上げましたが、確かにうちの対応として配慮に欠けた部分、そのようなところはあったと思います。ですから、しっかりとした、より適正な保護の実施に当たっては被保護者の方に寄り添った対応。ここについては、職員の研修もそうですし、いろいろな事例も含めて、しっかりと自分たちで勉強しながら、国県からもいろいろな指導をいただきながら、今後よりしっかりとした対応に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)八嶋議員 ◆27番(八嶋隆 君)所長、非常に踏み込んだ発言をありがとうございます。今発信された、いわゆる結果において突出した職員のやり過ぎです。職務に熱心だったという思いでやったかもしれませんが、Aさんにとってみれば、なる話もならないということで、もっとしゃべると、お互いに言い分、食い違いはあるかもしれませんが、場面場面において、Aさんに対して市職員が恫喝にも近い大きい声を張り上げて、わざとAさんを挑発的に怒らせて、そして、いわゆるけんか腰という場面も多々あると私は聞いています。違うと言うかもしれませんが、そういう意味において、所長が今おっしゃいました、Aさんの心に寄り添ってぜひ実行していただきたいし、その辺が今まで欠けていたということも事実だと思うのです。あと1回しか再質問できませんから、終わりにしますけれども、こういうこともあえて申し上げておきたいと思います。  県の行政不服審査会の諮問でも書かれておりますが、Aさんの世帯には、小さな収入の増減があったとしても、大きな収入の増減はない、生活保護法第61条の届出義務違反があったとしても、今さら説明もなく、小さな収入の増減も届出義務違反廃止処分を行うのは適正手続を欠いた行政処分の濫用である。所長、濫用であるとまで県は指摘しているわけであります。そして、県は諮問の最後の付言のところ、つけ加えるという付言の中で、処分庁の福祉事務所の事務処理の一部に看過できない不適切な点が認められた。処分庁においては関連法令の趣旨を正しく理解し、今後、適切に事務処理を行うよう努められたいという指摘もされております。  ですから、余りくどくど言いませんけれども、釈迦に説法ですが、私は、やはり弱き者に対する福祉の優しい目配りとか心配りが市職員一人一人に相当欠けている部分があったという事例だと思うのです。そういう意味で、くどい話ですが、先ほど壇上でも申し上げました。本件指導指示に従うことが期待しにくい事情という言葉をあえて県では言っております。これはどういうことかというと、県の裁決では、弱き者の心に寄り添うという言葉を使いましたけれども、所長、私は揚げ足をとるわけではないけれども、あなたのやり方は心に寄り添ったやり方でないと思うので、あえて言います。  こういうことです。Aさんはお兄さんと同居している。個人情報ですから余り言えない部分もありますが、生まれながらにしてお兄さんはハンデを負って生まれてこられました。そういう状況を考えますと、そういう境遇に生まれてこられたAさんとしては、やはり弱き者に対する、いわゆるれんびんの情が人一倍強かったと思うのです。ですから、生まれながらにしてハンデを持ったお兄さんだからこそ、兄の人権とか、尊厳とか、生きとし生けるものとしてのプライドというものを人一倍尊重しようという心が強いと思うのです。そういう気持ちがこういう一連の行動をとらせたと私は思うのです。これは言い過ぎかもしれませんが、私はそうだと思うのです。  これもまた、個人情報ですから余り言えませんが、生まれながらにしてAさんとかは心に傷を負って生きてこられたと思うのです。そこの心の傷に寄り添って行政というものは、特に福祉というものは、そういった対応をしていただかないと、普通のマターと違うと思うのです。  そういうことで、所長からも積極的な、前向きな答弁をいただいたから、原稿を手直ししなければならない部分もありまして、ちゅうちょしているのですが、所長、あえて申し上げます。話はちょっとずれるかもしれませんが、遠藤周作とか寺山修司も言っていました。ここで文学論をしゃべるつもりはありませんが、人は、ある意味で人それぞれ十字架を負って生きてきたのだと。十字架というのは宗教とは別に、神が与えたその人に対する宿命とか、運命とか、そういうことを背負わせて、人間は生まれながらにして罪を負って生まれてきたという意味です。そういう意味に捉えます。そして、人は、その十字架を一生懸命振りほどこうとか、贖罪しようとか、あがなおうとか、そういうことで、いろいろ苦しみ、悩み、生きているのが人間だと思うのだということを彼は言っています。私もそう思う。  そこで、必死に生きよう、でも、希望を持って生きようというところに寄り添って、その人の心の傷、サイドに立って行うのが私はやはり福祉の基本だと思うのです。生意気な言い方かもしれませんが、実際そうだと思うのです。ですから、そういうことを考えると、一々言いませんが、市職員の対応はやはり丁寧さに欠けたし、本人の心の傷に寄り添っていない部分が多々あったからこそ、県が詳しく精査した結果の重きに失するという結論になったと思うのです。そういうことをあえて申し上げておきたいと思います。  まだ時間はありますけれども、あと1回しか質問できませんからもう終わります。  そういう意味で私は、最後は市長にもコメントをいただきたいのですけれども、変な話、所長のプライドのため、名誉のために言っておくけれども、あなたは議会事務局にいたころから非常に福祉ボランティアに熱心に取り組まれていたことは、私も直接あなたの活動を知っています。そういう意味では、あなたはヒューマニティーがわかる男だと思うのです。ですから、その心を持ってこれからも対処していただきたいし、弱き者に寄り添って、そういう福祉の原点に立って、かゆいところに手が届くような福祉行政に奮闘していただきたい。そういうことを心から期待し、所長からもう1回コメントがあったら。そして最後に、つかさの長である小林市長からもコメントをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。 ○議長(五戸定博 君)福祉部長福祉部長(豊川寛一 君)お答え申し上げます。  大変厳しくも、ありがたいお言葉を頂戴いたしましたので、福祉事務所の長として、また、福祉部の長として、いろいろな方から御指導いただきながら、職員の指導に努めてまいりたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)私からも重ねてお答えを申し上げます。  先ほど来お話しありました県の取り消し裁決については、私の立場からも大変真摯に受けとめているところでございます。先ほど来、福祉部長からも御答弁申し上げましたように、今後しっかりと、国県の指導も仰ぎながら、生活保護制度の適正な運営に努めていきたいと思います。とりわけ被保護者の立場、心情に寄り添った懇切丁寧な対応に取り組んでいくということを私の立場からも申し上げておきたいと思います。 ○議長(五戸定博 君)以上で27番八嶋隆議員の質問を終わります。   --------------------   10番 高山元延君質問 ○議長(五戸定博 君)10番高山元延議員の質問を許します。高山議員  〔10番高山元延君登壇〕(拍手) ◆10番(高山元延 君)おはようございます。自由民主・市民クラブ、同志皆様の励ましをいただきまして質問させていただきます。  先月2月11日、はっちがオープンしてから8年目の記念セレモニーが開催され、翌日デーリー東北紙には、八戸のまちの顔に、はっち8周年と第1面を飾りました。小林市長は御挨拶の中で開館当時のことを振り返りながらも、8年間の歩みと八戸のまちの顔となった今後のはっちに希望と期待を語り、また、昨年7月21日にはっち向かいにオープンしたマチニワとの相乗効果やにぎわい創出への熱い思いを述べられました。  事実、昨年秋の八戸商工会議所の中心街歩行者通行調査においては、ことしオープンしたマチニワとガーデンテラスの間の地点は、前年に比較して約4倍に増加し、一定のマチニワ効果が見受けられると評価しております。このことからも、このマチニワオープン後の半年間と開館8周年を迎えたはっちとの相関関係の中で(1)マチニワオープン後の整備効果及びはっちとの相乗効果についてお伺いいたします。  次に(2)はっち・マチニワ間の国道340号における歩行者の道路横断について質問いたします。  先ほど冒頭で述べたはっち8周年式典で市長が熱い思いを語られているとき、私は耳でその思いを聞きながら、目はガラス越しに歩行者のひっきりなしの道路横断が気になってしようがありませんでした。そして、つい出た言葉がこれも相乗効果だよなでありました。昨年、八戸市においては、マチニワオープン直前とオープン後の中心市街地歩行者横断状況等の調査を本格的に行い、詳細なる分析をし、検証されたとのことです。  そこで、その調査結果について、どのような内容、方法で実施したのか。また、歩行者及び道路横断者の傾向、あるいはオープン前と後との比較及び信号機のある横断者数と信号機のない自由往来の横断者数との比較、そしてはっちとマチニワ間の限定された区域の横断者数をお示しいただきたく存じます。  次に、その結果を検証してのその評価及び課題とともに、今後の対応についての御所見もお伺いします。  次に、斎場行政について質問いたします。  近年の高齢化進展に伴い、八戸市民における死亡者数の増加はとみに顕著となってまいりました。平成24年までは八戸市斎場での火葬件数は2000件台でありましたが、平成25年に初めて3000件を超えて3023件となり、その後も増加して、ここ3年間における火葬件数は、平成28年には3087件、平成29年は3181件、昨年の平成30年には3312件となり、毎年約100件単位で増加し続けています。つまり増加率は1年間で3%から4%の割合で上昇していることになります。  そこで、その火葬件数を分析しての1日当たりの稼働率を最も火葬件数が多い1月期において算出すると、平成28年が81.03%、平成29年が87.64%、平成30年が88.22%と90%に迫っている状況であります。  ちなみに、先月の本年2月は八戸市斎場過去最高の317件であったということです。これを稼働率で示すと、何と97.83%と驚きを隠せません。  このような状況下の中で、小林市長におかれましては、平成31年度当初予算において、斎場火葬炉等改修事業費として6億5730万円を計上し、その増加対応と新しい形態での斎場改修策を打ち出されました。  そこで、この火葬件数増大化に対して、斎場リニューアル後は、その抑制策としてどのように対応し減少化させるのか。(1)リニューアル後の稼働率の予測についてお伺いいたします。  次に、(2)斎場リニューアルの具体的な整備内容についてお伺いします。  まず、火葬炉リニューアルの整備内容ですが、火葬炉自体の回転率を上げ、稼働率を減少させることとなると、今までとは異なる高性能の火葬炉の導入が必要となります。それは、従来型のれんが炉であるならば、熱効率やメンテナンスに課題があることから、どのような火葬炉を導入し効率化を図るのか、お伺いします。  次に、新型火葬炉に連動する予約システムの整備内容、あるいは火葬件数の増加対応としての炉前でお別れをする告別室や火葬後の収骨室についての具体的な整備内容をお伺いします。そして、斎場ユニバーサルデザイン化の具体的な整備内容、また、その特色についてもお伺いし、最後に、日々火葬業務を続行しながらの工事スケジュールはどのように想定しているのかお伺いします。  次に、墓地行政についてお伺いします。  平成26年9月定例会において市長は、合葬式墓地に対して、今後、新しい形態の墓地を整備するためには、市民のニーズを的確に把握し、その形態や規模、整備時期について判断しなければならないことから、その必要性を検討してまいりたいと述べられました。このことを受け、平成27年度に八戸市斎場及び霊園庁内検討委員会を設置されたわけですが、この合葬式墓地に対してこれまで(1)どのような市民ニーズがあったのか。その状況と、それを踏まえての検討について現段階までの経緯についてお伺いします。  さらには、そのような経緯から、今般、平成31年度当初予算霊園特別会計において仮称・新しい形の墓地整備事業費として690万円の予算を計上されたわけですが、(2)その整備方針と今後の予定についてお伺いします。  次に、(3)東霊園内のトイレの改修について質問いたします。  昨年、市民課からの八戸仏教会への斎場改修と合葬墓説明会において、ある御住職から、東霊園内にあるトイレについて市民の声を代弁してのお尋ねがありました。それは、霊園内に点在する屋外トイレが、設置後数十年が経過しての風化、老朽化、さらには水洗化もなされておらず、不衛生となって、誰も使いたがらず、また、緑地化されたすがすがしい霊園の景観上においても苦情が寄せられているとの提言でした。現在、市民各家庭においては水洗化や洋式トイレ化が普及してきております。このことからも、点在する屋外小型トイレは廃止撤去し、霊園事務所に隣接するトイレに集約化して、訪れるお墓参りの市民参詣者はもちろんのこと、花見どきに数多く来られる市民の方々にも快適に使用できるようにするなど、新しいトイレに整備改修できないものか、お伺いするものです。  最後に、水産行政についてお伺いします。  八戸市第二魚市場においては、昭和34年8月に開設されて以来、60年間の幕を閉じ、現在、解体作業が進んでおります。本年2月末には建物構造物は全てが撤去され、あの活況を呈した荷さばき所のコンクリート面も除去されて、今や往時をしのぶ姿はそこにはもうありません。  先般、地区のある方が、解体工事が行われているのを目の当たりにして、こうつぶやかれたそうです。ああ、小中野の魚市場がなくなる、小中野はまた寂れていくな。その嘆きは、新しくまた生まれ変わってのD棟が建設されることを知らなかったからです。私は、どうしてそのように思ったのか、現地に行って得心しました。その現場には、解体内容の工事説明板はあっても、このような新しい魚市場となるというようなイメージ板とか説明板が設置されていないのです。  そこで、地域の方々にもわかるような、新しく生まれ変わる第二魚市場D棟というようなキャッチコピー的なものを明示して希望を抱かせる大きなイメージ図を描いた看板を設置できないものかとまず要望して、質問に入ります。  (1)八戸市魚市場D棟改修についてですが、平成29年9月より上屋解体に着手し、当初は平成30年3月末までに解体撤去を終える予定だったはずですが、さらに1年間延長し、本年3月25日に終了予定とのことです。そこには、想定していなかった鉄骨塗料から検出されたPCBの除去工事の追加、あるいは排水路移設工事に当たり、土中に埋設され確認できなかった昔の魚市場のコンクリート構造物などの課題が改めて露呈されてのことでありましょう。  そこでア、第二魚市場解体に係る課題解決についてどのように対処し、どのような経緯を持って現在に至っているのか、お伺いいたします。  次にイ、当初の設計と現設計の変更内容について質問いたします。  その設計変更は、アで示したような課題解決のために解体工事予算が膨らんでのことなのでしょうか、あるいは資材等高騰に関連してのD棟建設工事に対して予算が上昇したことからなのか。その詳細はわかりませんが、旧第二魚市場における荷さばき所の長さを約30メートル短縮させての設計となったと聞いております。このことについて地元の漁業関係者からは、初めの約束と異なるとの不満が露出しております。  そこで、この変更の内容と事業費に係る経緯とその内容について示していただきたく存じます。  次に、(2)D棟本体と接岸岸壁の幅員について質問します。  第二魚市場の取扱魚種は、機船底びき網や定置網、また、小型漁船等による八戸前沖から毎朝水揚げされる多種多様の魚介類の鮮魚であります。このことは、雨水や風雪、また、直射日光等の天候防御、あるいは鳥獣害防御等のためのひさしを設置して、生鮮なる魚を守らなければなりません。ということは、接岸した漁船が魚を陸揚げするときに十分に余裕があるスペースがないと、そのひさしにクレーン等が接触するというような事態になりかねないとの関係者の指摘があります。このことから、D棟の岸壁幅員についてどのように構築しているのか、お伺いします。  最後に、(3)場内における使用水及びその排水処理について質問します。  D棟は高度衛生化された魚市場でありますから、その使用水は当然のことながら、場内を洗浄する水は清浄なる水でなければなりません。また、活魚においても滅菌された海洋水ともなることから、今般のD棟での使用水に対してはどのような対応を予定しているのかお伺いします。また、場内においての大量の使用水に対しては、環境保全や衛生化魚市場でもあることから、その排水処理に対してはどのような設備を構築して臨んでいるのかをお伺いして、壇上からの質問を終わります。  〔10番高山元延君降壇〕(拍手) ○議長(五戸定博 君)市長  〔市長小林眞君登壇〕 ◎市長(小林眞 君)高山議員にお答えを申し上げます。  まず、マチニワオープン後の整備効果及びはっちとの相乗効果についてですが、八戸まちなか広場マチニワは、中心市街地の魅力向上、にぎわい創出などを目的に整備した屋根つき広場で、オープン後は、開放的な空間であることやシンボルオブジェ水の樹など、マチニワならではの魅力を求めて多くの方が訪れております。また、隣接するガーデンテラスや花小路とともに、三日町と六日町をつなぐ新たな回遊空間として新しい人の流れができており、昨年10月に実施した中心街歩行者通行量調査においても、マチニワ着工前の平成28年度と比較して、マチニワの国道側で約37%、花小路側で約83%歩行者が増加いたしました。さらに、八戸ブックセンターの入館者が増加したほか、周辺の店舗においても集客増につながっていると伺っております。  はっちとの相乗効果といたしましては、双方を会場とするイベントが複数開催されるとともに、それぞれで異なるイベントが行われた場合に、両方を楽しむことができる機会がふえたことで、新たな来街動機の創出や中心街での滞在時間が延びるなど、一定の効果が生まれているものと認識しております。  市といたしましては、今後ともマチニワの整備効果並びにはっちとの相乗効果をまちなか再生につなげていくため、関係団体や市民の皆様とともに連携してまいりたいと考えております。  次に、はっち・マチニワ間の国道340号道路横断歩行者の調査結果についてお答え申し上げます。  市では昨年、はっちとマチニワが立地する三日町において、国道340号の歩行者の横断状況及び歩道の通行量の状況を調査いたしました。調査は、マチニワオープン前の2日間、オープン直後の2日間、オープン約1カ月後の2日間、計6日間、調査時間は午前9時から午後9時までの12時間で実施しております。調査の結果、マチニワオープン前後で国道340号横断者及び歩道の通行量のいずれもが増加する傾向が見られました。  このうち、国道340号の横断者については、マチニワオープン前の1日平均約7100人から、オープン後は約9300人へと約1.3倍、2200人増加いたしました。さらに、この増加者のうち6割の約1300人が横断歩道を渡っておりますが、残りの900人が横断歩道のない箇所を渡っており、そのほとんどがはっちとマチニワの正面付近の横断者であるという調査結果となりました。  次に、その評価、課題と今後の対応についてお答え申し上げます。  マチニワオープン以前のはっち向かいの通りは、空きビルが残り、人々の活動や往来が少なくなっておりましたが、マチニワのオープンによりさまざまな活動が行われる回遊の拠点となりました。今回の調査により、往来がふえたことを具体的に把握することができたことから、マチニワの整備が中心市街地の活性化に一定の効果があったものと認識しております。  一方で、横断歩道以外の箇所の横断者がマチニワオープン前の1日平均約1900人から、オープン後は約1.5倍の約2800人へと増加し、国道340号横断者の約3割を占める結果となったほか、通行車両と接触するおそれがあったヒヤリハット事案も、マチニワオープン後の4日間の調査で4件確認されております。
     道路交通法第12条において、歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の付近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならないと規定されており、条文内の付近の解釈につきましては、八戸警察署より、横断歩道からの距離がおおむね20メートルから30メートル以内の場所を指すのが妥当と伺っております。  こうしたことから、はっちとマチニワの正面付近の横断につきましては、法律上、規制することはできず、また、国道340号は一方通行であり、安全確認をしやすい状況にあることから、横断者が絶えない要因となっていると考えられますが、横断者がふえている状況にもあることから、交通安全上の課題もあると捉えております。  今後の対応といたしましては、特にはっちやマチニワでのイベント開催が多い休日においては、両施設間の横断者が増加する傾向にあることから、イベント主催者や来場者に対し、横断歩道の利用を促してまいります。  私からは以上でございます。  〔市長小林眞君降壇〕 ○議長(五戸定博 君)市民防災部長市民防災部長石田慎一郎 君)それでは私からは、斎場リニューアル後の稼働率の予測についてからお答えを申し上げます。  市では、斎場の改修に当たり、将来的な利用状況把握のため、国立社会保障・人口問題研究所が平成25年3月に推計した数値等をもとに、八戸市の将来人口、死亡者数、さらに、これまでの実績等から、平成28年度に斎場の将来的な火葬件数及び火葬炉の稼働率を推計いたしました。この推計に基づきますと、昨年度、約3200件であった年間火葬件数が、来年度には約3600件へ増加し、さらにこれ以降も増加傾向は続き、火葬件数のピーク時には4000件を上回る予測となっております。  なお、平成30年3月に国立社会保障・人口問題研究所が推計した数値等をもとに改めて推計いたしましても、ほぼ同じ結果が出たところでございます。この結果に基づき、今後の火葬炉の稼働率を推計いたしますと、現行のまま推移した場合、来年度には約100%となり、火葬業務に支障を来すことになります。  しかしながら、火葬炉入れかえ工事により、1日当たりの火葬可能件数が現在の12件から14件となり、回転率が向上することになれば、来年度の火葬炉稼働率は約85%に減少し、火葬件数のピーク時においても、火葬業務に支障が出ないよう対応することが可能になるものと考えております。  次に、斎場リニューアルの具体的な整備内容についてお答え申し上げます。  市では、斎場の改修工事を平成31年度に実施する予定としており、今年度、実施設計を策定したところでございます。具体的な改修内容につきましては、まず、火葬炉の回転率の向上及び火葬時間の安定化を図るため、老朽化した5基の火葬炉をセラミック製の高性能な炉へ入れかえるとともに、会葬者のプライバシー確保及び火葬件数の増加による会葬者の交錯緩和のため、現在1室となっている告別室及び収骨室を各2室とし、さらに、エントランスホールへの仕切りの設置や現在使用していない出入り口の改修などを実施することとしております。  また、高齢者やお体の不自由な方を含めた全ての人が利用しやすい施設となるよう、スロープの設置や手すりの設置、告別室、収骨室の自動ドア化、キッズスペースや授乳室の設置などのユニバーサルデザイン化を進める予定でございます。加えて、インターネットを活用した空き状況の確認や使用予約ができる予約システムの導入により、利用者の利便性向上を図るとともに、各部屋への御案内にも当システムを活用し、円滑で確実な火葬業務の実施を図ることとしております。  これらの改修工事に当たりましては、現行の火葬業務を行いながら実施する必要があるため、利用者の安全確保に努めるとともに、火葬という故人との最後のお別れの儀式に支障を来たさないよう、十分に配慮してまいりたいと考えております。  次に、工事スケジュールについてですが、火葬炉改修は火葬件数の少ない夏から秋にかけて行うこととしており、他の工事につきましては、火葬業務終了後及び休業日に実施する予定でございます。斎場の改修に当たりましては、利用者の皆様に御不便をおかけしないよう細心の注意を払いながら、安定的な斎場運営に取り組んでまいります。  次に、合葬墓の市民ニーズとこれまでの検討経緯についてお答え申し上げます。  近年、全国的に少子高齢化、核家族化の進行等を背景として、先祖代々の墓の承継が困難となることで発生する墓地の無縁化の問題や墓地ニーズの多様化が表面化してきており、これらの社会的課題に対応するため、承継を前提としない永代的に市が管理する合葬墓や合葬式納骨施設などの新しい形の墓地を整備する自治体がふえてきております。当市におきましても、お墓を引き継ぐ者がいない、子どもに迷惑をかけたくない等の理由により、承継を前提としない新しい形の墓地整備を求める声が市民から寄せられていたことから、平成27年度に八戸市斎場及び霊園庁内検討委員会を立ち上げ、調査研究を開始いたしました。  さらに、平成28年8月には、無作為抽出した市内在住の20歳以上の男女3500人を対象としたお墓、市営霊園などに関する市民アンケートを実施し、その中で新しい形の墓地、いわゆる合葬墓については整備が必要及び整備に向けて検討する必要があるという回答が合わせて約71%という結果になったことから、現在、関係団体とも協議しながら、庁内検討委員会におきまして整備方針等についての検討を行っているところでございます。  なお、平成29年度には全国の類似都市の実態調査を行った上で、平成30年度は合葬墓を整備運営している先進地の状況を調査し、整備方針の参考にしております。  次に、合葬墓の整備方針と今後の予定についてお答えを申し上げます。  当市の新しい形の墓地、いわゆる合葬墓は、多様な市民ニーズに対応し、周辺景観と調和したシンボル施設としての形態を考えており、整備場所については既に墓地としての許可要件を満たし、交通アクセスもよく、敷地面積にも余裕がある東霊園内を想定しております。また、収蔵規模につきましては、先進他都市の調査結果や当市の墓地需要等を勘案し、1000体程度を考えているところでございます。  次に、今後のスケジュールといたしましては、平成31年度は測量及び地質調査を行い、その結果を踏まえた上で設計業務を委託する予定としております。合葬墓の整備に当たりましては、運営方法や申込資格等についても並行して検討を進める必要があることから、これまで以上に市民や関係団体の皆様と協議を行い、市民ニーズに即した合葬墓となるよう整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、東霊園のトイレの改修についてお答えを申し上げます。  市では、昭和40年の東霊園開設時にトイレを1カ所設置しておりましたが、昭和50年代に墓地区画使用者の増加に対応するため、5カ所を増設し、現在園内には6カ所のトイレを配置しております。そのうち、管理事務所に隣接するトイレにつきましては、平成18年に水洗化するとともに、洋式トイレと車椅子の方も利用できる多目的トイレに改修いたしました。他の5カ所のトイレにつきましては、これまで日常の清掃業務や必要に応じた修繕業務を行ってまいりましたが、設置から30年以上が経過していることから腐食などの老朽化が見られ、利用者に御不便をおかけしている状況にございます。  市といたしましては、こうした状況を踏まえ、トイレの整備、改修について現在検討を進めているところでありますが、今後とも東霊園を快適に御利用いただけるよう、より一層施設の維持管理に努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)農林水産部長農林水産部長(出河守康 君)私からは4、水産行政についてお答え申し上げます。  まず、八戸市魚市場D棟改修の計画変更についてのうち、第二魚市場解体に係る課題解決と経緯についてお答え申し上げます。  小中野地区へ荷さばき所D棟を整備するに当たり、平成29年9月から既存の第二魚市場の解体工事に着手し、現在、今月中の完了を目指して進めております。当初は平成29年度末に解体工事を終える予定でありましたが、摂取することで人体にさまざまな症状を起こすとされているPCBが建物の鉄骨全ての塗装膜に低濃度で含有されていることが確認されたため、建物全体に飛散防止対策を施した上で剥ぎ取り作業を実施し、無害化処理したことに伴い工事費が増加し、期間も約1年延長となったものであります。  次に、D棟の当初の設計と現設計の変更内容についてお答え申し上げます。  D棟の設計に関しましては、市場関係者及び漁業者と協議を重ね、荷さばき作業の効率性に配慮し、かつ品質、衛生管理の高度化に対応した仕様としており、荷さばき室と入札室や市場関係者の控室等を備えた管理棟の整備を検討してきたところであります。しかし、近年の人件費及び資材単価の上昇により、事業費が当初の見込みを上回ったため、D棟に水揚げされる魚種の水揚げ実績を踏まえ、事業費の縮減を図るとともに、適正な施設規模としたものであります。具体的には、荷さばき室の長さを当初設計で約215メートルと見込んでおりましたが、約30メートル縮小して約185メートルとし、奥行きは水産物の動線を1方向とし、搬入から陳列、販売から搬出までの作業の効率化を図るため、当初の設計どおり約26メートルとしております。  次に、D棟本体と接岸岸壁の幅員についてお答え申し上げます。  荷さばき所前の岸壁につきましては、陸揚げから搬入に要する時間の短縮を図るため、効率よく作業が行えるよう、実情に応じた機能的な作業スペースを確保することが求められています。岸壁の幅員につきましては、平成28年9月に策定した国の高度衛生管理基本計画においておおむね10メートル程度とされておりますが、漁業者、市場関係者及び漁港管理者と協議を重ね、漁船に搭載されている陸揚げクレーンの旋回範囲及び陸揚げスペース、フォークリフトによる搬入作業スペースを確保するため、岸壁の端から荷さばき所の壁までを約13メートルとしております。  また、水産物への鳥のふん等の異物混入及び降雨や日差しを防ぐ対策としては、荷さばき所の壁から岸壁側に5.5メートルのひさしを設置することにしております。さらに現在、県では地震に強い岸壁へ改良しており、来年度中には完成するものと伺っております。  次に、場内使用水及び排水処理についてお答え申し上げます。  D棟で使用する水につきましては、大きく分けて3つに区分されます。1つ目は、市場利用者の手洗い、トイレ等に使用する水、2つ目は、荷さばき後の場内洗浄に使用する水、3つ目は、D棟で取り扱う活魚に使用する水でございます。  1つ目の市場利用者の手洗い、トイレ等及び2つ目の荷さばき所内の場内洗浄水につきましては、ともに水道水を使用し、排水は公共下水道での処理としております。  3つ目の活魚に使用する水につきましては、既設の井戸から活魚に適した塩分を含む水を取水し、水産用水基準を満たす浄化処理を施した上で活魚水槽用として使用し、ごみなどを取り除いた後、海へ排水することとしております。  私からは以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)高山議員 ◆10番(高山元延 君)市長並びに各理事者の方々には、それぞれ御丁寧なる御答弁、まことにありがとうございました。  それでは、水産行政のほうから、順番を逆にして再質問及び意見、要望を述べさせていただきます。  まず、D棟の当初設計と変更設計の内容についての項目ですが、旧第二魚市場の荷さばき所は延長幅が193.5メートルであり、当初設計においては、答弁で示されたように市場及び漁業関係者と協議を重ねて、結果的にその設計において217.5メートルと24メートル増幅した設計となって、関係者は評価をしていたわけです。ところが、変更設計においては、種々の課題もあって、現状維持どころか、それを185.5メートルとの減少案を提示しました。これだと皆さんは、初めの約束と違うではないかと異議を唱えたくなります。  そこで、その理由と予算について再質問いたします。  次に、意見、要望を述べます。  D棟は高度衛生化密閉型魚市場と生まれ変わるわけですから、閉鎖された中での夏場の暑さ対策は重要な課題です。特に鮮魚を扱う魚市場ですので、温度管理はかなり適切になされなければなりません。  そこで、空調設備について整備する考えはないのか。B棟、C棟は主に冷凍物を扱う魚市場ですから整備されておりませんが、D棟への空調設備についてしっかりと検討していただきたく、意見を申し上げます。  先ほどの答弁で、D棟場内の使用水は、活魚は塩分を含んだ地下水を浄化処理して使用し、場内洗浄水は公共の水道水を使用した上で公共下水道に流すとのことでした。今までの旧第二魚市場の場内洗浄は塩素滅菌の地下水でした。しかし、新しいD棟は水道水となるわけです。そうすると、大量の水を使用しての洗浄処理とその後の下水道排水となると、水道料金プラス下水道料金と二重の負担増になります。この負担増は深刻な問題であります。もしかすれば小売の魚価にも当然影響を与え、業者を直撃し、さらには、一般市民の台所をも直撃するかもしれません。この場内使用の水道料金、また、下水道料金に対してはどのような対応を今後図るのか。業者や消費者に影響のなきよう特段の検討をしていただきたく、意見、要望申し上げます。  次に、墓地行政について再質問します。また、要望を述べさせていただきます。  合葬式墓地については、アンケート調査の結果や、また、窓口での市民の声からも多くが望んでいるということでもあり、また、全国的にも取り組んでいる自治体も数多くあるとの答弁でありました。そのことから、次年度は、東霊園を想定して測量及び地質調査を実施するということです。ついては、その参考事例として先進地の調査を行ったということですが、他の自治体の合葬墓の整備状況について再質問いたします。  次に、東霊園内のトイレ改修について要望申し上げます。  管理事務所に隣接する家屋は、トイレのほかに開園当初は葬儀や法要にも使用できるという設定で、和室とフロアになっています。ところが、今は誰も使用しないということで、物置小屋になっている状態なのです。  そこで、その物品をきちんと整理して、参詣者の皆さんが少しでもくつろげるような休憩所に改装してみてはいかがでしょうか。それとともに、トイレも参詣者の皆さんにわかりやすく大きな表示をして、利用しやすい環境に整えて、さらには、点在する屋外小型トイレの撤去については、申しわけない言い方ですが、もう昔日の役目を終えたものとして、早急に解決してもらいたいものと要望いたします。  次に、斎場行政についての再質問です。  先ほどの斎場リニューアルの具体的な内容をお聞きしていて、すばらしい斎場となることを実感しました。特に火葬炉がセラミック炉となり、それに連動した火葬予約システムを導入することは実に画期的なことです。  さて、そのセラミック炉に入れかえるときに当たり、最も深刻な問題は、その入れかえ時期の対応です。八戸市斎場は1号炉から7号炉までですが、今回リニューアルするのは1号炉から5号炉です。しかし、この火葬炉はそれぞれ独立した火葬炉ではなくして、その排煙設備の形態は1号炉と2号炉が組み合わさっての1炉2系統という形態です。3号炉から5号炉までは1炉3系統という系統型火葬炉なのです。つまり、1号炉を入れかえるときは、同時に2号炉は休止せざるを得なくなるのです。3号炉を入れかえるときは、同じく4号炉と5号炉の両方とも休止せざるを得なくなるということです。とすれば、ここで大きな問題となるのは、1炉3系統である3号炉から5号炉の改修時期です。すなわち7つの火葬炉のうち3つが休んでいるのです。4つの火葬炉だけで対応する時期なのです。このことから、工事の期間中の火葬業務への影響、また、対応について再質問します。  最後に、はっち・マチニワ間の横断歩行者調査に関連して再質問します。  先ほど八戸市は、マチニワオープン前と後との中心市街地歩行者横断状況の調査をして、その動向結果をお答えしていただきましたが、その評価と課題の質問項目の中では、平日、休日を含めた6日間の1日平均だけでの国道340号の道路横断者数が2800人と示されましたが、私からは、そちらからいただいた資料をもとに、改めてオープン直後とその後のデータを示させていただきながら質問いたします。  まず、三日町交差点から十三日町交差点までの区間全体での信号機のない横断者数は、オープン直後の平日である7月25日は2581人、オープン後の平日である8月24日は2159人です。  次に、オープン直後の休日であった7月29日は3331人、その後の8月18日は3267人というデータであって、平日で2000人台、休日ともなると3000人台の道路横断者数です。そのうち、はっち・マチニワ間だけの限定された箇所での横断者は、オープン直後の平日は1026人、休日は1990人なのです。つまり、平日は1000人強、休日は2000人弱が両施設間を自由往来しているのです。  次に、三日町交差点と十三日町交差点の信号機のある正規の横断歩道の歩行者数と信号機のないところを横断する歩行者の比較を人数とパーセンテージで示します。これについては、時間上、簡略的にオープン直後の休日、7月29日のみのデータを述べます。全体歩行者数は9281人です。担当課は、これを分母として計算しています。  まず、さくら野百貨店前三日町交差点の正規横断者は4862人の52.4%、モスバーガー前十三日町交差点は1090人の11.7%、次に、その両者の交差点以外の信号機のない横断者総数は、先ほども言いましたが、3331人の35.9%であり、そのうちはっち・マチニワ間だけに区切った区間は何と1990人の21.4%の数値なのです。私はこのデータに本当にびっくりしました。モスバーガー前十三日町正規交差点より数値が高いのです。  そこで再質問します。この横断調査の結果、はっち・マチニワ間の歩行者専用信号機の設置について八戸市の見解をお伺いして、終わります。 ○議長(五戸定博 君)農林水産部長農林水産部長(出河守康 君)それでは、高山議員の再質問についてお答え申し上げます。  まず、D棟の設計変更の理由と予算についてでございますが、変更に至った理由は、そこを利用する機船底びき網漁業の方々と協議した上で、実態に合った施設規模としたいという私たちの要望を聞き入れてもらい、この長さに設定させていただいたものでございます。また、予算につきましては、平成29年3月議会で補正いたしました継続費約32億円を設定したことで対応してまいりたいと考えております。  また、そのほかのD棟での温度管理のための空調設備は、今のところ整備は考えてはおりませんが、それにかわる保冷設備については何とかしたいと考えております。  さらに、水道水を利用することによっての利用料金の件でございましたけれども、取水した井戸水を清浄して使用することにしますと、工事費にまた物すごい金額がかかりますので、今回については水道水の対応とさせていただきたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)市民防災部長市民防災部長石田慎一郎 君)それでは、再質問にお答えを申し上げます。2点ございました。  まず、1点目の他の自治体の合葬墓の整備状況につきまして整備形態ごとにお答えをいたしますと、まず、郡山市では2000体を収蔵する個別埋蔵室と5000体を収蔵する合葬室を平成27年に供用開始しております。また、宇都宮市では平成29年に供用開始いたしましたが、シンボルとなるモニュメントと樹木を併設した点が特徴でありまして、収蔵体数は1万500体と伺っております。  それから、秋田市及び弘前市につきましては、両市ともシンボルとなるモニュメントのみを設置した形態でありまして、秋田市は平成30年4月に供用開始、収蔵体数は1500体、弘前市は同年8月に供用開始、収蔵体数は3000体でございました。県内ではほかに青森市が今年度合葬墓の設計を行ったと伺っております。  市といたしましては、今後ともこれら先進事例を参考にしながら、当初の実情に合った合葬墓の整備について検討を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、2点目でございます。  工事期間中の火葬業務への影響についての御質問でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり、改修工事は火葬件数の少ない時期ですとか時間帯等に進めることを予定しておりまして、御質問の入れかえ工事で使用できない火葬炉がある期間につきましては、稼働できる炉の回転率を上げることで対応する予定でございます。  それからまた、収骨室等が使えない期間は、他の部屋を利用するなど火葬業務に影響が出ないよう十分配慮するとともに、適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)まちづくり文化スポーツ部長まちづくり文化スポーツ部長(原田悦雄 君)はっち・マチニワ間の歩行者専用の信号機の設置についてという御質問につきまして、私のほうからお答えをさせていただきます。  まず、現状を申し上げますと、信号機のある三日町交差点から十三日町交差点までの距離ですが、約180メートルとなってございます。はっち、マチニワはその中間に位置しておりまして、ややさくら野寄りに位置しているという状況がございます。  一方、警察庁が定めております信号機設置の指針というのがございますが、これによりますと、信号機設置に必要な条件の1つとして、隣接する信号機との距離が原則として150メートル以上離れていること。これにはただし書きがございますが、ただし、信号灯器を誤認するおそれがなく、交通の円滑に支障を及ぼさないと認められる場合は、この限りではないとされており、議員御質問のありました信号機の設置につきましては、警察がその可否を判断することになろうかと思います。  なお、今回市で行いました横断歩道者等の調査結果につきましては、昨年の12月に八戸警察署の担当課に報告しておりますので、その内容は把握されているものと思います。  市といたしましては、まずは、イベント等の際には、既設の信号機のある横断歩道の利用を促してまいりたいと考えており、今後、八戸警察署や地元商店街など関係機関と連携し、当該地点の状況の把握に努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)高山議員 ◆10番(高山元延 君)各部長におかれましては、それぞれに御丁寧なる御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  では、ここでは意見、要望のみを申し上げます。  先ほど農林水産部長からは、いろいろと意を尽くしてそれぞれに対応、協議したということでありまして、その御努力に対して敬意を申し上げます。  ただ、やはり一部の漁業者の方々には、それぞれまだそのことをきちんと納得していないという方々もおられますので、やはりこれからも懇切丁寧なるそれぞれの話し合いの場を設けて、御理解いただけるようにと思っております。  そこで、1つ気になることがあるのです。延長幅減少ということになると、今までD棟の特色でもありました観光通路プロムナードというか、観光客の皆さんに、あるいは市民にいろいろな競り風景等を見学してもらう通路のことです。それは当然縮小されてしまいます。それを余儀なくされるということになりますから、今後はどのような規模となるのか、あるいはどのような形態とするのか。そこは市民の皆さんにも、特に市長肝いりの観光施設でもありました。そういうことで、十分なる検討を要するということを意見として述べさせていただきます。  そして、その要望をするに当たって、さっきも少し言いましたけれども、D棟の観光的魅力は競り風景です。季節物を扱う小中野魚市場ですから、これは八戸市の風物詩の1つでもあるわけです。ということで、そこは衛生化魚市場ですので、ガラス張りになるわけです。ガラス張りになると、その姿は見えても声というものは聞こえてきません。  そこで、ちょっと要望するのが、競り風景のところには遠くからでも音を拾える集音マイクをつけて、そしてまた、観光通路プロムナード内にはスピーカーをつけて、お互いにその臨場感を楽しめるような施設というか、整備ができないものか、要望します。  次に、斎場リニューアル工事に関しては、閉鎖するのではなく、通常どおりに火葬業務を行うということです。先ほど市民防災部長から言われたとき、それこそ夜間も利用しながら、そしてまた、休日も利用するということを述べられましたが、八戸市斎場の休日は1カ月にたった1日しかありません。1カ月に4回あるということではありませんので、たった1日だけの休日もやるというのは大変大きな負担が強いられると思います。そういうこともありまして、やはりかなり綿密なる計画を立てて対応していかなければなければならないのではないかと思いますので、特にさっき言ったように1炉3系統の3号から5号が閉鎖ともなると、斎場担当者の業務が物すごい過密になると思うのです。そういうところにもいろいろと配慮してもらいたいものと思います。  また、合葬墓については、答弁のごとく、全国各自治体でもその整備が進められております。その整備に対しては、八戸市の関係諸団体においても、市民のニーズや全国的傾向には皆さん理解を示しているのです。しかしながら、業者の方々、関係者の方々のいろいろな意見に耳を傾けて、あるいは参考として、八戸市らしい合葬墓を構築してもらいたいものと願ってやみません。  さて、最後に、国道340号におけるはっち・マチニワ間の歩行者専用信号機の設置に対しての要望を述べます。  答弁での八戸市の見解においては、その調査により、多くの市民が横断していることが明らかになり、認識はしている、また、八戸警察署にもそういう調査データを届けたということであります。しかしながら、今の形では、道交法上、困難があると私は受け取りました。しかし、私も道交法を少し調べてみまして、こういう項目がありました。信号機設置のための択一条件という項目があります。そこには、歩行者の横断の需要が多いと認められ、かつ、横断しようとする道路の自動車等往復交通量が多いため、歩行者が容易に横断することができない場合であって、直近に立体横断施設がないことという条項です。まさしくこの条項に当てはまりませんか。はっち・マチニワ間に歩行者横断の需要が多いということは、さきの調査で明らかになったことであります。  さらには、この択一条件の中にこういう条項もありました。信号機の設置により抑止することができたと考えられる人身事故が信号機の設置を検討する前の1年間に2件以上発生しており、かつ、事故発生原因を調査・分析した結果、交通の安全の確保のため、他の対策により代替ができないと認められるときは信号機を設置できるのです。先ほど答弁の中でヒヤリハットが4日間で4件あると報告されました。このことは1日に1件の割合でヒヤリハットがあるということです。このまま当てはめるならばですけれども、365日で約360件のヒヤリハットが発生するということになります。  今のところ、犠牲者は出ていません。では、犠牲者が出てから検討するのですか。調査の結果、犠牲者が出る可能性が拭えないとするならば、未然に防止して、市民の安全を図る歩行者信号機の設置のほうが肝要ではないでしょうか。
     ちなみに、択一とはどういう意味かというと、選択肢の1つであるということですから、設置に対しての選択の余地があるということなのです。  それから、先般、このようなことがありました。私の県外から訪れた友人に八戸自慢をしようと思って、私がマチニワにその友人を連れていったときのことです。その友人は、目の前を自由往来する歩行者に目をとめると、八戸人は随分と交通マナーが悪いのだなと言われたのです。私は何も弁明できませんでした。市長は県外の方のこの印象をどう受けとめますか。八戸市は中心市街地のにぎわい創出を図り、市民のみならず、県外からのお客様や国外からのお客様を数多く迎え入れようとして、八戸市の活性化並びににぎわい創出を図っているではないですか。そのお客様たちに、さきの友人と同じく、八戸は交通マナーが悪いまちだという印象を持たせていいのですか。  しかしながら、1つ言いたいことがあります。八戸市民はマナーが悪いとか守ろうとしないということで、ガードレールとか歩行者横断禁止の標識を設置したりして、規制とか取り締まりをするのではなくして、市民やお客様が堂々と渡れる環境整備をするほうがより大事ではないかと私は思います。どうぞ八戸市としては、意を尽くして県警と折衝してもらいたいものと本当に切に要望する次第です。  最後に、市長にお伺いします。市長は、八戸市交通安全対策協議会の会長でもあります。その立場からも、あるいは23万人市民は市長の我が子ではないですか。我が子の命はみんな守らなければならないのです。そういう交通安全対策という意味からも、横断者の増加傾向やマナー問題も含めて、横断歩行者専用信号機の設置についてどのように思われるか、所感をお伺いして、終わります。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)高山議員のただいまの質問にお答え申し上げます。  はっち・マチニワ間の横断歩道、そして信号機の設置につきましては、マチニワが整備される以前に、八戸警察署を通じて県警のほうに働きかけしている経緯があります。開設後の状況を見て、また御相談申し上げましょうということでございました。議員お話しのように、確かに信号機、そしてまた、横断歩道があったほうが安全であることはもう間違いありませんので、継続して働きかけは続けていきたいと思っております。 ○議長(五戸定博 君)以上で10番高山元延議員の質問を終わります。   --------------------   14番 伊藤圓子君質問 ○議長(五戸定博 君)14番伊藤圓子議員の質問を許します。伊藤議員  〔14番伊藤圓子君登壇〕(拍手) ◆14番(伊藤圓子 君)平成31年3月定例会に当たり、一般質問をいたします。  間もなく東日本大震災から8年となります。先日、津波の犠牲者となった女子高生のお父様のお話を伺う機会がありました。当時のことが目前に迫りくるようでした。3・11は終わっていない、改めて、忘れてはいけないとの思いを新たにいたしました。改めて、犠牲となられました方々の御冥福をお祈り申し上げます。  今回は平成最後の定例会であり、今期最後の一般質問となりました。それでは、通告に従い順次質問をさせていただきます。市長並びに関係理事者には、御答弁よろしくお願いいたします。  第1は、児童虐待防止についてであります。  どのような虐待も許されるものではないが、そこまでやるかという痛ましい虐待により、死亡に至らしめた事件がまたもや繰り返されました。千葉県野田市の10歳の心愛ちゃんの命を守れなかったのはなぜか。母親、学校、教育委員会、児童相談所――以下、児相――等、かかわりのある全ての大人はもちろん、我々も何がまずかったのか、どうすればよかったのか、詳細に分析し、再発防止につなげなければ心愛ちゃんも浮かばれないでしょう。昨年3月の東京都目黒区の5歳の結愛ちゃんの虐待死事件からの教訓も生かされず、犠牲となった心愛ちゃん。どちらも愛のつく名前でありながら、愛を受けずに幼き命を閉じなければならなかった無念を我々はしっかりと受けとめたい。  厚生労働省、文部科学省も、この事態を重く見て、児童福祉司増員、児相体制強化等を込めました児童福祉法の改正に向けております。かつ、7日以上学校を欠席している虐待の疑いのある子どもの情報を自治体や児相に提供するというルールを新たに決めました。また、東京都では保護者の体罰禁止を定めた児童虐待防止条例を策定し、今4月からの施行を目指しております。国も同様の方向で検討しています。  これらの事件が相次ぎ、国民の関心も高まり、児相に虐待を受けた疑いがあると通告した18歳未満の子どもは8万人を超え、過去5年間で約2.8倍に増加しています。虐待死はおろか、全ての虐待から子どもを守るべく、総力を挙げて適切な対応がなされることを願いつつ、2点について伺います。  第1点は、当市における児童虐待通告等の現状についてです。  八戸児童相談所の八戸市民分と八戸福祉事務所において、それぞれこの5年間の推移について、また、2017年度の虐待の種別について伺います。  第2点は、児童虐待への対応策についてです。  相談窓口体制、かつ関連機関の連携の現状と今後のあり方について伺います。  第2は、プラスチックごみ対策についてであります。  海中に漂うレジ袋をクラゲと見誤って誤食し、プラスチックで満杯になったウミガメは、やがて餓死に至るという痛ましいことが発生している海洋汚染の実態があります。何とウミガメの53%がプラスチックを摂取しており、絶滅危惧種を含む700種類もの生物が傷をつけられたり死んだりしている。我々はこれを地球環境の破壊、海洋汚染への強力なメッセージとして受けとめなければなりません。  プラスチックは、軽くて丈夫で、加工しやすく、耐水性がありといいことずくめであります。これほど便利で、しかも、安価な素材であるがゆえに、世界のプラスチックの年間生産量は過去50年で20倍にもなっております。日本人1人当たりのパッケージ用プラスチックごみの発生量は、アメリカに次ぎ2位と大変高くなっていることにも驚きます。日本沿岸で回収される漂着ごみは年間約3万トンから5万トンで、この6割から9割はプラスチック類、また、直径が5ミリメートル以下の微粒子のマイクロプラスチックは、日本近海各地で世界平均の27倍にも及ぶ数値が上がっております。  安くて便利。しかし、これには地球環境や生命への影響を抑制するコストは含まれておりません。世界の海に年間800万トンのプラスチックが流れ込んで、既に1億5000トンも蓄積しており、冒頭述べたウミガメ等生物の生存の存続の危機に至らしめております。これら蓄積したプラスチックの除去、処分には莫大なコストがかかり、完全除去は不可能でありましょう。  生産と同時に回収、リサイクル等資源化のシステムで循環させるという、いわば、つくったらその後の後始末まで責任あるシステムを構築すべきでした。これまで廃プラスチックは中国や東南アジアに輸出されてきました。これで解決とはなりませんでした。環境汚染、健康被害が問題視され、昨年から輸出量は激減し、あふれた在庫は行き場を失ってしまいました。  このような状況の中で、昨年6月のG7で、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの5カ国がそろって提案し、海洋プラスチック憲章が採択されました。残念なことに、このときアメリカと日本は拒絶しました。国内法が整っていない等の理由でした。しかし、ことし1月のダボス会議で安倍首相は、6月、大阪で開催されるG20においてプラスチック資源循環戦略を公表する方針を基調講演で表明しました。リデュース、リユース、リサイクルとバイオマスプラスチック導入の各数値目標を掲げ、各国に義務づける枠組みを提案するという運動です。  憲章採択拒絶の背景に、経済界との調整の不調があります。そのような日本国内の事情を抱えたままのレベルでは、リーダーシップをとっているつもりでも、うまくまとめ切れるか、大変興味を持って、また、期待を持って見守りたいと思っています。これを機に、プラスチックごみへの対処について、企業の生産活動のあり方の転換を促し、スマートフォンの普及の立ちおくれのごときガラパゴス化の再来がなきよう、環境省は踏ん張っていただきたい。同時に、我々消費者もライフスタイル等意識の転換が強く求められています。  るる述べましたが、プラスチック問題は21世紀の大きな環境課題であり、ニュープラスチックエコノミーを開く絶好の機会にもなります。いずれにしましても、我々には、生物多様性を堅持し、豊かな海を次世代に残していく責務があります。  そこで、今回は2点について伺います。  第1点は、本市におけるプラスチックごみの現状についてです。  その1点目は一般廃棄物に占めるプラスチックごみの量について、2点目はプラスチックのリサイクルの現状についてです。現在、市では、キャップを除いたペットボトルの回収、スーパー等小売店ではトレーの回収がされていますが、それらの回収状況と行き先を含めたリサイクルの状況をどのように把握されているかを伺います。  第2点は対策についてです。  家庭から排出されるごみの約6割――容積比――を占める容器包装のごみの資源化をする容器包装リサイクル法――以下、容リ法――は、1995年に制定されて約四半世紀がたちました。プラスチックごみの大半は容リ法の対象になりますが、当市においてはペットボトルに限定されたまま今日に至っています。この間、何度かペットボトル以外の容リ法対象プラスチックやその他プラスチックの回収リサイクルを提言した経緯がありました。この容リ法には罰則規定もなく、また、八戸清掃工場第一工場では、給湯、冷暖房、発電に余熱を利用するシステムを導入し、プラスチックごみを燃やせるごみとして回収し、焼却しています。  しかし、近年のプラスチックごみによる海洋等環境汚染の深刻な状況は、海から拓けたまち八戸が泣いております。八戸の漁業は産業の重要な柱であり、八戸は持続可能な海洋環境の保全に取り組む必要があります。かつ、最終処分場の埋立量は限界があり、施設延命上からも焼却処分にかわり、リサイクルへ転換すべきと考えます。これらを勘案して、容器包装リサイクル対象プラスチックとその他プラスチックの回収、リサイクル事業の推進について今後の考え方を伺います。  第3は、人口減少、少子化対策についてであります。  我が国はこの8年連続で人口減少が続き、2030年には全ての都道府県で人口が減少し、2045年までに総人口は1億642万人になるという大変衝撃的予想を昨年3月末、国立社会保障・人口問題研究所が――以下、国立研――が発表しています。当市においても、住民基本台帳に基づく人口が23万人を割るのは時間の問題と言われているうちに、この1月末に現実となりました。それも、死者数が出生者数を上回る自然減が顕著となり、少子化イコール人口減少が八戸市においても如実になってまいりました。将来人口の見通しについて、国立研よりも減少率を低くしている当市の人口ビジョンの推移ですが、これを下回らないよう、雇用創出、就業支援、子育て環境の充実等々において、さまざまな戦略効果が上がることを願うばかりです。  今回は、子育て環境の充実の視点から、少子化対策について2点伺います。  第1点は、子育て支援策についてです。  本年度、県により実施されたゼロ歳から15歳の子を持つ親約100組を対象とした調査結果が明らかになりました。それによると、子どもの数は3人が理想というのが42.3%で最多、次いで2人が39.3%。しかし、予定する子どもの数は2人が48.1%、次いで3人が30.7%と逆転しています。少子化時代の若い世代の世相として、1人か多くて2人ではないかとの私の認識に反した3人が理想との結果に、希望の明かりを感じました。  理想の子どもの数より、実際予定の子どもの数が少ない理由として、家庭の経済的事情が壁となっているようです。特に教育費、子育て費――衣食、小遣い等々――がかかり過ぎるし、公的支援については本県の子育て環境は余り整っていないという回答が約4割もありました。日本の教育への公的支出は、6年連続で先進国中最下位、途上国を含めても123位と異常な低さには今さらながら驚きを禁じ得ません。  ちなみに、経済協力開発機構――OECD――の示したGDPに占める学校などの教育機関への公的支出の割合において、日本は3.5%で最下位、OECD平均は4.7%であります。大学などの高等教育では34.3%で、OECD平均の69.7%を大きく下回っており、加盟国では韓国に次いで低い数値であります。高等教育支援策を含めた教育費のさらなる国による拡充が求められるところであります。  ここでは、直接保護者への教育にかかる経済的負担への支援について伺います。  現在も学用品や学校給食費等への援助は、市の就学援助制度により実施されています。しかし、さきにも述べましたように経済負担感は大変強く、希望する子どもの数は持てないということであります。これをどう受けとめ、今後どのような支援が可能かを模索し、安心して教育できる環境づくりを求め、支援策について伺います。  第2点は、男性の育児参加への支援についてです。  父親の育児参加は、母親や子どものためのみならず、父性を豊かにし、自身の生きる価値と意欲を高める絶好の機会となります。男性の育児休暇取得率はこの20年ほどで大きく飛躍し、平成29年度は過去最高の5.14%、前年度比1.98%増となっています。しかし、女性の83.2%には遠く及ばない状況です。  平成28年12月定例会一般質問で、平成32年度までに、男性職員の配偶者出産休暇の取得率を平成26年度の71.3%から100%に、また、育児参加休暇の取得率を同じく11.5%から50%以上にするとの目標を掲げ、達成に向けて尽力するという旨の御答弁をいただいております。  そこで、1つ目に、平成29年度の配偶者出産休暇、育児参加休暇の取得率について、それぞれお答えいただきます。2つ目は、さらなる取得率の向上策について伺います。  第4は、スマートフォン等の校内持ち込みについてであります。  文部科学省は、スマートフォン、携帯電話を学校に持ち込むことを原則禁止とした2009年の通知を見直す方針を示しました。ここに至った経緯は全く見えず、突如出てきたとの感は否めません。スマートフォン等にかかわる今日の深刻な課題等を含めた教育現場の声がどれほど反映されたものなのか、疑念が残ります。近年の甚大な自然災害の多発に対応し、親子で安否確認するため、スマートフォン等の持ち込みを容認した大阪府、ほかにも同様の観点から検討中のところもあるようであります。  昨年の9月定例会で、小学校5年生から6年生と中学生のスマートフォン等の所有率と利用状況を伺いましたところ、前年度よりも今年度は5.2%増の54%の所持率、78.7%の児童生徒がインターネットを利用している、16.7%の児童生徒が1日2時間以上利用している、いずれも昨年度より増加ということでした。所持すれば利用したくなるのは当然であります。また、子どもたちは、大人と違って、所持すればその機能を瞬時に自分のものとし使いこなします。睡眠不足による学習への支障も見られ、インターネット、ゲームに長時間興じるうちに、ゲーム障害等の依存症やトラブル、犯罪に巻き込まれるリスクが高くなります。よって、現時点で学校への持ち込みが許されれば、その対処にかなり苦慮される事態になりはしないか、懸念されます。  そこで、今般の文部科学省のスマートフォンの学校への持ち込み原則禁止の見直し方針についての所感を伺います。また、この方針へはどのように対応する考えか、かつ、そのための対策についてあわせて伺います。  以上でこの場からの質問を終わります。  さらに、今年度御退職される理事者を初め、職員の皆様方には、長きにわたり、市民福祉の向上、市発展のために鋭意御尽力くださいましたことに、議員の1人として、市民の1人として深く感謝申し上げます。人生100年時代にあって、まだまだお若く、今後とも培われました経験、知見をもって、ますます御活躍くださいますようお願いいたします。ありがとうございました。  〔14番伊藤圓子君降壇〕(拍手) ○議長(五戸定博 君)市長  〔市長小林眞君登壇〕 ◎市長(小林眞 君)伊藤議員にお答え申し上げます。  まず、児童虐待通告等の現状についての御質問ですが、県の八戸児童相談所と八戸市が過去5年間に受理した通告件数に関して、八戸児童相談所における当市関係分は、平成25年度が209件、平成26年度は220件、平成27年度は319件、平成28年度は231件、平成29年度は234件となっております。また、当市が受理した件数は、平成25年度が22件、平成26年度は10件、平成27年度は5件、平成28年度は43件、平成29年度は33件となっております。このうち、当市が受理した平成29年度における33件の虐待通告の種別につきましては、身体的虐待3件、心理的虐待8件、保護の怠慢、拒否、いわゆるネグレクトが22件となっており、性的虐待はございませんでした。  当市が受理した通告への対応につきましては、県が策定した市町村と児童相談所の機関連携対応方針に基づき、対象児童の安否を48時間以内に目視により確認した上で、保護者との面談や生活環境の調査などを速やかに実施し、関係機関と連携を図りながら、子育てに関する助言、指導を行い、児童虐待の重篤化を未然に防止しております。  次に、対応策についてお答え申し上げます。  当市では、児童福祉法の規定により、全市区町村に設置が求められている要保護児童対策地域協議会を平成27年3月に設置し、構成メンバーである八戸児童相談所、警察、福祉、学校関係者、八戸市医師会、民生委員、学識経験者で協議しながら、児童虐待に対応しております。当協議会におきましては、毎月1回、実務者会議を開催するとともに、困難を抱える児童や保護者を支援するため、事務局である子育て支援課に今年度より専門職として児童福祉司を配置し、八戸児童相談所や学校を初めとする関係機関との情報の共有を図りながら、対応方針を策定した上で、訪問による助言指導等を行っております。  このほか、早急な対応を検討しなければならない事案では、随時、関係機関によるケース検討会議を開催し、役割分担や支援の方針を定め、適切な対応に努めております。また、市教育委員会では、スクールソーシャルワーカースーパーバイザーを配置し、各学校のスクールソーシャルワーカーへの助言等を行い、児童虐待の重篤化防止のため、きめ細かな対応を行っております。  さらに、平成26年11月からは、八戸地域の安心・安全見守り事業として、市内の事業者と協定を締結し、業務上、市内で異変を発見した場合には、市に通報を行う体制の整備も進めており、児童虐待の早期発見にもつながっております。  市といたしましては、今後とも子どもの命や安心安全な生活を守るため、児童にかかわるさまざまな関係機関と連携を図りながら、児童虐待の早期発見、早期対応に努めてまいります。  私からは以上でございます。  〔市長小林眞君降壇〕 ○議長(五戸定博 君)環境部長 ◎環境部長(佐藤浩志 君)それでは、当市のプラスチックごみの現状についてお答え申し上げます。  当市におけるプラスチックごみの排出量は、平成29年度の一般廃棄物の排出量8万2067トンのうち、約16%の1万3000トンと推計しております。このうち、ペットボトルにつきましては資源ごみとして分別収集を行い、八戸リサイクルプラザにおける処理を経て再資源化事業者に売却され、リサイクル原料として再利用されております。また、燃やせるごみとして一般家庭から排出されたものにつきましては、収集された後に八戸清掃工場において焼却され、処理に伴う熱回収により発電を行うサーマルリサイクルが行われております。  あわせて、民間主導によるリサイクルでは、食品トレーやペットボトルキャップ、プラスチック製の卵パックなどが民間のスーパーマーケット等において店頭回収が行われ、再資源化事業者を経て再利用されております。  次に、対策についてお答え申し上げます。  当市におきましては、容器包装リサイクル法の施行により、ペットボトルの分別収集及び再資源化を実施しており、あわせて、民間のスーパーマーケット等による食品トレーなどのプラスチック製容器包装の店頭回収によるリサイクルが行われ、市民生活に定着し活用されております。あわせて、ごみ減量講座等を通じて、レジ袋の不使用などの周知啓発に取り組んでおります。  一方で、燃やせるごみとして焼却しているその他のプラスチックごみについても、分別収集やリサイクルを検討した経緯がありますが、収集経費の増加や中間処理施設の設備整備費用などの問題により実現には至っておりません。ここ数年、世界的にプラスチックごみの削減に向けた対応が求められており、その他のプラスチックごみの削減及びリサイクルは、持続可能な社会を実現し、次世代に豊かな環境を引き継いでいく上で必要であると考えております。  国では、平成30年6月に閣議決定した第4次循環型社会形成推進基本計画において、本年6月までにプラスチック資源循環戦略を策定し、プラスチック使用の削減とプラスチック資源の回収、再生利用についての施策を推進することとしております。当市におきましても、プラスチックごみのさらなるリサイクルについて、国の動向を注視しながら効果的な事業について研究してまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)教育部長 ◎教育部長(吉田幸司 君)私からは3、人口減少、少子化対策についての(1)子育て支援策についてお答え申し上げます。  市教育委員会では、教育費に関する経済的負担への支援として就学援助を実施しております。就学援助は、経済的な理由で小中学校に就学することが困難と認められる児童及び生徒の保護者に対し、就学に必要な学用品費などの一部や学校給食費を援助するものであります。当市の準要保護児童生徒の就学援助については、八戸市要保護及び準要保護児童生徒就学援助費支給要綱に基づき実施しているものであり、就学援助の認定における収入の基準額は、生活保護法による保護の基準額を算定の基礎としております。  国は、平成25年8月に生活保護基準の見直しを行いましたが、当市においては、就学援助制度への影響が及ばないよう要綱を改正し、見直し以前の生活保護基準を適用しております。さらに、生活保護基準の基準額に1.3を乗じた額を上限として認定しておりますが、これは、県内でも大変手厚い要件となっており、より多くの方々が利用できる制度となっております。  なお、認定者数の割合は、平成28年度末現在で17.3%、平成29年度末現在で17.5%、平成31年2月現在で17.6%とほぼ横ばいで推移しております。就学援助制度については、小中学校を通じて保護者へお知らせを配付するなど、周知を図ってまいりました。  今後も各学校が子どもたちの様子を見ながら保護者に働きかけるなど、援助を必要としている家庭が確実に援助を受けられるよう、各学校と連携しながら周知に努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)総務部長 ◎総務部長(大坪秀一 君)それでは次に、男性の育児参加への支援についてお答えを申し上げます。  当市におきましては、平成28年3月に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、女性職員の活躍の推進に関する特定事業主行動計画を策定しております。この計画では八戸市と八戸地域広域市町村圏事務組合の職員を対象としており、女性のキャリアアップや継続就業等、女性の活躍の推進のためには男性職員の積極的な育児参加が重要であるとの認識のもと、平成32年度までに男性職員の配偶者出産休暇の取得率を平成26年度の71.3%から100%に、育児参加休暇の取得率を平成26年度の11.5%から50%以上にすることを目標として掲げてございます。  まず、配偶者出産休暇の取得率の状況についてでありますが、平成27年度82.7%、平成28年度77.0%、平成29年度80.6%となっております。また、育児参加休暇の取得率の状況でございますが、平成27年度14.7%、平成28年度51.4%、平成29年度55.6%となっております。  これまで、目標の達成に向けまして、職員に対し庁内情報メールなどを通して休暇制度の周知を図るとともに、毎年度、職員配置計画ヒアリングの場におきまして人事課から所属長に対し、所属職員へのさらなる周知と取得促進を呼びかけており、その結果として、徐々にではありますが、職員の認知度が高まり、取得率も向上してございます。  今後とも、引き続き育児にかかわる休暇を取得しやすい環境づくりを進め、男性職員の育児参加への意識醸成に努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)教育長 ◎教育長(伊藤博章 君)私からは、スマートフォン等の校内持ち込みについての2点についてお答え申し上げます。  最初に、スマートフォン等の校内持ち込みについての原則禁止の見直し方針への所感についてお答え申し上げます。  議員御承知のとおり、先般、文部科学省が携帯電話やスマートフォンの小中学校への持ち込みを原則禁止した通知を見直す検討を始めると報道されました。当市におきましては、連合PTA、小中学校長会、教育委員会の連名で策定したインターネットトラブル防止のための3つの提言において、児童生徒がトラブルに巻き込まれないようにするため、児童生徒に携帯電話やスマートフォンを所持させないことを推奨し、これまでも原則として学校への持ち込みを禁止しております。  議員御指摘のとおり、携帯電話やスマートフォンは、連絡手段等として有効である一方、依存性やトラブル等の危険もはらんでおり、児童生徒が携帯電話やスマートフォンを所持することの必要性については十分吟味しなければならないと考えております。当市におきましても、SNSを介した誹謗中傷や画像データの流出等、児童生徒がトラブルに巻き込まれる事案が発生しており、情報モラルに関する指導の充実や携帯電話やスマートフォンの利用について、家庭でのルールづくりを推進することが喫緊の課題であります。  これらの現状に鑑みますと、携帯電話やスマートフォンを学校へ持ち込むことを許可した場合、校内での破損や盗難、画像や動画の無断撮影等によるトラブルが危惧されるところであります。また、家庭の事情等により、所持できる児童生徒と所持できない児童生徒の間に格差が生じることも予想されます。さらには、SNSを介したいじめ等の事案は全国的に散見されるところであり、携帯電話やスマートフォンの所持及び学校への持ち込みが、当市の掲げるいのちの教育の根幹を揺るがしかねない事態につながることも懸念しているところであります。
     次に、国の見直し方針への対応と対策についてお答え申し上げます。  市教育委員会といたしましては、従来どおり児童生徒に携帯電話やスマートフォンを所持させないことを推奨するとともに、学校への持ち込みは原則禁止することを堅持いたします。その上で、各学校において児童生徒の発達の段階に応じた携帯電話やスマートフォンの適切な利用や、情報モラルを育てるための指導を充実させるよう指導助言してまいります。  また、携帯電話やスマートフォンを介したトラブルから児童生徒を守るためには、ルールづくり等、各家庭が基盤となった話し合いや取り組みが重要であり、保護者の意識を啓発することも必要であると考えております。  今後は、国からの通知や児童生徒の携帯電話やスマートフォンの活用状況等を注視しながら、対応を慎重に検討してまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)伊藤議員 ◆14番(伊藤圓子 君)市長、教育長、関係理事者の皆様方、御答弁ありがとうございました。  まず、スマートフォン等の校内持ち込みについて、先ほど登壇して申し上げましたとおり、何でこんな突然にという感想を持ちました。それに対して今、教育長の御答弁にあったように、この件に関しては子どもの命を守るという観点から慎重に、これまでどおり持ち込み禁止を原則とするという御答弁でした。私は本当に胸をなでおろしましたが、これは、私以上に現場の先生方もそのように思ったのではないかと思います。  文部科学省は、近年、災害が甚大化しているし、また、登校中にそういうことがある、下校中にそういうことがあると連絡がとれないという御父兄たちの声に押されて、こういう判断をしたと言っております。しかし、日々の学校生活、子どもの教育環境の中ではどうなのかという視点が私はもっとあってよかったのではないかと思っております。どうぞ八戸市におきましては、今の姿勢を堅持しながら、子どもたちが正しい使用ができるような指導もあわせて行い、父兄とも、あるいは子どもを交えたところでの正しい使い方についての研修を重ねていっていただきたいということを要望したいと思います。  もう1つは、災害時の緊急連絡ということの心配が国は一方であるかと思います。やはりこれも大事なことですので、子どもに携帯電話を所持させないという観点から、緊急事態にどうやって子どもとの連絡、子どもの安否を確認できるかというあたりも、御父兄たちと最良の方法をしっかりと話し合いの中で模索していただき、それぞれ共通認識を持って、そういう安否確認ができるようにしていただきたいと思いますが、これについて後でコメントをいただければと思います。  それから、子育て支援策につきまして、八戸は県内の他市よりも大変手厚い保護基準でさまざまな支援をしているということは承知しておりますし、これからも堅持していただきたい、あるいはもう少し拡大していただきたいということを要望申し上げたいのでありますが、子育て最中の方々からいろいろお話をお伺いすると、給食費が何とかならないか、まだまだ数は少ないけれども、県内にも無償化しているところがあるという御意見が結構聞かれます。  そこで、私も少しでも給食費については軽減が図られればいいのではないか。全面無償化になることが一番望むところでありますけれども、例えば石垣町では、第3子以降の子どもには、小中、特別支援学校では無償化したりというような条件つきであったりとか、あるいは一度に無償化は無理としましても、今現在大変食材が高騰してきております。そして、消費税も導入されます。そういったところで、給食費がさらに上乗せで高くならないよう、どうぞその辺の負担軽減からでも取り組んでいただきたいと要望したいと思いますが、これについてもコメントをいただければと思います。  それから、男性職員の育児参加についてですけれども、目指している目標値、配偶者出産休暇の取得率という点では既に80.6%と、あと一息というところ。それから、育児参加休暇は50%を目標にしているところ、55.6%と伺いましたが、これは職員を大変啓発して、その効果が出てきているのだろうと思っております。  そこで、ここでは取得率を伺ったのですけれども、配偶者出産休暇あるいは育児参加休暇のところで、実際の取得の実数というのは、おおよそ平均してどのぐらい皆さん取得されているのでしょうか。もしわかればお知らせください。  そしてさらに、この取得率のみならず、やはりこの日数ももう少しとれるような向上策をとっていただければと思いますけれども、そのコメントをいただければと思います。  それから、虐待防止につきましてですけれども、本当に痛ましい事件が相次ぎました。思い出すだけでも身の毛がよだつ父親の虐待ぶりには、本当に怒り心頭であります。  そこで、八戸市としましても、児相と連携を密にしながら、この協議会というものを設置して、月に1度実務者協議会が持たれているということでありますけれども、心愛ちゃん、あるいは結愛ちゃんの虐待事件などが報道されました。やはりこういう具体的な事例を実際にシミュレーションして、八戸ではこのような事態に至らないようになるはずだというところまで確信を持てるような検証をすべきだと思いますけれども、この辺の事件においての具体的検証というものはどのようにされたのか。  また、構成関係機関の中に保育所とか幼稚園関係も入っているのかどうか。やはり乳幼児期からこういったことに非常に高い関心を持ち、情報を共有化するためにもこの協議会の中に入っていただければと思いますが、この状況を伺います。  また、児童虐待防止に向けた関係閣僚会議が開かれまして、全ての虐待事件、事案について1カ月以内に緊急安全確認を行うこととしましたけれども、これに関しては、八戸市は安全確認を非常にスムーズにされていることもありますけれども、今回のような確認をするようにということに対してはどのような対応をされたのでしょうか。  それから、プラスチックごみについてなのですけれども、ここではまず、意見だけ述べておきますが、今、清掃工場ではプラスチックごみを集めながら発電しておりますが、平成7年供用開始された第一工場。あの時点では、ごみ発電というものが有効活用であるということで、私もそれはいいことだと受けとめておりました。しかし、今日、いろいろなことを調べていくと、ごみ発電というのは余り効率のよい発電ではない。例えばその効率で言えば、ごみ発電の平均は10%程度で、よくても20%である。普通の火力発電は40%の効率であって、ガスタービンの発電は60%、これらに比べて大変低いわけなので、これらのことを永遠に続けていくというのもどうなのかとも思っております。ここは意見として、後ほどまた再質問をさせていただきますが、これまでお願いしました再質問に対し、御答弁をお願いいたします。 ○議長(五戸定博 君)教育長 ◎教育長(伊藤博章 君)伊藤議員の再質問についてお答えします。  スマートフォンを学校に持ち込まないというのはいいのですが、災害等のときはどうするのかという御質問だと思いますけれども、まずはスマートフォンが文部科学省で今見直しに入ったという本当の理由というのですか。マスコミの報道でしか知りませんけれども、昨年発生しました大阪府北部の震度6弱の地震がございましたけれども、ちょうど登校時でありまして、そのとき、子どもたちとの連絡がうまくとれなかったことが1つのきっかけになっている。  そういうことで、携帯電話にしても、スマートフォンにしても、災害時には非常にいい、特に親御さん等と連絡をとるのには有効な手段であるというのはもう十分認識しております。ただ、災害時だけに限定しますと、八戸市では、御承知のように防災ノートを低学年、高学年、そして中学生という3部作でこれまで改訂も重ねて出してきました。その趣旨は何かというと、スマホ等は最終的な手段としては利用しても、大きな災害が起きたときにどこに集合するのか、どういう連絡方法をとるのか、まずは親子で一緒に活用してほしいという気持ちで防災ノートをつくったところであります。  したがって、慎重に検討しなければならないというのは、将来はどのようになるかはまだしも、今スマホを平日の学校に持ち込むということは、命のリスクも含めて、余りにも大き過ぎると私は考えておりますので、災害に有効であるけれども、学校現場に今持ち込むのは、かえって子どもたちの生活が乱れてしまう可能性が高いということであります。それにかわる登校時等に災害が起きたときの連絡方法等につきましては、今後さらに詰めながら、安心安全の学校を維持していきたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)教育部長 ◎教育部長(吉田幸司 君)私からは、伊藤議員の給食費の無償化についての再質問についてお答え申し上げます。  まず最初に、今後、消費税の増税に伴って給食費はどうなるかということにつきましては、給食物資については消費税の対象外ということで、増税とともに上がることはまずないように努力していきたいと思っております。  それから、給食費の無償化につきましては、これまで一般質問でも申し上げましたとおり、やはり財源の問題が解決しない限りなかなか難しいのではないかと考えております。そうした中で、教育委員会としましては、繰り返しになるかもしれませんけれども、先ほども御答弁申し上げましたとおり、経済的な理由で就学することが困難な児童生徒の就学の機会を確実に確保するという観点からも、ただいまの就学援助の制度の周知を図りながら、援助を必要としている家庭が確実に援助が受けられるようになるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)総務部長 ◎総務部長(大坪秀一 君)それでは、私からは、伊藤議員の男性職員の育児支援休暇の取得状況を実数でということでしたので、お答え申し上げます。  まず、配偶者出産休暇でございますけれども、これは出産の日から2週間以内に3日間とれる休暇でございますが、平成29年度の数値で申し上げます。2.4日取得しております。  それから、育児参加休暇でございますけれども、こちらは産前産後5日以内でとれるという休暇でございますけれども、平成29年度で2.3日という取得状況でございます。平均でございます。  今後とも、こういった休暇の取得促進に向けましては、職員への周知と所属長への依頼を通じて育児参加への意識醸成に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)福祉部長福祉部長(豊川寛一 君)私のほうからは、福祉部の関係する3点の再質問についてお答えさせていただきます。  まず、1点目でございますが、児童虐待について、具体的な事例をシミュレーションしてどのように検証しているかということでございます。  これにつきましては、先ほどの市長からの答弁でも申し上げましたけれども、要保護児童対策地域協議会におきまして、実務者会議なり、または具体的なケースをもとにしたケース検討会議で検討しております。また、このほかに野田市のほうで、議員御承知のこととは存じますけれども、今の事件に対して検証するような児童虐待防止の合同委員会を立ち上げまして検証されるということですので、そのような内容も今後参考にしながら、関係機関と連携をとって、さらなる児童虐待防止に努めてまいりたいと考えております。  それから、2点目の要保護児童対策地域協議会ですけれども、メンバーとして保育所関係の方が入っているかということですが、入っていただいてございます。  3つ目ですが、国からの児童虐待についての緊急点検ということで照会がございまして、福祉部の場合はこども園とか保育所の関係で照会がございまして、今、県で取りまとめている状況でございますが、八戸市の分につきましては点検が終わっておりますので、その内容をお伝えさせていただきます。  まず、調査の対象施設数ですが、84施設ございます。保育所が19カ所、小規模保育事業をやっているところが1カ所、それからあと、認定こども園が64カ所ということで、全部で84施設に対して、国から指定された期間、2月1日から2月14日の間で登園していない子どもさんに対して調査をするということで、11人の方がございました。調査をした結果、虐待が新たに疑われる事案というのはございませんでした。  ただ、参考までに申し上げますと、その11件、11人の方のうち1人の子どもさん、既に児童相談所のほうで継続して支援をしている方が含まれてございます。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)伊藤議員 ◆14番(伊藤圓子 君)ありがとうございました。  それでは、今の児童虐待のところですけれども、こういう事案、深刻な事件があったときに、実際の事件のことを念頭に置きながら、やはり私は他の検証を待つのではなくて、八戸の体制がこの事案と同じことが起こったときに、そのようにならないようにするための検証をしなければいけないと思いまして、これからこういう協議会の席上でも実際に事件のシミュレーションをし、そして、心愛ちゃん、結愛ちゃんのようなことに至らないような支援ができるようにしていただきたいと要望いたしたいと思います。  それでは、最後になりましたけれども、プラスチックごみのことにつきましてです。  このプラスチックごみは、これからリデュース、リユース、そしてリサイクルという3つの目標を持って2030年度までにさまざまな数値目標が掲げられております。当市におきましても国の方向を見ていかなければいけないですけれども、やはり今はニュープラスチックエコノミーという言葉がもう大変全面に出てきておりまして、既に世界ではダイナミックに動いております。したがいまして、八戸も雇用の場とか新しい産業の創出という意味では、脱プラのイノベーションというのを図りながら、新たな経済成長の起爆剤としていただきたいと思うわけです。  脱プラの零細企業への支援であるとか、あるいは脱プラ技術の研究の支援であるとか、私はそういったことを八戸の産業に集積していっていただけたら、漁業で生きる八戸のまちとしても非常に効果的なのではないのかと思いますけれども、既にある企業誘致におきましても、来てくれるのなら何でもオーケーではなくて、やはりこちらも1つの方向性を持って、これを解決するための企業集積をしたいのだというメッセージを出しながら取り組んでいただけたらいいのではないかと思いますけれども、その辺の考え方を伺って、終わりにしたいと思います。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)ただいま伊藤議員から、今後の環境行政の進め方の中で、企業誘致にも関連して、ニュープラスチックエコノミー、あるいは脱プライノベーションといったことも十分踏まえた誘致活動をすべきではないかということでございます。当市の産業構造の特徴は、多様性があって、さまざまな企業が活動しているということが非常に特色であろうと思います。その中にいわゆる環境関連、これまでも実は環境関連の企業も多く進出していただいておりますけれども、議員御指摘のような形での取り組みにつきましても十分留意しながら進めていきたいと考えております。 ○議長(五戸定博 君)以上で14番伊藤圓子議員の質問を終わります。  この際、暫時休憩いたします。   午後0時32分 休憩   --------------------   午後1時30分 再開 ○副議長(工藤悠平 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続行いたします。   --------------------   7番 冷水保君質問 ○副議長(工藤悠平 君)7番冷水保議員の質問を許します。冷水議員  〔7番冷水保君登壇〕(拍手) ◆7番(冷水保 君)ただいま議長から発言のお許しをいただきました、きずなクラブの冷水でございます。平成31年3月定例議会に当たり、きずなクラブの一員として、通告に従い、市長並びに関係理事者に質問をしてまいりたいと思います。  2019年度一般会計当初予算は、市総合保健センターや新美術館建設事業費等大型建設事業費が全体を押し上げて、6.1%増の市初の1000億円を超える1058億円強の規模となりました。積極型予算と言えば、それはそのとおりだと思いますが、公共施設整備の増大でソフト事業へのしわ寄せは避けたいものであります。今後の社会動態は少子化や高齢化がより一層進んでいくことが予測されており、人口減少による税収の落ち込みや社会保障関連の扶助費の増加が見込まれます。加えて、新たに建設する施設のみならず、既存の施設の運営や維持管理費、長寿命化のための補強や改修等多額の費用が見込まれています。  大型施設建設等による市債残高は2018年度末見込みで1090億円程度となり、公債費の償還は数年後にピークを迎えるとのことであります。現時点で公債費の割合が問題のない数字であったとしても、償還がピークを迎えるときに税収等歳入の大幅な落ち込みがあれば、公債費比率も一気に高まることもあり得ると思います。  幼児教育無償化や給付型奨学金の拡充等により、今後ますます基礎自治体である市町村の負担が増大することが見込まれています。多くの市民の方々から、八戸の財政は大丈夫ですかと聞かれることが多くなりました。住民サービスに対する関心からか、財政健全化に対する市民の意識が高まっているように感じます。財政健全化について今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、農業政策についての1点目ですが、八戸ワイン産業創出プロジェクトについてお伺いいたします。このことについては、私も同僚議員も何度か質問させていただきましたが、質問の仕方が悪かったのか、腑に落ちない点がありますので、ぶり返しになりますが、確認の意味で質問いたします。  ワイン用ブドウを選定した過程をお尋ねしたところ、南郷新作物検討会議で検討した結果、ワイン用ブドウに決まったという御答弁をいただいたと記憶しております。私が聞きたかったのは、ポスト葉たばこと言うからには、面積的な視点から検討されたのか、あるいは収益的な視点から検討されたのかという意味での質問だったのですが、改めて御答弁をいただきたいと思います。  さて、ワイン産業創出プロジェクトも、順風満帆ではないにしても、比較的順調に推移しているように見られ、醸造会社も2社体制に整えられつつあるようですが、今までの取り組みの経過についてお知らせください。  2点目になりますが、今まで取り組んできた中で課題も見えてきたと思いますが、その課題と対応策についてもお聞かせください。私なりに得た情報によりますと思ったほどお金にならないようですが、ポスト葉たばこというイメージからすると、かなりの収益があると思っていた方が多かったのではないかと思います。収穫量は品種によっても違いがあると思いますが、800キログラムの収穫量で単価が1キログラム当たり250円だとすれば、20万円の単収になります。葉たばこの単収と比べると半分以下となります。しかも、800キログラムの収量をコンスタントに確保するためには、かなりレベルの高い栽培技術を要すると思われますが、そのような課題に対する対応策をお示しください。  3点目は、農業の担い手育成の取り組みについてお伺いいたします。  農業者の高齢化により、担い手不足によって不耕作農地が増加してきており、憂慮する状況です。新規就農支援事業や集落営農組織の立ち上げ等により、辛うじて現状を維持しているものの、地域農業の未来は明るい展望が開けているわけではありません。そのような状況の中で、少しずつですが、新規就農者がふえつつあることは心強い限りであります。市では市内を11のエリアに区分して、経営再開マスタープランの座談会を開催して就農支援等の取り組みをしているようですが、その内容についてお知らせください。  次は、当市における幼児虐待防止の取り組みについて伺います。  2018年6月、当時5歳の船戸結愛ちゃんが、両親からの虐待により、とうといとうとい小さな命を奪われました。もっとあしたはできるようにするからもうおねがいゆるして、5歳の女の子の悲痛な思いが両親に届かなかったのです。本来守るべき両親が我が子の命を断ち切ってしまったのです。どうすれば、こんなむごいことができるのか、想像することさえできません。  そして、今また、千葉県野田市で小学4年生の女児が、これまた両親の虐待により死亡しました。子ども3人の顔をつねって両親逮捕、浴槽に放置され乳児死亡、布団たたきで6歳の娘殴打、園児に、ばか、豚と暴言、体罰も。こんな事件が氷山の一角でなければいいと思わずにはいられません。  日本の文化が、社会が音を立てて崩れ始めています。本来文化とは、文明と違い、簡単に変わっていくべきものではないと私は思っているのですが、そうではなくなってきたように感じます。地元紙の時評に、虐待防止の取り組みに欠陥という記事が載っていました。確かにそのとおりだと思います。  ただ、制度があるから全てが防げるかといえば、そうでもないと思います。先般亡くなった堺屋太一さんが、困ったときは歴史に聞けと言っています。最近特に感じることですが、おかげさまとか、お互いさまとかという言葉を聞かなくなりました。自分をへりくだらせて、相手を立てる表現です。江戸しぐさにおける傘かしげや肩引きなども、相手に対する思いやりの動作です。利己ファーストではなく、利他ファーストの社会をつくり上げることが大事なのではないでしょうか。我が会派の八嶋議員も質問の中で申し上げておりましたが、他人に寄り添う、人に寄り添う地域づくりを行政が音頭をとって運動することも有効な手だてだと思いますが、虐待防止の取り組みとあわせてお考えをお聞かせください。  なお、先ほどの伊藤議員の質問に対する答弁と同じであれば、私への答弁は割愛されて結構です。  最後の質問になりますが、いじめ問題は教育行政に限ったことではありませんが、この項目では主に学校におけるいじめ防止に関する今までの取り組みについて教えてください。取り組みの中で見えてきた課題はどのようなことが挙げられますか。また、その課題に対してはどのように対応しているのですか。  虐待防止の項目の中でも申し上げましたが、他人に対する思いやりの心が希薄になってきていることがいじめ等の行動につながっているように感じます。相手を思いやる心を育むことは、学校入学前から養われていくべきものだと思います。そうだとすれば、地域社会と行政がしっかりと連携し、労働行政で実施しているほんのり温ったか八戸移住計画支援事業のような仮称・ほんのり温ったか運動でも展開してみてはいかがでしょうか。教育長の所見をお聞かせください。  ひきこもりや家庭内暴力、息子、娘の暴力、暴言等の問題解決に当たっておられる長田百合子さんが出版している著書の中に子どもを壊す親たちとか親がかわれば、子どももかわるという本があります。長田さんのモットーは、親の責任を厳しく指摘することです。耳の痛いことですが、なるほどとうなずくことがあります。大人も、子どもも、そして、いろいろな立場立場の人々がそれぞれの立場で責任をきちんと果たしていくことが、よりよい社会を実現していくことだと私は考えています。  住みやすい、よりよい社会実現のため、今年度末で退職なされる理事者、職員の皆様には、長い間、培ってきたエキスパートとしての知識を生かし、ますます御活躍していただきたいと思っております。長い間、本当に御苦労さまでございました。体調管理に留意され、今後も市勢発展のために御尽力くださるようお願い申し上げ、以上で壇上からの質問を終わります。  〔7番冷水保君降壇〕(拍手) ○副議長(工藤悠平 君)市長  〔市長小林眞君登壇〕 ◎市長(小林眞 君)冷水議員にお答えを申し上げます。  まず、財政健全化の中長期的取り組みについての御質問ですが、市税については、人口減少が進んだ場合、個人住民税等への影響が考えられますが、その時々の景気動向などにも大きく左右されることから、今後の見通しをお示しすることは難しいと考えております。一方、歳出につきましては、大規模建設事業に伴う公債費や維持管理経費の増加を見込んでおります。  このような状況の中、当市の過去5年間の実質公債費比率の推移を見ますと、平成25年度14.2%、平成26年度13.2%、平成27年度12.1%、平成28年度10.7%、平成29年度9.6%と低下傾向でありましたが、平成30年代に順次大規模建設事業に係る市債の元金償還が始まるため、公債費が増加し、実質公債費比率も上昇してくるものと見込んでおります。  今後の取り組みについてですが、まず、建設事業の実施に当たっては、引き続き国及び県からの補助や有利な起債の活用を図り、後年度の公債費が過度の負担とならないよう、市債の発行額に留意しながら慎重に進めてまいります。また、事業のスクラップ・アンド・ビルドは行財政運営の基本であることから、所期の目的を達成した事業などについては見直しを行い、予算編成に当たっては、事業の目的や成果を踏まえ、必要な財政需要への適切な予算配分を行ってまいります。  今後とも第6次行財政改革大綱で掲げた財政指標である将来負担比率200%以下、実質公債費比率18%以下、各年度末の基金残高50億円以上を念頭に、将来にわたって健全な財政運営を維持できるように努めてまいります。  次に3、福祉政策についての当市における幼児等虐待に関する取り組みについては、お許しをいただきましたので割愛させていただきます。  私からは以上でございます。  〔市長小林眞君降壇〕
    ○副議長(工藤悠平 君)農林水産部長農林水産部長(出河守康 君)私からは2、農業政策についてお答え申し上げます。  まず、八戸ワイン産業創出プロジェクトの今までの取り組みと経緯についてお答え申し上げます。  当市では、国内のたばこ需要の減少により、南郷地区の農業経営を支えておりました葉たばこの生産縮減に対応していくため、平成26年5月に八戸市南郷新規作物研究会議を創設いたしました。会議では、南郷地区における農業経営品目を拡充させることを目的に、南郷地区の気候並びに6次産業化に伴う対応等を考慮しながら、ワイン用ブドウ等を選定し、八戸ワイン産業創出プロジェクトを展開してまいりました。ワイン用ブドウにつきましては、当市における生産実績がなかったことから、総務省の機能連携広域経営推進調査事業を活用し、平成26年度から南郷地区内の農業経営者に生産調査を委託しており、これまでに計18品種、2200本の苗木を植えつけし、平成27年度から、生育状況、病害虫及び糖度等の調査を開始しております。  加えて、平成28年11月には、酒類製造免許に係る最低製造数量基準である6キロリットルを2キロリットルに引き下げる八戸ワイン産業創出特区計画が内閣府から認定されるとともに、平成28年12月には澤内醸造と八戸ワイナリーの2社を八戸ワイン生産事業者として認定しており、2社ともにワインの製造を昨年度から開始しております。  澤内醸造につきましては、昨年度、ワイナリーを整備するための経費の2分の1以内の額を補助する八戸市ワイナリー創出支援事業を活用し、柏崎地区にワイナリーを整備しており、今年度も八戸市産のブドウを原料とする白とロゼのスパークリングワイン約1300本が販売されております。  また、八戸ワイナリーにおきましても八戸市ワイナリー創出支援事業を活用し、現在、南郷地区の中野農工団地にワイナリーを整備しているところであり、ことし4月中の竣工を予定していると伺っております。  昨年10月からは、果実酒等の製法品質表示基準により、国内で生産されたブドウのみを使用し、国内で製造されたワインを日本ワインとし、産地及びブドウ品種等の表示も可能となっていることから、このルールに基づくブランド化にも取り組むことにしており、引き続き当プロジェクトの推進に努めてまいります。  次に、八戸ワイン産業創出プロジェクトの課題と対応についてお答え申し上げます。  ワイン用ブドウの植えつけから4年目の昨秋の収量は約4.7トンであり、当初の計画どおり順調に推移しておりますが、平成26年度から農業経営者に委託しております生産調査におきましては、圃場による収量のばらつきが見られており、4年目の目標収量基準450キログラムに対しまして、ブドウの品種間による差はあるものの、10アール当たりの収量は、最も少ない圃場で172キログラム、最も多い圃場で807キログラムと大きな差のある結果になっております。  ワイン用ブドウにつきましては安定した生産量と品質を確保することが肝要であり、生産者の技術力の向上を図るため、平成27年度から生産管理及び病害虫防除等に関する講習会を年4回開催しております。また、当プロジェクトの推進及び南郷地区の地域おこし支援を目的に、平成27年度から国の制度を活用し、八戸市地域おこし協力隊員を委嘱しており、ブドウの生産管理等に関する支援のため圃場に派遣するとともに、適正な土壌環境を維持するため、土壌の分析と診断を市農業経営振興センターにおいて実施しております。  加えて、ワインの製造に必要なブドウの確保を目的に、南郷地区の農業経営者が苗木を購入するための経費の2分の1以内の額を補助する八戸市ワイン産業創出支援事業を平成28年度から実施しており、これまでに約3万8000本の苗木が植えつけされる予定となっております。  ワインづくりはよいブドウづくりから始まると言われ、ワイン用ブドウの生産振興は、当プロジェクトの推進のためには重要であると理解しており、引き続き生産調査を実施し、品種の適性を見きわめながら生産を支援してまいります。  次に、農業の担い手育成の現状、課題、対応についてお答え申し上げます。  農林業センサスによりますと、当市の農業就業人口は平成17年の4205人から平成27年に2557人となり、10年間に39%、1648人減少しております。また、当市の農業就業人口の平均年齢は66.5歳であり、担い手の減少に加えて、高齢化の進展が著しいことが、当市だけではなく、我が国農業の課題となっております。  当市では、この担い手の減少と高齢化に関する対策の一環として、国の制度を活用し、地域の中心となる担い手を位置づけた経営再開マスタープランを市内11地区で作成しております。プランに中心となる担い手として位置づけられますと、融資を受けた際の金利負担軽減措置、農業用機械等の導入に対する支援措置並びに新規就農者に対して年間最大150万円を最長5年間交付する資金等の対象となり、市内では、認定農業者110経営体、新規就農者17経営体、農事組合法人3経営体、集落営農組織4経営体等、合計162経営体が地域の中心となる担い手として位置づけられております。  さらに、地区別のプランには市川地区のイチゴや館地区のミニトマト等、振興する農作物も記載されており、このプランに基づきながら計画的に担い手の育成を図ることにしております。  加えて、当市では、平成23年度から市農業経営振興センターにおいて、県、農業協同組合並びに平成22年度に農業経営者の育成に関する協定を締結した八戸学院大学等と連携を図りながら、生産から販売までの一体的な担い手支援体制を構築しており、特に新規就農者に対しては、関係機関で構成するサポートチームが経営、技術、資金並びに農地に関する相談対応を行っております。  農業の持続的な振興のためには、担い手の育成は重要であると理解しており、引き続き関連する施策の推進に努めてまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(工藤悠平 君)教育長 ◎教育長(伊藤博章 君)私からは、教育行政についてのいじめ防止等に関する取り組みと課題及び課題に対する対応についてお答え申し上げます。  全国的にいじめが原因と思われる痛ましい事案が発生しており、改めて、いじめに対する強い危機感を持っているところでございます。文部科学省、平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、当市におけるいじめの認知件数は全国や県と同様に増加傾向にあります。各学校においては、いじめ防止対策推進法が定めるいじめの定義に基づき、積極的にいじめを認知していること、教職員や児童生徒、保護者のいじめに対する危機意識の高まりから認知件数は増加しているものと考えております。  市教育委員会では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、少年相談センター、こども支援センターによる相談体制を整備するとともに、いじめの問題に関する教職員研修や小中学生がいじめ問題を主体的に考える対話集会等を開催するなど、各学校を支援するための取り組みを進めております。  市内の小中学校では、いじめ防止年間計画やいじめ対処マニュアルの策定等により校内指導体制を整備し、いじめの未然防止や早期発見、早期対応に努めております。さらに、児童生徒の日常的な観察やアンケート、教育相談に加えて、地域密着型教育を通した保護者や地域住民等との連携により、児童生徒の変化に気づき、迅速に対応できる体制を整えております。特にいじめにつながる情報があった場合には、学校のいじめ対策組織を中心に情報を共有し、当事者や保護者と面談をするなど早急に対応しております。  最近の傾向といたしましては、児童生徒がゲームやコミュニケーション等でインターネットを利用する機会がふえており、インターネットを通じたいじめやトラブルが問題となっております。各学校では、児童生徒がインターネット上のトラブルに巻き込まれないためにインターネット安全教室等を開催しており、市教育委員会では、ネット情報モラル支援事業により学校の取り組みを支援しております。学校においては、児童生徒の発達の段階に応じて情報モラル教育を推進すること、各家庭においては、インターネットを利用する上でのルールづくりや保護者の課題意識を高めることが重要となっております。  市教育委員会といたしましては、子どもの命最優先、いじめは絶対に許さないという認識のもと、各学校と緊密に連携を図りながら、さらには、保護者や地域住民、関係機関等の力もかりながら、いじめの未然防止と早期発見、早期対応に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。  また、議員御提案の仮称・ほんのり温ったか運動につきましては、当市で取り組んでおります地域の子どもたちを地域で育てるを理念とする地域密着型教育と共通するものと認識しており、引き続き行政としても地域住民の皆様としっかりと連携し、子どもたちを地域全体で見守る体制の充実に努めてまいります。  以上でございます。 ○副議長(工藤悠平 君)冷水議員 ◆7番(冷水保 君)詳細な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  まず、財政健全化については要望だけ申し上げたいと思うのですが、大型プロジェクト等でいろいろな施設を建設する際は、いわゆる起債なりとか、補助金なりとかで財政的に措置されるところがあるわけですけれども、ただ、維持管理とか、運営とか、補修とかとなりますと、なかなかそういった起債がなかったりだとか、補助がなかったりということで、確かに財政健全化指標上は、数字上は問題がないとしても、いわゆる住民サービスのほうに回るお金が足りなくなっていく。指標は問題がなかったとしても、そのようなこともあると思います。できるだけ住民サービスが低下しないように財政運営をしていただきたい。いろいろな設備が整うことは、社会的インフラが整うことは、それはそれで結構なことなのですが、それによって身近な住民サービスが低下していくということになれば、やはり市民の不満というのはたまってくるのではないかと思いますので、その辺のバランスをうまくとっていけるような財政運営をまずお願いしておきたいと思います。これは要望にとどめておきたいと思います。  それから、農業関係のところで再質問いたしたいと思うのですが、先ほど壇上で申し上げましたとおり、醸造体制が2社体制になりますと、恐らく南郷でつくっているブドウだけでは原料のブドウが足りなくなるのでないか。聞くところによりますと、もう既に足りない部分があって、山形のほうからも若干原料を入れているという話を聞きました。  確かに八戸ワインというブランドで出すためには、現地で生産することがもう条件になるわけですけれども、ただ将来的に、私、最初から提唱申し上げてきたのですけれども、もしどうしても地場で、南郷だけでワインの原料を調達できないような状態になったら、市内全域に広げていくことも考えるべきではないのかとも感じております。そういったこともあわせながら、作付面積の推移についても若干今部長のほうから触れていただきましたけれども、原料の生産量、それから販売数量、販売金額。  ここはちょっとお話しされていましたが、農作物というのは技術力によって非常に差が出てくる。私は高校生のときからこの話をしているのですが、生産者、つくる人が一生懸命作物のために力を入れると、農作物はそれにきちんと応えてくれるのです。例えば人間社会というのは、一生懸命その人のためを思っても、なかなか通じないことがあるのですけれども、農作物というのは、一生懸命育てると、育てた人にきちんと収穫物として返してくれるという非常にすばらしいところがあるのです。ですから、今お話ししたみたいに人によって差があるというのは、きちんとやっている人とやっていない人があるということだと思うのです。  これを平準化するということはなかなか難しいと思うのですが、地域おこし協力隊員に採用されている方々も農業のエキスパートなのかどうかはちょっとわかりませんが、そのようなことをきちんと生産者の方々に指導しながら、なおかつ補助金というのは税金ですから、税金も入っているのですということを理解してもらいながら、ワイン用ブドウの栽培をきちんとやっていただきたいということでございます。山形のほうからどれぐらい入ってきているのか、もしわかったら、今の品質でわかったら教えていただければいいですが、もしわからなければ後日でも結構でございます。  それから、認定農業者110名、新規就農者17名というようなお話でしたけれども、私が見ている範囲ですと規模がまだ大きくない。補助金は5年で打ち切りになるわけなのですが、それまでに農業だけで食べていけるような基盤を確立できるのかという多少の不安を持っております。まだ恐らく新規就農者の方々、事業をやり始めた方でやめたという方はいないのではないかと思うのですが、もし途中でリタイアしている方があれば何人ぐらいあるのか、どのような理由によるものなのか、その辺もお知らせいただきたい。そのことをきちんと把握しながら、今後の新規就農者の方々に指導をしていただきたいということでございます。  再質問につきましては、その農業部門で2点ほどお知らせいただきたいと思います。 ○副議長(工藤悠平 君)農林水産部長農林水産部長(出河守康 君)再質問にお答えしたいのですけれども、山形からブドウが何トン入っているかとか、新規就農でやめた人の人数については今手元に資料がないので、少々お時間をいただきたいと存じます。そのほかのことにつきましてお答えいたします。  まず、ワイン用ブドウの作付面積の推移、生産量、それから原料の販売量についてお答え申し上げます  まず、作付面積の推移でございますが、平成26年度に1.3ヘクタール、平成27年度に2.2ヘクタール、平成28年度に3.4ヘクタール、平成29年度に6.6ヘクタール、そして平成30年度でございますが、これからの植えつけ見込みもありますが、一応12.5ヘクタールを見込んでおります。  次に、生産量の経過でございますが、平成29年度に2.8トン、平成30年度に4.7トンでございます。  なお、平成29年度に初めて収穫を始めたものですから、この2カ年のデータしかございません。  また、原料の販売量の経過でございますけれども、ワイン用のブドウは、収穫するときに未熟な粒とか、病気にかかっているものは取り除きながら収穫するということで、収穫量と販売量は同じでございます。  次は販売金額でございます。平成29年は約70万円、平成30年は約118万円でございます。  以上でございます。 ○副議長(工藤悠平 君)冷水議員 ◆7番(冷水保 君)ありがとうございました。  虐待防止といじめ防止は、例えば虐待についても教育委員会だけで対応できる問題でもないし、あるいは福祉部だけでも対応できる問題ではない。やはりそれぞれの部署を横断して取り組んでいかなければならない問題だと私は思っております。  今、明治の話をしてもなかなか通用しないと思うのですが、明治から150年過ぎまして、いろいろな書物等を見ますと、明治政府の一番の失政といいますか、政策的に間違ったことは何なのかということを書いている本がありまして、日本はもともと多神教の国、神仏混交の文化をつくってきた国だったわけですけれども、明治政府がお手本にしたのはドイツが主なもの、ヨーロッパを主に参考にしたわけですけれども、あそこの国々は一神教の国です。多神教ではない。日本は、そのような意味では、世界の中で類を見ない国を形成してきたわけですけれども、たまたまお手本にするのがヨーロッパの国々だったということで、廃仏毀釈をいたしまして、その後、日本は神の国だと言って総理大臣をやめられた方もおりましたけれども、そのようないい文化を明治維新が壊したということが今みたいな形になってきているのではないか。  例えば、宗教ではないのですが、自然崇拝の問題もそうです。それから、山岳信仰なんかもそうなのですが、いわゆる自然に対する畏敬の念を持ちながら、自然とともにあるというような生き方を日本の民族はしてきたわけなのですが、明治以来、百五、六十年かけて、そのようなことがかなり失われてきたのではないかと思っております。  私は神様を特別信仰しているわけではないのですけれども、神様の年取りというようなことで順番に調べてみましたら、11月24日は大師様の年取りだとか、それから12月5日は恵比寿様、9日は大黒様、10日がお稲荷様、12日が山の神様、13日が虚空蔵様、16日が農神様、18日が秋葉様、19日が蒼前様と、11月から12月にかけて、そのような節目節目に我々の先祖の方々は手を合わせて無病息災を願ってきたという文化を築き上げてきたわけですけれども、最近はそのような文化がなくなってきている。  先ほど申し上げましたように、昔というか、我々が子どものころの挨拶を聞いていますと、いや、きのうはどうもありがとうございます、おかげさまでよという話が通常の会話の中でされている。おかげさまでよという言葉に対して、いや、お互いさまだべという人と人のかかわりがあったのですけれども、今は隣同士でもそんなに、私のほうの地域でもしょっちゅう顔を合わせているわけではない。玄関先から車ですっと出ていって、車で帰ってきますから、大きな道路に出るまでの間に会うようなこともない。会釈ぐらいは私はしているのですけれども、そのような人と人のかかわりが希薄になってきていることでお互いを思いやることができなくなっているのではないかという気がしております。  たまたま山の神様の話なのですが、タイマグラばあちゃん、向田マサヨさんという人のことなのですが、映画にもなっているようです。タイマグラばあちゃんのところでは氏神様――うちで祭っている神様のことを氏神様というのですけれども、山の神様なのだそうです。12月12日が山の神様の日で、それは遠野物語にもちゃんと書いてあるのだそうです。この日は山に入ってはいけない、山の神様が山の木を数える日で、人がいると間違って木として数えられてしまい、大変な目に遭うことがあるということが書かれているのだそうです。  科学的な根拠は全くないのですが、山で仕事をする人たちは、例えばうちを新築するときに木を切るわけですけれども、必ずお神酒とか塩とかを持っていって、木を切る山にある一番大きな木にお供えをして、きょうの作業を無事にさせてくださいとお祈りしながら作業してきたということがあるのです。偶然だとは思うのですが、たまたまそのようなことをされないで作業に入ったために大けがをしたとか、そのような話は何度も聞いたことがありますし、木の枝が電話線だとか電気線の邪魔になるので、刈り払いするようなときもそのような儀式のようなものをやらないで、電線に触れてけがしたとかという事例がたくさんあるようでございます。これは単なる偶然の一致なのではないかとは思うのですけれども、自然と一緒になって生きていくのだという意識がなくなってきていることが、人対人の思いやるという意識が希薄になってきているのではないかと思います。  ですから、先ほど言ったみたいに教育長も、地域と一緒になって子どもたちを守っていったり、教えていったりしているのだということですけれども、形のないものの実を上げるというのは、これまたなかなか大変な話だと思います。難しいことだと思いますが、やはりそれでもそれをきちんとやっていかないと、なかなか子どもたちを守れないし、子どもたちをきちんと守るということは、将来的には我々も守られるということなのです。子どもたちは大きくなって、私たちは年をとっていきますから、そういうときにそのような育て方をしていれば、今度は子どもたちが年をとった人たちにいろいろな思いでお返しをしてくれるのではないかと私は思っています。  そのような意味で、名称は別にして、そういう暮らしやすいような地域をつくるために運動をしていければいいのではないか。お金はかからないわけです、運動するためには。お互いが伝えていけばいいだけの話ですから、それを目に見える形にしていけば、施設がそんなにそろっていなくても、まさしく暮らしやすい安心安全な地域になれるのではないのかと思います。  挨拶運動なんかもやっていますけれども、なかなか実態は、皆さんが明るい感じで挨拶をしてくれるかというと、必ずしもそうではない。役所の皆さん方も心がけているとは思うのですけれども、人によっては、あいさつもしたり、しなかったりということなので、そのようなことが目に見えるような形でなされてくるようになれば、いい社会になっていくのではないかと思います。  何回も申し上げるようですが、運動体として活動していくということはお金がかからない話ですので、ぜひもう少しそのような運動に力を入れてほしいという思いもあります。  最後になりますが、本を読むのが好きで、いろいろと本を読んでいるのですが、たまたま二宮尊徳の言葉。ここにいる方々は、皆さん、二宮尊徳はおわかりだと思うのですが、昔は学校の校庭の片隅に、コンクリート製の薪を背負って本を読んでいる像が立っていたのですが、今はほとんどの学校で見られなくなりました。この方がこんなことを言っているのです。国家最大の損失は人心の田畠の荒れたる事也。其の次は田畠山林の荒れたる事也と言っております。ですから、今もしかすると、人心の田畑が荒れつつある社会になってきたのではないかという感じが私はしております。ぜひ完全に荒れる前に、もう少し耕さなければいけないのではないかという思いがしておりますので、ぜひ行政の中でもそのようなことを折々に取り入れて、いろいろな活動をしていければ、もう少しはよくなっていくのではないか。一気にはなかなかよくならないと思いますが、少しずつ少しずついい方向に向けていかないと悪くなっていくのではないかという気がいたしておりますので、そのような思いを皆さん方にもお伝えして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ○副議長(工藤悠平 君)農林水産部長農林水産部長(出河守康 君)先ほどお答えできなかった件についてお答えさせていただきます。  新規就農の交付金の対象になった方で、途中で交付されなくなった方は3経営体、それから、交付後に農業をやめた方が2経営体で、5件となります。原因といたしましては、転職を希望したりとか、病気のため継続できないといったことが主な理由となっております。  以上でございます。 ○副議長(工藤悠平 君)以上で7番冷水保議員の質問を終わります。   --------------------   8番 三浦博司君質問 ○副議長(工藤悠平 君)8番三浦博司議員の質問を許します。三浦議員  〔8番三浦博司君登壇〕(拍手) ◆8番(三浦博司 君)平成31年3月定例会に当たり、きずなクラブの一員として一般質問を行います。発言の機会をいただきました市民有権者と先輩各位に感謝申し上げます。平成最後、そして任期最後の市議会定例会となりました。平成という時代に政治にかかわらせていただいた御縁と御恩を大切に、これからも誠心誠意人事を尽くし、務めを全うしてまいります。  それでは、通告に従いまして、順次質問に入ります。  まず1、子ども医療費助成について伺います。  これまで子ども医療の環境向上のため、議会において質問してまいりました。小林市長におかれましても、子育て支援に力を入れ、子ども医療費助成については裾野の拡大に尽力していただいています。しかし、青森県が、平成30年10月1日から乳幼児はつらつ育成事業を拡充しました。所得制限の基準を現在の約2倍に引き上げ、よって県が市町村に助成する対象児童は9割程度に拡大することになります。県政の継続性から考えれば、子育て支援にとっては特に突然の政策変更とも言える大胆な事業拡充となり、足並みをそろえながら、順序立てて政策の推進に取り組んでいこうと見込んでいた当市にとっては、青天のへきれきとも言える事業拡充であり、事前の政策のすり合わせなどが十二分に行われるべきものであったのではないかと困惑しているのではないかと推察いたします。  しかしながら、県内10市でこの事業拡充に対応していないのは弘前市と当市のみとなりました。県による事業拡充から約5カ月が経過し、県の事業拡充の広報が浸透していく中で、当市の子育て世代で新たに対象となるはずの市民から不満の声が聞こえてくるようになりました。県では、子どもを産み育てる環境づくりを一層進めるため、お住まいの市町村にかかわらず、一定の受給機会の公平性が確保されるよう、保護者の所得制限基準を現在の約2倍に引き上げます。これにより、県が助成対象とする乳幼児の割合は9割程度まで拡大されることとなりましたと広報しています。そして、市町村に対する助成の拡充は、平成30年10月1日からスタートします。これに伴い、お住まいの市町村によっては新たに対象となる場合もありますので、今後、市町村からの広報、案内に御注目くださいと広報しています。適正な手順を踏んだとは言いづらい青森県政の見切り発車とも言うべき、県による子ども医療費助成の事業拡充となりましたが、やはり始まった以上、三層制をとる日本行政機構の仕組みとして、八戸市民も青森県民であり、未就学児までは県による事業の所得制限引き上げに合わせて当市も実施していかなければならないのではないでしょうか。  そこで、当市の県による乳幼児はつらつ育成事業への対応について伺います。  次に2、特別な事情による予防接種の再接種について伺います。  昨年、平成30年6月市議会定例会において初めて取り上げ、その際、行政からは、予防接種の再接種は必要と認識している、助成制度の創設を検討していくとの答弁でありました。先月には競泳の池江璃花子選手が白血病の診断を受けたことを公表され、より一層、骨髄移植やドナー登録など、骨髄バンクに対する理解が広がりを見せています。改めまして、池江璃花子さんの御回復を心から御祈念申し上げます。  前回の市議会定例会でも述べましたが、小児白血病や小児がん等に罹患し、骨髄移植手術や抗がん剤治療を受けると、それまでに定期予防接種で獲得した免疫がなくなり、予防効果が期待できなくなる場合があります。現在、そうした免疫がなくなり、予防効果が期待できなくなった場合の予防接種の再接種は、国の制度上、任意接種扱いとなり、費用は自己負担となっています。がん患者を支える家族の経済的、身体的な負担は相当なものがあるにもかかわらず、さらなる負担の上乗せになっており、感染症を予防する観点からも、特別な事情による予防接種の再接種に係る費用助成を基礎的自治体単位で制度化する動きが全国で進んでいます。  定期接種の目的は疾患の発生及び集団での蔓延を予防することであり、特別な事情による予防接種が任意で、自己判断で再接種することが問題となっています。医師から再接種の必要性を認められたとしても任意接種であり、その費用は1回当たり1万円前後で、必要な再接種を全て受けると最大で約20万円にも上ります。集団での蔓延を予防するという観点からも、特別な事情による予防接種の再接種が経済的な理由によって受けることができないということがないようにしていかなければなりません。国が負担すべきものでありますが、ぜひ当市も率先して範を示して、国を動かしていただきたいと思います。  そこで、助成制度の創設を検討するとのことでしたが、その後の経過として助成制度の創設の見通しについて伺います。  最後に3、第三魚市場A棟の稼働向上について伺います。  八戸前進を掲げた小林市政1期目の目玉政策である魚市場の流通構造改革拠点漁港整備事業ですが、平成19年10月10日に申請され、平成20年2月1日に水産庁長官より承認され、現在に至っています。第一魚市場の機能を最新鋭の施設であるA棟を中心に館鼻地区に集約することが大きな柱の1つです。昨日、我が会派の代表質問においても、今後の事業展開において懸念される事態であるという提言は大変重いものであります。この論点をより深めていく必要性を感じ、改めて取り上げる次第です。  これまでも、計画策定段階から我が会派は、五戸議長や私も含め、さまざまな要望、提言を行い、時期尚早であることなど、この事業の危険性を示してまいりました。我が会派からのさまざまな要望、提言による危険性を踏まえていくという行政との共通認識、信頼関係の中で、ハサップ対応型魚市場A棟を初めとする漁港整備事業や被災後の復旧事業、そしてスカイタンクの購入など、さまざまな改善対策に関連する予算案に賛成してきた次第であります。  しかし、ここに来て、小林市政4本の柱の1つである魚市場改革、ハサップ対応型魚市場の流通構造改革拠点漁港整備事業に象徴されるA棟の稼働率向上の改善の見込みが厳しいものになるのではないか。市勢前進、市勢発展の足かせになろうとしています。サンクコストにより意思決定がおくれ始めているのではないでしょうか。見込み違いを受け入れる時期に来ているのではないでしょうか。  確かにあの東日本大震災、3・11以前であれば、改革型漁船の増加など、水産庁も含め小林市長も成果を見通せたのかもしれません。しかし、もう事実として3・11が起きてしまった。天災により目算に狂いが生じている現状にあるのではないでしょうか。現状から見て、改善の見通しのない事業に予算を注ぎ込むほど当市の財政事情は豊かではないはずです。今定例会において上程された議案である当初予算案の中には、第三魚市場A棟の稼働向上事業費8834万6000円が計上されています。  そこで(1)直近の収支、稼働率、稼働してから現在までの累積赤字額と一般財源からの補填額について伺います。  そして(2)改善計画の評価と最終年度での達成の見込みについて伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。  〔8番三浦博司君降壇〕(拍手)  〔副議長工藤悠平君退席、議長五戸定博君着席〕 ○議長(五戸定博 君)市長  〔市長小林眞君登壇〕 ◎市長(小林眞 君)三浦議員にお答えを申し上げます。  まず、県による乳幼児はつらつ育成事業への対応についての御質問ですが、この事業は県が市町村の子ども医療費助成制度の未就学児に係る医療費自己負担分について2分の1の補助を行っているもので、昨年10月から所得制限を引き上げております。当市におきましては、これまで独自の施策として子育て世帯について対象年齢の拡充を図ってきており、入院医療費は、平成22年10月から小中学生を、平成28年10月からは18歳到達の年度末までの児童を助成の対象に加えてまいりました。さらに、本年1月からは名称を子ども医療費助成制度に改め、通院医療費の助成を中学生までに拡充したことにより、対象人数は約7000人増加し、約1万4000人となりました。この拡充に係る費用については県の助成対象外であることから、市の負担が年間約2億7000万円増加すると試算しておりますが、自己負担分が無料となることにより、所得の少ない子育て世帯にとっては、義務教育の間、経済的支援が継続され、より充実したものになったと考えております。  市といたしましては、子どもの医療費助成については、国の責任として全国一律の制度を創設すべきと考えておりますことから、全国市長会等を通じ、引き続き要望するとともに、未就学児の所得制限の緩和についても、今回の制度拡充に伴う所要額の推移を踏まえながら、制度のあり方を検討してまいります。  以上でございます。
     〔市長小林眞君降壇〕 ○議長(五戸定博 君)三浦議員 ◆8番(三浦博司 君)御答弁ありがとうございました。  対象が県の助成対象外の中学生まで踏み込んでいった。その市長の思い、また、公約に掲げた事業を誠実に実行してきた中でこの県の拡充策が突然出てきたというところで、タイミングの悪さが一番なのではないかという印象を受けているところであります。しかしながら、やはりもう既に県が所得制限の限度額を2倍に引き上げた事業の展開、未就学の児童までですけれども、それを広報してからもう5カ月たとうとしているところにあって、市民にもその認識が広がりつつあるという現状もぜひ認識していただきたい。もちろん認識しているとは思いますけれども、そこを踏まえた形で、できるだけ早く実施のタイミングを整えていただきたいと思うわけであります。  御答弁にもありましたし、また、今定例会開会日の市長の所信表明演説でも述べておりましたけれども、やはり子ども医療費助成については、国の責任のもと全国一律の制度となるようにという思いが第一義に市長の中にはおありであるということは、これまでもやりとりを通して感じているところでございます。専門家にとってみたら、実は国のほうでは、都道府県単位でそれぞれ、子ども医療費と給付の実情が違ってきているので、全国一律にするのはもう難しいのではないかと言う専門家もいらっしゃいます。そういう中にあって、この一律がどれくらい早くそのようになっていくのか、見通せない中にあって、まずはやはり県が取り組んでいることに合わせていくことが、順序でいくと最初の一歩なのではないかと思うわけでございます。  県が事業拡充をしているのに、それに乗らずに、全国一律と掲げるということは、言っていることとやっていることの足元がなかなかそろっていないというようなことでは、やはり国を説得するということも難しくなるのではないかと思いますので、ぜひとも子ども医療費の県の乳幼児はつらつ育成事業にできるだけ早く取り組んでいただきたいと思うわけであります。  そこで、改めて市長に伺いたいのですけれども、県の広報によって新たに対象になる八戸市民、一番は今の所得制限ぎりぎり外れている層、世帯というか、市民から不満の声が多く出てきております。ですから、まず足元の県の事業拡充に合わせる姿勢というものが大事だと思うのです。当市におけるその実施時期というものを早急に市民に示すべきと考えますけれども、実施時期について市長に改めて伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)三浦議員の再質問にお答え申し上げます。  県の所得制限の緩和に合わせるべきだという御質問でした。三浦議員、先ほど壇上でもるるお話があったように、県では未就学児までの仕組みを先行的に進められたということでございます。そのことを踏まえて、今後検討していきたいとは考えております。  ただ、全国一律と言っているのは、ただやみくもに国に責任を押しつけるというような趣旨では決してなくて、地方財政の状況がかなり違います。首都圏大都市部と地方部が大分違う中で、それぞれの自治体の一般財源で対応していくようなことが広がっていくと、要するに財政格差が広がる懸念があるという危惧のもとに、全国市長会の中で国に対して要望すべきだという、ある意味で理念的な議論であることは間違いないのですけれども、そういうことで主張をしているということは御理解いただきたいと思います。  ただ、今後、所得制限の限度額の推移なども見きわめながら、制度のあり方について総合的に判断していきたいと考えております。 ○議長(五戸定博 君)三浦議員 ◆8番(三浦博司 君)御答弁ありがとうございました。  これまで取り上げてきて、一番市長と踏み込んだ話し合いになれたのではないかと思って、前進してきているのではないかというような感想を持ちました。やはり通院医療費の助成を中学生まで拡充してきたことの効果の検証というものもしていった中で、いつ青森県の未就学児までの乳幼児はつらつ育成事業に合わせていくかというふうな新たなタイミングというものがこれから大事になってくるのではないかと思いますけれども、やはりもう既に県政が所得制限の限度額を未就学児に限っては2倍に引き上げている、対象児童は9割程度に拡大するのですよという広報をしている以上、やはり八戸市も何かしらの反応をここは示していかなければ、子育て支援に関する県政と八戸市政の政策不一致というようなことになりかねない。そのような状態が長く続くようだと、政治問題になったり、そういう現場のことを越えて、違う形でまた、話がそれていくような危険性がありますので、ぜひ早期の決断を求めたいと思います。  繰り返しになりますけれども、八戸市民は青森県民である。まずは全国一律よりも理念的なもの、財政格差が起きないように、しっかりそこに対しての目くばせをしてくださいという国への発信だということでありましたけれども、その発信もしながら、もう既にやっている青森県の事業拡充に合わせる姿勢を大切にされて、できる限り早急に当市における実施時期を市民に示していただきたいと改めて提言し、この質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。 ○議長(五戸定博 君)以上で発言事項1は終わります。  次に、発言事項2について答弁願います。健康部長 ◎健康部長(佐々木勝弘 君)それでは、特別な事情による予防接種の再接種に対する助成制度の創設の見通しについてお答えを申し上げます。  小児がん等の患者が骨髄移植や抗がん剤治療を行った場合、それまでの予防接種で獲得した免疫が消失もしくは低下し、感染症へのリスクが高まることから、造血細胞移植学会は、ガイドラインにおいて予防接種の再接種を推奨しております。  一方、国では、再接種について、平成28年12月の閣議決定において、予防接種法の定期接種と解釈するのは困難であるとの考え方を示しております。このため、再接種した場合は任意接種となり、高額な費用は全額自己負担となることから、保護者の負担軽減を目的に、接種費用の助成を行う自治体が全国的にふえてきており、国が平成30年7月に実施した調査によりますと、全1741市区町村のうち90団体が再接種費用を助成しており、実施予定は83団体となっております。  さらに、国では、当該調査結果を踏まえ、再接種の位置づけについて議論を進めているところでございます。当市では、国の動向を注視するとともに、これまでに費用助成を行っている自治体に対して、対象者、助成内容、助成金額等の聞き取り調査を実施するととともに、小児科医等から意見を伺い、検討を進めてまいりました。  今後は、助成制度の創設には、対象者が安心して再接種できる体制を構築することが重要であることから、1つには対象年齢の上限の検討、2つには再接種を実施する医療機関の確保、3つには治療を担当した主治医と再接種を実施する医療機関との連携等の課題を整理した上で、先行実施自治体からの情報収集を幅広く行い、助成制度の創設について引き続き検討を進めてまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)三浦議員 ◆8番(三浦博司 君)御答弁ありがとうございました。これまでのことが確認できてよかったと思っております。  まず、費用助成を行っている自治体に直接聞き取り調査を行ってきた、そして、小児科医などから意見を伺って、検討を進めてきたということでありました。まず今後、対象者が安心して再接種できる体制を構築していくということで、そのために対象年齢の上限ですか。そして、再接種を実施する医療機関をどうするかという確保、主治医と再接種する医療機関との連携ということなどの課題を整理していくということで、また、検討を深めていくということでありました。これは制度化の実施に向けて詰めの段階にあるのではないかという認識を持ったのですけれども、そこでまた、確認のため質問するのですけれども、これはもうすぐ制度化になる、制度化に向けて取り組んでいるという認識でよろしいのか、その点を確認させてください。 ○議長(五戸定博 君)健康部長 ◎健康部長(佐々木勝弘 君)もうすぐ制度化するのかという御質問でございますけれども、まず、この問題についても、やはり各自治体がそれぞれの考えで進めていくというよりは、国が一律の法整備あるいは制度化のもとでやっていくというのが第一義的にあると思います。先ほど答弁でもちょっと申し上げたのですが、当初国は閣議決定でこれは定期接種ではないという判断をしたところですが、現在、厚生労働省の中の部会で、再接種の位置づけの意見を改めて各委員から頂戴しながら検討し始めております。これは非常に大きな動きであると私は認識しておりますので、この辺のところを注視しながら、引き続きまた、いろいろな課題も見えてきたので検討を進めるということで、具体的にいつというところは現時点では言及できませんが、引き続き議論を深めていきたい、検討を深めていきたいという思いでございます。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)三浦議員 ◆8番(三浦博司 君)丁寧に答弁をしていただきまして、ありがとうございました。  閣議決定のことでしたりとか、厚生労働省の部会で検討が始まってきて環境もまた整いつつあるという中であって、壇上でも申し上げましたけれども、八戸が範を示して国を動かしていく。そのためにも、この再接種の制度創設はすごく大事だと思うのです。  というのも、当市は、もちろん市長初め担当部長も御認識のことと思いますけれども、保健医療の拠点性の高い地域でありますし、八戸だから、この拠点性の高い八戸の、当市の優位性をぜひ発揮されて、青森県内にも特別な事情による予防接種の再接種が無料で受けられる環境があるというところが私は一番の発信になるのではないかと思いますので、これからも検討を深めていくということでございました。その制度化の実現を心から期待しまして、この質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。 ○議長(五戸定博 君)以上で発言事項2は終わります。  次に、発言事項3について答弁願います。農林水産部長農林水産部長(出河守康 君)それでは私から、3、第三魚市場A棟の稼働向上についてお答え申し上げます。  まず、直近の収支、稼働率、稼働してから現在までの累積赤字額と一般財源からの補填額についてお答え申し上げます。  まず、直近の収支についてですが、魚市場特別会計における平成29年度の歳入は、漁獲物の販売金額に応じて卸売業者が納付する魚市場の使用料が主なものであり、八戸漁港全体の歳入のうち、A棟分は約60万円となっております。歳出につきましては、運営に要する経費で約7800万円、スカイタンクの購入に約3800万円、合わせて約1億1600万円となっております。  次に、直近の稼働率についてですが、平成30年度は、2月末現在で水揚げ数量1540トン、計画数量の3万1200トンに対しては4.9%となっております。  次に、稼働してから現在までの累積赤字額と一般財源からの補填額についてですが、魚市場特別会計については、一般会計からの繰り入れにより均衡を図っており、不足額が累積されるものではありませんが、A棟稼働後から平成29年度までの6年間の運営に要した経費は約3億5300万円、歳入は約200万円となっており、差額は約3億5100万円となっております。  次に、改善計画の評価と最終年度での達成の見込みについてお答え申し上げます。  まず、改善計画の評価についてですが、計画については、平成29年度から平成31年度までの3年間を計画期間として水産庁から認めていただき、計画達成に向け取り組んできたところであります。これまで、対象漁船の拡大、スカイタンクの貸し出し、訓練された作業スタッフの配置による受け入れ態勢の強化に取り組んでまいりました。  その結果、今漁期はA棟で水揚げしている漁船の乗組員からはおおむね評判がよく、複数回利用する漁船も増加しておりますが、スカイタンクについては準備していた800個が全て使用され、その後、予定していた漁船が第一魚市場での水揚げとなった状況も複数回あり、関係者からは受け入れ態勢の増強を望む声もあったところでございます。また、県外の船主への訪問や食品展示会等においてA棟の優位性のPRに取り組んでいるところであり、新規利用漁船もあるなど、徐々にではありますが、取り組みによる効果があらわれてきているものと認識しております。  次に、最終年度での達成の見込みについてですが、計画の達成は厳しい状況にありますが、水産庁に認めていただいた計画期間内であり、引き続きA棟の運営並びにPR等の改善計画に取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)三浦議員 ◆8番(三浦博司 君)御答弁ありがとうございました。  まずは、何とかしてこのハサップというものをよくしていこうということで、市長初め、水産事務所、現場も鋭意取り組んでおられるというところ、まず、そこの評価はもちろんしているところであります。壇上でも申し上げました、私たちの会派でしてきたさまざまな指摘を最大限、一生懸命踏まえながら挑戦してきたことであろうかと思うのですけれども、そういう信頼関係の中で、我々もこれまでさまざまなことに賛成をしてきたわけであります。  答弁を伺っていて、やはり年度の運営経費が約7800万円ぐらいかかってしまう。収入が、過去の実績、これからどうなるかというのもありますけれども、60万円であるところとか、稼働率が直近で4.9%であるというところは、もう現場の肌感覚からも数字と一致するのではないかと思います。  そしてまた、これまでの累積の赤字は正確には出せないということでしたけれども、恐らくはA棟の稼働から、平成29年ですので、6年間で約3億5100万円ほどである、それで、歳入は200万円ぐらいだということでございました。やはり税金を多分に使い過ぎてきたのではないかという率直な印象、これは私だけではない、このお話を聞いた市民全てがそう思うのだと思うのです。  そしてまた(2)で聞いたこと、水産庁が認めた改善計画である最終年度の計画達成は厳しいということでございました。水産庁に認めてもらえた3年間はやらせてくださいということなのでしょうけれども、計画達成が見込めない厳しい計画というものをやっていいものなのかどうかというところは、もうそもそも論、これはやはり議論していかなければ、我々市議会も市民にどう説明していいのか、大変困ってしまうところであるわけでございます。やはりどちらを見て我々は市政運営をしていかなければならないのか、それをどう我々は議会人として判断していかなければならないのか、そういうターニングポイントに来ているのではないかと感じているところでございます。  そこで、市長の率直な考えを伺いたいところなのですけれども、最初の最初、計画策定の段階から、五戸議長を初め我が会派から、また、議会から反対意見があり、水産業界でも賛否が割れていた中で、小林市長はこの道を行くということで事業を推し進めてきた。その市長の政治責任ということが今問われ始めてきているのではないかと思うのです。その意思決定です。その見込みが違ってきているというところをどのように議会に説明して、我々はこの3年目、最終年度の改善計画の事業にイエスを言えるのかどうか、使ってもいいという判断ができるのかどうか、私はそこの判断材料がこれまででまだ乏しいのではないかと思っているのです。  この先も改善のための対策予算を組んでいく、これからも続けていくということであれば、この先何年待てば改善されていくのかということも当然出てくることでしょうし、水産庁との話し合いを深めていくということでもありましたけれども、例えば3年間の計画期間満了後に効果の検証を行って、その結果を踏まえて、A棟の存続の可否を判断して、そこでは転用策も考えていきますというような方向性でこの最終年度に臨むのか。または、維持管理費など運営経費を国が持つと。日本国内唯一のハサップ対応型魚市場A棟ですから、それが軌道に乗るまで国が支援していきますというような約束をしっかりと得るよう頑張りますというようなことがあるのか。そういうことがなければ、やはり市議会としても市民に説明がつかない状況にあるのではないかと思うのです。その点の方針、市長の率直な考え、方針転換など何かしらの方向性が担保されていかなければ、達成が大変厳しいという最終年度の計画、水産庁が認めた計画期間だからやらせてくれということなのか、この計画に関する予算案を承服できるようなものなのか、市長の率直な考えを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)それでは、お答えを申し上げます。  八戸漁港の荷さばき所につきましては、水揚げ数量の減少、施設の老朽化、安全安心に対する消費者ニーズへ対応等の課題を背景に、生産、流通の効率化や品質、衛生管理の高度化を図ることを目的として、八戸漁港流通構造改革拠点漁港整備事業基本計画を策定し、国や県からの支援をいただきながら、これまでA棟を初め、B棟、C棟について供用開始しているほか、D棟の整備を現在進めているところでございます。この中で、A棟につきましては、震災も影響し、当初想定した稼働状況となっておらず、現在改善計画に取り組んでおりますが、全体で見ますと、当初の目的に向かって進んでいるものと認識はいたしております。このような背景もありますことから、他の用途への変更等、大きく方針を転換するというのはかなり厳しい状況であると認識はいたしております。  しかしながら、現状をよい方向に進める必要がありますので、これまでの答弁の繰り返しとなりますけれども、サバ以外の魚種の水揚げ等により効果が得られる新たな改善策について、国と協議を深めてまいりたいと考えております。また、国におきましても、今の困難な状況について御理解いただいておりますので、今後取り組んでいくことに対する支援等につきましても、国と相談させていただきたいと考えております。 ○議長(五戸定博 君)三浦議員 ◆8番(三浦博司 君)市長からの率直な考えをいただきました。これを受けとめて、私も含め、議会がどのような判断をしていけばいいのかということが見えてきたのではないかと思います。水産庁が認めてきた計画期間の3年間の最終年度、計画達成は厳しい。厳しいけれども、この3年間はベストを尽くすのだ。未達成なら、5億5900万円余りの補助金を返還しなければならない可能性も高くなるところも、やはり覚悟しなければならないのではないかという気持ちもありますし、既に電子入札システム導入の補助金、この439万円というものは自主返還されているわけでありますけれども、その改善計画の中でも、A棟がもはや本来の使い道になっていないような、何の施設だったのかというような形にもなりつつあるところでもあるかと思います。  ただ、市長からは、国から理解をいただいているということでございました。A棟は、日本国内唯一の最新鋭の施設であります。ほかの自治体は手を挙げていない状況にあって、手を挙げた当市の流通構造改革拠点漁港整備事業が成功例となっていくために、我々はどういう判断をしていけばいいのかというところがこれから議会も問われていくと思うのです。  議会報告会などで市民から同様のことを聞かれ、議会に寄せられたら、我々はどのように市民に説明できるかと逆に考えてみた場合、まずどのような説明ができるかというところはとても難しいものがあります。そういう意味でも、厳しい状況だということでありますけれども、そういう計画をしっかりと達成できるような事業として新年度に向けて取り組んでいくということでありますから、それはしっかりと我々も受けとめて、議決の判断の材料としていきたいと思っております。  改めてお伝えをしますけれども、我々は議会の判断として、A棟稼働向上のための改善計画に原案のまま前に進めていいのかどうか、そこはもう立ちどまって考えていかなければならない時期に来ているのではないかということを改めて私からも提言しまして、この質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(五戸定博 君)以上で8番三浦博司議員の質問を終わります。  この際、暫時休憩いたします。   午後2時58分 休憩   --------------------   午後3時15分 再開 ○議長(五戸定博 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続行いたします。   --------------------   15番 山名文世君質問 ○議長(五戸定博 君)15番山名文世議員の質問を許します。山名議員  〔15番山名文世君登壇〕(拍手) ◆15番(山名文世 君)社民党の山名文世です。2019年3月定例会に当たり、一般質問を行います。  第198回通常国会が本年1月28日に開催され、安倍首相は施政方針演説で、この6年間、経済は10%以上成長した、アベノミクスは今なお進化を続けていると政策効果を誇示しました。反面、内閣府発表の景気動向指数では、2012年12月から2018年11月までの72カ月のうち4割以上の月で景気状況は足踏み、または悪化と判断しています。まして、毎月勤労統計調査の不正問題は、景気動向指数や月例経済報告など景気判断の基礎資料にも影響を与えるもので、政府の統計全般にも疑惑を持たれかねない要素を含んでいます。  なお、財政支出をふやしてGDPを引き上げてきた国の財政は新年度一般会計予算案にも色濃くあらわれており、過去最高の101兆4571億円に達しています。  一方、新年度予算案の税収は過去最高の62.5兆円を見込んでいますが、税外収入合わせても68.7兆円でしかなく、残り約32兆7000億円を借金で賄わなければなりません。国の借金は財務省の発表で、国債と借入金、政府短期証券を合計した2018年12月末時点で1100兆5266億円と過去最高を更新しました。  なお、2018年6月の経済財政諮問会議で、プライマリーバランスの黒字化目標を従来の2020年度から2025年度へ5年間先送りする方針を決めました。よって、安倍政権下では財政再建を行う必要が薄れた、または考えなくてもよいということになります。  そこで質問に入ります。  第1点目、2019年度当初予算案についての1点目は、過去最高額の予算案と市債残高について伺います。  国も地方も借金に埋もれた財政状況にあって、当市の事業は箱物建設だけが際立っています。よって、当市に係る経常収支比率は右肩上がりに伸びて、2010年度の86%から2017年度は91.9%となっており、これまで建設された箱物に係る維持管理費に対する市税の充当は相当額に上るものと推察します。さらに、上下水道や道路、公園などインフラ設備に供される多くの公共施設が市民生活を支えています。とりわけ橋梁の劣化が進むことで、市民の生命の危険につながる重大事故が起きる懸念もあり、その老朽化問題はより深刻なものとなります。  そこで、2019年度一般会計当初予算案は、大型事業の集中で1058億円となったこと、また、市債残高は2016年度に1062億円、2018年度末で1089億円に膨れ上がっていることなどを踏まえ、市長の所見を伺います。  2点目は、財政健全化計画について伺います。  国内の少子高齢社会は着実に進み、生産年齢人口が減り始めています。このことは、現行の税制下では市税収入の伸びが期待できないばかりか、むしろ減少していくことを意味しています。加えて、社会全体の高齢化に伴い、福祉関連の支出が増加していくことから、公共施設とはいえ、必要性の薄い建設事業にかけられる予算は大幅に縮減していくべきと考えます。  当市における公債費の償還は、大型建設事業の影響で2018年代中ごろにピークに達するとされていますので、今後、扶助費の増加や人口減少、雇用環境の変化などにより、財政運営はこれまで以上に厳しくなるものと予測されます。  なお、当市は中核市に移行したことから、その効果を最大限に生かすための施策を推進していくこととなりますが、その特徴的な取り組みについて示していただきたい。また、本件について、第6次行財政改革との整合性をどのように判断しているか伺います。  3点目は、臨時財政対策債に係る地方交付税措置についてです。  2019年度の地方財政のうち、地方交付税総額は7年ぶりの増加となり、前年度比1700億円増の16兆1700億円となりました。逆に言えば、地方交付税の総額は6年間減少し続けてきたということです。臨時財政対策債は地方交付税として交付すべき財源が不足した場合に、その穴埋めとして地方債を発行させる赤字地方債です。よって、各地方公共団体の借り入れとなりますが、建前上は、臨時財政対策債は元利償還金の全額が地方交付税の算入になるので、地方交付税の代替財源とされています。  ただし、臨時財政対策債はあくまで地方公共団体の責任と判断で発行されなければなりません。臨時財政対策債に係る地方交付税の措置は、地方交付税そのものが前年比減となった場合、臨時財政対策債が名目上は算入されているとしても、総額がマイナスなので、実態としては措置されたことにはならないと考えます。所見を伺いたいと思います。  次に、児童及び高齢者虐待について伺います。  第1点目は、児童虐待の現状と対応についてです。  2018年の1年間に警察が児童虐待の疑いで児童相談所に通告した子どもの数は8万104人と、この10年で約13倍にふえています。そのうち、直接暴力を振るわれてはいないものの、7割以上は心理的な虐待だと言われます。2011年に民法の一部改正により、第820条で、親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う、第822条では、親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができると定められています。この改正は社会問題化している子どもの虐待防止を目的として行われたものですが、子の利益を口実に懲戒を悪用した暴力を認める余地を残すものとなっています。
     千葉県野田市の虐待例では、父親が暴力についてあくまでしつけで行ったとして、虐待を認めていません。本件は、虐待を受けている子どもが父親の暴力に対し、学校の先生に何とかなりませんかと訴えたにもかかわらず、そのアンケートのコピーを市の教育委員会が父親に渡したことが問題視されています。たとえ教育委員会が父親の威圧に屈したとしても、児童がせっぱ詰まって訴えたコピーを渡す行為は不適切も甚だしい限りですが、大人が感じる威圧は虐待を受けている子にとってその数十倍にも匹敵するものであって、間違いでは済まされません。  そこで、当市の児童虐待の現状と対応について示していただきたい。  なお、同様の質問が続きましたので、答弁は割愛して結構です。  2点目は、文部科学省の児童虐待に関する緊急点検について伺います。  千葉県野田市の虐待死事案を受け、文部科学省は緊急点検を全国の都道府県教育委員会に通知しました。対象の児童生徒等は2019年2月14日現在において、2月1日以降、一度も登校していない児童生徒等としており、3月8日までに学校の教職員の面会及びその他関係機関による面会のいずれかの方法により緊急点検を実施することとされています。対象施設は、国公私立幼稚園、保育所、認定こども園、小中学校、高等学校などとなっています。本件は文部科学省の通知があって間もないこともありますが、きょうの報道では、参議院予算委員会で、児童虐待点検は今月8日までに完了するとあります。  そこで、学校や教育委員会など、関係部署の調査等の現状及び対応などについて伺いたいと思います。  第3点目は、高齢者虐待の対策について伺います。  厚生労働省による2016年のデータでは、在宅で年間1万6000件以上の虐待判断件数があり、介護施設や居宅サービスの従事者等による虐待は年間452件が報告されています。とりわけ2016年の擁護者による高齢者への虐待のうち経済的虐待の件数は3041人で、全体の約20%を占めています。  経済的虐待の事例は、預金者である本人の合意がないまま財産や金銭を利用し、本人が望む金銭の使用を理由もなく制限したり、貯金や現金を勝手に管理して使い込むなど、家族による経済的虐待件数がふえていることから社会問題ともなっています。  そこで、当市における高齢者虐待の特徴や事例等について、また、具体的な対策について伺いたいと思います。  最後に、第三魚市場A棟について伺います。  1点目は、2018年度の稼働実績見込みについてです。  八戸港のサバの水揚げ数量は、ことし最盛期となる10月は不漁に終わりましたが、12月に大漁が続いたことで、暫定値は3万7629トンで、前年度比8%減と報道されています。  そこで、2018年度におけるA棟の最終的な稼働実績の見込みについて示していただきたいと思います。  2点目は、改善計画に係る達成対策についてです。  2018年度におけるA棟の水揚げはわずか1540トンと聞いていますが、改善計画数量の3万1200トンに対し4.9%でしかありません。A棟が稼働した2012年度から2018年度までの水揚げ総量は7702トンでしかなく、7年間で年間改善計画数量の24.7%にすぎません。しかも,A棟の運営費は2011年度から2017年度までの6年間に約3億5000万円に対し、収入は約194万円となっています。これらの数値からもA棟は全く採算がとれず、施設そのものの価値はゼロどころか、高額な税金を垂れ流してきました。現状のままでは施設導入費に使われた約5億円の返還を国から求められる可能性が高くなっています。したがって、実態に見合った具体策がなければ、改善計画は絵に描いた餅に終わりかねません。所見を伺いたいと思います。  3点目は、政治責任について伺います。  魚市場A棟に対する市長の本音は、議会答弁にあったように、リスクがあっても、チャレンジングな投資をして、イノベーションを図っていくというのが基本だということです。市長はこれまで漁業関係者並びに水産庁からも協議、指導をいただき、方向性を決めてきたとされますが、A棟を建設することで漁港はさらに開けるという判断、そして最終的な決断は市長が行ってきたものです。荷さばき所A棟の電子入札システム、これが供用開始以降、一度も使われずに、会計検査院から補助した目的を達していないとして不当支出を指摘され、事業費約1317万円のうち交付金約439万円を自主返還しました。さらに、繰り返しになりますが、今年度中に計画目標を達成できなければ、設備費に使用した補助金の返還を求められる可能性が高くなっています。  ただし、補助金を返して済むという問題ではありません。リスクを冒してまでチャレンジした結果、A棟が無用の長物と化したのであれば、それなりの政治責任を果たすのが筋だと思われます。所見を伺います。  以上、この場からの質問を終わります。  〔15番山名文世君降壇〕(拍手) ○議長(五戸定博 君)市長  〔市長小林眞君登壇〕 ◎市長(小林眞 君)山名議員にお答えを申し上げます。  まず、過去最高額の予算案と市債残高についての御質問ですが、平成31年度当初予算は、現下の厳しい財政状況と経済環境を踏まえ、市財政の健全性に配意する一方、第6次八戸市総合計画等に基づき、市民生活の向上と福祉の充実を図り、自律的で持続的な地域をつくるための各種施策に取り組むとともに、行政資源の最適化により、市民サービスの向上を目指すことを基本として編成いたしました。また、八戸市復興計画に基づき、北東北における八戸市の拠点性の向上と災害に強いまちづくりの実現を目指し、創造的復興に向けた施策を推進することといたしました。  このような基本方針のもとに編成した平成31年度の一般会計予算の規模は、平成30年度から61億円、6.1%増で、過去最大となる1058億円となったものであります。その要因といたしましては、屋内スケート場や総合保健センターの整備事業、公会堂・公民館改修事業などの大規模建設事業の時期が重なったためでありますが、いずれも市民生活やまちづくりに必要で、この機を逃さず行わなければならない事業であり、私といたしましては、総合的に市政を前進させる施策に積極的に取り組む予算となったものと考えております。  次に、一般会計の市債残高についてですが、平成30年度末見込みでは1089億円となり、過去最高額となる見通しとなっております。その要因の1つは臨時財政対策債であり、10年前と比較して約250億円増加しておりますが、償還については、全額普通交付税の基準財政需要額に算入されることとなっております。一方、臨時財政対策債を除いた残高で見ると、屋内スケート場や総合保健センターの整備などによる増要因はあるものの、この10年間では約70億円減少する見込みとなっております。  今後も、新美術館の整備などに伴い、市債の発行額はある程度高い水準で推移するものと見込んでおりますが、後年度の公債費が過度の負担とならないよう、財政の健全化に努めてまいります。  次に、財政健全化計画についてお答え申し上げます。  当市における財政健全化の取り組みとしましては、平成27年2月に策定した第6次八戸市行財政改革大綱の柱の1つとして持続可能な財政運営を掲げ、健全な財政運営を推進してまいりました。  具体的には、財政健全化法に規定する数値よりも厳しい市独自の基準を設定し、これを遵守することに努めてきたものであります。その状況ですが、実質公債費比率は、各年度末18%以下という指標に対し、平成27年度12.1%、平成28年度10.7%、平成29年度9.6%、将来負担比率は、各年度末200%以下という指標に対し、平成27年度117.7%、平成28年度126.7%、平成29年度124.9%となっており、いずれも独自基準を達成しております。また、基金残高についても、各年度末50億円以上という指標に対し、平成27年度82.4億円、平成28年度75.5億円、平成29年度74.6億円となっており、独自基準を達成しております。  今後とも厳しい財政状況が続くことが予想されますが、引き続き独自基準の達成に努め、財政の健全性を維持してまいりたいと考えております。  次に、臨時財政対策債に係る地方交付税措置についてお答え申し上げます。  臨時財政対策債は、平成13年度から普通交付税の財源不足に対応するため、国の地方財政対策として特例的に制度化された地方債でありますが、実質的には普通交付税の振りかえであることから、その償還については後年度において全額が基準財政需要額に算入されることとなっております。このため、臨時財政対策債の発行は、実質公債費比率や将来負担比率などに影響を与えないものであります。当市におきましても、臨時財政対策債を使途が特定されない一般財源として活用しているところであり、その償還金は普通交付税の基準財政需要額に算入されているところであります。  なお、平成31年度の地方財政について、国が作成した地方財政計画によると、国税、地方税の収入見込み額の増額などにより地方財源不足額が大幅に縮小し、臨時財政対策債の発行が抑制され、一般財源の質の改善が図られたことから、今後の国の動向に関心を持っているところであります。  以上でございます。  〔市長小林眞君降壇〕 ○議長(五戸定博 君)山名議員 ◆15番(山名文世 君)まず、答弁をいただきましてありがとうございます。  まず、当初予算案についてでありますけれども、先ほど申し上げましたように、2017年度の経常収支比率91.9%ですけれども、当市の場合、経常一般財源等に占める臨時財政対策債の比率が非常に高いということで、この経常一般財源等から臨時財政対策債を除けば99.3%にはね上がってしまうということになります。したがって、財政構造の弾力性というものはほぼ失われていると言わざるを得ません。とりわけ公債費の比率が非常に大きいということで、やはり繰り上げ償還をしていく努力と大型建設事業といったものの見直しが必要だと思っています。  国の借金1100兆円、当市の借金1000億円以上ということで、利率は今現在どれぐらいかわかりませんけれども、例えば2%にした場合、国の借金は22兆円の利息がかかる、当市の場合は20億円、ただ利息で持っていかれてしまうということになるわけであります。  おもしろい分析をした方がいまして、私、事あるごとにその方の引用をするのですけれども、例えば1日100万円使えるか、使えないかどうか別にして、使ったとして、年間で365日ですから、3億6500万円というようなことで、1000億円使い切るには毎日100万円を274年かけてようやく使えるだけの借金があることをまず認識していかなければならないと思っていました。したがって、箱物事業をやはり見直していく、あるいは財政構造の弾力性が失われているようなことについて市長はどういう認識を持たれているか、伺いたいと思います。  次に、過去最高の予算案と市債残高についてであります。  第6次行財政改革大綱で、最少の経費で最大の効果を挙げ、市民の福祉向上と効率的な行政運営に資するため、平成7年度の八戸市行政改革大綱の策定以来、行政改革を全庁的な重要課題と捉え、継続して各種改革に取り組んできましたと記しています。ちょっと質問が多くなりますのでメモっていただきたいと思いますけれども、まず、箱物の乱立によって、果たして最小の経費で最大の効果を上げてきたのかどうかということは甚だ疑問に感じていますけれども、これについてお答えいただきたいと思います。  3点目、市民の福祉向上と効率的な行政運営に資するためとありますけれども、箱物建設によって効率的な行政運営とは何を指しているのか、伺いたいと思います。  一般的な例で申し上げたいと思いますけれども、例えば公共施設建設費に50億円かかった。その施設にもよるのでしょうけれども、一般的には社会資本整備総合交付金とかいうような名目によって半額25億円、補助金が出たとします。そうすると、建設後の維持管理費、あるいは定期的な修繕、解体などに係る将来の費用、いわゆるランニングコストでありますけれども、トータルで建設費の4、5倍かかると言われていますので、50億円の4倍として200億円かかります。差額の維持費175億円は、実際独自に負担していかなければならないということになりますので、公共施設全体の維持管理費についてどの程度かかっているのかということでありますけれども、中心街の施設について新聞にも書かれていました。はっちの用地購入費が4億8000万円、隣地の土地購入費1億2500万円、建設費用が約30億円で、トータル約36億円。はっちの歳入が2900万円、これに対して人件費含んで歳出が2億8400万円ということですので、一般財源から約2億5500万円充当していることになります。  マチニワの建設費約17億円、維持費が約5000万円、新美術館の建設費、当初約21億円だったものが急にはね上がって32億円になりました。維持管理費、負担経費は推定――勝手に私が推定しておりますけれども、今までの施設の倍ぐらいの規模があるということで、1億円ぐらいなのではないか。  ブックセンター、人件費を含めた維持管理費約9800万円、ブッククーポン券が2249万円。民主党が政権をとったときに、よく自民党あるいは野党がばらまきだと指摘をしましたけれども、まさにこのブッククーポン券。ブックセンターそのものでは使えないということになりますので、ばらまきではないのかという感じがいたしました。  いずれにしましても、中心街の施設建設費だけで約79億円。わかりやすく80億円としますと、その半分が、例えば先ほどの交付金が出たとしても、残りの50年、維持管理費を負担していかなければならないということになります。  そこで、市の公共施設なるもの、学校、公民館、市営住宅を合わせると400以上あると聞いていますけれども、この維持費が合計でどれぐらいかかっているかということの質問であります。いきなりの質問でちょっとわからないのではないかというような気がしますが、わかったらお答えいただきたい。わからなければ予算特別委員会で質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、財政の健全化計画についてでございます。  市債残高は、2007年度947億円、2016年度1062億円、2017年度1096億円、2018年度末で1089億円となっていますけれども、人口1人当たりの残高は類似都市を上回っているということで、その主な理由については何か、伺いたいと思います。  6点目、経常収支比率の悪化、経常一般財源から、先ほど言ったように臨時財政対策債を引くと99.3%にはね上がってしまうということで、第6次行財政改革大綱との整合性についてどのように考えているか、質問したいと思います。  もう1つ、臨時財政対策債についての交付税措置についてであります。  しばしば議論になっていますけれども、市長は以前の私の質問に対して、交付税措置が100%当てにならないということだが、これが当てにならない状況は日本がデフォルトしたときだということで、法律上明記された措置なので、交付税の身がわりということについては変わらないと受けとめていると答えていました。しかし、私は100%全く当てにならないと言っているのではなくて、地方交付税そのものが減額になったとしたら、どう考えるのかということなのです。例えば地方交付税は、2015年度176億円でしたけれども、2016年度には170億円と6億円減少しています。2017年度は中核市移行で基準財政需要額がふえたというようなことで3億円ふえて173億円、2018年度は167.5億円、2019年度は163.4億円で、前年度比2%減ということであります。2015年度の176億円から現在の163.4億円を差し引くと12.6億円減少しているということですので、名目上は臨時財政対策債がこれだけですと言われても、全体とすれば圧縮されてしまっているでしょうと私は言っているのであって、そういう総体的なことを考えてどう思いますかということでお答えいただきたいと思います。  以上です。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)ちょっと順番は異なりますけれども、まず、臨時財政対策債のほうからやらせていただきます。  認識が間違っていると思います。臨時財政対策債は平成23年から国で制度化された、あくまでも特例的な措置なのですけれども、これは地方財政計画というものを国の予算編成のときにつくります。そして、地方全体としての標準的な収入が幾らになるか。それから、国の法律、制度が改正されて、地方が標準的にやらなければならない仕事が幾らになるか、その差が交付税という形で予算措置がなされるということで、その年の、要するに国の一般会計上財源が足りない場合に地方の借金とさせるという仕組みですので、その都度その都度正確に積み上げた中で臨時財政対策債の額が決まってくるということですので、交付税が何%伸びた、何%下がったというのは地方財政計画の中の計算で出てきた結果がそうなって、臨時財政対策債を除くと前の年に比べてどうなるということですので、交付税が影響を受けて臨時財政対策債が減ったり、ふえたりというものではなくて、正確な計算の上でできているということをまず御理解いただきたいと思います。  ですから、基準財政需要額に反映されるということは、交付税計算というのは単位費用があって、基礎数値を掛けて、非常に厳密に出てきます。臨時財政対策債の償還分についてはきちんと計算をされて、その年のほかの要素とは全く別に計算されますので、おっしゃるように交付税全体の中で影響を受けるような性格のものではないということを御理解いただきたい。  そして、一般財源でありますので、先ほど来、経常収支比率、臨時財政対策債を足したら数値が動くということですけれども、経常収支比率の計算自体が臨時財政対策債の影響を受けない、除いて計算することになっているということで御理解いただきたいと思います。  それから、公共施設の整備が集中してきていることについて、各種の施設についていろいろ御指摘をいただきました。ただ、必要な国の財政措置であったり、また、中心市街地の計画の中で国といろいろ協議をしながら、必要なものについて、必要な時期に整備していくということがやはり求められていると私は認識しております。将来の財政負担のこと、維持管理費等につきましても、御指摘があった点、もっともな点も多々ございますけれども、第6次行財政改革大綱を踏まえ、計画から外れないような将来を見通した形で必要なことをやっていくということだと御理解いただきたいと思います。今やって、そのことがいろいろな形で反映して、それが活力につながって、次にまたつながっていくということがあります。それは別に市の仕事だけではなくて、いろいろな会社の運営でもそうですし、家庭の経済というか、そういう面でもあると思いますので、そのようなことで進めていると御理解いただきたい。 ○議長(五戸定博 君)山名議員 ◆15番(山名文世 君)ちょっと時間が押していますので簡単に済ませます。  臨時財政対策債の問題について、それなりの解釈というのはあろうかと思いますけれども、実際に国の財政事情によって6年間連続で全体の地方交付税が減ってきたというのは事実上あるわけですので、そういう意味では、国の財政状況によって影響を受けるでしょうということを言いたいわけでありまして、ここは言いっ放しにしておいて、終わりたいと思います。  次、お願いします。 ○議長(五戸定博 君)以上で発言事項1は終わります。  次に、発言事項2について答弁願います。福祉部長福祉部長(豊川寛一 君)発言事項2の(1)児童虐待の現状と今後の対応につきましては、お許しをいただきましたので、答弁は割愛させていただきます。 ○議長(五戸定博 君)教育長 ◎教育長(伊藤博章 君)私からは、児童及び高齢者虐待についての文部科学省の児童虐待に関する緊急点検についてお答え申し上げます。  平成31年2月14日付で、内閣府、文部科学省、厚生労働省から児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検の依頼を受け、現在、八戸市立小中学校において虐待のおそれがある児童生徒の有無等について確認を行っているところであります。学校における点検は、平成31年2月1日から2月14日の間に一度も登校していない児童生徒を対象としております。各学校では、対象児童生徒について、学校の教職員、教育委員会職員、その他関係機関のいずれかの職員等が面会をすることにより虐待のおそれの有無を確認し、3月8日までに市教育委員会に報告することとなっております。  また、市教育委員会では、本年度中の児童虐待の通告等に関して、保護者等から教育委員会に対して不当な要求をされた事案の有無についても報告することとなっております。加えて、事案がある場合は、関係各課、児童相談所及び警察との情報共有の有無についても報告することとなっております。現在、各学校において児童生徒の状況を点検、確認中でありますが、これまでのところ、緊急を要する重大な事案についての報告は受けておりません。  市教育委員会といたしましては、今後は、今回の点検結果につきまして、学校、関係各課、児童相談所及び警察等の関係機関と情報共有を図り、児童虐待の未然防止や早期発見、早期対応に向けた取り組みを一層強化してまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)福祉部長福祉部長(豊川寛一 君)(3)の高齢者虐待の対策についてお答え申し上げます。  近年、要介護高齢者の増加に伴い、高齢者に対する虐待の件数も増加しており、家庭内や施設内での虐待行為が大きな社会問題の1つとなっております。  当市における虐待の相談件数についてですが、平成29年度は51件、そのうち虐待と判断されたのが29件、また、平成30年度は1月末現在で41件、虐待と判断されたのが15件となっております。また、虐待の種別につきましては、平成29年度は、身体的虐待及び心理的虐待がそれぞれ25件、経済的虐待が5件、性的虐待が1件、平成30年度は1月末現在で、身体的虐待が10件、心理的虐待が8件、経済的虐待が1件、介護放棄が1件となっており、身体的虐待及び心理的虐待の割合が高くなっている状況にあります。  虐待の要因は、経済的理由や高齢者の認知症、精神疾患による言動、また、介護する側の認知症や介護に対する知識不足、長期にわたる介護ストレスや介護者の社会からの孤立など多岐にわたっております。また、虐待が行われるのは家庭内や施設内であるため、外部からは気づきにくいということ、虐待を自覚していないことが対応の困難さを招いており、特徴としては、虐待を受けている方の約8割が女性で、虐待を行っているのは同居している息子、夫、娘の順で大半を占めております。  高齢者虐待に対する当市の取り組みについては、地域包括支援センターや高齢者支援センターが高齢者虐待に関する相談対応を行っており、養護者の介護負担がある場合には、介護保険事業者等と連携し、デイサービスやホームヘルパー、ショートステイを利用することで負担軽減を図り、認知症等の症状が激しいときは医療機関への入院等を促すほか、経済的に困窮しているときには相談機関を紹介するなど、その状況に応じてさまざまな支援を行っております。  また、虐待により生命または身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは、高齢者を一時的に保護するため、迅速に特別養護老人ホーム等に入所させるなどの措置を講じているほか、高齢者支援センターでは24時間365日対応できる体制をとっております。  さらに、高齢者虐待を早期発見し、適切な支援、継続的な見守りを行うためには、医療、福祉関係者のみならず、市民全体の協力が必要であり、近隣住民から、どなり声や泣き声が聞こえる、服が汚れているなどの通報や情報提供があった場合には迅速に対応しているところであります。  これに加えて、市では、新聞、郵便、宅配などの民間事業者と地域の安心・安全見守り事業の協定を結び、多角的な視点からの見守りに努めております。また、高齢者虐待を防止するためには、介護鬱などが原因となって虐待をしてしまう介護者へのケアも不可欠であるため、近隣とのつき合いがなく、孤立している世帯に対しては、民生委員や町内会、地区社会福祉協議会、老人クラブ等の地域におけるさまざまな関係者との連携協力により、地域住民との関係性を築くことで虐待の発生を低減させるなど、未然防止のために多面的な支援体制を構築しているところであります。  さらには、養護者が認知症や介護について正しく理解することが重要であるため、研修会の開催やパンフレットの配布を行うなど意識向上を図っているほか、高齢者虐待の早期発見と早期対応を推進するため、弁護士会、社会福祉士会、警察署などの専門機関で構成される高齢者・障がい者虐待対策ケース会議を開催しております。  一方、施設における高齢者虐待の防止策としては、運営法人に対し、定期的な監査や立入検査、施設に対する集団指導等を通じて入居者の保護や適切な施設運営がなされるよう、虐待防止のための職員研修の実施や虐待を含む苦情解決のための委員会の設置、入居者及び施設職員が申告できる意見箱の設置などを促しております。  市では、高齢者虐待の防止、虐待を受けた高齢者の迅速かつ適切な保護及び養護者に対する適切な支援を行うため、今後も高齢者支援センターや医療、福祉関係者、地域住民と連携して支援体制を強化し、高齢者が尊厳を保持しながら、安心した生活を送ることができるよう支援してまいります。  以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)山名議員 ◆15番(山名文世 君)児童及び高齢者虐待について3点質問させていただきました。それぞれ一層努力をしていただきたいということで、要望で終わります。  以上です。 ○議長(五戸定博 君)以上で発言事項2は終わります。  次に、発言事項3について答弁願います。市長  〔市長小林眞君登壇〕 ◎市長(小林眞 君)私からは(3)の政治責任についてお答え申し上げます。  A棟につきましては、これまで水産庁に認めていただいた改善計画を達成すべく、関係者一丸となり取り組んでまいりましたが、この2年間の結果において目標を下回る結果となったことについては真摯に受けとめております。しかしながら、昨年6月には食品衛生法が改正され、全ての食品等事業者についてハサップに沿った衛生管理の実施が義務づけられるなど、考え方としては、A棟の高度な衛生管理の手法、目的と合致するものであり、方向性は間違っていなかったものと認識しております。衛生管理についての重要性はさらに増していく方向にあり、それに伴いA棟のニーズも高まっていくと考えられることから、これまでの取り組みを継続していくことが必要であります。  今後につきましては、震災の影響や漁模様の変化等、国に対して丁寧に説明していくとともに、より効果が得られる新たな改善策について国と協議を深めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。  〔市長小林眞君降壇〕 ○議長(五戸定博 君)農林水産部長
    農林水産部長(出河守康 君)私からは3、第三魚市場A棟についてのうち(1)と(2)についてお答え申し上げます。  まず、2018年度の稼働実績見込みについてお答え申し上げます。  昨年度の2017年度については、大中型まき網漁業によるサバの水揚げ数量は4万660トン、そのうちA棟での水揚げ数量は2305トン、5.7%の割合となっており、計画数量3万1200トンに対しては7.4%となっております。  次に、2018年度のサバの水揚げ数量は、2月末現在で3万7540トン、そのうちA棟での水揚げ数量は1540トン、4.1%の割合となっており、計画数量3万1200トンに対しましては4.9%となっております。  今漁期はサバの最盛期である11月中旬まで極端な不漁、漁期終盤における数日間での大量水揚げ、また、イワシの水揚げ数量がサバを上回るなど例年にない漁模様であったことから、A棟での水揚げ数量は昨年度を下回る見込みとなっております。  次に、改善計画に係る達成対策についてお答え申し上げます。  A棟は、供用開始以降、東日本大震災の影響もあり、稼働状況は当初の想定どおりとはならず、平成29年度から平成31年度までの3年間を改善計画期間として水産庁から認めていただいたところであり、今年度で2年目が終了するものであります。これまで、対象漁船の拡大、スカイタンクの貸し出し、作業スタッフの配置による受け入れ態勢の強化に取り組んでまいりました。その結果、新規に利用した漁船もあり、利用している漁船からは、水揚げ時間の短縮、乗組員の労力の軽減などA棟のよさを認識していただいており、一定の評価を受けております。また、県外の船主への訪問や食品展示会等においてA棟の優位性のPRに取り組んでいるところであります。  私からは以上でございます。 ○議長(五戸定博 君)山名議員 ◆15番(山名文世 君)ありがとうございます。何点か再質問したいと思います。  まず、これまでの経緯の中で、市長答弁を振り返りますと、水産八戸青年懇話会あるいは八戸商工会議所から、漁獲が減っている、3カ所の荷さばき所を1カ所にすべきでないかという提言を受けたということでありますけれども、水産八戸青年懇話会は生産、流通、加工分野の職員で構成をされているということで、漁船の持ち主ではない方々ではないのではないかと推察をいたします。また、八戸商工会議所の方々、水産関係にどれぐらい詳しい方がいるのかわかりませんけれども、現状の荷さばき所3つを1カ所にすべきでないかというのは甚だとんでもない提言ではなかろうかと思っています。そうであれば第二魚市場は要らない、第一魚市場も要らないということになります。漁船は、順番に来てくれればいいけれども、一気に入ってきます。荷さばき所A棟では時間がかかり過ぎるからということで、第一魚市場に行ってしまうということがあるのにもかかわらず、一気に1つの魚市場に集まってしまったら、とてもとてもさばき切れないというのはもう当然だと思いますけれども、これをそもそもA棟の建設の理由に挙げているというのはおかしな話だと思っています。  もう1つ、水産庁からも協議、指導をもらった、最先端の施設、北欧、ノルウェーの例を挙げていますので視察してきたのではないかと思いますけれども、このままでは漁獲が減ってしまう、漁船も減る。よって、国が推奨する改革型の船に集約していかなければ今後の水産の未来はないと判断したとありますけれども、どれぐらいの船主が改革型の船に何億円もかけてできるのかというのが1つあります。国が全部補助金を出してくれればいいけれども、まさかそんなわけにいかないということで、それができないから現状に至っているわけですので、そもそもこれらの提言がA棟を設置する根拠になるのかというのが不思議でしようがないわけです。  もう1つ、それだけのさまざまな期間、会議を経てやってきたのであれば、何で漁業関係者が多く反対しているのかということが不思議なのですけれども、そこについての理由をどのように考えているのか、伺いたいと思っています。  また、当初、いずれ今のような状態になってしまうとさまざまな理由を挙げて言った人がいますけれども、指摘を受けたという認識がありますか。私は指摘をした人から聞いていますけれども、市長はそういう認識があるのかどうか。聞いているのであれば、それらを振り切ってA棟の着工に踏み切ったということになりますので、そこに対してもやはりかなり無理があったのだろうと思うわけです。それこそさまざまなリスクを冒しても、チャレンジングな投資をして、漁獲を上げていくのだというようなことに踏み切ったわけですので、そもそもそういった責任というのは市長に当然あろうかと思っています。  先ほどの御答弁ではハサップ、衛生の関係上、そういった位置づけでEU関係の衛生を備えていく方向性は間違っていなかったと。方向性は間違っていなかったけれども、採算が全く合わないで、税金を垂れ流していることについては全く触れていないわけで、それもおかしな話だと思います。方向性が間違っていなくて、うまくいったのであれば、いやいや、立派なものだと言えると思いますけれども、そうでないことについて、まずお答えをいただきたいと思います。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)山名議員のただいまの再質問にお答えを申し上げます。  まず、A棟、3つの魚市場を統合して、1カ所にするということと、それから、その中に衛生管理の行き届いたEU・ハサップ対応の魚市場、第一魚市場からA棟に移管するということについて、水産八戸青年懇話会、それから、商工会議所の提言を踏まえたということ。それから、水産庁の強力な後押し、事業の推進についての支援があったというようなことを建設の理由にしているがということでございます。  提言があったけれども、本当にそれが正しかったのかということでございますけれども、日本の水産業は大変厳しい状況の中で、国際的な環境の中で水産業の今後のあり方について、ただいま提言あった皆さんを初め、漁業者の皆さんもそうです。いろいろなお話を伺って、そして水産庁としても大きく方針を打ち出した中で、八戸市がそのモデルとなるのだというようなことで取り組んだということでありますので、最初に事業着手した段階での方向性などについては、そのようなことだということで御理解いただきたいと思います。  それから、事業着手の段階でさまざまな指摘があったということであります。確かに実際に事業化する段階でいろいろな議論を、議会でも議論をいただいたのはそのとおりでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、日本の水産業を八戸から変えていくというような国の指導も踏まえた形で事業着手をしたということで御理解いただきたいと思います。 ○議長(五戸定博 君)山名議員 ◆15番(山名文世 君)何でA棟着工に踏み切ったのかという疑問がいろいろあるわけですけれども、過去の年間水揚げ額、1982年の933億4000万円が最高だった。近年は1990年の686億2000万円が最も高かった。その後、500億円台、400億円台で、2012年には186億円ということですので、最盛期から747億円も減り続けているのにもかかわらず、どん底の2011年にA棟を着工し始めたということは、魚がとれないというのはもうわかりつつやっているわけです。しかも、EU対応による漁船の改修は、一部の船を除いて不可能だというのをわかりつつ、やっているという疑問が非常にあります。  もう1つ、2018年度の包括外部監査結果でも指摘を受けていました。これはその結果の抜粋でありますけれども、2017年度におけるA棟の取扱量は2305トンにとどまっており、第一から第三魚市場全体10万1976トンの2.3%にすぎない。取扱金額に至っては2017年度において1億4642万円にとどまっており、全体の202億1793万円の0.7%である。これは我々の一定の指摘の中にも含まれている表現でありますけれども、土地を省いて、この結果の中に現状対応できる漁船、工場や流通設備が少ないことによるものだと。その背景には、漁船等に対EU輸出基準レベルの衛生管理を行うよう投資を行ったとしても、その投資を回収できるような商品価値を付す販路が確立できていないことがある。いずれにしても、市場設置者として、このような高コストの施設を設置した以上、今後、稼働率を上げるべく、より高い商品価値を付すような事業者の誘致等を図るとともに、一般の漁業者の利用等も含めて種々の利用促進策を検討し、実施する必要があるという指摘を受けています。まさにそのとおりだと思います。  稼働を上げるための対策はさまざまやっているけれども、思うようにいかない。そうであればどうするかの話です。この包括外部監査結果でも。そうであれば、A棟を普通の荷さばき所に改修する、あるいは閉鎖して、経費をこれ以上垂れ流さないということについてどう考えるかということで、この包括外部監査結果の認識をどのように捉えているかということ。それと、A棟を閉鎖する、あるいは一般的な荷さばき所に変更していくという考え方についてお答えいただきたいと思います。 ○議長(五戸定博 君)市長 ◎市長(小林眞 君)今、山名議員から御指摘ありました包括外部監査結果報告書については、私もしっかりと読ませていただいております。いわゆる監査という視点から見て、全く正当な御意見であると受けとめています。稼働率をしっかり高めた上で、商品価値を高めるような努力をしなければならないということです。今、山名議員から御指摘あったように、A棟について今後どうしていくかということを抜本的に検討すべきだという御意見も重く受けとめさせていただきます。  壇上でお話し申し上げましたように、国等に対しまして、今後、A棟の困難な状況については十分御理解いただいておりますので、どのような形をとっていくか、しっかりと相談をしながら、今後の具体的な方向性を出していきたいと考えております。 ○議長(五戸定博 君)以上で15番山名文世議員の質問を終わります。  これをもって本日の日程は全部終了いたしました。  明日も午前10時に会議を開きます。  ────────────────────   散 会 ○議長(五戸定博 君)本日はこれにて散会いたします。   午後4時15分 散会...